白山(ホワイトアウトの湯ノ谷〜釈迦岳へ)
- GPS
- 17:33
- 距離
- 46.9km
- 登り
- 2,828m
- 下り
- 2,811m
コースタイム
- 山行
- 14:30
- 休憩
- 1:41
- 合計
- 16:11
天候 | 晴れのち雪(ホワイトアウト) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
◆白峰〜市ノ瀬 ・スタートから3kmあたりまで軽く除雪が入っていてブル道ができていた。(先週はなかった) ・水は取れない。 ◆市ノ瀬〜別当出合 ・フルラッセル。ショートカットをしながら基本忠実に林道をいく。 ・別当出合の休憩舎は雪に埋まっていて利用不可。 ・吊り橋は両端だけ積雪あり。スキーで渡った。 ◆別当出合〜御前峰 ・どこでもあるけるので歩きやすいところを歩く。 ・エコーラインに登り上げる部分はモンスター尾根ではなく甚之助谷上部の沢から登り上げた。途中カチカチになっている箇所があったので注意が必要。 ・御前峰までのルートは視界があれば逆くの字をいくところだが、今日は視界がなかったので適当に登りやすいところからアプローチした。 ◆御前峰〜白山釈迦岳(スキー滑走のち登り返し) ・御宝庫から湯ノ谷へスッと入りたかったがホワイトアウトのためうまくいかず。 ・視界があれば特に問題ないものと思われる。 ・湯ノ谷も今年は積雪が多いので特に落とし穴らしきものはなかった。 ・湯ノ谷から白山釈迦岳への登り返しも基本的に夏道をなぞる。釈迦岳直下は夏道がないので直登。 ◆白山釈迦岳〜市ノ瀬(スキー滑走) ・本来なら別の尾根を滑る予定だったがホワイトアウトで断念。丸岡谷〜釈迦新道の尾根を安全に滑った。 ・湯ノ谷の渡渉は橋がないためシールで近くのスノーブリッジを渡った。 |
写真
感想
先週白山へ行ったばかりだがYSHRセンセーと大魔人さんが2月のお参りにいくというので便乗させてもらった。
単独頑張るという選択肢もあるがやっぱり仲間と一緒の方が安心だ。
いつもなら0時スタートだが、今日は天気が崩れる予報だったので23時スタートとなった。
相変わらずフライングスタートとなって22時半頃から順次出発。
先週はスタートからフルラッセルだったが今週は除雪が入ったらしくブル道ができていた。
ブル道のおかげというのもあるが、今回は降雪直後でもないのでラッセルもあまりなく楽勝ムード。
実際別当出合まで5時間ちょいで到着した。
先週6時間半かかったことを思えばかなり短縮したといえる。
別当出合から交代しながらラッセルしていく。
ここも先週と比べればほとんどラッセルはなく、割とイージーモードだった。
甚之助避難小屋を過ぎて谷からエコーラインへ登り上げることになったが、途中カチカチ斜面に出くわして肝を冷やした。
クトーを着けていても急なカチカチ斜面は心臓に悪い。
ここをクリアしたらサクっとエコーラインに登り上げることができた。
晴れる予報ではなかったが奇跡のご来光。そして御前峰や別山もはっきりとその姿を見せてくれていた。
このまま天気が持ってくれればよかったがそううまくはいかない。
室堂手前で雲がかかり、一瞬の間にホワイトアウトに。
まあホワイトアウトは織り込み済みなのでGPSを頼りに登るしかない。
いつもなら虐くの字から山頂に向かうが、視界もないので適当に登りやすいところから登っていった。
そして9時に山頂に到着。先週より2時間以上早い。ラッセルがなかったこととスタートが早かったことが功を奏した。
大魔人さんと14時くらいには降りれるかな・・・なんて言っていたが甘かった。
今日のルートは砂防ピストンではなく湯ノ谷〜釈迦岳を回り、尾根伝いに宮谷川経由で百万貫岩までショートカットする計画だった。
しかし御前峰から先は常にホワイトアウト。
湯ノ谷までたどり着くのも一苦労。
雪面の起伏もわからなければ目印もない。
GPSだけを頼りになんとか湯ノ谷までたどり着くとYSHRセンセーを先頭に登り返し地点まで滑走、そこからは自分と大魔人さんでラッセルしながら釈迦岳まで登り返した。
待てど暮らせどホワイトアウト、当初予定していた尾根に入ってみるもまったく視界がない。
これでは細尾根で滑落するリスクもあるしどれだけ時間がかかるかわからない・・・ということで尾根ルートは断念、素直に丸岡谷から市ノ瀬を目指すことにした。
このルートなら全員行ったことがあるので問題ない。
視界がなくても大丈夫だ。
慎重に滑り降りていくと徐々に視界が晴れてきてパウダーも残っていたので気持ちよく滑走。
釈迦新道のブナの森は冬に来ても最高だ。
湯ノ谷の渡渉は橋の鉄板が外されていたのでどうしようかと悩んだが、近くにスノーブリッジを発見、そこからうまいこと渡渉することができた。
市ノ瀬まで重雪を下りラッセル、そこから延々と白峰まで11kmのスキーハイク…先週来た時はもう白峰ピストンはやめようと思っていたがまさかの2週連続。
大魔人さんがいつものようにロケットスタートで白峰まで滑っていった。
久しぶりに本当の地獄山行を経験したが、無事行って帰ってこれたこと、2月のお参りを済ませられたことに感謝したい。
昨日は次第に冬型が決まる最悪の天候だがYSHR 大魔人 ガンの三人で2月のお参りに行くしかない。自分は55ヶ月目がかかっている。こういう記録は天候の良し悪しを選べない辛さがある。冬型が決まる前に核心部山頂から湯ノ谷滑走を終えたいのでスタートは深夜23時と約束したが気合い入れまくりのメンバーは22時半過ぎに白峰ゲートをスタート。
まだ満天の星が出ていた。パワーショベルが通った跡が有りカチカチ林道が三キロ先まで続いていた。片斜面やデブリはこの間きれいに無くなっていた。その先は気温が高くてずぶりと沈む雪の上を159のポンで三人でトレースを伸ばした。市ノ瀬まで12kmさらに別当出合まで6kmいつものように長過ぎる林道である。暗闇の別当出合まで5時間ちょいすでにお腹いっぱいであった。
休憩舎は雪で埋まり中には入れない。屋根の上にも上がれるくらい雪は多くて鳥居も上部が少し出るくらいだった。雪の一本橋をスキーで渡り対岸に出ると後は硬い雪の上をひたすら砂防新道で御前峰を目指すだけ。ラッセルはない分皆のペースが早くて楽ではなかった。甚之助小屋は完全に埋まっておりここで休憩後エコーラインを直上する。
上部はカチカチでやばくてYSHRはたまらずツボで登り上げるが残りはクトーで登りきった。滑落すれば下まで真っ逆さま緊張した。エコーラインに出るとちょうど夜が明けた、朝日がきれいだった。白山もドン、山は来ないとわからない、皆で歓声を上げた。しかし弥陀ヶ原を進む途中から一気に天候は下り坂、室堂ではガスで視界はなくなった。安定の地獄になった。
真っ白の行進が続きただ上を目指し午前9時無事ピクッた。白峰から10時間ちょい長い道のりであった。皆で奥社でお参りをして無事の帰還を祈る。予定では湯ノ谷を滑降して釈迦岳を登り返し東高山の尾根から宮谷を滑り百万貫の手前に出る予定、ホワイトアウト中誰も異論は唱えず地獄に突入、山頂からの滑降は池にハマってさあ大変、全く視界がないからGPSを片手に慎重に落ちていくが、スムーズに滑降できるはずがない、湯ノ谷エントリーも最悪、皆でかたまり少しずつボーゲンで落ちていく。どこまで続く白い地獄、最後急斜面を滑ると湯ノ谷本流に出て一安心ここから釈迦に登り返す。
登り返しも白と風雪地獄、冬型がドンドン強まっていく。釈迦岳から東高山の尾根に入るがホワイトアウトで全く視界がない中慎重に下るがコース取りがムズくて時間がかかりすぎ、これは帰還が暗くなると急遽丸岡谷に入って釈迦新道を下ることにした。真っ白の丸岡谷は心臓に悪かったが何とか滑り込んで釈迦新道にようやく視界も出てこれで生きて帰れると安堵、後は長い長い林道を白峰まで試練の歩きだった。
大魔人が先頭で飛ばしていったがYSHRは両足の小指が痛すぎて全く飛ばせず、半泣きになって白峰に16時過ぎ帰還、17時間半の今期最長山行で久しぶりに完全燃焼、ボロボロになった。55ヶ月目のお参りは半端なく辛いものであった。
今日は白山2月参りの日、天気は下り坂だけど行くしかない。長丁場、悪天を考慮して夜22時40分にYSHRさん、ガンちゃん、僕の順で白峰ゲートをスタートした。ゲートから2キロチョイ重機で踏み固められデブリも除雪されていたのだ、ありがたい。その先はモナカラッセルになったが早い。交代でトレースを伸ばしていき5時間10分で別当出合に着いた。雪で埋もれているので中に入れない、寒いけど外で休憩してシールを整備した。一本橋は雪がなくよっちゃん、スキー板のまま渡った。
橋を渡れば何処でも歩ける、ドンドン高度が上がっていった。中飯場辺りで満天の星空から下弦の月が登りちょっとだけ明るくなった。雪に埋もれてどこにあるのか分からない甚之助小屋、ここも暗いうちに到着、防寒してエコーラインを行く。上はカチカチビビンバでチビッたけど谷に入ると大丈夫だった。さあ夜明けだ、快晴だが西の空はもう雲の中だった。真っ白な別山が美しい、そして白山も見えてきた。朝からとってもマンダムだけど怪しい雲が迫ってきてるぞ。
快晴の弥陀ヶ原を歩き室堂に着くころにはホワイトアウトの地獄になった。雪は多いけど鳥居は埋まっていなかった。さあ地獄の行進の始まりです、風が徐々に強くなり何にも見えへん、山頂に着くころは1丁目になっていた。奥宮で2月のお参りを済まして滑降準備、ビビンバ斜面を回避して室堂側から滑り込んだ。何も見えない1丁目のなかGPSでルートを確認し何とか予定の沢に入った。しかし緊張は続く、谷の分岐を間違えないように慎重に下った。宇宙遊泳滑降は苦痛だった。
何とか湯の谷に合流、1800mまで滑降し釈迦岳に登り返す、相変わらずの地獄で何にも見えへん、雪庇に気を付けよう。釈迦に着いた、地獄2丁目5番地ですか、ここから尾根を滑って東高山経由で林道に出る作戦、ホワイトアウトの尾根を滑っていく。何も見えない複雑な尾根は狭くて何度も谷に吸い寄せられ一向に高度が下がらない。ここで作戦変更、隣の丸岡谷を滑って釈迦新道の尾根を滑ることにした。そうなると逃げ足は早かった。尾根はご褒美のパウ、1600からはホワイトアウトから解放されパラダイスであった。
あっという間に林道に降り立ち湯の谷を渡って登り返す、雨が降りだしてきた。林道ラッセルをガンちゃんがこなしトレースに合流した。ここから最後の仕事、ガンちゃんはもう使い物にならないから白峰までトレースを作り直す。過酷だけど無休憩で頑張った、ちょうど17時間、白峰に到着。完全燃焼…50代のオジンは今日も元気だった。片づけして皆を待った、40分後に無事みんなゴール、お疲れさまでした。
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