実は九州百名山・七ツ岳縦走@五島列島
- GPS
- 02:19
- 距離
- 3.3km
- 登り
- 312m
- 下り
- 408m
コースタイム
5/22(水) 0700高浜ビーチ-0800魚津ヶ浜-0900堂崎教会-1020福江港1040-1220青方港-冷水教会-矢堅目公園-青砂ヶ浦-頭ヶ島天主堂 (船本邸)
5/23(木) ウニ処理体験・カサゴ釣り-1230青方港-1855博多港 (ゲストハウス界音泊)
5/24(金) 0800天神大名-0930唐津1130-1200有田・伊万里1400-1430武雄温泉1630-1930天神2100 (西鉄バス出雲路号にて車中泊)
天候 | 曇り時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
船 飛行機
5/21 0805長崎港-1115福江港(九州商船フェリー椿号) 福江港-七ツ岳登山口-荒川温泉(五島観光レンタカー) ※宿泊先のおかみさんに下山地の林道終点にてピックアップしてもらい、車を回収しました |
コース状況/ 危険箇所等 |
■ギザギザした稜線で花崗岩の山で岩場ありと聞いていたのですが、両手を使うようなところは短いです。しかしながら樹林帯は日が射さないため、下りで滑りやすいところがあるので注意。3つ目のピークまではよく歩かれているようです。その先は多少クモの巣を払う必要がありました。 ■駐車場、トイレ、水場はバス停のある登山口にも下山した林道終点の神社にもありました。 ■近くに商店などは一切ないので、福江のスーパーやコンビニで仕入れてくる必要があります。 個人的には、レンタカー屋の目の前のスーパー、エレナが品揃え的にも値段的にもオススメです。 ■林道終点から荒川温泉までは歩くと1時間半ぐらいかかりそうですが、のどかで平坦な農道?なので不可能ではありません。しかし歩いたところでバスのダイヤがコースタイムと合わなさすぎる。。。 ■荒川温泉は立寄り入浴300円と無料の足湯があります。源泉76度の塩化物線で気持ちいいです。 |
写真
感想
五島列島。ものすごく遠いところのような響き。実際の距離は屋久島や西表島のほうが遠いんだけど、観光地としては結構ありふれていたりする。心理的に遠いのは、自分との「縁」を容易に見いだせないから?
しかしながら、自分のまわりには意外と五島を知っている人がいた。私がガラパゴス赴任中に遊びに来てくれた僻地好き?の親友は、数年前に五島を訪れて曰く、「面白かったけど、交通手段が途上国なみに接続悪くて、大変だった」と。読書好きな職場の同僚は遠藤周作の『沈黙』を読んで感動し、小説の舞台の五島には絶対行ってみたいと思っている、と。そして2年前に北海道の山でご一緒して以来の山トモさんが、なんと五島出身の人だった!知り合いが住んでいるのなら、毎年恒例の春の九州遠征の折にでも行ってみようかな?
ってなことで、五島行きが決まったものの、自分は五島で何をしたいのか、イマイチ思いつかなかった。海が綺麗といったってビーチでのんびりするために行く気はないし、隠れキリシタンはちょっと興味あるけど、教会巡りするために行くほど世界遺産マニアでも『沈黙』読者でもない(途中で挫折した、、、)
何気なくネットで調べているうちに、豊かな自然溢れる五島には標高が低いながらも九州百名山に選ばれた山があると知った。五島在住の山トモさんも、結構スリルあって面白かったと言っている。花崗岩のゴツゴツした山で、いくつものピークがギザギザ連なり、その名も七ツ岳、山頂からは島の入り組んだ入り江が俯瞰できるという。やっと旅の目的がひとつ決まった。もう一つ、リアス式海岸と多くの島々から構成される地形を見ていて、カヤックをやりたいな、と思ったのだけど、山トモさんには釣りをすすめられたので、プランはジモティにお任せすることにした。
今回の遠征は、長崎ー五島列島ー博多ー佐賀ー島根ー鳥取と大移動になるため、目的と時間とコストを徹底的に絞って、ロジも練りに練って、7泊8日の旅とした。その結果、五島では2泊、移動はフェリー。
まず、長崎から福江島に入ってすぐ七ツ岳登山口に直行。これは首尾よくレンタカー会社の人が船の時間に合わせてきっちり出迎えてくれたので、最寄りのスーパーにて買い出しして45分後には登山開始できた。標高431mと低山なので、正午から登り始めたらさぞかし蒸れて大変かな?と思いきや、案外と樹林帯は涼しくて歩きやすい。また、まともな地図もないようなマイナーな山の割にはよく踏み跡がついていて、結構人気があることを思わせた。もっとも、人っ子ひとり出くわさなかったけど。
樹林帯を30分ほど歩くと最初の視界が開ける小ピークで、汗も吹き飛ぶ眺望。これから目指すゴツゴツした峰々と、振り返って鮮やかな樹海の彼方に、ポツポツと集落やら農地、青い海もうっすら。ここからはストックをしまって、手足をしっかり使ってよじ上り、ほどなくして七ツ岳山頂と小さな標識のついた頂上に到着。ぐるりと360度視界が開けていて、本日の宿がある玉之浦湾もうっすら見えている。天気は晴れているのに春霞のようにうっすらとしか遠くが見えないのは、PM2.5のせいなんだろうか?のどが乾いたので、眺望を楽しみながらスーパーで調達したお茶を飲み干しスイカをペロリと平らげてしまった。
冬に靭帯を痛めてから久々の山登りで、まだ完治はしてないけれどもこの程度の岩場なら何とか手に負えそうだ、と思ったので、休憩後もピストンではなく、予定通り縦走をすすめることに。2つ目、3つ目、とアップダウンを繰り返しピークを数えて、いつ厳しい場所が出てくるんだろう、と恐々としつつ前へ。3つ目のピークからは両脇の葉が登山道にかぶさって生い茂り、クモの巣が張られ、少し歩きにくくなったものの、4つ目のピークまで問題なく辿り着く。4つ目のピークは遠目に岩場がなかなか険しいように見えて、登山道は巻いてあるのであっけなく登り切り、下るのも裏手にまわるのを間違えさえしなければ、多少勾配が急でも無理なく降りれる。しかし、怪しい道のほうに踏み跡がついていたから、ここでしなくてもよい苦労をしてしまう人もいるように思われる。。。そういう自分も湿った土に足を滑らせひやっとしたのだけど。
5つ目のピークは眺望がきかず、そのまま目の前の父ヶ岳の方には進まず、長い尾根を下るように道はついていた。しばらく下ると、父ヶ岳への分岐があり、ちょっと悩んだけど、行かずに下山を続ける。健脚コースと巨木コースに分れるも、すぐにシダが生い茂る旧神社跡に出て、また道が合流。ほどなくして現神社前に出て、林道終点だった。4時間ぐらい縦走するつもりが、2時間半であっけなく終わってしまったので、今宵の宿のおかみさんにはだいたいの下山予想時刻を伝えていたのだが、当然迎えはきてない。おまけに携帯の電波も立っていない(泣 心を落ち着けるために、スーパーで買ったトマトを神社の水で冷やしてかぶりつく。試しに無理矢理ダイヤルしてみたら、なんとか呼び出し音がなっているが、おかみさんは出ず、留守電に。一応メッセージは残すが、いくら待ってもコールバックなし。仕方ないので、林道をとぼとぼ歩きつつ、根気づよく何度もかけ直しているうちに、やっとつながり、迎えに来てもらえることになった。
林道を下り切ると、農地らしいものが両脇に出て来て、振り返ると今下りて来たばかりの七ツ岳が堂々とそびえている。うーん、なかなか誇らしげな気持ちで、田園風景のなかをのんびり歩いていると、赤い小さな車が前から1台やってきた。おかみさんだった。ありがたや。
おかみさんには登山口まで乗せて行ってもらい、自分の車を回収して宿までいったん走る。荷物を降ろして、まだ日が高いし歩き足りないので、山トモさんおすすめの大瀬崎という島の最西端の灯台がある断崖まで車を走らせ、ゆっくりと沈む夕日に合わせて灯台まで約2.5キロのハイキング。その地形から、いったん高いところから海面近くまで下って灯台のある丘まで登り返すので、そこそこ歩きごたえがあり、なおかつ荒々しい冬の対馬海流の波に洗われて洗濯板のようになった断崖絶壁と深いブルーの海の色はいつまで眺めていてもあきなかった。
今回お世話になった荒川温泉の民宿みやこは釣り船を2艘持っている、釣り人のための宿で、同宿の4名様も大漁を終えてまさに帰って来たところにはち合わせた。挨拶がてら、クーラーボックスの中をのぞかせてもらうと、黒っぽい魚と赤い魚がゴロゴロしている。メジナという魚をメインに釣りをしていて、イサキやら鯛やらヒラマサやらカサゴやらウマヅラハギやらはバイプロダクトなんだと。そのまま全て美味しく夕食にいただくことができ、光栄でした。どうやら五島は、しかも福江島のこの玉之浦湾一帯は、釣りキチ垂涎の聖地らしいですね。びっくりするぐらいの大物が釣れるようで、話を来ていたら、今度は是非ダイビングをしてみたくなった。
翌日、島の残り半分をドライブしたあと、フェリーで今度は中通島に渡り、山トモさんと2年ぶり2度目のご対面。彼もまた、私の少ない持ち時間を正確に理解して、島の見所を効率よくピンポイントで案内してくれ、晩餐にはご自宅にて釣り上げた魚をさばいて刺身や煮付けで歓待してくれたばかりでなく、集落内の親戚やらご近所さんやらを10名ほど集めて大宴会で盛り上げていただき、非常に楽しい夜を過ごしました。
五島最後の日は、そのお仲間の男衆と私も釣りへ!小学生以来竿を持った記憶もないシロウトにも関わらず、豊かな五島の海は私にカサゴx1、赤ハタx2を釣り上げさせてくれました。それだけでなく、現在シーズンを迎えているという出荷中のウニを生1瓶と塩漬け1瓶の2つも持たせてくださり、これまたリッチな気分でいっぱいに。さらにウニ瓶の生産者さんたちは五島うどん(船崎うどん)の生産者さんたちでもあったので、お土産に10束ほど買って、焼きアゴと一緒に発送をお願いしてきました。これでしばらくは五島の思い出に浸れそうです。
というわけで、全く山行記録と関係ない記事になってしまったけれど、山トモさんが楽しみにしているので旅の感想文として記録を残しました。
行ってみたら、そんなに僻地ではないぞ、五島列島。
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