沢のアウェー初挑戦は シレイ沢から観音岳へ!
- GPS
- 28:34
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 2,366m
- 下り
- 2,513m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 7:06
- 山行
- 7:11
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 8:00
入渓
■稜線(0.45)観音岳(0.30)薬師岳(1.10)南御室小屋(3.0)夜叉神峠(タクシー)芦安
天候 | 1日目:晴れときどき曇り 2日目:曇りときどき晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
遡行グレードは2級〜2級上 ルートの目印になるものは一切ありません。とはいえ、あまり迷う要素はないですが。 ロープは必携かと思います。高巻きも相当な斜度がある場所を通過する事が多く、一歩間違えると致命的な箇所は多く危ないと思いました。 以下写真 stk Nikon D70 SIGMA 10-20mm F/4-5.6G EX DC HSM t-kinjou Nikon1 J1 |
写真
感想
かなり突然今回の沢いきを決めた。計画自体はyoshi629さんにアタックOKの話しを聞いてから入れていたが、土日両方休める確証もなく日々の疲弊状況から半ばあきらめていた。だが、各地の紅葉の具合や他の人のヤマレコを見て「無理してでもいくか〜」とt-kinjouに話しを持ちかける事に。数日前は「多分無理」と宣言していた自分だが声をかけたら「いきますか〜」(笑)という返事。 結構忙しいt-kinjouだが、休みはいい頻度で頑張って山にいっている。それに比べ自分はというと、、なんと今年12回しか山にいってない!しかも泊まりがたったの3回。1月の権現、2月の真教寺尾根、そしてこの前の金峰。。去年の年間27回は、まあ相当頑張った方だからそれには及ばなくとも、、なんともさびしい数字だ。アルプスの稜線に立ったのも、去年の年末の霞沢岳までさかのぼるではないか。。そんな状況でもあり今回は自分に「激しい」ムチを打っていくことにしたのだ。
金曜の夜、早く帰って支度しよ〜、、とおもっていたが、家に着くと12時。大急ぎで沢装備を整える。6時海老名集合なのでかなりきつい。
2時間くらい寝て目覚ましに起される最悪の朝だ。しかも高尾山I.C.までの道も混み、テンションは上がらない。。甲府昭和で降りた後は眠気のあまりコンビニに停めて仮眠。こんなんで遡行難度の高いシレイ沢登れんのか??そんな感じであった。だがちょいと休んで芦安に着き、装備の準備をしていると自然とテンションも上がってくる。周りにバットレス行きのパーティーとかいて、聞こえてくる会話とかからも冒険に出かける同士?のように勝手に思え、ひとりでテンションがあがっていった(笑)
と、まぁ最近の自分の登山にいけない状況をグチグチと書きましたが、あとは沢ですね。簡略化して書きます(笑)
タクシーのめぐり合わせが悪く芦安をほぼ11時頃に出発。広河原手前のシレイ橋で下ろしてもらう。同じタクシーにシレイ沢を登る2人組の若手がいてうちらより5分ほど早く入渓していった。自分たちは結局スタートが12時を過ぎた。
・ヌメりに注意
シレイ橋上部の堰堤工事は終わったようで、人工物は堰堤以外はない。早速沢登りとなるが、あまりのヌメりに驚いた。ガバでないとなかなか体重かけられないです。怖くて。花崗岩を多くなる中盤以降はヌメりは減るが、ちょっと苦手です。
・初の大高巻き
シレイ沢は、ひたすら滝が続きます。どのくらいって、、最後は「もう滝飽きたよ。。」って沢屋がいうには身もふたもない感想が出てしまうくらい(笑)。丹沢しか知らない我々が驚いたのは大高巻きだ。これは、、相当危ない。なにしろ味わったことのない斜度が普通に続く。何度もロープを出しました。沢に戻るのに空中懸垂が必要な場所もありました。
・ロケーションのよさ
丹沢と違って、時折見える背景には素晴らしいものがある。なんといっても白峰三山が見えるのが素晴らしい!特に登っていてふと後ろを見たときに北岳が目に入ったときはちょっと感動しました。まぁ見える山は、間ノ岳と農鳥くらいだけど全て名峰ですから癒されます。
・F21
シレイ沢を代表するF21。これは一見の価値あります。流れで磨かれて滑らかな花崗岩を滑り落ちる流れ。シレイ沢を代表する滝というだけありました。ただ、高巻きを間違ったりして時間を食っていた我々は、この滝を巻く途中でつるべ落としに合い、暗闇での高所トラバースという味わいたくない経験をしました。この滝はガイドブックでは左岸を巻くよう書いてますが、ヤマレコ記録では右岸を巻くと楽との情報もあります。
・ナイト沢登り
疲弊している2人がいくにはレベルが高過ぎたか。。予定していた幕営地に辿り着く前に真っ暗になってしまった。F21の高巻き後、少し進むと焚き火の匂いがしてきた。先行パーティーがやっているに違いない。もうすぐゆったりできる!と思い進んでいくと、案の定焚き火の火が見えてきた。一言二言かわし、我々はもうちょい進むことに。予定では二俣の後の水量が減った後の幕営地。ここが目標だ。二俣はすぐに現れ右に進む。すぐに滝で、当然巻くことになる。ただ、、ナイト沢登りはやっぱり危ない。。もうこんなのは危ないから止めよう、という事でその後の滝は登らない方針にした。結局幕営地はF23のまん前という事になった。
・焚き火したかった。。
本来は、こんな場所幕営地にはしないだろう。という場所でのテント泊だ。普通、沢では増水を避けるため水が流れる場所から距離と高さを取って場所を決める。とはいえ雨の確率は限りなく0に近いので、ここに決定。テントを張る場所はかなり時間を要して決めた。脇がすぐ水が流れるような場所で、ずり落ちたら水に浸かるような場所(笑) スペースが狭いので、丸太で橋を架けるようにして拡張。なんとか二人寝られるスペースを確保した。
この頃気温は3度。かなりの冷え込みで焚き火をしたかったが、滝に近すぎて全てが湿っており、固形燃料等の補助がないと火を起すのは厳しい状況。断念した。15mくらいの滝のそばなので、ザ〜〜っと大雨のような音の中で寝たがあまりそれは気にならなかった。
・涸棚から詰上げへ
翌日。寒い。。濡れた沢靴を履くのは、冬山で冷たい登山靴に足を通すように決意がいる行為となる。そして朝っぱらからF23のきつい高巻きが始まる。心臓がでんぐりがえるよ、、まったく。
このあたりからは水量が一気に減りいよいよ源頭が近いことを予感させる。水がなくなると涸棚が多くなる。これはこれで結構楽しいが、花崗岩がもろくなっている箇所もあるので、体重をかける際は要注意だ。詰上げは、岩場のまきから始まった。先行していたはずのパーティーがロープを使って上がりきったタイミングに出くわした。正直疲れていて、もう巻くか〜。とここから樹林帯の詰上げが始まる。ただ、、ここの巻きはかつてない急峻さ。シレイ沢自体、かなり急峻な沢だが、ここの巻きは今回の核心。途中まで確保なしでいったが、途中たまらずロープを出し3ピッチほど。落ち着いたタイミングで登山靴に履き替え稜線を目指した。
・急峻な詰上げからザレを経てついに。。
鳳凰三山にくるのは3回目だ。北、南から冬に1度ずつきたものの両方撤退しており観音岳のみを残していた。ヤマレコは観音岳が鳳凰山制覇のポイントとなっているので、百名山として鳳凰三山は制覇出来ていない事になっている。別に百名山にはそれほど興味ないが、この一つだけ残していたのが気がかりではあった。これを一般ルートではなく、シレイ沢からダイレクトに制してやろう、というのも今回の沢登りの目的の一つではあった。
急峻な樹林帯のバリエーションを進む事どれくらいだろうか。。左側に白い斜面が見えてきた。すぐ後に稜線も見える!これがほぼ観音岳であった。テンションがあがり進路を左に切る(本当は、樹林帯を詰めたほうが楽です。白い部分はザレで、登るのに苦労します)。景色は最高で走るように登っていった。後ろには白峰三山。左に観音岳。久々のアルプス稜線は、やっぱり高山の稜線はいいな〜と思わせるに十分な魅力を備えていた気がする。ザックをデポして、観音岳へ。
・初の観音岳へ
観音岳を制覇。頂上には7人ほどだろうか。みな景色を見入っていた。頂上からは地蔵ヶ岳のオベリスクや甲斐駒、仙丈ケ岳の眺めが素晴らしい。北岳方面もよいが、日が上がりすぎて写真を撮るには彩度が落ちていた感じだ。ソロの人に写真を撮ってもらい、すぐさま薬師岳方面へ戻る。富士山も見えて稜線の素晴らしさを満喫した。
・まとめ
下山はt-kinjouが異常なスピードを発揮し、無理矢理バスに間に合わせた(登りのホキ気味だった頃とは別人w)。夜叉神でソフトクリームを食べて締め。
シレイ沢は評判通り、滝滝滝!の沢でした。大高巻きは初めての経験だが、ロープワーク含め基本スキルの重要性を再確認させられるものだった。基本的には、ロープさえ使えば安全。ただ、ずっとそれをしていると時間がなくなるので、使うかどうかの見極めが大切な気がします。
・・・ただ、ブランク空けに行くには厳しすぎる沢です。今時点(水曜未明)時点で上半身かなりの筋肉痛ですw
シレイ沢の大きな谷は、ロングルートで遡行グレードも高いうえ、
もう冬も近く、水温も低いこの季節でのチャレンジです。
計画段階から無理な登攀を避け、時間架かっても登りきることを
目標としていました。
で。結局12時に入渓し、稜線に詰め上げたのは翌日の12時過ぎ。
途中で幕営もしていますが、高巻きや詰め上げに予想外に時間がかかり
稜線に出るまで非常に長い沢登りとなりました。
今まで、沢には日帰りが基本でしたが
幕営装備を背負っての1泊2日山行。この重さが登攀でも詰め上げでも
重くのし掛かってきて、時間を掛ける要因になってきました。
装備については、見直し余地は十分にあるかと思います。。
・・できれば、次回は緩めのルートで締めたいところですが
どうでしょうか。。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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stkさん、t-kinjouさん、こんばんは。
シレイ沢を楽しんできたようですね。
滝のみで構成されていると言っても過言ではないような
沢だったと思います。
記録では大高巻きとか空中懸垂とかありましたが、大変
だったようですね。 上手くルートを見切ると、特にロ
ープを出すことも無く小さく巻いたり出来ますよ。
そこら辺も慣れですね。
いよいよ来シーズンは上越へ行きましょう
ホント、飽きるほどの滝がありましたね^
高巻きは失敗が多かったです。すんなりいけた箇所もあるのですが、2,3箇所で大失敗。相当時間をロスしてしまいました。高巻きスキルを早く磨きたいです(笑)
それにしても、、我々はテント装備ってのがあったにせよ1泊でなんとか下山。yoshiさんの日帰りってのを見て驚きですよ〜!
時間をかければ登れる滝も全て登っていては、時間切れ
ということになるので、巻きも含めたスピーディーな遡
行というのも重要になります。
上越の方は手の付けられない滝ってのも多いので、いか
に速く安全に巻くかというのがポイントです。
そのためのルーファイ・目利きを養わなければなりませ
ん。
登攀技術だけでは遡行できないことがありますが、登攀
技術が未熟でも巻きの技術があれば遡行できる。そんな
のが沢です。
クライマーさんからすると巻きは容認出来にくいものか
も知れませんが、岩とは、その点が違うところですね。
丹沢日帰りレベルの沢だとルートも短いので、時間をかけて確保しての攻略が普通になりますが、シレイ沢とかまじめに登攀してたらいつ終わるかわかりませんものね。というか腕力が尽きますね(笑)
今回は寒いので、確保しての滝登りはしませんでしたが、なにしろ慣れてない巻きの洗礼を受けた感じです。経験あるのみですかね
景色が違いますね〜!
滝も一段と大きいように思ったのは気のせいでしょうか。
あ、感動したので先に感想が。。
stkさん、t-kinjouさん、こんにちわ。
最近忙しかったりPC不調だったりで、すっかりご無沙汰してます。
読み進んでいると、テント泊だったんですね!
沢登では初めてでは!?って思ったらやっぱり初めてだったんですね。
しかもすごい所に。。。笑。
でも、それだけルートも長いし登りごたえあって楽しそう。
どこを登っているかわからずに読んでいたんですが、
なんと観音岳だったんですね!
最後だけ見慣れた風景になってなんだかおもしろかったです
7番目の写真、かっこいいですね
あと、高巻で登る斜度、確かにすごすぎです
ちょっと無理をして3級の沢にチャレンジでした。
シレイ沢は、滝はしばらく見なくていいかな(笑)っていうくらい滝の連続でしたね。
ロングルートの沢は初めてでしたが、かなり「冒険してる」って感じがあって苦労もありましたが充実してました。
そうそう、実は未踏だったんですよ、観音岳。去年行かれてましたよね^ 初アタックからなにげに4年も経っての制覇でしたw
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