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Yamareco

記録ID: 2421713
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
道北・利尻

北海道 利尻山・旭岳

1996年08月09日(金) ~ 1996年08月16日(金)
 - 拍手
GPS
176:00
距離
22.3km
登り
2,003m
下り
1,993m

コースタイム

8月9日 上田17:00==20:30新潟港23:50〜
8月10日 〜17:20小樽港==24:00稚内
8月11日 稚内〜7:30鴛泊9:20--11:00キャンプ場14:00--15:00ポン山--16:00キャンプ場
8月12日 キャンプ場4:05--4:45展望台--7:25小屋--8:50利尻山--12:30キャンプ場
8月13日 キャンプ場6:00--7:00鴛泊9:50〜11:30稚内==12:30宗谷岬==18:00旭岳温泉
8月14日 旭岳温泉5:30--9:00旭岳--11:00旭岳温泉
8月15日 旭岳温泉4:00==9:00羊蹄山登山口--10:00半月湖==12:00小樽港20:50〜
8月16日 〜16:00新潟港==20:00上田
天候 晴れ
アクセス
利用交通機関:
自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
北海道遠征の食事風景
1
北海道遠征の食事風景

感想

以下、motto-yamaさんの紀行文

第1日(8月9日)
 トウトクの退社時間とともに上田を出発、午後9時前には新潟港に到着。高速道路を利用したとはいえ、さすがは若尾さんのレガシイGTは速い。9:30に乗船を開始、我々が乗るのは2等和室で、他の乗客らとざこ寝をする。他の乗客の視線を気にすることなく、船室に入るとすぐにビールとつまみを開いて宴会を始める。11:50ほぼ定刻にフェリーは小樽へ向けて出航し、まもなく我々は眠りにつく。ディーゼルエンジンの音と振動が船室に響きわたるのですぐには眠りにつけなかった。

第2日(8月10日)
 朝食の準備完了の放送とともに我々は目を覚ます。そして、若尾さんの単独行動も絶好調であった。
その1、朝・・・
*「若尾さん、朝めしに行きましょう。」
若尾「ん、もう食ってきちゃった。」
*「・ ・ ・ ・。 」
その2、小樽到着直前・・・
*「若尾さん、もうすぐ到着なのにどこへ行ってたんですか?」
若尾「フェリーが接岸するところを見てきた。」
とまあ、こんな具合であった。
そしてほぼ定刻に小樽に到着し、札樽自動車道一道央自動車道を北に向けて走る。旭川の手前、米山SAで夕飯を済ます。北海道上陸後最初の食事、味噌ラーメンがうまかった。時刻はすでに7時を過ぎていた。上田では花火大会が行われている頃であろう。旭川付近で一泊かと思っていると、なんと、今夜のうちに稚内に着いてしまおうとのこと。そしてひたすら北へ向かう。旭川インターを出たあとは漆黒の闇の中をレガシイを走らせる。深夜O時には稚内に到着、フェリーターミナル近くの公園にテントを張る。近くの防波堤には、バイクでツーリングに来た若者らのテントがいくつも張ってあった。明日以降の食料の準備を済ませると我々も眠りにつく。

第3日(8月11日)
 この日は曇り空ではあったがすぐに天気がぐずつくようではなかった。朝一番発の利尻島:鴛泊行きのフェリーに乗り込む。乗り込むなり、皆ゴロ寝をはじめる。私はデッキに上がってフェリーからの景色をしばらく堪能する。7:30に稚内を出港、それから30分位経つたであろうがノシャップ岬の向こうに目指す利尻島が見えてくる。所々に雲がかかってはいたが”利尻富士”と呼ばれるにふさわしい円錐状の利尻山の姿がはっきり見える。また右舷の遥か遠方には礼文島も見ることができた。約1時間40分の船旅を終えて利尻島に到着、鴛泊町内で食料、酒を買い揃える。11:00に鴛泊を出発、1時間後にベースキャップ地に到着。ここケビン・キャンプ場は、利尻山の3合目に位置し、近くには甘露泉と呼ばれる湧き水があり、洗い場、電話、駐車場等が完備されてツーリング客らでにぎわっていた(しかもただでテントが張れて、管理人さんが親切であった)。さすがは日本最北の地、暑いことはない。ただ少々ムシムシする。
 また、ここから南東へ少し行ったところにポン山という丘のような山があるが、午後はそこへ行ってみることにする。1時間ほどで山頂に到着。ここからは空港や礼文島、北海道本土を望むことができた。利尻山はどうかと言うと見事に雲の中であった。しかし、ほんの5分ほどの間、雲が退いたかと思うと、利尻山頂を見ることができた。それでも所々に雲がかかっていたが青々とした緑とのコントラストを成している様子がとてもきれいであった。山岳写真展でおなじみの岡村さんはたまたま手ぶらで来てしまったことを後悔したほどだ。
 キャンプ地に着くと、夕飯の準備に取りかかる。ラジオの天気予報では翌日は「曇り時々雨」。一同ブルーになりながらも、翌日以降の計画について話をしながら、焼き肉とドライサーモンを肴にビールをあける。

第4日(8月12日)
 朝3時に起床、まだ薄暗いのでヘッドランプの明かりの下で朝食を済ます。4時頃キャンプ地を出発、この頃に待ってましたとばかりに雨が降り出す。 しかし雨は弱く、視界はそれほど悪くはなかった。1時間ほどで5合目の展望台に到着、この時点ではすでに雨が上がっていた。山頂は雲の中ではあるが、礼文島まで望むことができるほど視界は良かった。このあたりはまだ1000mには達していないが、周囲にはハイマツが一面に生えていた。雨に濡れて青々としたハイマツとその上を流れる白いガスとのコントラストが良い。これから先はハイマツの中の一本道を登る。ハイマツの間に高山植物が花を咲かせているが、北アルプスなどでは見られない珍しい花も多く咲いていた。
 8合目付近の山小屋に到着。小屋とは言え、10人も泊まれそうにないほど小さく、テントが張れそうな所もない。最初の予定ではここに泊まるのであったが、変更しておいて良かったとつくづく思う。9合目からは正念場となる(看板にも書いてあった)。ここまでのなだらかな登山道とは違い、急な斜面でざらついた登山道をロープを頼りに慎重に登る。山頂に近づくにつれてかつて火山であったことを思い起こすような複雑な地形となる。
 キャンプ地から4時間ほどで山頂(北峰)に到着。曇り空ではあったが360度の展望を楽しむことができた。東には北海道本土、北西には礼文島が見え、南には利尻の南峰とろう岩がそびえ立っていた。山頂のすぐ下にはガスが漂うところがあり、複雑な地形と高山植物の緑色とが相まって幻想的な風景を作り出している。そんな展望をしばらく堪能したいところではあるが、風が吹いて寒くなってきたので、やむなく早々に降りることにする。 
 降りる途中で登山道をシマリスがちょろちょろと走り回る。そういえば鴛泊町内の街灯にシマリスのマスコットがあったが、このような小動物も数多く見ることができた。8合目の下あたりからガスが出てきて視界が急に悪くなった。また湿度が高い状態で、私はもうバテバテであった。やっとのことでキャンプ地に戻る。そしてそうめんで胃袋を満たす。もう最高!午後は雨と汗でぐっしょりになったTシャツを乾かしながら昼寝、今日の山行の疲れを癒す。

第5日(8月13日)
 この日は移動日となる。朝7時に鴛泊に戻るが、朝一番のフェリーは9:40と出港までかなりの時間がある。若尾さんと私は、港近くのペシ岬まで行く。そこは丘になっていて港を見下ろすことができる。近くには灯台があったり、カモメが飛んだりでしばらく写真撮影に興ずる。下に戻るとウニ丼で舌つづみを打ち、おみやげを買う。10時少し前、予定より遅れて鴛泊港を出港する。カモメが何十羽もフェリーについてくるが、乗客の中には面白がって餌を与える人もいる。ついてくるカモメはそのことを知っているかのようだ。フェリーからは利尻山の山頂が雲の間にかろうじて見えているが、だんだんと遠ざかって行くところが名残惜しい。
 フェリーを下りると今度は大雪山を目指して宗谷岬経由で南下する(宗谷岬は人混みがものすごく、曇っていて展望があまり良くないので通過のみとなる)。旭川あたりまでは、広大な牧場があちらこちらに広がっていかにも北海道という景色であるが、それより南ではきれいに区画された水田が広がり、本州での風景とそれほど変わりがなくなる。
 夕方には旭岳温泉のキャンプ場に到着。 さあ温泉だ!と入浴できる宿を探したところ、外来入浴を制限しているところが多い。下水道の整備が不十分なせいもあるようだが、信州のように外来でも歓迎の温泉宿に慣れてしまった我々の考え方をここでは考え直す方がいいかもしれない。

第6日(8月14日)
 朝4時に起床、まだ満天の星空、一目良い天気になりそうだ。5:30の朝一番のロープウェイで旭岳へと向かう。ロープウェイの駅を出ると、ハイマツなどの高山植物が広がり、旭岳へ向かって遊歩道が続く。早朝であるため観光客はごくわずかいるだけだ。高山植物の一帯をぬけると、岩ばかりの登山道となる。旭岳は爆裂噴火の跡が生々しく残っており、その下の方では水蒸気がいくつも上がっている。登山道はその向かって右側に続いており、我々はそこを登っていく。日の出から間もない太陽が正面か・ら照りつけるのでことのほか暑い。
 皆にやや遅れてやっとの思いで山頂に着く。天気がよいこともあって360度の展望は最高だ。北から東にかけて大雪山系の山々が連なる。遥か南西の方角には十勝岳が見えるとのことであるが、薄雲に隠れてしまってはっきりと見ることはできなかった。
 ロープウェイの駅に戻ると遊歩道は観光客でいっぱいになっていた。それでも高山植物が花を咲かせ、池がいくつもあるので、遊歩道を散策するのも良い(遅れて下りてきた若尾さんと私は駅まで直接下りてきてしまった)。キャンプ場に着くとすぐそうめんを食べる。今回はキャンプ場について昼食の予定であったが、パンフレットのコースタイムを見ると大雪山系のピークの間はそれほど離れていないので、食料などの装備を万全にすれば大雪山系も結構楽しめるかもしれない。

第7日以降(8月15- 16 日)
 台風接近の影響で、今にも降り出しそうな曇り空であった。 これまでの予定が1日早く進んだため、この日はえぞ富士とも呼ばれる羊蹄山に行ってみることになった。羊蹄山も日本百名山の一つであり、これも登頂できれば今回の一連の山行で3つも制覇することになる。 とりあえず、倶知安駅の観光案内でコースタイムを確認する。山頂へは4つの登山コースがあるが、どのコースも片道4時間以上もかかるということで、登頂は断念する。でもせっかく近くまで来たのだから、登山口周辺を散策することにする。羊蹄山頂は雲の中であったが、広大なすそ野が広がっている様子から山頂はあのあたりだろうなという予想がすぐつく。倶知安コースの登山口に到着。ここには小さいながらも炊事場、トイレが完備されたキャンプ場があり、ベースを張るには都合が良さそうだ。とりあえず登山道を歩
いてみるが、雨が降ってきたため30分ほど歩いて引き返す。そして半月湖と呼ばれる火山湖の周辺を散策して小樽港へと向かう。
 小樽港へ到着してしばらくして、雨が強くなってきた。台風の動きが気になるところであるが、台風はすでに太平洋側に移動した後で、フェリーは予定通り運行するとのこと。一同ほっとする。1便早いフェリーに乗れそうなのでキャンセル待ちの受付を済ませる。乗船時刻まで8時間以上もあるので、展望風呂に入るなどでそれぞれに時間をつぶす。結局キャンセル待ちで1便早いフェリーに乗ることができ(2等料金でベッド付きのドライバー船室に乗船できた。お得!)、16日の夜には上田に帰宅となった。

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