御坂山地縦走(市川大門〜蛾ヶ岳〜三方分山〜女坂〜精進湖)
- GPS
- --:--
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 1,785m
- 下り
- 1,130m
コースタイム
14:15のバスは14:30に来た
14:50 河口湖到着のバスは15:05に着いた。河口湖マラソンの混雑渋滞で
15:38河口湖発甲府行きのバスは15:50にきた。河口湖マラソンの混雑渋滞で
16:50甲府駅着のバスは17:30に着いた。河口湖マラソンの混雑渋滞で
天候 | 晴れ低温 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
国鉄身延線 |
写真
感想
甲府から富士山の前に見える屏風みたいな御坂山地の山の名を同定するのに2ヶ月ほどかかった。右から左まで、一日で行ける所まで縦走しようと考えて、十二時間歩いて節刀ヶ岳までを計画した。でも、飽きてしまったので女坂までで精進湖に降りた。今は日が短くてすぐ暗くなってしまうのと、どこからでも降りられる下山路が多くて、一心不乱に進まなかった。
甲府駅までのオートバイが寒かった。11月後半といえば北の山ではラッセルしているころだ。始発身延線は貸し切り。市川本町駅待合室で地下足袋を履いていると、短調の演歌を鼻歌で歌い続ける老婆が居て、真っ暗い町を歩くとお寺の鐘がゴ〜ン、異世界へ入って行く気分。
山道は非常に歩き易くて黙々登る。北尾根なので全く日が当たらず、盆地対岸の南アルプス前衛に朝日が当たって紅紫に染まるのが樹間から見えるが、こっちは寒いまま。
思えば雪の無い冬山なんて、生まれて初めてかもしれない。完全に夏の格好で来ているから寒い。とても休んで腰を下ろす気分にならず、ノンストップで蛾ヶ岳まで。途中で16世紀の烽火台跡(仏岩)に寄って甲府盆地を見下ろす。八ヶ岳の向こうに北アルプスが遠く見えた。
蛾ヶ岳山頂で突然富士山が見えた。凄く高い。麓の湖畔から見るより高い。山頂では二人いた。東へと進む。山稜の脇の斜面は結構深い谷、急な傾斜が多い。中には幅1m足らずの、塀の上のような所もある。
地蔵峠には大きな栂の大木があった。上5mほどがポッキリ折れてブラ下がっていた。樹齢500年なら信玄の頃からだ。甲府からも見えると看板に書いてある。
地蔵峠から東は地形図では道が左右に分かれるが、かまわず稜線を行く。ヤブも少なく踏み跡が続いている。左の急斜面を確認し乍ら行けば迷う事も無い。アンバ峠、八坂峠とあるあたりは杉植林の作業道風だった。
釈迦ヶ岳西の、車道が横断するところで、怪しそうな三人組が車で来ていて鳥の鳴き声テープをかけて長い筒などを出していた。谷底からもうもうと黄色い煙も上がっていた。怪しいけど先を急ぐ。車道沿いに1キロ下って釈迦ヶ岳南のコルから三方分山へ。
三方分山には沢山人が居た。精進湖の方から上がってくるのだろうか。ここでもようやく富士山が見える。他のところではなかなか見えない。カップラーメンに魔法瓶のお湯を入れて、バリ硬で食べる。ここまで6時間。先に進むか迷う。王岳までなら行けそうだ。女坂への下りは直下降登山道だ。ガイド連れの団体二組とすれ違う。女坂で行こか降りよか迷っていると、王岳の方からも人が何人か来る。縦走の人、引き返す人。王岳への縦走路に入って一つ目のポコの上から、行く手を見て、やめる事にする。日も短いし、なんだか道歩きの縦走に飽きてしまった。高く、寒そうな富士山を見て精進湖を見下ろす。今週は数日前までは富士山行く予定だったのだけど。
精進の集落は、往年の峠の旅籠と思しき木造家屋が連なっている。完璧になされた川の治水工事の為、排水溝と化した宮沢川の両側に、風情ある家並み。それを取り囲む山肌は最後の紅葉に色づいていた。ひと際目を引いたのは、諏訪神社入り口の橙色のカエデと、社横の大杉。これは太かった。そして社殿の見事な事。往事は峠越えの人が皆ここで山越えの決意をしてお祈りしたろうに、今や完全に真空パックで残ってしまっている。
湖畔に出ると、釣り手配店のやる気のなさそうな大ネコを見乍らバスを待つ。他にも待つ人が居て、蛾ヶ岳からずっと前後を歩いていた男だった。きょうの縦走はこの人だけ。
寒い中富士山見乍らバスを待つ。遅れて来たバスは途上でも結構お客を拾って河口湖駅へ。きょうは河口湖マラソンだったそうで、町中をねぶた祭りみたいに人が埋めている。バスも全然進まなくなった。途中で降りて歩いて駅へ。バス停で待っていても甲府行きのバスはいつ来る事やら。待っていたお客はそれぞれ別の外人が4人。外国でこんなに混雑したバス停で、しかも寒ければ心細いだろうなあ。いろいろ情報を説明してあげた。30分くらい遅れて来たバスで甲府に向かう。甲府方面へ行く車は殆ど無いから、トンネルさえ越えれば宵闇迫る葡萄畑を通ってすいすい帰る。
富士五湖地方は東京に近いから、とにかく人が多い山域なのである。これまでの過疎地域の山登りとはえらい違いだ。
家に帰ると、コタツが出ていた。クリスマスツリーも出ていた。温かい晩ご飯に、間に合った!
前回は荒川から金峰山という甲府市最北端山行、今回は甲府市最南端山行だった。終わってから気がついた。甲府市、南北に長過ぎ!
コメント
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地元民でもなかなか歩かなそうなルートを歩かれましたね。幸い日曜日は好天でしたから快適な散策ができたことでしょう。
山行としては標高もさほどでなく、地味目ですが、いたる所に石碑だとか石仏だとかあり楽しそう。
精進部落の「おもちゃや」の看板も迫力あり、ネコにも風情がある(^^)。
精進湖の湖畔すぐにこんな集落があるとは知りませんでした。「目からウロコ」です。
パソコンさんコメントありがとうございます。
今回の縦走では、地図にあるだけで三つの峠を横切りましたが、女坂以外は表示も無く道もおぼろでした。昔の人のことを想像して歩くのがとても楽しいです。
改めてここを通っているレコをいくつか拝見したら、けっこう沢山の人がこのネコ撮っていましたね。
おもちゃやは、河口湖町の商店街です。
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