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Yamareco

記録ID: 7304793
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
日高山脈

カムイエクウチカウシ山南西稜〜シカシナイ山

2024年09月28日(土) ~ 2024年10月01日(火)
 - 拍手
GPS
80:00
距離
54.7km
登り
2,521m
下り
2,629m

コースタイム

1日目
山行
7:47
休憩
0:08
合計
7:55
4:55
79
幌尻ゲート
6:14
66
7:20
105
9:05
9:13
110
11:03
107
2日目
山行
7:47
休憩
0:33
合計
8:20
7:50
8:03
187
・1848
11:10
11:30
178
・1821
14:28
・1689
3日目
山行
9:27
休憩
0:58
合計
10:25
6:05
77
・1689
7:22
7:40
180
10:40
10:50
10
11:00
11:30
147
千石トンネル
13:57
153
東の沢橋
16:30
ペテカリ山荘
4日目
山行
2:35
休憩
0:00
合計
2:35
6:50
155
ペテカリ山荘
9:25
神威山荘
天候 9/28 曇り
9/29 晴れ
9/30 晴れ
10/1 曇り→晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
神威山荘に原付デポ
元浦川林道は10/1から閉鎖の予定だが、下山時にゲートは開いていた
コース状況/
危険箇所等
カムエク頂上まで沢足袋、以降は全て登山靴
1日目。
幌尻ゲートから出発。
1
1日目。
幌尻ゲートから出発。
七ノ沢出合手前。土嚢を積んで路面が綺麗に修復されているけど、これは誰のためにやっているんだろう?
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七ノ沢出合手前。土嚢を積んで路面が綺麗に修復されているけど、これは誰のためにやっているんだろう?
七ノ沢出合から入渓。水量は少ない。
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七ノ沢出合から入渓。水量は少ない。
八ノ沢を進むと、青空の元に紅葉のカムエクがお出迎え。
2
八ノ沢を進むと、青空の元に紅葉のカムエクがお出迎え。
残雪の無い時期の三股は初めて。初夏とは違った印象。
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残雪の無い時期の三股は初めて。初夏とは違った印象。
紅葉の八ノ沢を登って行く。
2
紅葉の八ノ沢を登って行く。
カールまでの沢沿いは標識類が増えて超明瞭で歩きやすくなっていた。
2
カールまでの沢沿いは標識類が増えて超明瞭で歩きやすくなっていた。
静寂な八ノ沢カール。熊はいない。
2
静寂な八ノ沢カール。熊はいない。
ガスのカムエクに到着。
4
ガスのカムエクに到着。
頂上のテン場。本日は2張
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頂上のテン場。本日は2張
2日目。
雲海の向こうからご来光を迎える。
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2日目。
雲海の向こうからご来光を迎える。
モルゲンロートの南西稜。
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モルゲンロートの南西稜。
太陽の暖かみがありがたい。
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太陽の暖かみがありがたい。
1903、1917、さらに北へ続く稜線。陽の当たり方で少しずつ景色が変わるのでいつまでも見飽きない景色。
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1903、1917、さらに北へ続く稜線。陽の当たり方で少しずつ景色が変わるのでいつまでも見飽きない景色。
イドンナップの長い稜線と、カムエクの大三角形。
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イドンナップの長い稜線と、カムエクの大三角形。
さて、南西稜に突入しよう。
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さて、南西稜に突入しよう。
稜線上部はほぼハイマツに支配されている。
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稜線上部はほぼハイマツに支配されている。
核心部のキレキレの急登。高度感がすごい。
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核心部のキレキレの急登。高度感がすごい。
ハイマツに架かっていた捨て縄を発見。
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ハイマツに架かっていた捨て縄を発見。
コイボクカール側のカムエクの姿は新鮮味がある。
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コイボクカール側のカムエクの姿は新鮮味がある。
岩とハイマツの稜線の先に・1848ピークが聳える。
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岩とハイマツの稜線の先に・1848ピークが聳える。
大岩は適当に巻いていく。
2
大岩は適当に巻いていく。
・1848からカムエクを振り返る。
3
・1848からカムエクを振り返る。
・1848から先も細い稜線が続く。左に見えるのが・1821。
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・1848から先も細い稜線が続く。左に見えるのが・1821。
濃密なハイマツはバランスを取りながら枝歩きで越えて行く。
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濃密なハイマツはバランスを取りながら枝歩きで越えて行く。
東側の草地を使える部分がわずかにある。地に足を着いて歩けるのは嬉しい。
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東側の草地を使える部分がわずかにある。地に足を着いて歩けるのは嬉しい。
・1821ピークに到着。シカシナイ山が少し近づいたが、まだまだ遠い。
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・1821ピークに到着。シカシナイ山が少し近づいたが、まだまだ遠い。
重力に任せて藪をくぐりぬけて行く。
3
重力に任せて藪をくぐりぬけて行く。
1560mコルは鹿の通り道?平坦でテン場に良さそう。
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1560mコルは鹿の通り道?平坦でテン場に良さそう。
コルからの登り返しも藪は濃い。無になって漕ぐのみ。
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コルからの登り返しも藪は濃い。無になって漕ぐのみ。
・1689が近づいてきた。
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・1689が近づいてきた。
・1689には灌木に囲まれた良い感じの平場があり、ここをキャンプ地とする。
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・1689には灌木に囲まれた良い感じの平場があり、ここをキャンプ地とする。
3日目。
この日も朝から晴れ渡った。
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3日目。
この日も朝から晴れ渡った。
シカシナイ山はもうすぐそこだが、藪は濃い。
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シカシナイ山はもうすぐそこだが、藪は濃い。
と思っていたら鹿道が出てきた。
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と思っていたら鹿道が出てきた。
最後の登りも藪はそこまで濃くなく快調に進む。
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最後の登りも藪はそこまで濃くなく快調に進む。
シカシナイ山(1627m)到着!
カムエクから辿ってきた南西稜がくっきり。
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シカシナイ山(1627m)到着!
カムエクから辿ってきた南西稜がくっきり。
三等三角点「鹿止内」
周囲の笹が綺麗に刈られている・・・!?
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三等三角点「鹿止内」
周囲の笹が綺麗に刈られている・・・!?
秋晴れの幌尻岳〜ナメワッカ岳〜カムエク三山。
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秋晴れの幌尻岳〜ナメワッカ岳〜カムエク三山。
幌尻岳とナメワッカ岳
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幌尻岳とナメワッカ岳
南側の眺望。
谷間には見覚えのある立派な橋梁群。あそこまで下っていく。
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南側の眺望。
谷間には見覚えのある立派な橋梁群。あそこまで下っていく。
尾根北西側に歩きやすい笹と鹿道が続く。
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尾根北西側に歩きやすい笹と鹿道が続く。
・1372から下は次第に笹が深くなる。登るのは厳しそう?
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・1372から下は次第に笹が深くなる。登るのは厳しそう?
1150mからシカシナイ山を振り返る。
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1150mからシカシナイ山を振り返る。
800mで沢に下りた。小滝が連続して出てくるが、左右から適当に巻いてイワナノ沢へ。
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800mで沢に下りた。小滝が連続して出てくるが、左右から適当に巻いてイワナノ沢へ。
イワナノ沢も飛び石とへつりで登山靴のまま下れた。
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イワナノ沢も飛び石とへつりで登山靴のまま下れた。
千石トンネル前で大休止の後、長い道路歩きへ。
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千石トンネル前で大休止の後、長い道路歩きへ。
東の沢橋から東の沢林道を見下ろす。
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東の沢橋から東の沢林道を見下ろす。
分岐から東の沢林道へ。ペテカリ山荘までまだ9.5km・・・
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分岐から東の沢林道へ。ペテカリ山荘までまだ9.5km・・・
林道から東の沢橋を見上げる。
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林道から東の沢橋を見上げる。
よくこんな所に道を作ったものだ。
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よくこんな所に道を作ったものだ。
東の沢調整池と、奥に聳えるルベツネ山、ペテガリ岳が綺麗だった。
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東の沢調整池と、奥に聳えるルベツネ山、ペテガリ岳が綺麗だった。
エメラルドグリーンの湖面と東の沢ダム。
2
エメラルドグリーンの湖面と東の沢ダム。
東の沢林道はペテカリ山荘の手前で2か所ほど崩れていて、四輪の通行はできない状態になっていた。
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東の沢林道はペテカリ山荘の手前で2か所ほど崩れていて、四輪の通行はできない状態になっていた。
長い道路歩きを終え、ペテカリ山荘に到着。
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長い道路歩きを終え、ペテカリ山荘に到着。
4日目。
ベッピリガイ乗越で神威山荘へ。
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4日目。
ベッピリガイ乗越で神威山荘へ。
神威山荘に到着。
デポしておいた原付で車の回収に向かう。
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神威山荘に到着。
デポしておいた原付で車の回収に向かう。

感想

カムエクに初めて登った時から気になっていた南西稜。あの細く切れ落ちたギザギザの稜線を一度歩いてみたかった。「北海道の山と谷2」では!!*グレードの雪稜ルートとして紹介されており、主に大学山岳部の方々が積雪期に歩かれている。

自分にとっては積雪期にあの稜線を歩く自信が無い上、冬に長い連休を取るのが難しい。そこで今回、敢えて記録の無い(?)無雪期に南西稜を藪漕ぎで進み、未踏のシカシナイ山を目指してみた。



【1日目 9/28】
早朝に幌尻ゲートを出発。カムエクまでは札内川〜八ノ沢のルートを辿る。この日の札内川ダムの全流入量は3㎥/sくらい。札内川本流の水量は少なくて渡渉は楽だが、過去の大雨の影響なのか川の流れがかなり変わっていて、こんなんだっけ?という所がいくつかあった。八ノ沢は残雪の多い初夏の時期にしか歩いたことがなかったので、今の時期は初めて。紅葉は綺麗だったし、三股のテン場の位置を確認できたりと歩き慣れたルートながら意外と新鮮味があった。

カール下で水を5L汲み、20kgくらいになったザックを背負って亀の歩みで稜線に上がる。カムエクには昼過ぎに到着。頂上のテン場では十勝在住の地元の方と同宿となった。それぞれの山の楽しみ方や日高の山の情報交換をしたり、ぼ〜っと景色を眺めたり・・・贅沢な時間が流れて行く。ピークハントに奔走するのは良いけど、ゆっくり山を楽しむ余裕も持っておきたいと思った。


【2日目 9/29】
前日までのガスは抜けて快晴の朝。稜線のコルでテン泊していた本州からの2名も加わり、計4名でご来光を迎える。雲海の十勝平野から昇る朝日、モルゲンロートの山脈は絶品だった。

撤収して早速南西稜に突入する。直下からハイマツが濃い。コイボクカールの縁の草地を少し使ってみるも、濃密なハイマツからは逃げられないようだ。1800mコルから登り返すと、南西稜の核心と思われる細く切れ落ちた急斜面が現れる。高度感は凄いけど、稜上にはハイマツが密生しているので、掴んで行けば特に難しくはない。急斜面を登り切るとハイマツに捨て縄がかかっていた。冬にここを下るなら、やっぱり懸垂下降か。

稜線上は8割方がハイマツで、たまに岩場が出てくる印象。岩は上からでも左右から巻きでも簡単に越えらえる。稜線の細さよりも、濃密なハイマツとの格闘で消耗する。秋でも快晴、無風の藪漕ぎは暑く、水分がどんどん絞られていってキツい。細くて岩々した南西稜らしい部分は・1848まで。その先も細いが、踏み跡や歩きやすい部分はなかなか出てこなかった。

1730mコル〜・1821手前までは東側の斜面が草地になっている部分があり、これを使うと上部のハイマツを回避でき、少しだけペースが上がった。・1821ピークはカムエクとシカシナイ山の中間地点で、ここから稜線は少し広くなる。重力に任せて標高差260mの激下りをしてコルに降り、再び登り返し。無心で漕ぎ続けていると、・1689手前で西側に藪の薄い草地がでてきて助けられた。

・1689ピークには2張分くらいの風を避けられる平場があり、この日はここをテン場にした。


【3日目 9/30】
4時過ぎに起床すると、フライシートの裏がバリバリに凍っていた。体感では5℃くらいかなぁと思っていたが、それ以下に冷え込んだらしい。

撤収して・1689からシカシナイ山へ。1689の下りは相変わらずハイマツが濃い。小さなポコがいくつもあり、巻こうとすると深い藪にハマって動けないので上を行く。が、途中から稜線北側に藪の薄い部分が現れ、やがて明瞭な鹿道になった。この鹿道に助けられてコルまでスイスイ下る。コルからシカシナイ山への最後の登りも、腰丈くらいの笹がメインでそこまで苦労せずに登れた。

ようやく辿り着いたシカシナイ山の山頂は360°開けていて、この界隈のマイナー峰(中ノ峰、西川岳、大山、パンベツ山等)の中では展望はトップクラスに良い。そして、三角点の周囲が綺麗に整備されているのにはびっくりした。こんな奥深いマイナー峰に最近登った人がいるのか!?と思って下山後調べてみたら、ヤマップの有名な方が1日前に登られていた。すごい偶然だ・・・。

シカシナイ山からは南西尾根を下降する。山頂から少し下ると、尾根上部のハイマツ帯を回避するように北西側に鹿道が続く。シカシナイだけにこの辺は鹿が多いのだろうか(?)・1372から笹が深くなってくるが、下る分には問題無い。1150mから東側の小尾根を下り、800mでイワナノ沢の支流に下りた。この時の水の残量は0.5Lで、結果的にちょうど良かったっぽい。

イワナノ沢を下って清和橋に到着。ここから長い道路歩きが始まる。ペテカリ山荘までは22kmもあるが、辺りには熊糞がボトボト落ちていたりする。熊の巣窟のような所でテン泊したくない・・・という一心で歩き続けた。尾根上と違って水はいくらでも汲めるし、そこまで暑くないので気分的には楽ではある。

この日で元浦川林道が閉まるせいか、ペテカリ山荘には誰もいない。快適な小屋で最後の夜を過ごした。


【4日目 10/1】
この日はベッピリガイ乗越で神威山荘まで行くだけ。のんびり撤収して歩き出す。好天が続いているせいか沢の水量は少なく、元浦川林道に上がる前の渡渉点も飛び石でOKで、すんなりと終わった。

神威山荘からはデポしておいた原付で天馬街道を越えて中札内まで140km、4時間のツーリング。快晴の山脈を横目に次の山行を考えながら車の回収に向かった。



【まとめ】
無雪期のカムエク南西稜は大部分が濃密なハイマツとの格闘だった。藪漕ぎの大変さはエサオマン〜カムエク〜コイカク辺りの主稜線を上回るかもしれない。連日好天に恵まれて暑いくらいだったが、秋の日高の景色を存分に楽しめたし、憧れのルートからシカシナイ山に登頂できて充実感のある山行だった。

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