燕岳 〜雪の燕岳〜
- GPS
- 07:35
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 1,265m
- 下り
- 1,326m
コースタイム
天候 | 16日 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
8時30分時点で第一駐車場8台くらいでした |
コース状況/ 危険箇所等 |
中房登山口から積雪あり 合戦小屋で50cm以上(合戦の頭まではツボ足でも何とか上がれました) 合戦の頭からの稜線1mくらい(平日で登山者もほとんどなく、トレースは小屋の方がつけているのでありましたが、わかん無しでは、何度となく腰まではまり厳しかったです) この11月16日現在では、トレースが踏み固められておらず、アイゼンよりわかんが必要と感じました。 |
写真
感想
今シーズン最後の北アルプスと前々から決めていたこの11月の燕山荘泊まりの燕岳山行。
昨年は同じ時期に訪れたものの雪はほとんどなく普通に登ることができました。
しかし、今年は全然違いました。(これが普通らしいのですが…)
予定していた数日前から着実に積雪が増えているという情報をホームページより入手。
おまけに前日には、高山などの街でも積雪があるくらい。
燕山荘のホームページで確認すればするほど、無理かなと思うところもありましたが、とりあえず出発することに。
前日の夜までは雪などが降る天気。
下山予定の17日は朝から雪が降りそうな荒れ模様の予想ですが、決行する16日は天気は良さそう。
条件としては、積雪の後の素晴らしい景色が見えるのではという思いもあり、行けるところまででもということで出発しました。
今回、寝不足ということもあり自宅で2時半くらいまで仮眠しそれから出発。
8時過ぎに中房の登山口に到着し、8時半過ぎにスタートという形になりました。
出発前に登山道の情報を再度燕山荘に確認してみると、やはり稜線には1mほどの積雪もあり、人もほとんど入っていないのでトレースがしっかりしていないかも、そして、踏み固められていないので"わかん"なしでは厳しいかもという話。
おまけにこの時期にこの時間のスタートだとたどり着くのは難しいかもと言われる状況。
明らかに青空に映える雪景色が見れるのは必至だったので、とりあえず時間を見ながら行けるところまで行って、無理なら引き返しますということで出発しました。
話通り、登山口からいきなりの積雪。
ゴールデンウィークに訪れた時でさえここまでは雪はなかったなと思いながら、先が思いやられるというか、大丈夫かなというかなりの不安の中、出遅れているという言葉を気にしつつ、黙々と進みました。
しかし、この日は本当にきれいな景色が広がっていました。
バックの空は澄んで青く白い木々が本当に美しく映えていました。
第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチと進むにつれ確実に積雪は多くなっていきます。
出遅れたと思いちょっと必死で歩いていましたが、第一ベンチまでに一人、第二ベンチを過ぎて4人、第三ベンチを過ぎて2人を抜いていく形になり、ある意味出遅れたことに対する気持ちは少しずつ解消され、素晴らしい稜線の景色を目指しました。
ただ、やはり一方でどんどん増えてくる積雪に、そこまたどり着けるのかという不安はますます増えてきました。
そして、富士見ベンチに到着。
ここで、何度となく登ったこのルートで一番の景色が広がっていました。
白く雪をまとった富士山もくっきりと見え、テンションはますます上がります。
足元はますます悪くなり、必要以上に歩くのも疲れますが、ここまできたらとりあえず合戦小屋までは間違いなくいけるという思いも出てきて、ひとまず合戦小屋で休憩し、先を目指す目安になる12時というタイムリミットを決めていたのでそれを目指して進みました。
夏よりは少し時間はかかりましたが、合戦小屋までは約3時間で到着。
結構順調に進めました。
そして、ここで50cmほどの積雪だったらしいですが、一月前とは全く違う白い世界が広がっていて、青空もきれいで本当に満足できる景色でした。
ベンチで休憩させてもらい、エネルギーも補給し、トイレをかり、ここまで普通のパンツで登ってきたのですがさすがにこの先は埋もれるところもあるだろうということで、冬用のパンツをはき再出発。
ここで帰られるという方も何人も見え、見送られながらまずは合戦の頭を目指します。
あそこに立てば槍ヶ岳も見えるはずだし、燕山荘、燕岳、表銀座の稜線などいつもながらの素晴らしい景色が見えるはず。
しかも真っ青な空に映える白い稜線がどんなにきれいに見えるのだろうという期待に胸を膨らませ、確実に進みます。
ここはまだ夏ルートになるのか直登ではなくジグザグに登っていきます。
夏とは違いこの辺りからかなり時間がかかる感じになってきました。
朝からの情報によると合戦小屋から燕山荘まで、2〜3時間はかかるとみてくださいという話もあったので、12時過ぎに出発し、3時間かかっても15時過ぎという気持ちではいましたが、やはり時間は気になります。
そして、ひとまずの目的地。
合戦の頭に到着しました。
想像どおり、いや想像以上の感動的な景色が広がっていました。
本当に晴天の中の雪山の世界です。
360度どこを見てもテンションが上がる景色です。
ここまではトレースもしっかりしており、踏んで沈むところもなく時間はかかったものの割と順調に登ってこれたので、この先も何とかという思いも膨らんでいました。
ここまでで戻るという方々も何人か見え、ここで記念撮影をし、時間も気になるところなので先を急ぐことにしました。
しかし、数歩歩いた時点で、何度となく足を沈ませるという状況。
膝まで落ちるのは数多く、それから抜け出すためにもう片方の足に力を入れるとそちらも沈むというある意味アリジゴク状態。
バックしてみて這い出したり、膝で歩いて抜け出したりとかなりハードな道のりになりました。
ひどいところでは簡単に腰まで沈むところもあり、それ以上のところさえも。
この日は天気が良いので、こんなことをしていてもそこまで感じませんが、これが天気が悪ければと考えるとぞっとする話です。
やはり"わかん"無しでこの道を進むには難しすぎました。
小屋の方が歩いてトレースはつけてくれてありましたが、やはりそれも"わかん”をつけて歩いているもので、後から分かったことですが、それ以外の登山者は一人スノーシューを使って歩いただけのようでツボ足の状態では一歩踏み出すたびにはまる状況で、時間だけが過ぎていく感じでした。
おまけに前を見ても後ろを見てもこの尾根を歩いている人は見えずそれも不安にさせる要因でした。
本当に一歩一歩という感じで尾根を進みました。
そして一人雪にまみれ、もがいて歩きながら冷静に考えていました。
この素晴らしい景色は今日が一番。
明日はおそらく雲の世界で、朝から雪も降るだろう。
今日は頑張れば15時までに燕山荘には到着するだろうが、無理してたどり着いても明日、今の前後に誰もいない状況で宿泊者もいるかどうかも分からないし、そんな悪天の中、"わかん"もなしに一人歩いて下山できる自信は全くない。
今日のこの素晴らしい景色、燕山荘の稜線まではもう少し足りないが、ほぼ同じような素晴らしい景色が今目の前に広がっていて、よい景色だけを目に焼き付けて帰るというのも良い選択なのでは。
と、ここで引き返すこと対して正当な理由をいくつも考え、最終的な決断として引き返すタイムリミット14時を目安に、引き返すことに決定しました。
燕山荘はもう手の届きそうなところで、あと数百メートルの地点。
ただ、そうと決まればとりあえず荷物をおろし、この素晴らしい景色を満喫し、カメラを取出し何枚も写真におさめ、ここまで来たという証拠を何枚も残しました。
そして、来た道を戻り始めました。
そこで、燕山荘の方から歩いてくる人が一人、下の方から登ってくる人が4人見えましたが、ここで意思を曲げてはということでまた足をズボズボとはめながら、登りよりは明らかに楽に下っていきます。
そして上から来た人に追いつかれ…。
さすが早いと思ったら知っている小屋の方でした。
合戦小屋との荷下げ、荷揚げを兼ねた今日二回目のトレースつけとのこと。
少し話をさせてもらいながら、やはり"わかん"無しでは明日は特に厳しいとの話。
やはり決断は正解と言い聞かせながら、名残惜しい景色を満喫しながら合戦小屋まで下山しました。
ここで、先ほど合戦の頭で見送ってくれた方にも再開し、やはり無理だったと報告。
ここでも先ほどの小屋の方ともう少し話をし、11月に訪れると言っていたけどたどり着かなかったということをほかの方にもお伝えくださいという伝言を残し、合戦小屋を後にしました。
ここからはひたすら17時までには登山口まで下山して有明荘にたどり着きたいという思いで、ひたすら下っていきます。
ある意味この尾根の下りの雪道は夏道の下りよりも楽です。
足の踏みどころを深く考えなくてよい部分もあるし、多少こけてもそう大事になるところもなく、足へのダメージも少ないのでぐんぐんと下っていけます。
この時間になってくると日の当たらないところは一気に暗く感じるので、余計気持ちは焦りますが、淡々と着実に下るのみです。
朝登り始めた時よりは雪も解けている部分もありましたが、やはり登山口までほぼ雪がありました。
そして、16時過ぎ無事に登山口に到着し、車を回収し有明荘へ。
燕山荘に泊まれなかった代わりにここに泊めてもらうことにしました。
ここで、汗を流し、ゆっくり温泉につかって温まり疲れを癒しました。
そして、tsubakuroワインで一人お疲れさまをし、素晴らしかった景色の余韻に浸りながら温泉での夜を過ごしました。
今回、今シーズン最後の北アルプスで厳しい自然環境の中、思ったようにはいきませんでしたが、予想以上の素晴らしい景色を見ることができ大満足な山行でした。
そして、"わかん"を入手しなければと、ひしひしと感じた山行となりました、
まいど、お久しぶり。
いい天気で、そしていい景色で良かったね
早く僕も雪を踏みしめたいわ。スキーで。
目的地を目の前にして、なかなか引き返すのは
できないよ。
賢明な判断やね
それでは。
●yahoo8 さん
久しぶりです
ほんと天気はいうことない最高の天気でした
かなり後ろ髪もひかれ、名残惜しかったけどどう考えても次の日は危険な感じだったので、良い思い出で帰ろうということで言い聞かせて降りてきました
ほんと、そろそろスキーの季節ですね
ウズウズしてるんでしょうね
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