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記録ID: 2799284
全員に公開
ハイキング
日光・那須・筑波

加波山の禅定場(表山南側)

2020年12月13日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
06:35
距離
9.2km
登り
874m
下り
865m
歩くペース
ゆっくり
1.31.4
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:20
休憩
0:09
合計
6:29
距離 9.2km 登り 874m 下り 874m
過去天気図(気象庁) 2020年12月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
禅定場とされる石巡りは邪念や妄想に打ち克つという目的から、あまり容易な道という性格は持たない。また、後述する50年前(S44-50ごろ)の資料を基に位置を追ったために、当時と地形が異なる箇所、消失した箇所があった。

今回歩いた山頂の南西側の禅定場は石切場が近いこと、参拝道から離れるため、藪やロストを普通と考えたほうがよい。性質上ピンクリボン等標識はない。
加波山本宮
2020年12月13日 09:31撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 9:31
加波山本宮
本宮(親宮合祀)里宮の天狗
2020年12月13日 09:35撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 9:35
本宮(親宮合祀)里宮の天狗
普明神社の天狗
加波山には本末の異なる本宮、中宮、親宮の三社が並立。中宮の里宮
2020年12月13日 09:40撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 9:40
普明神社の天狗
加波山には本末の異なる本宮、中宮、親宮の三社が並立。中宮の里宮
中宮里宮の天狗
2020年12月13日 09:42撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 9:42
中宮里宮の天狗
寝不動
2020年12月13日 09:48撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 9:48
寝不動
寝不動から尾根道へ。舗装を歩かなくてよい
2020年12月13日 09:51撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 9:51
寝不動から尾根道へ。舗装を歩かなくてよい
山頂入り口、中宮拝殿と親宮拝殿
2020年12月13日 10:43撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 10:43
山頂入り口、中宮拝殿と親宮拝殿
中宮拝殿の天狗
2020年12月13日 10:39撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 10:39
中宮拝殿の天狗
親宮本社
2020年12月13日 10:48撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 10:48
親宮本社
たばこ神社S32
2020年12月13日 10:49撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 10:49
たばこ神社S32
中宮本社
2020年12月13日 10:51撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 10:51
中宮本社
本宮本社と鏡石
2020年12月13日 10:54撮影 by  SM-G973F, samsung
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12/13 10:54
本宮本社と鏡石
三尊石(三社石、三神石)
ここから南西側にスタート。禅定順と逆になるが下からは石切場が間に入るため位置特定が難しい
2020年12月13日 10:59撮影 by  SM-G973F, samsung
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12/13 10:59
三尊石(三社石、三神石)
ここから南西側にスタート。禅定順と逆になるが下からは石切場が間に入るため位置特定が難しい
現在に続く禅定場を整理した加波山中興の祖、金森五助と大塚久右衛門の碑の前を南側に下る。本宮道は北西側なので反対側。
2020年12月13日 11:12撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 11:12
現在に続く禅定場を整理した加波山中興の祖、金森五助と大塚久右衛門の碑の前を南側に下る。本宮道は北西側なので反対側。
24.大黒杉、25.エビス杉
2020年12月13日 11:14撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 11:14
24.大黒杉、25.エビス杉
26.梵天石(大日石、三光神社)
2020年12月13日 11:14撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 11:14
26.梵天石(大日石、三光神社)
27.太鼓石
2020年12月13日 11:14撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 11:14
27.太鼓石
エビス杉
2020年12月13日 11:16撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 11:16
エビス杉
2020年12月13日 11:17撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 11:17
28.子の権現、のの字巡り
エビス杉から下。高さは最大級
2020年12月13日 11:19撮影 by  SM-G973F, samsung
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12/13 11:19
28.子の権現、のの字巡り
エビス杉から下。高さは最大級
順路はのの字の間を登る
2020年12月13日 13:40撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:40
順路はのの字の間を登る
のの字巡り下から
2020年12月13日 11:20撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 11:20
のの字巡り下から
29.金比羅。のの字の山道をはさんだ横下
2020年12月13日 11:25撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 11:25
29.金比羅。のの字の山道をはさんだ横下
大きい岩だが無名。のの字近く。
いくつかの大岩を見て、石ではなく、地中の岩の露出は霊場にならないと推察した。
2020年12月13日 11:30撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 11:30
大きい岩だが無名。のの字近く。
いくつかの大岩を見て、石ではなく、地中の岩の露出は霊場にならないと推察した。
30.三十六神、天神七代地神五代
のの字の下
2020年12月13日 11:35撮影 by  SM-G973F, samsung
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12/13 11:35
30.三十六神、天神七代地神五代
のの字の下
三十六神、周辺石だらけ
2020年12月13日 11:39撮影 by  SM-G973F, samsung
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12/13 11:39
三十六神、周辺石だらけ
疑弁天石
三十六神の下の踏み後を北側にわずかのところ。後で間違いと分かる。何度も周辺をうろついたが該当が他に無く、位置的には測量線の直上なのでこれとしたが、2時間後、下側で検証後に逆ルートで戻ったときに藪に隠れた本弁天が見つかる。
2020年12月13日 11:41撮影 by  SM-G973F, samsung
1
12/13 11:41
疑弁天石
三十六神の下の踏み後を北側にわずかのところ。後で間違いと分かる。何度も周辺をうろついたが該当が他に無く、位置的には測量線の直上なのでこれとしたが、2時間後、下側で検証後に逆ルートで戻ったときに藪に隠れた本弁天が見つかる。
前川文献図。弁天の下に測量線
2020年12月13日 13:39撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:39
前川文献図。弁天の下に測量線
疑弁天下の測量線
結局、疑弁天も手前の丸石も、無名石
2020年12月13日 11:42撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 11:42
疑弁天下の測量線
結局、疑弁天も手前の丸石も、無名石
無名石
2020年12月13日 11:53撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 11:53
無名石
これも無名石
2020年12月13日 12:00撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 12:00
これも無名石
林道に出た場所。三十六神から
2020年12月13日 12:17撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 12:17
林道に出た場所。三十六神から
無名石。尾根、沢ごとに数多くあり形は下から見ないと分からないので時間がかかる。
2020年12月13日 12:41撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 12:41
無名石。尾根、沢ごとに数多くあり形は下から見ないと分からないので時間がかかる。
行者モトシをみつけた。これは上端。
一旦下に降りて、蠶影(蚕カゲ・コカゲ)大神を見つけてそこからたどった。探した範囲より南側にあった。
2020年12月13日 13:03撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:03
行者モトシをみつけた。これは上端。
一旦下に降りて、蠶影(蚕カゲ・コカゲ)大神を見つけてそこからたどった。探した範囲より南側にあった。
石の間を落ち葉が埋めていることがあり踏み抜くと危険
2020年12月13日 13:03撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:03
石の間を落ち葉が埋めていることがあり踏み抜くと危険
行者モトシを上に出ると、林道を石が塞いだ場所の近くに出た。
2020年12月13日 13:10撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:10
行者モトシを上に出ると、林道を石が塞いだ場所の近くに出た。
ジャコツ弁天と行者モトシの間は、この図の印象より離れている。
2020年12月13日 13:58撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:58
ジャコツ弁天と行者モトシの間は、この図の印象より離れている。
再度、三十六神から正しい蛇骨弁天へ。三十六神の下、測量線を南に行くと、
2020年12月13日 13:44撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:44
再度、三十六神から正しい蛇骨弁天へ。三十六神の下、測量線を南に行くと、
ヤブ。この位置から蛇骨弁天まで2m。見えない。
2020年12月13日 13:45撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:45
ヤブ。この位置から蛇骨弁天まで2m。見えない。
31.蛇骨弁天
下から来てやっとわかった。上も落ち葉で覆われていて見つかりにくい。

2020年12月13日 13:36撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:36
31.蛇骨弁天
下から来てやっとわかった。上も落ち葉で覆われていて見つかりにくい。

下の測量杭から。弁天は見えている。
2020年12月13日 13:49撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:49
下の測量杭から。弁天は見えている。
標準的な南西禅定場の様子
2020年12月13日 13:51撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:51
標準的な南西禅定場の様子
行者モトシへの降り口。
2020年12月13日 13:57撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:57
行者モトシへの降り口。
このヤブの中に入るのが正しい。
2020年12月13日 13:59撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:59
このヤブの中に入るのが正しい。
林道直下。面白い玉石3つ。方向は禅定図と別の図で天照大神三種神器の方向だが露出が新しそうなので違いそう。
2020年12月13日 14:07撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:07
林道直下。面白い玉石3つ。方向は禅定図と別の図で天照大神三種神器の方向だが露出が新しそうなので違いそう。
32.剱の峰渡
2020年12月13日 14:02撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:02
32.剱の峰渡
33.鞘禅定(推定)
2020年12月13日 14:12撮影 by  SM-G973F, samsung
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12/13 14:12
33.鞘禅定(推定)
鞘禅定(推定)
2020年12月13日 14:11撮影 by  SM-G973F, samsung
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12/13 14:11
鞘禅定(推定)
34.行者モトシ、
2020年12月13日 14:14撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:14
34.行者モトシ、
前川図。行者モトシが三角形で描かれている。他より扱いが大きいのがわかる大きさの石
2020年12月13日 13:41撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 13:41
前川図。行者モトシが三角形で描かれている。他より扱いが大きいのがわかる大きさの石
行者モトシから真っ直ぐ下りると松尾大神。下から見ると巨大だが落ち葉でわからない。
2020年12月13日 14:17撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:17
行者モトシから真っ直ぐ下りると松尾大神。下から見ると巨大だが落ち葉でわからない。
35.松尾大神
行者モトシから真っ直ぐ下。
2020年12月13日 14:19撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:19
35.松尾大神
行者モトシから真っ直ぐ下。
36.蠶影(蚕カゲ・コカゲ)大神
松尾大神の下の山道を北に緩やかに下ったところ。
2020年12月13日 14:26撮影 by  SM-G973F, samsung
1
12/13 14:26
36.蠶影(蚕カゲ・コカゲ)大神
松尾大神の下の山道を北に緩やかに下ったところ。
どうしてこんな石ができるのか
2020年12月13日 14:23撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:23
どうしてこんな石ができるのか
蠶影(蚕カゲ・コカゲ)大神
2020年12月13日 14:25撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:25
蠶影(蚕カゲ・コカゲ)大神
コカゲ大神から下へ
2020年12月13日 14:29撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:29
コカゲ大神から下へ
37.荒沢大神
コカゲ大神から下へやや距離があるがこの間は山道がある。途中の行基石は見つからず。
2020年12月13日 14:45撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:45
37.荒沢大神
コカゲ大神から下へやや距離があるがこの間は山道がある。途中の行基石は見つからず。
荒沢大神。
日射しも弱くなってきたのでここでタイムアップ。
2020年12月13日 14:45撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:45
荒沢大神。
日射しも弱くなってきたのでここでタイムアップ。
まわりの岩が気になるが、石切場を通る未踏ルートなので帰路優先。
2020年12月13日 14:47撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:47
まわりの岩が気になるが、石切場を通る未踏ルートなので帰路優先。
無名石
2020年12月13日 14:48撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:48
無名石
石切場の石くず
2020年12月13日 14:59撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 14:59
石切場の石くず
石切場の段々の上。崩落した石。
2020年12月13日 15:19撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 15:19
石切場の段々の上。崩落した石。
登れそうなところから、GPSを頼りに本宮道へ向かう
2020年12月13日 15:20撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 15:20
登れそうなところから、GPSを頼りに本宮道へ向かう
不思議な長い石を見ながら登る。
目標は南側の禅定起点になる本宮道八合目。
2020年12月13日 15:28撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 15:28
不思議な長い石を見ながら登る。
目標は南側の禅定起点になる本宮道八合目。
登ったところ、石切場の崖の手前の有刺鉄線跡。
2020年12月13日 15:32撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 15:32
登ったところ、石切場の崖の手前の有刺鉄線跡。
八合目に出た。右のヤブから。
2020年12月13日 15:35撮影 by  SM-G973F, samsung
12/13 15:35
八合目に出た。右のヤブから。
旧採石場越しに筑波山。
2020年12月13日 15:51撮影 by  SM-G973F, samsung
1
12/13 15:51
旧採石場越しに筑波山。
撮影機器:

感想

先週に続き、前川康司氏の文献のA3コピーを片手に加波山表山の禅定場を探索した。
今日の探索は山頂から南西側の3枚。
本宮道から離れ、目安になる道がないため、山中を広めに歩きまわったつもりだが、今日一番感動した大版石、”行者モトシ(行者七戻り)”は探索範囲の外にあった。”行者モトシ"がそこにあると、その前のルートが違うことになるので、さらに戻って、納得できる”蛇骨弁天石”を確認した。

今日の疑問は、加波山の山中には霊場に選ばれた石の他にも尋常ではない大石がそこここに露出しており、(これが目的の石の位置の特定を難しくしているが)なぜ、禅定場の石は”それ”に選定されたのか? 私の今日の想像は、(1)当然、圧倒的な異質感。(2)露出した岩・地中に埋まった部分が予想できない岩ではなく、地上に大部分が出た石であること。(3)あわせて、禅定のコースに乗る、アクセスが危険すぎない、という人間的な要素、が同時にあるのではないかと感じた。
2日だけの探索で薄っぺらい推察だが、ガイドがいないおかげで、最初に禅定場を考える人の気持ちが少し想像できたのは面白い経験だったと思う。

(前回より文献についてコピペ)

筑波山は巨石に案内板があり名前が分かるが、加波山は何度も登っているのに頂上の巨石の名前を知らない。
また、加波山には禅定で巡る七百余りの参詣場所があるそうだが、何度か登ってもその1/100くらいしか見当つかなかった。

そこで、図書館の郷土資料コーナーを調べたところ、茨城県立図書館に、加波山を詳細に調べた本が前川康司氏により寄贈されており、この本の中に、秘伝と思っていた禅定場の順路の地図があり、この資料を参考に岩の名称、位置をたどることにした。

参考文献は45年前のものであり、GPSがなかった頃の労作であることに加え、石が消失したり、道が変わり踏まれていない場所があり、位置の特定は容易ではないことがわかった。加波山で夏の1ヶ月に実施される禅定に参加させていただけば分かると思うが、時間もないので、余裕があるときに図を見ながらたどってみたいと思う。


-----
以下は、前川氏の本、その他文献を読んで分かったことのメモ。

自分で調べたわけではなく、書いてあることで気になった要点を自分のために。すぐに忘れてしまうので

参考図書、
◎前川康司、加波山巻5霊場、1979.5、手書きのコピー製本
- 小森五助の1791の絵図に、大先達指導や踏査記録を整理し昭和44年から50年ごろに参拝順序を記した資料
桜井徳太郎編、山岳宗教と民間信仰の研究、山岳宗教史研究叢書6、1976
鈴木市右、霊峰加波山、1978.3、加波山神社社務所
つくば新聞 http://www.tsukubapress.com/kabasan.html

・筑波山は江戸時代500石を与えられ、一別当知足院が支配してきたが、加波山は本宮、中宮、親宮三寺院並立で支配される。三寺院は本寺が異なる。
・古代、中世の加波山神社史は明らかにしえない。独自の信仰を展開するのは近世以後、特に江戸時代中期以後。(桜井著)
・三寺院並立なので、山頂、里に加波山名の社がたくさんある。
・本宮、親宮は真壁町長岡の鎮守、中宮は八郷町大塚の鎮守。
・真壁の新しい里宮は中宮で箱根大天狗山神社が資金提供。中宮は八郷の鎮守だが東西両方に里宮がある。
・たばこ神社は八郷を信仰圏とする中宮。昭和32年。
・それぞれの神社に所属し加持祈祷を行う山先達の案内で、一般民衆が夏一ヶ月加波山中の巨石、奇岩、岩窟を巡る禅定を行う。
・加波山では禅定という言葉は一般民衆の登拝する夏期の修行に限られて使われる。
・禅定場の地図は小森五助、大塚久右衛門によって1791年に作成された。その後信仰圏の拡大が図られる。文化文政の町人文化の最盛期の頃。
・禅定の成立は布教、財源確保のためがひとつの側面で、幕府の祈願所として繁栄した筑波山より、加波山が江戸中期に禅定場を整備し、活発な信仰を展開した理由のひとつと考えられている。

・霊場は、1395年熊野の天台宗の僧侶を招き、熊野吉野大峰に擬した霊場がつくられた。中興開山のこの僧、源海上人は筑波山と同一。
・霊場(禅定場、岩)は三社で別の霊場を持っているわけではなく、共通している。ただし、名称が異なるところがある。
・伝承は行者の間でも秘密にされ、弟子にも順序を変えたり抜かしたりして伝授されていた。一般に開放されたのは江戸期小森五助の後。
・江戸時代にあっても、石材として消失したものもある。秘伝で知られていなかったことも理由。
・三尊石は釈迦、弥陀、薬師を示す。
・加波山行者は、強力三年、水くみ三年、清掃三年で十年修行する。それまでは霊場の案内もできないし、先達の部屋に入ることが許されなかった。
・岩屋とあるがほとんどが岩窟ではない。滝とあるがほとんどが水のないもので雨天には滝になる。

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