南岳、北穂高
- GPS
- 19:16
- 距離
- 37.4km
- 登り
- 2,217m
- 下り
- 2,192m
コースタイム
5:42 上高地バスターミナル出発
8:00 横尾
9:15 槍沢ロッジ
10:15 大曲
11:00 天狗原分岐
11:45 天狗池
13:50 稜線
14:07 南岳山頂
14:15 南岳小屋到着
■8/18
4:50 南岳小屋
5:00 獅子岩
6:00 長谷川ピーク
6:15 A沢コル
6:45 飛騨泣き
7:30 北穂高小屋
8:30 北穂高山頂
10:30 涸沢ヒュッテ
11:20 涸沢ヒュッテ発
12:15 本谷吊り橋
13:00 横尾
14:43 小梨平
天候 | 8/17 快晴 8/18 霧のち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り: 16:00上高地発 バス 17:00 新島々 17:20新島々発 電車 18:00 松本 18:35松本発 スーパーあずさ |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ 1
1/25,000地形図 1
ガイド地図 1
コンパス 1 プロトレック
筆記具 1
保険証 1
飲料 2 500mlドリンクx2 ,真水2L
ティッシュ 1
バンドエイド 1
タオル 2
携帯電話 2
計画書 1
雨具 1
防寒着 1
ストック 1
時計 1
非常食 1
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感想
10年前、まだ登山を始めたばかりの頃に槍ヶ岳から南岳に縦走してきて南岳小屋で初めて知った大キレット。小屋に置いてあったガイドブックを見ると難所続きって書いてあるし、獅子鼻から見るととても行ける気がしなかった。
10年経って大して進歩してないけど、そこそこあちこちの山を歩いたし、ボルダリングもやってるしそろそろ行けるだろうという気になってきたので挑戦することに。
1日目
5:30に上高地バスターミナル入り。天気は霧で、湿度のせいか思ったほど涼しくない。今日の予定は南岳小屋までなのでさほど急ぐ必要は無かったのだけど、一応到着時間次第では今日中に大キレットを渡って、明日涸沢岳、奥穂高、前穂高と3ピーク踏んで岳沢を下る魅力的なプランを捨てきれていなかったので無理の無い範囲で急ぐことにする。
2時間ちょいで横尾に到着。霧は晴れて快晴となり明神岳がすばらしくきれいに見える。こんなに好天の山行はいつ以来だろう。
槍沢ロッジまではほぼ平坦でハイキングコース。槍沢から徐々に角度がつき登山道らしくなる。大曲からは勾配がきつくなるが東鎌尾根〜大喰岳〜中岳の稜線が眼前に広がり素晴らしい景色になる。しかしここからは槍はまだ見えない。しかし快晴は嬉しいが日陰の無いコースで流れる汗も半端ない。
まだかまだかと足を進めてようやく天狗原の分岐にたどり着いて昼食をとる。槍へ向かうカップルの登山者と今日はベストコンディションですね、みたいな会話を交わして天狗池に向けて出発…するがすぐルートを見失い、休憩していたおじさんに教えてもらう。平坦なガレ場は踏み跡がつきにくいので苦手だ。
40分ほどで天狗池に到着。水面に映る逆さ槍が望める人気スポットだと思っていたら誰もいない。ここへ来るまでにすれ違ったのも2組だけ。
残雪が多く池はほとんど雪に埋まっていたが逆さ槍はしっかりと見ることができた。ここからの槍を中心とした景色は文句なく素晴らしい。
天狗池から稜線に出るまでの登りが意外と苦しい。正午の時間帯で日射も厳しく頭がクラクラしてくる。この人通り少ない登山道で熱中症になってはヤバイのでチョイチョイ給水していたのでかなりの水を消費してしまった。小屋で水買わないと明日もたないな。。(っと思っていたら宿泊者には500mlが1本支給されたのでちょうどよかった)
すでに12:00を回っているので今日中にキレットを越えるのはすでに断念。思ったよりも厳しい登りを息を切らせながら歩き、14:15に南岳小屋に到着。この時点からガスが出始め、翌朝まで結局晴れることはなく、獅子鼻がからの北穂高、大キレットは全く見えず。しかたがないので談話室で「イカロスの山」全8巻を読破。
2日目
山小屋内がやたらと暑く眠れないので早々と3:30に起床。布団は一人一枚で寝返りを打つ程度のスペースはあったので大混雑ではなかったのだがなぜだろう。温暖化かな。確かに外はそれなりに寒いがダウンは要らない程度の寒さ。
早出するために朝食代わりに弁当を作ってもらったので出発前に早速食べる。お茶と味噌汁がつかないことを考えると損なのだが、朝食を食べていると早くても6:00発になってしまうのだ。(ちなみにソッコー弁当を食べているのは自分一人で他の人は律儀に北穂小屋まで持ってきていた)
朝食を食べたら荷物をまとめて明るくなるのを待つ。4:45くらいにはヘッドライト無しでも歩ける程度に明るくなってきたのでザックを背負って獅子岩のところへ行くがガスによる視界不良と薄暗さ、強風が不安を煽る。なかなか一人でキレットに突入する踏ん切りがつかないでいると4人パーティーがやってきたのでその後ろを歩かせてもらうことにした。
キレットに入ると早速ザレた急な下りで滑りやすいが、先日登山靴のソールを張り替えたばかりなので良くグリップする。しばらく下ると鎖とハシゴが現れるがよくあるここはさほどでもない。ハシゴを下りきるとしばらくは緩い岩場の稜線歩きで長谷川ピークまでは落石にだけ注意をすれば特に危険なところはなかった。ガスで下が見えないから…で晴れていたら怖かったのかも。
最低コルを越えると徐々に岩場の峻険さが増してくる。長谷川ピークという表示は見落としたのでA沢コルについた時に初めてあそこが長谷川ピークだったのか、という事に気づいたのだが、馬の背を下るところがこのコースで最も怖かった。
ガスっているとは言え高度感のあるナイフリッジを歩くのだが、腰が引けて立ち上がるのは無理。ナイフの刃に添えられた鎖をつたって信州側の足場を慎重に確保しながら慎重に移動する(間違えて早々と飛騨側に入ってしまうと足場が悪くつらい。一回間違えて引き返した)。そして鎖が終わったところでナイフの刃を飛騨側にまたいで下るのだがザックが引っかかりがちだし、またいだ後に身体を反転させつつ足の置き場を探すのがもう恐怖。冷静にみれば指をかけるクラックも、つま先を引っ掛けるクラックもたくさんあるし、やりにくいところにはボルトが設置されているのだが、失敗して落ちたら100mは落下…という恐怖感で緊張する。
なんとか馬の背を下り、少し歩くとA沢コルに着いてホッとできる。
今考えると対向者と鉢合わせ無くて本当に良かった。
A沢コルで休憩していると慣れた感じのおじさんが来たので先行してもらう。ここからはかなり急なザレた登りで落石が怖いところ。小石がパラパラとよく降ってくる。ここで初めて北穂側から降りてきたパーティーがとすれ違う。聞くと垂直の登りでかなりしんどいとか。しかし、登りに関してはボルダリングで慣れているのでスイスイと楽しく登れた。一箇所怖かったのは切り立ったところの鎖場。最初の取り付きが怖い。おじさんと先行パーティーが通過するのを待つ。待っている場所も狭くて下を見るとクラクラする。しかしここで一瞬霧が晴れて断崖の上に北穂小屋が姿を見せる。ここにマッチするのはもうラピュタのテーマしかないw
鎖場を越えて岩をグイグイ登って行くとまもなく飛騨泣きの核心。しかし先ほどの鎖場や長谷川ピークに比べるとかなり楽というのが正直な所。まぁ、足場のプレートのおかげなのだろうけど。
飛騨泣きを越えるとあとは急だが危険度はぐっと下がり北穂高小屋に向けてひたすら登る。もう少しもう少しと思いつつも結構長い。。。
7:30 ようやく北穂高小屋に到着! 小屋の平和さにホッとする。残念ながら視界は不良でキレットを振り返っても何も見えない。とりあえずCCレモンで大キレット無事通過を祝う。
体力はまだ十分なので涸沢岳を越えて行きたい気持ちはある。同じことを考えている登山者は多かったが天気がイマイチなので皆迷っていた。登っても真っ白なだけ…。結局うだうだと1時間近く北穂高小屋で過ごして北穂高岳山頂(思ったよりも近すぎて笑った)を踏んで、南陵から涸沢へ下る。
中々に急な下りだったが、危険箇所はそう多くはない。1箇所長い鎖があるところくらいだろうか。高度感はあまりないところなので普段の手順で鎖を使わずに降りることができた。
下るに連れて天気は回復。涸沢ヒュッテにつく頃には晴天。素晴らしい展望。あんなに何も見えなかった北穂高小屋も涸沢から望む事ができる。悔しいような、唐沢のこの素晴らしい景色が嬉しいような。
景色を堪能し過ぎてここでも1時間ほどのんびり過ごしてしまった。
さて、ここからはひたすらバスターミナルまで歩くお仕事。
16:00のバスなので普通に歩けば余裕なのだが、それでは風呂に入ってビールを飲むということができないのでガシガシ歩く。本谷吊り橋で大キレットからここまで行動を共にした(と言っても勝手に付いて行っただけだが…)4人パーティと別れ、横尾までノンストップで下る。横尾から途中走ったりしながら予定通り14:45に小梨平にたどり着いてお風呂IN、そして風呂後のビール!
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