羅臼岳 (ヒグマと目の前で遭遇)
- GPS
- 09:13
- 距離
- 13.1km
- 登り
- 1,438m
- 下り
- 1,435m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
昨日の羅臼湖散策http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-31555.html の後、道の駅「うとろ・シリエトク」で車中泊。 ここはヒグマ遭遇の確率が高いので、単独行での早朝登山時には慎重に進んだが、下山時は登山者とのすれ違いも多く、気を抜いて歩いたため登山道脇の木に登っていたヒグマと目の前(1m以内)でエンカウントしてしまった。 熊が木の上から目の前に落ちてきたときには気絶しそうになったが、熊が落ちた場所が斜度のある斜面で、私のいた場所の方が僅かに高かったので、熊が斜面を転げて距離が開き命拾いした。 クマがこちらに気づいて逃げる時間を作るためにも下山はゆっくり慎重にすべきだった。 |
写真
感想
下山途中、極楽平の先で「身長」約2.5メートル(体長約1.5メートル)のヒグマに遭遇しました。
10時頃登山中の単独行の女性とすれ違った後、極楽平の先の傾斜が出て来たあたりで、目の前の斜めの木の枝に何か黒く動くものが視界に入りました。
何気なく見上げると私の身長より遙かに大きい、身長2.5メートルほどの耳の部分だけ茶色い、木にしがみついたヒグマと目が合いました。
私が「うわーっ」と叫び声を上げると同時に、ヒグマも「グウォーッ」と叫び声を上げて木の上から私の目の前に降ってきました。
私は腰を抜かしてその場で仰向けに転倒したが、ヒグマは私すれすれに坂道に落ちると、転がるようにして、数メートル先の木の上に登りました。
そこで興奮して「ガフガフ」と叫んで木を激しく揺すっています。
いつ襲ってくるかもしれない恐怖の中、一歩一歩後ずさりをして30メートル程登り返しました。
ヒグマが登っている木は下山途中になるため早くどこかに行って欲しいと思い、私も大声を出したり手拍子をしたりしましたが、ヒグマは私が声を出すとそれに反応するように「ガフガフ」と声がして激しく木を揺すります。
何回かそれを繰り返しましたが、もしかしたら私の方が逃げるように熊の方が威嚇しているのかもしれないと思い、そこからさらに登山道を50メートル程の極楽平まで戻り、声を出して私の存在を知らせながら、だれかが来るのをひたすら待ちました。
40分程して、単独行のおじさんが上からやって来ました。
ヒグマが出て登山道横の木の上に登っていると告げると、もう少し人数が揃うのを待とうということになり、極楽平で二人で待っていると下の方でガサガサと音がしたので、慌ててさらに50メートル程登り返しました。
そこでおじさんは石を手に持ち、私はストックを構えましたが、その後は何も起こらず、さらに30分程待ち、もう一人のおじさんが加わり、さらに10分程して合計4名が揃ったところで、全員で大声を出しながらゆっくり下山を開始しました。
ヒグマがいたところは強烈な獣臭がして、草が倒されて木の小枝が折れていました。
最後に加わったおじさんが、指さす方向には獣道があり、おそらくここは熊の通り道だとのことでした。
弥三吉水まで来ると緊張感は和らぎ、全員安心をして、しばし休憩をして、登山口まで揃って降りました。
非常に緊張した下山でした。
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下山後、最初に来たおじさんを斜里の駅までレンタカーで送り、私は明日の斜里岳に備えて車中泊に適当な駐車スペースを探しました。
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ヒグマを目の前にして、危うく遭難する所でしたが、この日は鈴をストックに着け、ベルをザックに着けていました。
今にして思えば、熊と遭遇する直前にすれ違った単独行の女性は相当化粧の臭いがしており、もしかしたら熊はその臭いにつられて出てきてしまい、私の接近に気づかなかったのかもしれません。
仮に接近に気付いたとしても木の上から降りる時間が足らなかったのかもしれません。
いずれにしてもニュースにならなくて良かったです。
これ以降私は熊恐怖症になり、熊が出る可能性のある山域では歩行中に良く鈴を振り、声を出す回数が増えました。
熊避け鈴もさらに大きな音のするものに変更しました。
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翌日の斜里岳に続く
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-31595.html
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