土蔵岳〜大ダワ周回☆奇跡の邂逅
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- GPS
- 05:33
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 766m
- 下り
- 773m
コースタイム
天候 | 曇り後雨 気温2~6℃ 弱風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山口から885の最初のピークまで 最大斜度30度位の急登。雪が緩んでいたが、膝程度まで沈み込むので、登坂力の高いスノーシューならば登坂可能。 ・土倉岳~大ダワまで 雪庇の雪割れが進んでおり、雪庇脇から3~4m位の位置に、幅0.5~1.0m位のヒドゥンクレバスが隠れている。トレッキングポールで確認したり雪割れ痕跡の穴などに注意して通過した方が良いが、穴の上の雪の厚さが30~40cm程度の箇所もあり、ポールなどで探っても分かり難い状況。今後、雪割れが進むので、その後の積雪状況次第では幅の広いヒドゥンクレバスが形成され、かなり危険な状況となる可能性あり。 ・下りの中尾根 最大斜度30度程度の急登。雪が緩んでいたので滑り落ちやすい状況。 ・全区間 ツリーホールや藪下の空洞に落ちることもあるので注意。 今後、気温が高い日や雨の影響がある日は、雪崩リスクや滑落リスクが増大するので避けた方が無難。 なお、登山口から土蔵岳まではクマの痕跡がかなり多い。無雪期はそれなりの対策をした方がよさそう。 |
写真
出発前、駐車場に到着すると狩猟のおじちゃんの車が1台。
そして3台目が駐車して、その車から降りてきたのは・・・!!
なんとyamanekoさんとyamaizuさんご夫婦(@_@!!。
場所も時間も待ち合わせ以上にドンピシャ!!
こんなミラクルあるのか?
急遽、4名の夫婦登山となりました。
今日は大ベテランのyamanekoさんから色々と勉強させていただこう!!
今日のコースは急登区間は樹林帯だが、雪が緩みすぎだとスラッシュ雪崩の可能性もあるし、稜線は雪割れ、雪庇崩壊もあるので注意していこう。
それにしても雪が深い!!。
道路脇の雪は2m位もあるではないか?
昨日の伊吹山は2合目までほとんど雪がなかったのに。
同じ伊吹山地をちょっと北に移動しただけでこの雪とは本当に凄い!!
しかも夜に雨が降っていたようで、高温と雨で雪はかなり緩くなっていた。この区間、ずっとyamanekoさんに先頭でラッセルしていただいた!!
ありがとうございました。ご苦労様でしたm(__)m。
いつも情景あふれる写真を撮られていますが、やはり映える写真を撮られる方は細やかな労を惜しまない。
自分の写真がダメダメ写真な理由がよくわかりました。勉強になります。
雲が低いままです。ここでもyamanekoさんから雲の観察について御教授いただいた。雲が足の様に下に伸びてくることは、自分の観点からは欠如していたので、とても勉強になりました。今後、そういった観点からも知識と経験を積んでいかねばならないだろう。
無雪期はきっとそれなりの藪なんだろうけれど、積雪期は素晴らしい雪山トレイルです。
ここでもyamanekoさんから植物についてご教授いただいた。植物の知識が不足している自分にとってはとても勉強になり、興味深かった。
この辺はガオーの痕跡が凄く多い!!特に登山口から土蔵岳付近までがとても多いです。あちこちに爪痕があります。伊吹山地はそれなりにクマの痕跡が見られますが、ここは特に多いです。
きっとブナの巨木が多く実が豊富につくのでしょう。
とても絵になります。
それにしても、yamaizuさん、ルート選択、歩調、呼吸などから、相当に雪山を歩きなれているのがわかります。団体行動で疲れない自分なりのペースを守るというのは、結構難しいのですが、さすがです。
昨年、北陸の山にちょこちょこかよったが雪たっぷりの低山の魅力に心打たれた。
無雪期の樹林帯の尾根や稜線。それが積雪期には真っ白なスラっとした尾根、稜線や大きな雪庇の尾根、稜線に変貌を遂げる。
そして雪山ならではの野生動物の沢山の痕跡。
無雪期の山々で謳歌していた生き物たちの積雪期の耐え忍ぶ様。
これら要素が低山雪山の魅力だと思う。
無雪期の山を知り、積雪期の山を知り、その対比から新たな発見や感動が生まれる。本当に素晴らしいです。
雨もちらついてきたので、早めに下山したいところだったので、これは痛恨のミスだ!!
お二人とお嫁様に平謝りをする。笑って許して頂いたが、これは笑えることではない・・・。本当に申し訳ありませんでした。下山してから自分が2kmを走って車を取りに行っても多分、30分位のロスとなるだろう。
だが、さすがyamanekoさんです。第二案、中尾根下山ルートのトラックを確保されてました。急遽トレースを戻り、中尾根ルートへ向かいます。
前方を見るとヒドゥンクレバスに胸まで落ているではないか!!
直ぐに駆け寄り、助けに向かうが、自力で這い上がってこられた。
かなり陸側を歩かれていたのだが、これは気づくのがちょっと難しいケースだ!!
自分のミスが引き寄せたリスクだ!!計画外の行動がこういったリスクを増大させる。ああ・・・今日はお荷物だ!!申し訳ない。
ちなみに、今日はクレバスの幅が狭かったが、これからはどんどん広がっていくと思う。最悪、雪庇の下まですり抜けて落ちて行ってしまう。今後は今まで以上にリスクが高くなると思います。
装備
個人装備 |
ジオライン長袖シャツ
モンベルのウィックロンジオサーマルロング
ロングパンツ(モンベルマウンテンガイドパンツ中厚手)
モンベルのジオラインバラクラバ
防寒テムレス
非防寒テムレス
ハードシェル下
レインウェア上
3シーズントレッキングシューズ(ノースフェイスヴォルト)
ザック(グラナイトギア38)
パン2個(消費せず)
非常食(柿の種)
スポーツドリンク0.5L(0.2L消費)
地図(地形図)
0.5L水筒(お湯0.5L)
ヘッドランプ(レッドレンザーMH5を2個)
予備電池
GPS(ガーミンmap64sとetrex30)
筆記用具
ファーストエイドキット
保険証
スマホ
BDウィペット(直径12cmのスノーバスケットへ交換)
ココヘリ
防寒着(化繊ジャケット)
ツェルト(juza)
モンベル12本爪アイゼン
スノーシュー(ノースイーグル)
|
---|---|
備考 | 自分の車の鍵の持参をyamanekoさんの車に置き忘れた。本当は下山口は自分の車で4人で乗り込み、yamanekoさんの車に向かうはずだった。 |
感想
今日はyamanekoさん、yamaizuさんと駐車場で奇跡の出会い!!
そして、めちゃくちゃ積雪量の多い伊吹山地北端を楽しむことができた。
距離こそ短かったが、これほど楽しめるコースはなかなかないだろう。
天気が良ければ、眺望も数倍楽しめると思う。
自分の鍵忘れの痛恨ミスでご迷惑をおかけしてしまったが、今日は本当に満足な一日だった。
ちなみに、いつもは味気ない題名ですが、今日はyamanekoさん作!!とっても彩りがつきました。写真だけでなく題名にも、、もうちょっと気を配らないといけませんね。
湖北のあたりでは朝まで雨が降っていたのであろう。マキノを過ぎると濃密な霧が立ち込めている。木ノ本のあたりでは全く雪はないが、R303に入り川合トンネルを過ぎると途端に雪景色が広がる。杉野のあたりからは国道から左手に見える筈の横山岳は雲が覆い隠している。長い八草トンネルを過ぎて岐阜県に入ると途端に上空が晴れてくる。
この日は東北を横断する低気圧から南西に伸びる長い寒冷前線のせいで日本海側は雨となる予報だ。しかし、この奥美濃の山域は前線からの雲がかかることが遅いと読む。午前中は天気がもってくれることを期待して、トガスに向かうことにしたのだった。
夜叉龍神社前の駐車場にたどり着いたとき、ほぼ同時に到着された一台の車がある。まてよ、車を運転しておられる男性はどこかでお会いした見覚えのあるお顔だ。ご挨拶にお伺いすべく車に近づいたとき、助手席から降りて来られた奥様のお顔を拝見して思い出した。機会があればこの大ダワ〜土蔵岳の周回をご一緒しましょうとメッセージを応答していたgreenriverさんご夫妻だ。躊躇なくトガスを諦めて山行先を変更することにする。
まずは私達の車で八草トンネルの西側出口の除雪された林道入口に車で移動する。坂内方面に歩き始めると、すぐに左手の植林の尾根へとはいってゆくスノーシューのトレースがある。八草川に沿った旧道への分岐点から尾根にとりつく。植林の斜面を登るとすぐに傾斜も緩くなり、雑木林の尾根となる
尾根からはすぐにも右手に好展望が広がり、朝陽をうけて輝く土蔵岳〜大ダワの稜線が大きく視界にはいる。白い稜線の上に続いている疎林はブナだろう。穏やかな雰囲気の稜線は広げられた白い絵巻のようにも見える。これから辿る稜線でその絵巻物に繰り広げられる景色への期待に胸が高鳴るのを感じる。すぐ右手には湧谷山から続く稜線の先に蕎麦粒山が鋭鋒を天に向かって突き出している。
尾根から不思議なことにこの坂内川上を取り巻く一帯のみが晴れているようだ。八草峠から金糞岳の山頂部の方角は薄墨を流したかのような暗雲が広がっている。雨雲が到来するのは時間の問題であるが、稜線を歩く時までは天気がもって欲しいものだ。
しばらくは緩やかな尾根が続く。Ca700mで西側の支尾根と合流すると、尾根上には数名分のトレースが現れる。どうやら昨日のもののようだ。ノートレースの雪稜を歩く喜びはないが、完成されたトレースのおかげもあり、快足に尾根を進む。
なだらかな尾根は早くもブナの樹林となる。箒状の端正な佇まいを示す樹々の樹形に安蔵山、谷山、横山岳、左千方といった国境を挟んだ湖北の山々を思い出す。
P885の手前で再び斜面が現れる。トレースは右側の自然林を通っているが、トレースのない左手の面を登ることにする。斜面はポツポツと杉の樹が疎らに生えているだけなので、大きく南側の展望を眺めながらp885へと登りつめる。明らかに植林の雰囲気ではないのだが、尾根の左右で大きく植生が異なるのは興味深い。斜面からは長大な金糞岳の北尾根と八草川の源流域の広大な景色が広がるが、金糞岳の山頂部は依然として暗い雲の中だ。
p885のピークにはシンボル・ツリーのような根元から大きく株立ちしたブナの樹がある。枝にまかれたテープにp885と記されている。p885からは土蔵岳に向かって、緩やかに登ってゆく尾根が目に入る。尾根上には回廊のようなブナの樹林が続いてゆく。大ダワへの稜線を眺めながら高度を上げてゆくのは、さながら物語の序章といったところかもしれないが、すでに十分に稜線歩きの魅力を堪能させてくれるものだ。蕎麦粒の鋭鋒はいつしか雲に隠れてしまっていた。
ブナの樹幹が太い樹をよくよくみてみると、樹肌には特徴的な五指の爪痕が上に向かって連綿と続いていることにgreenriverさんが気が付かれる。ブナの実を求めて熊が木登りをした痕跡だ。熊はその重たい体重を支えることが出来そうな樹を選んで登っているのだろうか。よくよく見ると根元から株立ちした細い支幹にも小さな五指が上を目指していることに気が付く。隣の太い支幹に登る親熊を見様見真似で仔熊が登っている光景を想像して、なんとなく微笑ましくなった。決して遭遇したくない光景ではあるが。
Ca900mのピークが近づくとその南側に雪庇の大きな壁が出来ている。東側の斜面をトラバースするトレースを辿る。斜面から展望が大きく広がるが蕎麦粒岳は雲のなかに姿を消したようだ。
土蔵岳の山頂直下の斜面には刻まれているトレースの多さに驚く。ここまでの尾根では数名分と思っていたが、どうやら好天に恵まれた昨日はかなりの来訪者があったようだ。斜面を登りつめると途端に見覚えのある山頂部に飛び出した。ブナの樹間から北側に猫ヶ洞がすっきりと見えている。
いよいよ大ダワへの稜線を東へ辿る。稜線の南側は樹木がなく、広い尾根の北側のみにブナの樹林が広がっている。尾根からの雪崩のせいで樹木が育たないのだろうか。
急に気温が低くなった気がする。尾根を吹き渡る風が強くなったようだ。気温と湿度をこまめにチェックしておられるgreenriverさんが気温が一向に変わらないことを教えて下さる。急に体感温度が下がったのはどうやら風のせいらしい。
なだらかに波打つ広い尾根には台地状の小ピークが続く。小さなピークのブナの樹林の中には広々とした空間が広がっている。ふと頭上を見上げるとブナの梢が織りなす穹窿がまるで聖堂の荘厳な伽藍のようで、思わず畏敬の念を抱く。
林の中にはひときわ顕著に苔むす樹がある。ミズナラの樹のようだ。あたりの雪の上には樹肌についた苔が散乱している。風の仕業かと思ったが、そうではないことにgreenriverさんが気が付かれる。樹肌をよくみるとほぼ一定の間隔で苔が剥落している。すなわち樹を登ることが出来る何者かの仕業だ。
大ダワの山頂が近づくと尾根から張り出す巨大な雪庇が雪の多さを物語る。雪面を注意深くみると雪庇の端からかなり内側に入り込んだところで随所に雪割れが散見する。
いつしか風は弱まったようだ。しかし空気が重たく感じられる。Greenriverさんによると湿度が高くなったらしい。稜線の北に先ほどまでみえていた猫ヶ洞もその輪郭を失いつつあるようだ。
壮麗なブナの樹林、たおやかな雪庇を楽しみながら歩くうちに意外にも早く大ダワのピークに到着する。山頂からいざ夜叉龍神社に向かって出発したところでポツリポツリと雨粒が落下し始める。雨の到来は予想以上に早かったようだ。
尾根を東に進み始めたところですぐにgreenriverさんが「あーっ!」と大きな声をあげられる。何事かと思いきや、突然、このタイミングで私の車の中にご自分の車の鍵を置いてこられたことを思い出されたらしい。よくぞこのタイミングで思い出して下さったものだ。尾根を下降する前でよかった。
急遽、予定を変更して、尾根の中間地点p1026から南に下降する尾根を辿ることをご提案する。もとより家内とこの土蔵岳〜大ダワを訪れる時にはこの尾根を下降するつもりで山行をシミュレーションしていたのであり、この尾根も辿ってみたいと思っていたところである。Greenriverさんが鍵を忘れたことを夜叉龍神社へと尾根を下降する前に思い出して下ったのは怪我の功名とでもいうべきところかもしれない。
尾根を戻りながら、Greenriverさんにこれから下降する尾根を指している、その瞬間、足元が崩れ大きく落下するのを感じた。気が付くと、雪割れに落ち込んだのだった。両腕が引っかかって、すぐに這い上がれたからよかったが、周囲の雪をポールで突いてみると雪の下からは獰猛な動物の口のような深い裂け目が姿を現す。ヒドゥン・クレヴァスと呼ばれる類のものだ。
P1026からの尾根は最初は急下降ではあるが、それほど無理な下降ではない。細尾根ではあるが、ブナの回廊の左右に大ダワ、土蔵岳、登りに辿った尾根を眺めながら下降してゆくのも贅沢なものだ。それに、トレースのない尾根を辿る愉しさもある。しかし、ここで急に雨が本格的な降り始めたので雨具を着る。
歩きやすい尾根が続き、気が付くと尾根の下部p727まで一気に下降していた。ここから再び尾根は傾斜を増すがやはりそれほど難しい斜面ではない・・・と思いきや、下降するにつれ著しく腐れた雪のせいで何度か足を滑らす羽目に陥る。
無事に尾根を下降し、深く積雪した棚田の上に出たところでいよいよ雨足が強くなってきた。八草トンネルの手前の駐車地に急いで戻り車に乗ると、greenriverさんご夫妻を夜叉龍神社にお送りする。車では夜叉龍神社までは一瞬であるが、この雨の中を夜叉龍神社から歩くのは体力的にも精神的にも消耗することになりそうだ。
greenriverさんご夫妻に楽しかった山行のお礼を述べてお別れする。湖北を周って高島市に入ると空気が妙に霞んではいるが、一向に雨が降った気配がない。しかし、この日は山行先を間違ったとは思えない。何かしら見えない力に導かれて訪れるべくして奥美濃に向かったとしか思えないのであった。
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