草津白根山スノトレ(嬬恋牧場in/out) ※百名山完登♪


- GPS
- 07:42
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 820m
- 下り
- 814m
コースタイム
- 山行
- 5:11
- 休憩
- 2:31
- 合計
- 7:42
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
まず、草津白根山には最高峰・本白根山(2,171m)と白根山(2,160m)があって、本白根山側が2018年1月に噴火して以降、それぞれに噴火警戒レベルが設定・運用されています。 本白根山は2019年4月よりずっと噴火警戒レベル1で、鏡池周辺の火口から500m圏内の立入りは規制されていますが、山頂は500m圏外です。万座温泉から本白根山に至る白根探勝歩道は、最近多数歩かれているようですが、行政は立入り規制(歩行禁止)している登山道です。よって、白根探勝歩道を通らずに、本白根山の山頂へ至る旧表万座スノーパーク経由の登頂が、現在草津白根山(本白根山)へ登頂する唯一合法的な方法となります。 湯釜に近い白根山は、ずっと噴火警戒レベル2が続いてましたが、直前の3/23にレベル1に下がり、湯釜500m圏内以外(白根山の頂は500m圏外)への立入りは可となりましたが、行政はまだ登頂を禁じてます。もっぱら、本白根山へ登れば、白根山への登頂(夏道なく冬季しか登れない)は不要かもしれません。 //// 以下は、(旧)表万座スノーパーク経由のコース状況です。登りはALLアイゼンで直登、下りはショートスキーです。 なお、表万座スノーパークは2011年より営業休止しており、10年間、管理の手が入っていませんが、旧ゲレンデは雪さえあれば、十分に往時の雰囲気のまま、滑走可能です! 【嬬恋高原⇔(旧)表万座スノーパーク建屋】 嬬恋高原から数百mは雪がない。以降は路上にも雪があり、下りはギリギリまでスキーで滑走できます。 【(旧)表万座スノーパーク建屋⇔米無山】 登りは、2つあるリフトのいずれかの下を直登可能。時折傾斜がきつい所あり。下りは旧ゲレンデを滑走可能。ただし、下部は一部地面が見えてますが、場所を選べば板を脱がずに滑走可能。 【米無山⇔ゲレンデトップ】 登りは、ゲレンデまで下った後、リフト直下を直登可能。下りは雪豊富な旧ゲレンデを気持ちよく滑走可能。 【ゲレンデトップ⇔2,165m二等三角点】 登り・下りともに森林限界前、最後の樹林帯の中。下りはスキーで滑るも、樹木が多すぎ、途中で外して歩きました。 【2,165m二等三角点⇔本白根山】 一旦20mほど下ってから登り返し。冬季はどこでも好きな場所を通行可能。本白根山は藪の中に山頂碑があり、基本は冬季のみ登頂可能。 |
写真
この新しい山頂碑は、3/20にヤマレコユーザのomatsuさん,nyaminekoさん,3evol3さん,Kakumanさん達によって設置されました。ありがとうございます♪
感想
ついに来た、百名山完登の日!
2019年9月、当時入山規制されていた阿蘇山・草津白根山の2座は近隣への登頂をもって暫定登頂扱いとし、立山で百名山完登を宣言しました!
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2040610.html
その後、2020年9月、噴火警戒レベルが下がり、入山許可された阿蘇山(高岳)へ登頂し、99座目まで到達していました。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2600358.html
そして草津白根山。最高峰・本白根山(2,171m)の山頂は、2019年4月以来、噴火警戒レベル1が継続し、鏡池に近い噴火口から500m圏内の立入り禁止が続いています。が、本白根山の頂(ヤブの中にあり冬季のみ登頂可)は、火口500m圏から外れているんです。登頂ルートの1つ、万座温泉からの草津探勝歩道は行政が立入り禁止としており、合法的な入山ルートはないものだと思っていました。
が、ヤマレコやYAMAPのレポで、旧表万座スノーパーク(2011年に閉業)の旧ゲレンデを直登する記録を複数発見。このルートは、立入禁止区域を通らず、そもそも冬季限定の自己責任ルート(バリエーションルートの類)だとわかりました。そして、天気予報を頼りに、満を持して入山する計画を立てました。そして、百名山完登に華を添えるため、自身初となるスキーブーツ&ショートスキー(約8kg)を担ぎ上げ、山頂からバックカントリースキーを試みることに!(普通のBCスキーでは、ブーツは荷揚げしないと思います。ゲレンデスキー仕様のブーツです!)
前日は、草津白根山を望める小浅間山や浅間隠山に登って、草津白根山の冠雪具合いを確認しました。旧表万座スノーパークの、山頂まで伸びるゲレンデがはっきりと視認でき、「明日、あそこを登るんだ・・・」とワクワクしましたねー♪。
旧表万座スノーパークの建屋(十分キレイです)まで登り詰める頃に夜が明け、そこでアイゼンを装着しました。まずは1本分のリフト区間を直登すると、最初のピーク、米無山です。朝焼けの浅間連山、榛名山地~赤城山地~日光連山~武尊・燧ヶ岳まで朝焼けの絶景が広がっていました!
そして2本目のリフト区間を、再び直登します。途中から振り返ると、四阿山の右奥には北アルプス、湯ノ丸山の右奥には中央アルプス、浅間山の右奥には八ヶ岳、そして浅間山の左奥にはなんと富士山まで見え始めます。特に北アルプスは、穂高連峰&常念岳、槍ヶ岳から見え始め、高度を上げる都度、徐々にその北側の展望が明らかになっていくストーリー仕立て(笑)。順に、立山、爺ヶ岳、鹿島槍、五竜、唐松、不帰ノ嶮、そしてゲレンデトップ辺りで白馬三山が見えるんです。このワクワク感がたまりませんねー♪。
ゲレンデトップまで来ても、本白根山はまだ見えません。森林限界直前の樹林帯を直登していくと、二等三角点のある丘(2,165mピーク)が視野に入ります。その丘へ登りあげると、ついに本白根山が眼前にそびえたちます。と同時に、これまで方角的に見えなかった北アルプス・白馬岳の先にある高妻・黒姫・妙高などが屏風のように続いて見えます。山並みは更に志賀の笠ヶ岳~横手山~岩菅山へと続き、本白根山を挟んで、佐武流山~白砂山へと続きます。この丘にザックと板をデポして、アイゼンのまま、本白根山まで往復することに。冬季は雪があるため、好きな所を歩いていけます。運が悪いと踏み抜き、ズボッとなりますが(笑)。
本白根山の山頂や道中(歩道最高点)では、総勢20名近い登頂者がいました。全員、万座温泉を起点とした草津探勝歩道(地元行政による立入禁止看板あり)経由だと思います。旧表万座スノーパークのゲレンデを直登して登頂したのは私一人だと思います。(ただし、復路の滑走途中に自分以外のトレースを見つけたので、1,2名程度、私の後に、旧表万座スノーパーク直登組の猛者が登頂したかもしれません。)
百名山のリアル完登を果たした後、二等三角点付近(2,165mピーク)まで戻り、卵と牛乳を使ったホットケーキ作り。晴天無風で暑いくらい。それでいて、周囲の高峰は軒並み雪化粧をした圧巻ビューで、最高の登山&クッキング日和でした♪。何度見ても、妙高~穂高連峰まで連なるように見える雪壁の長さ、白さ、規模感は圧倒的でしたねー!
食後、二等三角点のある丘(2,165mピーク)より、スキーで下山するスポットを見定めた後、ついに麓から担ぎ上げたブーツ&ショートスキーを装着!滑り出すと早いこと早いこと。撮影などせずに、滑り降りるのに専念すれば、30分もかからずに旧表万座スノーパークの建屋まで下りれるかもしれません。
ゲレンデトップまでは針葉樹の樹林帯に突入するため、途中で板を外して短い距離を歩きました(涙)。その後板を再装着し、ほどなくゲレンデトップへ。ここからは迷う要素のない旧ゲレンデ滑走(貸切♪)となります。
道中、所々で撮影しながら、1時間程度かけてのんびり、優雅に、シュプールを描いて山滑走を楽しみました♪。昨日か今日と思われる、朝の自分のものではない、真っ直ぐなトレース(スキー跡は、私を始め蛇行している)があったので、このルートの登山者はレポをあげないだけで、若干名いるのかもしれません。
「私をスキーに連れてって」(1987年、当時12歳w)の頃は、大賑わいだったと思しき志賀高原。万座ハイウェーの途上にある旧表万座スノーパーク。眺望のよさ、雪質のよさは、当時も今も同じでしょう。そんな旧スキー場を貸し切り、己のシュプールしかない白銀の斜面を見上げると、感無量の思いです。
旧表万座スノーパークの建屋まで滑走した後も、雪は続いているので、雪のついた舗装路を引き続き小気味よく滑走していきます。10年以上前のスキー場営業時は、除雪されたアクセス車道だった所なんですね。そして、ついに雪が途絶え、アスファルトが見えた所で、本日の山滑走は終了。そこから駐車場までは歩いて10分ほどでした。山頂からほぼ駐車場至近まで滑走できたことになります。初めての山スキー(ゲレンデスキー仕様のブーツ&板を担ぎ上げるイレギュラースタイル)、ブラボーって感じですね。
こうして、初代山の日(2016年8月11日)翌日の富士山登頂から4年7ヶ月(1,688日)。ここ草津白根山(本白根山)で、百名山完登を果たしました。今日という日は、初めての山スキーの思い出と共に、一生忘れられない日となりそうです。
<追伸>
本白根山の新しい山頂碑は、1週間前(3/20)、ヤマレコユーザのomatsuさん,nyaminekoさん,3evol3さん,Kakumanさん達によって設置されたものです。旧山頂碑より、遥かに手作り感満載で、ステキです。ありがとうございました♪
<追伸2>
「草津白根山は立入禁止で登れない」と私も2週間前位まで、そう思っていました。レポを上げてない方も含め、登頂者の推定9割は、立入禁止区域の草津探勝歩道経由だと思われますが、旧表万座スノーパーク直登ルートは、行政が立入禁止と定義している箇所を一切通りません。このレポが、草津白根山に登れないために百名山完登を見合わせ中の方々(私もそうでした)の参考になれば、と思い、道中の体験を詳述しています。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
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happygoyeahさん
百名山完登おめでとうございます。
素晴らしい記録を拝見いたしました。
4年7ヶ月での完登は素晴らしいと思います。さらに、ヤマレコで百名すべて記録できていることがもっと素晴らしいと思います。
今回、私どもも1週間前に草津白根山に入らせて頂きましたが、happygoyeahさんの仰るとおり立入禁止区域が含まれる草津探勝歩道経由の冬ルート。一応いい(悪くはない)と自分たちに言い聞かせて登っていますが、なんとなく後ろめたい感じも全くないとは言い切れません。それをまったく気にしなくてもいいというルート。旧表万座スノーパークからの直登ルート!それには気づきませんでした。
このルートが今後、草津白根山への冬のメインルートになっていくようにhappygoyeahさんの記録を拝見して感じました。そういう意味でもすごくいいレコだと思います。
嬉しいコメント、ありがとうございます!
YAMAP見てたら、立入禁止区域に入らず本白根山に登るルートとして「石津硫黄鉱山跡地ルート」という積雪期にほぼ記録のないルート・・・もあるようですが、やはり表万座ルートのほうが、わずかでもレポが上がってて安心感があります。将来、私がそうしたように、私のレポを参考に表万座ルートから冬季に安全登下山する方が増える一助となれば幸いです。
が、そもそも本白根山は噴火警戒レベルが(2019年4月に)1になって2年が経つのに、行政は「禁止禁止」ばっかりで、無策なのが残念です。例えば夏季限定で(火口500m圏外の)草津探勝歩道を解禁する、等の積極策があれば、草津・万座界隈の観光者は増え、草津白根山が百名山最後の山となるハイカーは減ると思います!浅間山や御嶽山等は、行政と登山者が活火山とうまく向き合い、噴火警戒レベルと入山可否がロジカルに連動し、winwinの関係を維持しているのを見習ってほしいです!
omatsuさん達の設置された山頂碑の写真がヤマレコ、YAMAPに溢れ始めましたねー。夏にお見かけすることは激減すると思いますが、今後も冬季登頂のシンボルとして、皆に撮られ続ける被写体となると思います。スバラシイ彫刻センスです。改めて、ありがとうございました!
happygoyeahさん、百名山完登おめでとう
草津白根山で百だったんですね
感激しました
これからも良い山登ってくださいね
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