谷川岳(西黒尾根コース)敗退
- GPS
- 04:39
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 807m
- 下り
- 612m
コースタイム
- 山行
- 7:05
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 7:42
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
初めてのソロ登山にしてヤマレコ初投稿です。
駄文ですが、目を通していただけると幸いです。
本山行は当初、西黒尾根経由馬蹄形縦走として計画していた。また、時間切れとなった場合には蓬峠から土樽へと抜ける予定であった。
いずれにせよかなりの長時間行動になるため、飲料だけで5L用意し、レーションも大量に準備した。結果ザックの重量は久方ぶりに10圓鯆兇┐拭
前日の夕方に土合駅到着。ここで十分に仮眠をとり、遅くとも午前3時には出発する。
コースタイムは13時間を見込んでいたので、夕方には下山できる算段であった。
カロリーは行動前に摂取すればいいだろうと考え、夕食はおにぎり1個。
そして午後9時。終電を見送ったのち、シュラフカバーに潜り込み横になる。
すると、なんということでしょう。顔の回りを羽虫が飛び交い、全力で睡眠を妨げてくるではありませんか。
場所を変えたり、シュラカバの口を体の下にして密閉空間を作ったりと様々に工夫を凝らすも、どこからか入り込んだ虫の奏でる耳障りな羽音により眠ることができない。
午前0時半。睡眠を諦め、行動開始を決意。
お腹は空いていないため、さっさとパッキングして出発。
ヘッドライトは90ルーメンだが、光量は十分。
午前1時8分。西黒尾根登山口より登山開始。
序盤は普通の登山道。ライトの明かりにアブや蛾が群がってくるため、手で追い払いながらハイペースで進む。
数時間前に小雨が降ったせいか、道中にはヤマナメクジやカタツムリ、カエルが出現。踏み潰さないよう細心の注意を払う。
夜のザトウムシは動きが速く、気持ち悪い。
また蛾に光が当たると、眼がオレンジ色に発光し、非常に不気味。
ヘッドライトを消して夜空を見上げると、木々の隙間から満点の星空。
早く森林限界を越えようと先を急ぐ。
後方を確認すると、他の登山者のヘッドライトと思しき明かりが三つほど見える。
一時間が過ぎた頃、体調に違和感を覚える。
一睡も出来てないうえにカロリーも足りていない。そんな状態で激しい運動をしているのだから当然か。
急いでエネルギーチャージと銘打たれたゼリーを胃に流し込む。しかし、今度は吐き気に苛まれる羽目に。
日本三大急登と言われるだけのことはあり、垂直に近い角度の鎖場が続々と登場する。
だが、虫や嘔吐感に気を取られ、全く楽しめない。
樹限を越えると急に風が強くなる。気温が低いことも相まって、もはや寒い。しかも時たま足がつる。
レインウェアを羽織ろうとして、自宅に忘れてきてしまったことが発覚。
洗濯した雨具を乾燥機にかけたら、デロンデロンに融けてしまったので買い直したのだが、新品をグチャッと丸めることに抵抗があり、ハンガーに掛けっぱにしたままだったのだ!
猛省しつつ、Tシャツ一枚での敢行を続行する。
動くと吐き気&こむら返り。休むと寒気&虫。
何をしても辛い地獄のような時間が始まったのである。
ラクダのコブまではかなり遠い。
岩々したそれっぽいエリアがいくつもあり、何度ぬか喜びさせられたことか。
ほうほうの体でコルに到着。ここで体に限界がきたのか、入山後に摂取した全てのものをリバースしてしまった。(道から外れたところに出したので他の登山者には迷惑をかけていないはずです)
ウィダーゼリーもポカリも全て出てしまった。
筋肉がつるのは電解質不足が原因なので、胃に入れても吸収できてなかったのなら納得である。
5時30分頃。ザンゲ岩周辺で朝日を迎える。太陽が上がれば気温も上がるだろうと、シュラフカバーにくるまって時間待ちをすることに。
後続のナイトハイカー一人に抜かされた。
太陽は5分ほど顔を出した後、すぐ雲に隠れてしまった。この恥ずかしがり屋め。
結局気温はさほど上がらず、諦めて再出発する。相変わらずお腹は何も受け付けない。
このタイミングで水を1.5L捨てたが、もっと早くに軽量化を図るべきであった。
トマの耳と肩ノ小屋の分岐では、迷わず小屋へ直進する。ここから頂上までは僅か10分だが、最早ピークを狙う気力は微塵も無い。
肩ノ小屋では熱々のココアを購入。一息つけたのも束の間。即座にトイレでぶちまけてしまった。
ここでも水分やカロリーを摂れないまま、天神平のロープウェイ駅に向けて下山を開始する。
木道が整備されている箇所もあるが、蛇紋岩がむき出しになっている部分も多い。
岩の表面がつるつるしていて、足が引っかけられないような箇所はしっかりと手をついて下りる。
熊穴沢避難小屋を過ぎた辺りから、ロープウェイ駅から来た登山者とひっきりなしにすれ違うように。
朝早くから死にそうな顔で下山していた赤ザックに覚えがあれば、それは私です。
8時24分、天神平到着。
ロープウェイ駅の手前で登山靴から運動靴に履き替える。
試しにちょびっとお茶を飲んでみる。少しずつ飲む分には、もう吐くことはなさそうだ。
ロープウェイでさっさと下りた後は土合駅から越後湯沢へ。温泉に入った後、新幹線で帰京。
往路は都内から在来線を乗り継ぎ費用を抑制したが、よもや何円かかろうとも最速で帰り、布団に入る。それしか頭に無いのであった。
以上、当初の予定より縮小に縮小を重ね、ピークハントにも失敗し、敗退も同然の山行だったが他方で学びも多かった。
・登山前に十分に睡眠を取るべし
・登山前に十分にカロリーを摂るべし
・登山前に十分に電解質を摂るべし
・夏山でも防寒着は必須
・実質飲まず食わずでもなんとか登って下りることは可能
・夜よりも昼の方が鎖場は楽しい
追記:
喉元過ぎれば暑さ忘れるの言葉通り、あれほど辛かったのに、一週間経った今ではもうリベンジする気満々です。
反省を生かして、この夏のうちにもう一度登るつもりなので、ぜひ山で会いましょう。
駄文じゃないです。感想文から辛くて悔しい情景が伝わってきました。睡眠をしっかり取れれば結果は全然違います。僕も似たような経験ありました。無理は禁物ですが、絶対にまた自分へのリベンジを果たして下さいね🔥
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