金峰山 荒川から遡行


- GPS
- 30:00
- 距離
- 28.5km
- 登り
- 2,144m
- 下り
- 2,339m
コースタイム
富士見平小屋(7:00)~鷹見岩~富士見平小屋(8:30-9:00)瑞牆山荘(9:30)増富温泉(12:30-13:17)韮崎駅(14:15)
http://www.kyohoku.jp/modules/pico/index.php?content_id=5
天候 | 初日快晴 二日目晴れときどき曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
帰りは増富温泉からバス |
写真
感想
金峰山を往年の正面ルートから登りたい。住んで居る町を流れる荒川の源流だ。本当は家から歩きたい所だけど、最終集落黒平(くろべら)から入渓する。大きな堰堤で水が溜まっていたので少し上流の支流から沢へ。堰堤の上の水溜りの岸の砂はコチコチに凍り付いていた。寒くて渡渉を躊躇するが、まず右岸にわたる。中流部の水量はかなり多くてそう頻繁に渡れない。それより寒くて駄目だ。足はスパイク地下足袋とネオプレンソックス。気温は0度前後のよう。
基本的に右岸を進み岩が迫れば高まくと、踏み跡がある。踏み跡は、見える人には見えるというか、当てにしないとあるという感じ。
紅葉は盛りで、もちろん誰もいないこの谷を独り占めだ。右岸の段丘には平らな広葉樹林帯が続いていて、ヤブもなくまるで公園の様に歩き易い。
踏み跡を辿ったり沢近くに降りたりを繰り返したが、コンタ1400付近で、上の林道から南に伸びる尾根に自然に乗ってしまい、沢を覗くと崖で降りづらかったのでそのまま尾根をあがり、上を走る林道に乗ってしまった。本当は沢伝いに乙女鉱山跡を見学したかったのだが、この尾根上林道はかなり歩き易く、ゴロ石も無く落ち葉の絨毯のような歩き心地にひかれ、つい御室ミコノ沢林道終点まで。ここからそのまま沢を登り、水晶峠への夏道に合流する。この道は金峰山で最も人気のないルートらしいのだが、どなたかがピンクテープを付けてくれているので迷ってもすぐに戻れる。伝統的な、古来からの登頂ルートだ。里から見上げ、五丈岩目がけ直登する、山を最も敬う事のできるルート取りだ。
つぶれてしまった御室小屋を過ぎて、尾根の道をひた登る。鎖場、一枚岩と結構な修験道ルートだ。傾斜が急だからすぐに高度が上がる。こういうルートはとても好きだ。全く人に会わない。
五丈岩の根元に登り着くとさすが名峰、人がたくさんいた。大弛峠への帰路なら今からでも十分なのだそうだ。午後2時半、ずっと時間を気にして登って来たが、きょう増富に降りるともうバスもない。家に電話して、小屋に泊まって帰ると連絡する。金峰山西面の琵琶窪沢を下降する予定だったが、地形図で見ると谷の細くなる辺りでちょうど日が暮れそうなので、登山道を下る事に変更する。展望は遠く谷川連峰や頸城の山塊までよく見える。
金峰山小屋は混んでいそうだったので、下に降りる。大仏小屋は無人でよく片付いていたけど、寂しいので富士見平を目指す。まだ少し明るい。
暗くなり、そろそろ頭ランプを出そうかという頃、富士見平小屋の窓のなかの灯油ランプの灯りが見えた。遅くなったけど泊めてくれた。お客は7人。
晩ご飯もたまたまキャンセル客がいて余りあって、鹿肉ソーセージとキノコのうまい汁が出た。
ご主人とは、荒れた小屋をなんとか治す話、初代の小屋主人の頃の話、鷹見岩ルート開拓の話、ミャンマー人民戦線と軍事顧問の話、中学生冬山登山で三日停学の話、武田金山の話、加賀美一族と分家の小笠原、南部家の話、相川と金鉱山の話、小尾という地名・・・。
ランプの灯りはとてもいい。自宅でもこれで行こうか。
翌朝は増富の風呂が10時開店で、時間もあるので朝、鷹見岩を往復した。飯森山の南にある三角点2092だ。ご主人お勧めの通り、隠れたお気に入りの場所だ。宿で一緒だった若くて仲のよい二人連れと一緒になった。昨日より天気は下り気味で、風が強かった。ご主人の話通り金の山、小川山のミズカキ(柵)として、瑞牆山がそびえている。
小屋に戻ってボブマーリーコーヒーをいただいて下山。増富温泉まではバスや車道歩きもつまらないので、ご主人に教わった、武田信玄の金山由来の、尾根越え道を行ってみた。僕の20年前の五万分の一地形図には印があるが、最近はだれも歩いていないから、もう廃れて駄目かもよという話だった。
金山集落から峠を越えて行く旧道は標高520mのコルを越えその西の細い尾根をたどる。しかし地図にはない送電塔補修用と思われる林道がこのコルから同コンタで夏道記号から離れて行く。夏道は不明瞭で発見できず、そのまま送電塔補修林道に連れられて行くが、尾根の向こう側まで廻った末にちょん切れていた(帰ってネットで最新地形図見るとそのちょん切れ林道は記されていた)。その先の踏み跡を辿り不明瞭ながら、西に延びる細尾根から北の小沢へ降りて増富温泉の車道に合流する1キロくらい手前までは勝手に歩いた。ヤブは少なくなんとかなるけど、真剣な読図は必要。最後に水道施設から古い金泉閣という二階建て倒壊寸前の休館の裏から小道に出て増富温泉へ。旧道探しで3時間、時間を使った。
富士見平小屋で増富湯という大きな共同浴場の割引券をもらっていたので其処へ言って入浴。あれこれ湯船があってちょっと平成っぽい。温泉街にはもっと古くさい湯がありそうな予感がする。バスまで30分しかなかったけどサッパリして出たら、御縁のある二人組もいた。バス一時間ほどで1300圓。ほとんど登山者とザックで満載。韮崎駅には妻が迎えに来てくれた。韮崎→甲府って車だと凄く近いんだ。
金峰山には、出来うる限り敬意ある登り方が出来たと思うよ。予定になかったけど、小屋泊まりもたのしかった。
コメント
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すごいコースで歩かれましたね。
この時期、沢歩きも冷たいでしょうし、まさに「延々荒川源流」で長い距離を歩かれて。
ついでに増富では私も全然知らなかった峠越え道ですか。
旅館の廃墟もなかなか風情もありますね。
ところで「増富の湯」はとても「共同浴場」などと呼ぶような乙な代物ではなく、観光日帰り施設です。建てられたのもまさに平成になってからと新しい。
増富で一番老舗で「古くさい湯」なのは「不老閣」じゃないでしょうか。
ここの岩風呂はたしか増富温泉の源泉みたいなので、加熱無しの30度くらいの冷泉。お年寄りの湯治場として地元で親しまれてきた湯です。
機会があれば、そちらもお試し下さい。
http://www.furoukaku.jp/onsen.php
パソコムさん
帰りの峠道など、やはり地元で古くから登っている人(山小屋のご主人)に聞かなくては行きませんでした。金山から増富へは、車の無い昔は、本流沿いよりも山越えのほうが楽だったということでしょう。そういう地元の様々な話を聞く機会として、すいてる日に山小屋に泊まるとおもしろいですね。
この道は僕の30年前の地形図にはあったので行ってみたのですが、林道が一部ダブって出来ていて、すごく混乱しました。地図も古いのがいいのか新しいのがいいのか。両方見ていけば確実ですが、ここはもともと予定外の下山路だったのでした。
温泉、どうも平成建築のは僕も好きでありません。次回また増冨温泉下山の計画を作って不老閣狙ってみます。不老閣の前、通りましたよ。
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