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Yamareco

記録ID: 31556
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
道東・知床

羅臼岳 (ヒグマと目の前で遭遇)

2007年08月10日(金) [日帰り]
 - 拍手
GPS
09:13
距離
13.1km
登り
1,438m
下り
1,435m

コースタイム

3:48岩尾別温泉登山口-4:10オホーツク展望台-4:45弥三吉水-5:40銀冷水(休憩、給水10分)-6:48羅臼温泉分岐(休憩5分)-7:45羅臼岳山頂(休憩35分)-8:20下山開始-10:10極楽平(ヒグマ遭遇により足止め1時間20分)-11:52弥三吉水(休憩、給水10分)-13:01岩尾別温泉登山口
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2007年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
登山口の岩尾別温泉には早朝に到着したため、木下小屋の駐車スペースが利用できたが、非常に狭くUターン困難のため、下のホテルの駐車場に留めた方が良い。
コース状況/
危険箇所等
昨日の羅臼湖散策http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-31555.html
の後、道の駅「うとろ・シリエトク」で車中泊。

ここはヒグマ遭遇の確率が高いので、単独行での早朝登山時には慎重に進んだが、下山時は登山者とのすれ違いも多く、気を抜いて歩いたため登山道脇の木に登っていたヒグマと目の前(1m以内)でエンカウントしてしまった。
熊が木の上から目の前に落ちてきたときには気絶しそうになったが、熊が落ちた場所が斜度のある斜面で、私のいた場所の方が僅かに高かったので、熊が斜面を転げて距離が開き命拾いした。
クマがこちらに気づいて逃げる時間を作るためにも下山はゆっくり慎重にすべきだった。
まだ暗い登山口。
登山届けに記入して、いざ出発。
まだ暗い登山口。
登山届けに記入して、いざ出発。
ヒグマ注意の看板。
この時はヒグマの存在も半信半疑。
あまり気にしないで登る。
もうこのあたりではライト不要の明るさであった。
ヒグマ注意の看板。
この時はヒグマの存在も半信半疑。
あまり気にしないで登る。
もうこのあたりではライト不要の明るさであった。
ヒグマ危険地帯解除の立て札。
しかし、立て札に書いてある「どこにでもいる」は嘘ではなかった。
ヒグマ危険地帯解除の立て札。
しかし、立て札に書いてある「どこにでもいる」は嘘ではなかった。
極楽平。
下山時この少し下で巨大なヒグマと遭遇する。
危うくこちらが極楽に逝ってしまうところでした。
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極楽平。
下山時この少し下で巨大なヒグマと遭遇する。
危うくこちらが極楽に逝ってしまうところでした。
銀冷水。
近くのテン場はキジ撃ちの臭いが..
銀冷水。
近くのテン場はキジ撃ちの臭いが..
大沢入口。
ここから羅臼平手前まで急登になる。
大沢入口。
ここから羅臼平手前まで急登になる。
羅臼平から見た羅臼岳山頂部。
本日は雲が多くあまり見晴らしは良く無さそう。
近くのキャンプ地にはフードロッカー有り。
羅臼平から見た羅臼岳山頂部。
本日は雲が多くあまり見晴らしは良く無さそう。
近くのキャンプ地にはフードロッカー有り。
石清水。
水量は少ないが、冷たくて美味しい。
コップが置かれていた。
石清水。
水量は少ないが、冷たくて美味しい。
コップが置かれていた。
羅臼岳山頂。
山頂直下はちょっとした岩登りとなる。
羅臼岳山頂。
山頂直下はちょっとした岩登りとなる。
ウトロ港を見下ろす。
オロンコ岩が見える。

一方、羅臼側は羅臼港までは何とか確認出来たが、国後は見えなかった。
ウトロ港を見下ろす。
オロンコ岩が見える。

一方、羅臼側は羅臼港までは何とか確認出来たが、国後は見えなかった。
天頂山、知西別岳方面。
天沼は見えるが、その左にあるはずの昨日行った羅臼湖は確認できない。
天頂山、知西別岳方面。
天沼は見えるが、その左にあるはずの昨日行った羅臼湖は確認できない。
縦走路方面。
三つ峰、サシルイまでは判る。
その先に見えているのは方向的には硫黄山だが、予想より低く見えるため真偽は不明。

オホーツク海が左側に大きく広がる。
縦走路方面。
三つ峰、サシルイまでは判る。
その先に見えているのは方向的には硫黄山だが、予想より低く見えるため真偽は不明。

オホーツク海が左側に大きく広がる。
弥三吉水。
ヒグマ騒動の後、ここで一緒に下山している4名で一息つく。転倒の際、足首を捻ったが、このあたりで腫れが出てきて痛み出した。
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弥三吉水。
ヒグマ騒動の後、ここで一緒に下山している4名で一息つく。転倒の際、足首を捻ったが、このあたりで腫れが出てきて痛み出した。

感想

下山途中、極楽平の先で「身長」約2.5メートル(体長約1.5メートル)のヒグマに遭遇しました。
10時頃登山中の単独行の女性とすれ違った後、極楽平の先の傾斜が出て来たあたりで、目の前の斜めの木の枝に何か黒く動くものが視界に入りました。
何気なく見上げると私の身長より遙かに大きい、身長2.5メートルほどの耳の部分だけ茶色い、木にしがみついたヒグマと目が合いました。
私が「うわーっ」と叫び声を上げると同時に、ヒグマも「グウォーッ」と叫び声を上げて木の上から私の目の前に降ってきました。
私は腰を抜かしてその場で仰向けに転倒したが、ヒグマは私すれすれに坂道に落ちると、転がるようにして、数メートル先の木の上に登りました。
そこで興奮して「ガフガフ」と叫んで木を激しく揺すっています。
いつ襲ってくるかもしれない恐怖の中、一歩一歩後ずさりをして30メートル程登り返しました。

ヒグマが登っている木は下山途中になるため早くどこかに行って欲しいと思い、私も大声を出したり手拍子をしたりしましたが、ヒグマは私が声を出すとそれに反応するように「ガフガフ」と声がして激しく木を揺すります。

何回かそれを繰り返しましたが、もしかしたら私の方が逃げるように熊の方が威嚇しているのかもしれないと思い、そこからさらに登山道を50メートル程の極楽平まで戻り、声を出して私の存在を知らせながら、だれかが来るのをひたすら待ちました。

40分程して、単独行のおじさんが上からやって来ました。
ヒグマが出て登山道横の木の上に登っていると告げると、もう少し人数が揃うのを待とうということになり、極楽平で二人で待っていると下の方でガサガサと音がしたので、慌ててさらに50メートル程登り返しました。
そこでおじさんは石を手に持ち、私はストックを構えましたが、その後は何も起こらず、さらに30分程待ち、もう一人のおじさんが加わり、さらに10分程して合計4名が揃ったところで、全員で大声を出しながらゆっくり下山を開始しました。

ヒグマがいたところは強烈な獣臭がして、草が倒されて木の小枝が折れていました。
最後に加わったおじさんが、指さす方向には獣道があり、おそらくここは熊の通り道だとのことでした。

弥三吉水まで来ると緊張感は和らぎ、全員安心をして、しばし休憩をして、登山口まで揃って降りました。
非常に緊張した下山でした。
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下山後、最初に来たおじさんを斜里の駅までレンタカーで送り、私は明日の斜里岳に備えて車中泊に適当な駐車スペースを探しました。

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ヒグマを目の前にして、危うく遭難する所でしたが、この日は鈴をストックに着け、ベルをザックに着けていました。

今にして思えば、熊と遭遇する直前にすれ違った単独行の女性は相当化粧の臭いがしており、もしかしたら熊はその臭いにつられて出てきてしまい、私の接近に気づかなかったのかもしれません。
仮に接近に気付いたとしても木の上から降りる時間が足らなかったのかもしれません。

いずれにしてもニュースにならなくて良かったです。

これ以降私は熊恐怖症になり、熊が出る可能性のある山域では歩行中に良く鈴を振り、声を出す回数が増えました。
熊避け鈴もさらに大きな音のするものに変更しました。
------

翌日の斜里岳に続く
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-31595.html

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