【第三次三鎮作戦(福島編)】二ツ箭山【戊13.0】
- GPS
- 03:17
- 距離
- 5.7km
- 登り
- 552m
- 下り
- 544m
コースタイム
天候 | 晴れ 遠方霞む 暑い |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況: 尾根に登る30mの岩場はたまに死者も出る模様。 「一般コース」という標識があるからには一般でないコースがあるわけだが、そちらの方は歩く人もいないようで蜘蛛の巣と草薮が待ち構えるハードな道。 登山ポスト: 駐車場にあり。 |
写真
感想
福島の大地よ、静かなれ
福島の海よ、平らかなれ
被災者の御霊よ、安らかなれ
福島の民よ、健やかなれ
東日本大震災において特に被害甚大であった岩手・宮城・福島の名立たる山の頂より被災者の御霊安らかなれと哀悼の誠を捧げるシリーズの第三弾。そして打ち止め。
『わすれない ふくしま』という映画がある。このタイトルに使われている言辞が好きではない。発言者の意図に関係なく、「わすれない」という言葉は明らかに震災がもはや過去のものであると言っているからである。それは自分自身の中でもあの時の感覚が薄れつつあることの裏返しでもあるのかもしれない。
震災直後の夏から三つの鎮めとして東北各地を回ってきたが、その最後の三年目は、やはり海側の山から哀悼の誠を捧げたいと選んだのが修験の山、二ツ箭山である。
駐車場に着いたが10時過ぎ。既に日が照って暑い。ちょっと歩くだけで顔中から汗がボロボロと溢れ、流れ落ちる。東北とはいっても南端、酷暑に変わりなく、700mの標高では気温の低下も期待できない。今思えばよくそんな日に行ったものだ。
沢沿いの道を若干滑りながら歩いていると、前を行く人が伸びる笹を刈りながら歩いている。地元の方か知らん、と思う間もなく〆張場である。
ここからいよいよ沢コースと尾根コースが分かれるのだが、尾根コースは最初から急登で、ただでさえ暑いのにさらに熱くなってかなわない。樹林帯で陽が直に当たらないのがせめてもの幸いか。
尾根に登ると、「一般コース」という標識がある。ということは、一般でないコースがあるということで、別に道が延びている。せっかく来たんだし、入ってみようと足を踏み入れる。すると若干の草薮と蜘蛛の巣をかいくぐった後に岩の祠があり、その上の岩から展望を楽しむことができた。その先も岩場コースを歩こうと思っていたのだが、笹薮はさらに茂り、蜘蛛の巣は年季が入ってぽいと投げた木の枝も受け止めるほど。ここ暫く誰も足を踏み入れていないのだ。嫌気がさして一般コースに下る。
すると、先ほど追い越した笹刈り老人が。二ツ箭山に詳しい方のようで、「一般じゃないコースに行っていました。」と言うと理解されたようである。笹刈りも岩場コースまでは手が回らないとのこと。恐らくお一人でされているのだろうから、山全域というのは難しいのだろう。
しばらく同道して岩場のことやルートについて教えていただいた。この場を借りて厚く御礼申し上げる。
草刈老人曰く、男体山と女体山の鞍部に至る30mの鎖場では先日も女性が亡くなったそうであるが、鎖を持たなくても上れるほどホールドが豊かである。怖さで言えば、より展望の開けている男体山・女体山への上りの方が怖かった。
女体山で草刈老人と別れ、二ツ箭山へ。正午を過ぎていよいよ暑くなり、二ツ箭山手前の足尾山への岩場上りをしている間に「このままでは危ない」と思う。暑さでやられて滑落などあり得そうだが、私は滑落するために福島に来たのではない。無事、二ツ箭山に至り、男体山と同様祈りを捧げる。
以降は、基本樹林帯の下りにつき、体がオーバーヒートすることも無く、分岐と木の根に気をつけながら下る。距離的には短いのかもしれないが、酷暑と相まって、内容の濃い山行であった。
かくして福島への鎮魂をメインとした旅は節目を迎えたわけだが、福島には素晴らしい景勝地がたくさんある。比較的近いこともあるし、紅葉や深緑を楽しみに何度でも訪れたい。そう思うのであった。
〜福島編・完〜
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