野反湖〜白砂山〜佐武流山
- GPS
- 27:22
- 距離
- 28.0km
- 登り
- 2,089m
- 下り
- 2,524m
コースタイム
- 山行
- 3:15
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 4:11
- 山行
- 9:56
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 11:22
- 山行
- 8:53
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 10:06
- 山行
- 2:20
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:20
天候 | 1日目、2日目 快晴 3日目 小雨 4日目 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
約50分 11220円 小日橋から越後湯沢駅 約45分 10000円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
白砂山から佐武流山までは全面藪コギで、1時間で300mぐらいしか進めない区間もある。確実な読図能力が必要で、GPS端末などは必携。木の幹に打ち付けてあるプレートが目印だが、見渡せる範囲にあることは少ない。 獣道や踏み跡らしきものもあるが、歩きやすいからと言って安易に踏み入れるべきではない。 尾根が平らな部分には水が流れた後のようなものがあり、その部分は笹が薄いので歩きたくなるが、結局は谷に向かってしまうので深追いしない。 赤土居山手前は痩せ尾根になっている。這松の枝がうるさく、足を滑らせないように掻い潜る。 全行程においてロープを使うところはなかった。 白砂山から北上する尾根は笹が主体で這松のミックス。石楠花も顔を出す。赤土居山から佐武流山は大きな根曲り竹の森になっており、視界がなくなるところもある。 道中にビバーク適地はない。赤土居山山頂、その後の2107p付近には鋸とナタがあれば切り拓いてテン場を作れそうな場所はある。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
ヘッドランプ
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
|
---|---|
共同装備 |
テント
|
感想
野反湖から白砂山を経て佐武流山、苗場山へと続く稜線。佐武流山の名前に惹かれて山域を調べている時、地形図に徒歩道として記載されているルートなのに、無雪期の記録がないことが訝しく、どんどん興味が膨れ上がっていった。残雪期でも藪に苦しんでいる記録もあることから、相当な藪なのは想像に難くなかった。いつか行ける日が来るのだろうか…。
思い立ってから2年あまりは経っただろうか。所属する会で山行を企画したところ、2名の参加者に応募していただき、3人パーティーで宿願のルートを歩けることになった。
前日は草津温泉に前泊し、草津温泉バスターミナルからタクシーで野反湖を目指す。登山案内センターの方にルートを告げ、計画書を提出して、計画より少し早い時間に歩行開始。堂岩山手前の水場で3日分の水を汲んで荷物が一気に重くなり、ピーク直前の急登を這々の体で登り詰めて白砂山に幕を張った。この日は雲一つない快晴で大パノラマに恵まれた。日没と月が昇る瞬間を同時に楽しんだ後はテントで夕食、軽く飲んで翌日の藪コギに備えた。
2日目は3時起床、5時出発。少しでも歩行時間を稼ぐために暗い内の出発となった。路面の凍結に備えてチェーンスパイクを装着して歩き出す。まずは北上する尾根に乗ること。それらしいピンクリボンを手がかりに藪に入ってみたが、地形がおかしく慌てて引き返す。さらに進んだ所にまたピンクリボンがあった。やはり暗闇では地形が分からない。この時、東の空が明るんできて稜線が影として浮かび上がり、ようやく地形の見当が付いて尾根に乗ることができた。
最初は膝ぐらいの笹だったが、いくらも進まないうちに肩の高さになる。這松も出てきて一気に進軍速度が落ちた。こういう時は焦っても仕方ないので、体重で枝を押しのけるように、手でのれんをくぐるように這松をいなしながら進む。まるで雪山ラッセルのようだ。
今回のルーファイにおいて、最初のポイントとなる最初のコルから尾根がS字を描いて北上する部分はやはり難しかった。その後は赤土居山2095pまで稜線を進むが痩せ尾根もあって気を遣う部分が多い。
次のポイントは赤土居山山頂からの西進。ここも稜線を外さずに行くが、想像以上の根曲りの密林になっており、おりる場所を間違えると、やや北向きに生えている根曲りに流されてルートを外れてしまう。視界も効かないため、早め早めに地形を判断しなければならない。
ここまでのペースでは今日中に佐武流山にも届かないことは確定していたので、ビバーク地候補を探しながら歩いたが、テントを張れるような場所は全くない。遠目になだらかな2107p付近に張れる場所があることを祈って最後の急登を進む。ピーク付近はやはり鬱蒼とした根曲りの森だったが、Oさんがテントが張れる僅かな空間を発見! 日没ギリギリに設営を終了して潜り込んだ。本当に奇跡のような瞬間だった。傾いているし、木の根っこは食い込んでいるしで、快適とはほど遠いテントだったが、中でお湯を沸かして暖まると、心底ホッとした。
翌朝、疲れからあまり食欲を感じないまま支度をして6時に行動開始。根曲りの藪コギから1日が始まる。2107pから佐武流山までは距離にして1km強しかないのだが、細かいアップダウンと這松、石楠花、笹、根曲りのオールスター攻撃で遅々として進まない。傾斜が緩んで、いよいよ佐武流山かと思うと、手前の小ピークでガッカリ。それを2度繰り返して嫌気が差してきた頃、本当にポンと佐武流山の山頂広場に飛び出した。達成感もさるものながら、助かったという安心感が先に立った。
佐武流山から先は一般登山道で快調に進んだが、前半で消耗しすぎて、急激にペースダウン。水もなく、行動食も足りない状態となったが、分けてもらったドライフルーツで一気に回復した。
パーティー全員、「小屋で布団」を合い言葉に赤湯温泉に降りる。この下山も長く、気を遣うトラバースもあって大変だったが、明るい内に小屋へと辿り着いて、温泉と温かいご飯で至福の時を過ごすことができた。小屋番さんにもこのルートを歩き通した事を祝福してもらい、感無量の一夜を過ごした。
単独で歩いた方の記録もあるが、とてつもない健脚の方だと実感する。今回の山行が成功したのは一にも二にも好条件に恵まれたからだ。藪では目指す稜線がずっと見えていたので、分岐となるピークでは確信を持って進路を定められたが、ガスっていたら格段に難易度が上がるだろう。
また歩きたいかと聞かれたら正直、もういいと答えるだろうが、絶対に忘れない道のりになったのは間違いない。もう少し時間を置いたら、また計画してしまうような気がする。
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