試練のカムイエクウチカウシ山
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- GPS
- --:--
- 距離
- 31.8km
- 登り
- 2,140m
- 下り
- 2,139m
コースタイム
天候 | 晴れのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
幌尻ゲート手前には駐車スペースがあって、おそらく10台程度は問題なく停められると思います。今回自分がAM4:00少し前に到着した時点では他の車は1台のみという状態でした。 駐車スペース周辺には特に何もありません。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
言わずもがな、色々と厳しい山です。 一般的な登山道のある山からすれば、もう全体的に危険と言って良いぐらいな気がしますが、状態としてはおそらくほぼ平常時のもので特にコース的に問題のある箇所は無いと思います。雪は一切無く、このときは水量も無理のある量ではなかったです。 自分が懸念していたのは、不明瞭な道、ヒグマ多発、沢の渡渉、コース長、の4点でした。特に沢の渡渉と言うのは吊橋とか飛び石で渡るとかではなく、沢にザブザブと歩いて突っ込む本格的な渡渉で、これが相当数(10回あるかないか程度)あります。滝を登攀するとかそういう技術が必要なわけでは無いので、沢登りのフル装備が必要と言う程ではないと思いますが、何しろ沢に突っ込む備えは必要です。 自分の場合、沢に突っ込むだけなら普段他の山行で必要なら靴を脱いで渡っているのですが、今回の場合はそれをかなりの回数繰り返すことになるので、いちいち靴を脱ぎ履きしていたのではあまりに効率が悪い。というわけで裸足よりマシならいいや、という発想で適当な運動靴(この山行で壊れても良い前提)+靴下をもう一足持って挑みました。七ノ沢出合〜八ノ沢出合〜三股間をそれで歩いて、他の区間はいつもの登山靴、というやり方です。案の定、かなり不快な足元になったのでこの点はあまり参考にされない方が良いです。。 コースの細かい状態としては以下のようになっていました。 ■ 幌尻ゲート〜七ノ沢出合 普通の林道で特に何も困る事は無いのですが、片道7km弱あります。ちょっと長い。 車で走れなくもなさそうな具合のダートなので、自転車がよく利用されている区間です。実際有効だろうと思います。 ■ 七ノ沢出合〜八ノ沢出合〜三股 到着してすぐに渡渉が必要になります。何しろ水量次第ではありますが、初見の自分としては渡渉点と巻道の発見にかなり苦戦もしました。 基本的にはピンクテープや積石があるのでそれを探して歩いて、行き詰まったら周囲を見渡して巻道が無さそうなら渡れそうなところを見極めて渡る、という具合で歩いていましたが、巻道はちょっと分かりにくい箇所が多かったです。概ね左岸にありますがもちろんその限りでも無いです。 あまりに間違った箇所で渡渉してしまうと、その先で行き詰まってしまうのでここのコース見極めは慎重にいった方が良いです。自分は何度か強引な渡渉をしてしまって、結局少し引き返すという事を何度かやってしまってだいぶ時間を要しました。 なお渡渉自体は今回自分は最深でも腿程度までで済んでいます。とは言えどの渡渉でもだいたい膝あたりまでは水没しています。 ■ 三股〜八ノ沢カール 今回はこの区間からは通常の登山靴で特に水没する事も無く通過出来ました。 強烈な急坂になり、あんまりな箇所には残置ロープがあったりしますので、両手はフリーの方が通過しやすいだろうと思います。 なお三股〜山頂では踏み跡は比較的明瞭になるので、ルートファイティングはほぼ必要無くなってきます。 ■ 八ノ沢カール〜稜線 強烈にヒグマの気配が高まる箇所です。もう見るからにヒグマ的に居心地いいだろうなぁという場所なので、とりあえず周囲を広く見渡して笛を吹いたり声を出したりをするのは必要になると思います。とは言え八ノ沢カールはテン場としてよく利用されていたりもします。みなさん勇気ありすぎ! ■ 稜線〜山頂 あまり長くは無い区間ですが、日高恒例のハイマツ漕ぎになります。道も細い岩稜の箇所がいくらかあるので要注意。引き続きヒグマにも要注意のはずですが、八ノ沢カール周辺よりは気を抜いても良さそうな雰囲気にはなってきます。 |
その他周辺情報 | この日も札内ガーデン温泉でお風呂とお祝い飯(もちろんスパカツ)にしました。幌尻ゲートからは1時間程度になります。 |
写真
水抜けはほぼしない、靴ズレはする、硬い石の上に乗るとちょっと痛い!でも自分の選択に文句を言っても仕方がない・・・
なので、ここで一つの判断をしました。もうここで靴は履き替えよう、もしこの先に渡渉があった場合は裸足になろう。と。
けっこう悩んだところでしたが、結果的にこの判断は吉でした
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
フリース
ジャケット
サポートタイツ
長ズボン
靴下
靴下2
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
靴2
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
日焼け止め
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
|
---|
感想
日高山脈は少し前にとりあえず幌尻岳に登って以来となりました。
幌尻岳の次はどこに行ってみようかと考えていた時間はけっこう長かったのですが、やっぱり憧れてしまうのはカムエク。一度気になってしまうともう登らずにはいられなくなってしまっていたのでした。
しかし真面目に検討する前から厳しい山行になるのは分かりきっていたところで、特に渡渉に関してはもはや自分のようなライトハイカーに対処出来るものじゃないだろー・・・とちょっと絶望していたものでした。
色々な山行記録を眺めてちょっとずつ勇気が溜まってきていよいよ実行!・・・となってもやっぱり当日実際に何回か渡渉してみるまではどうしても不安が拭えなかったです。そういう気持ちで臨んでいたので上の方に来たときの達成感と充実感は格別で、いよいよカムエクのピークに達したときは感極まって叫んでいました。いやぁ人がいなくてよかった。ヒグマには聞かれたかな。
一応、この山行が今回北海道に行った一番の目的でもあったので、渡渉が出来る状態の日に、ヒグマにも遭遇せず、その他大きなトラブルもなく踏破出来たのは本当に僥倖でした。いやはや本当にしんどい山でしたが、ちゃんと調べて頑張れば光明は見えてくるものですね。人間が想像出来る事は必ず実現出来る!
それにしても本当に日高山脈はすごい。望めた八ノ沢カールと日高山脈の峰々は強烈に記憶に残っています。あの鋭さは本当に独特だと感じますし、惹きつけられるものがある。カムエクにまた来るぞ!と気軽には言えないですが、やっぱり日高山脈にはまた来るだろうなと確信しています。次は・・・どこかな!
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