【自転車パスハン】★秋の天城は踊子の径(天城山隧道ー河津七滝ー下田港別れののりば跡)
- GPS
- --:--
- 距離
- 83.0km
- 登り
- 1,259m
- 下り
- 1,320m
コースタイム
6:40函南ー9:10修善寺ー9:55湯ヶ島♨ー10:15浄蓮の滝ー10:53水生地下(旧国道414分岐)−11:06天城山隧道11:25ー11:45水垂(河津七滝巡りコース)ー12:20湯ケ野♨(福田屋)ー12:50峰山トンネル(河津隧道)ー13:30下田港・別れののりば跡
伊豆急行・伊豆急下田駅から輪行帰宅
天候 | 秋の終わりの晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
自転車
帰り:伊豆急行・伊豆急下田駅から輪行帰宅 全線自転車を使用 |
コース状況/ 危険箇所等 |
踊り子遊歩道:自転車の乗車無しで 旧国316・天城山隧道:ハイカー優先で |
写真
装備
個人装備 |
ロードレーサー+SPDペダル(歩ける自転車靴)
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感想
小説伊豆の踊子(大正15年)の原案となった体験(大正7年)は川端康成と薫が歩いた天城越えでした。
おいらの中で天城は何回も越えてきた。もはや一高生と踊子ではなく‘’康成と薫‘’という理解になっている。
■天城山隧道
伊豆半島の海岸は断崖故、主要な陸上交通は半島中部の下田街道に頼らざるを得なかったが、最南端の風待港・下田に至るには天城を越えなければならなかった。峠道は何回か付け替えられたがM38に馬車が通行できる天城山隧道が供用されたことで、悲願ともいえる南豆の夜明けとなったのである。
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暗いトンネルに入ると、冷たい雫がぽたぽた落ちていた。南伊豆への出口が前方に小さく明るんでいた。
-----------伊豆の踊子・川端康成---------------
語り尽くされたことだが、伊豆石を使った総石造りの端正なトンネルである。この上部には古き峠、下部には新トンネルが穿たれているのだが、私はどちらも通行したことがない。・・天城山隧道のなせる魔力なのだろうか(・∀・)
■修善寺側の修善寺♨湯ヶ島♨、河津側の湯ケ野♨
入浴したことはないがどちらも下田街道沿いにある名湯、加えて修善寺温泉の知名度は全国区である。
※ただ修善寺町の合併あと→伊豆の国市というネーミング、、如何なものだろう。
------------湯ケ野♨での一コマ--------------
ほの暗い湯殿の奥から、突然裸の女が走り出して来たかと思うと、脱衣場のとっぱなに川岸へ飛びおりそうな格好で立ち、両手を一ぱいに伸ばして何か叫んでいる。手拭もない真裸だ。それが踊子だった。若桐のように足のよく伸びた白い裸身を眺めて、私は心に清水を感じ、ほうっと深い息を吐いてから、ことこと笑った。子供なんだ。私たちを見つけた喜びで真裸のまま日の光の中に飛び出し、爪先きで背いっぱいに伸び上がるほどに子供なんだ。私は朗らかな喜びでことこと笑い続けた。頭がぬぐわれたように澄んで来た。微笑がいつまでもとまらなかった。
-----------伊豆の踊子・川端康成---------------
■河津七滝(かわづななたる)
滝と書いて‘’たる‘’と読むのが河津流。
なお修善寺側の浄蓮の滝は‘’じょうれんのたき‘’と読む(^ω^)
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湯ヶ野までは河津川の渓谷に沿うて三里余りの下りだった。峠を越えてからは、山や空の色までが南国らしく感じられた。
-----------伊豆の踊子・川端康成---------------
小説では‘’渓谷に沿うて‘’とさらっと流しているが、実際の河津渓谷沿いは断崖や高巻きが伴うもので、峠越えの険しさを実感させない文章から山や空の色が勝ったのではと感じます
■下田港・別れののりば跡 その1
下田港といえば、、
ペリー、ハリス、唐人お吉、吉田松陰、ディアナ号等々の幕末物語に下田海中水族館
、そこに薫と康成の別れののりば跡も加えて頂きたい。
康成は東京への船便、薫一行は下田から東伊豆の伊東までを流して大島に戻ったようだ。
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一行は大島の波浮の港の人たちだった。春に島を出てから旅を続けているのだが、寒くなるし、冬の用意はして来ないので、下田に十日ほどいて伊東温泉から島へ帰るのだと言った。 大島と聞くと私は一層詩を感じて、また踊子の美しい髪を眺めた。大島のこともいろいろ尋ねた。
「学生さんがたくさん泳ぎに来るね。」踊子が連れの女に言った。
「夏でしょう。」と、私がふり向くと、踊子はどぎまぎして、
「冬でも・・・・。」と、小声で答えたように思われた。
「冬でも?」
踊子はやはり連れの女を見て笑った。
「冬でも泳げるんですか。」と、私はもう一度言うと、踊子は赤くなって、非常にまじめな顔をしながら軽くうなずいた。
「ばかだ。この子は。」と、四十女が笑った。
-----------伊豆の踊子・川端康成---------------
■下田港・別れののりば跡 その2
東伊豆の熱海〜下田の海沿いの国道・東伊豆循環道路の開通が、ようやくS7ということを考えると、川端が訪れたT7の伊豆の小湊の流通は小舟や山越えに頼るしかなく、川端と別れた踊子一行も舟を使って伊東までの流し旅と考えられ、伊豆の湊ひとつひとつが愛おしく思えるのだった。
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はしけはひどく揺れた。踊子はやはり唇をきっと閉じたまま一方を見つめていた。私が縄梯子につかまろうとして振り返った時、さようならを言おうとしたが、それもよして、もう一ぺんうなずいて見せた。はしけが帰って行った。栄吉はさっき私がやったばかりの鳥打帽をしきりに振っていた。ずっと遠ざかってから踊子が白いものを振り始めた。
-----------伊豆の踊子・川端康成---------------
行く秋に天城のバスと競ひけり ほの香
旅芸人入ルべからずや穴まどひ ほの香
行く秋の水したたるや古隧道 ほの香
行く秋の空美しき甘味かな ほの香
紅葉は隧道脇に散りにけり ほの香
行く秋に踊子の海訪ねけり ほの香
大鍋に伊勢海老も見へ浦祭 ほの香
秋風を二つに断つて下田富士 ほの香
踊子の心にも似て秋の人 ほの香
百代の過客も拝み秋の富士 ほの香
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