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Yamareco

記録ID: 3412049
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
尾瀬・奥利根

平ヶ岳

2021年08月03日(火) [日帰り]
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
14:07
距離
20.7km
登り
1,723m
下り
1,717m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
13:25
休憩
0:34
合計
13:59
4:24
180
7:24
7:25
73
8:38
8:47
10
8:57
8:58
50
9:48
9:48
103
11:31
11:32
36
12:08
12:09
5
12:14
12:24
4
12:28
12:31
28
12:59
13:01
60
14:01
14:01
43
14:44
14:44
18
15:02
15:07
59
16:06
16:07
136
天候 曇りのち晴
過去天気図(気象庁) 2021年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
登山口横と正面に駐車場あり。男女共用バイオトイレあり。
コース状況/
危険箇所等
崩落などの明らかな危険箇所はなし。全体として分かりやすい道。
出発前、駐車場の様子。十台以下かな。
2021年08月03日 04:22撮影 by  iPhone X, Apple
1
8/3 4:22
出発前、駐車場の様子。十台以下かな。
長〜い一日が始まります
2021年08月03日 04:25撮影 by  iPhone X, Apple
1
8/3 4:25
長〜い一日が始まります
数年前は渡渉だったようだけど、橋が架かってました
2021年08月03日 04:40撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 4:40
数年前は渡渉だったようだけど、橋が架かってました
序盤は雲があり、たまに流れてきた雨が冷たくて気持ちいい
2021年08月03日 05:08撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 5:08
序盤は雲があり、たまに流れてきた雨が冷たくて気持ちいい
トラロープ出てきました。ポールを片付けるほどでもない。
2021年08月03日 05:12撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 5:12
トラロープ出てきました。ポールを片付けるほどでもない。
序盤の痩せ尾根。なかなか痩せておる
2021年08月03日 05:15撮影 by  iPhone X, Apple
1
8/3 5:15
序盤の痩せ尾根。なかなか痩せておる
なんか、虫多くない?とか思い始める。
2021年08月03日 05:34撮影 by  iPhone X, Apple
1
8/3 5:34
なんか、虫多くない?とか思い始める。
ロープ箇所は≦10だったと思う。
2021年08月03日 06:58撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 6:58
ロープ箇所は≦10だったと思う。
ようやく下台倉山到着。もうへろへろ……
2021年08月03日 07:25撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 7:25
ようやく下台倉山到着。もうへろへろ……
雲は昼から取れるとの予報
2021年08月03日 07:30撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 7:30
雲は昼から取れるとの予報
確かあれは有名なやつですよね
2021年08月03日 08:42撮影 by  iPhone X, Apple
2
8/3 8:42
確かあれは有名なやつですよね
台倉山到着。ザックを置いて1回目の大休止。周辺から公衆トイレみたいな臭いがするよ〜
2021年08月03日 08:42撮影 by  iPhone X, Apple
2
8/3 8:42
台倉山到着。ザックを置いて1回目の大休止。周辺から公衆トイレみたいな臭いがするよ〜
台倉清水。標柱も倒れる暑さ。
2021年08月03日 08:58撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 8:58
台倉清水。標柱も倒れる暑さ。
台倉山より先は登ったり下ったりのプチ縦走気分
2021年08月03日 09:18撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 9:18
台倉山より先は登ったり下ったりのプチ縦走気分
白沢清水到着。
2021年08月03日 09:46撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 9:46
白沢清水到着。
浅〜い水溜りみたいになっとりました。
2021年08月03日 09:47撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 9:47
浅〜い水溜りみたいになっとりました。
虫がイヤ〜!!たまに走って逃げたりして余計に体力消耗
2021年08月03日 09:55撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 9:55
虫がイヤ〜!!たまに走って逃げたりして余計に体力消耗
晴れてきて、景色は良いけど灼熱すぎる
2021年08月03日 10:39撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 10:39
晴れてきて、景色は良いけど灼熱すぎる
なんか有名なやつも頭朦朧としてどうでもよくなってくる
2021年08月03日 10:39撮影 by  iPhone X, Apple
2
8/3 10:39
なんか有名なやつも頭朦朧としてどうでもよくなってくる
あのへんかな〜遠いな〜
2021年08月03日 10:56撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 10:56
あのへんかな〜遠いな〜
景色は良いの、本当に
2021年08月03日 11:02撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 11:02
景色は良いの、本当に
朦朧としながらようやく池ノ岳到着。湿原が広がっている
2021年08月03日 11:31撮影 by  iPhone X, Apple
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8/3 11:31
朦朧としながらようやく池ノ岳到着。湿原が広がっている
へ〜すごいね!
2021年08月03日 11:32撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 11:32
へ〜すごいね!
さぞ休憩には適しているだろうが、その時間はない……
2021年08月03日 11:32撮影 by  iPhone X, Apple
2
8/3 11:32
さぞ休憩には適しているだろうが、その時間はない……
正面の山かな〜遠いな〜
2021年08月03日 11:34撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 11:34
正面の山かな〜遠いな〜
玉子石との分岐を迷わず頂上方面に。
2021年08月03日 11:40撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 11:40
玉子石との分岐を迷わず頂上方面に。
また蒸し風呂状態の樹林帯を虫と格闘しながら通過
2021年08月03日 11:46撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 11:46
また蒸し風呂状態の樹林帯を虫と格闘しながら通過
スポっと抜け出ると、再び頂上の湿原が
2021年08月03日 11:58撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 11:58
スポっと抜け出ると、再び頂上の湿原が
美しいねえ
2021年08月03日 11:58撮影 by  iPhone X, Apple
1
8/3 11:58
美しいねえ
頭フワフワの子たちがたくさん
2021年08月03日 12:03撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 12:03
頭フワフワの子たちがたくさん
三角点。頂上はここじゃないって聞いてるわよ
2021年08月03日 12:08撮影 by  iPhone X, Apple
5
8/3 12:08
三角点。頂上はここじゃないって聞いてるわよ
へろへろになりながらもう一歩き。あっこれ
2021年08月03日 12:13撮影 by  iPhone X, Apple
1
8/3 12:13
へろへろになりながらもう一歩き。あっこれ
これこれ!なんか先に道があるの何?
2021年08月03日 12:15撮影 by  iPhone X, Apple
2
8/3 12:15
これこれ!なんか先に道があるの何?
休憩してから、帰りますか……
2021年08月03日 12:24撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 12:24
休憩してから、帰りますか……
この先には虫が待っている
2021年08月03日 12:28撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 12:28
この先には虫が待っている
玉子石との分岐。行きません!
2021年08月03日 12:48撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 12:48
玉子石との分岐。行きません!
姫ノ池まで戻ってきた。ここから先の記憶が曖昧……
2021年08月03日 13:00撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 13:00
姫ノ池まで戻ってきた。ここから先の記憶が曖昧……
下山時、最後に残されていた写真。ここからの地獄ったら笑
2021年08月03日 16:05撮影 by  iPhone X, Apple
8/3 16:05
下山時、最後に残されていた写真。ここからの地獄ったら笑

装備

個人装備
Tシャツ ズボン 靴下 グローブ ウィンドブレイカー 雨具 ゲイター 日よけ帽子 予備靴ひも ザック ザックカバー 行動食 飲料 地図(地形図) コンパス ヘッドランプ 予備電池 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー スマートフォン スマートウォッチ サングラス ツェルト ストック ナイフ

感想

久々に、やらかしたな〜という平ヶ岳。きついというのは周知のとおりで、なんなら平ヶ岳に向けてトレーニングしてくるくらいじゃないとだめなんだろうが、むしろ何もしていなかった中年おばさんはこのたび、猛烈にしんどかった。

この日、晴れたら平ヶ岳へ行こうと思っていた。山の天気ではよくあるように、予報は二転三転。でも二、三日前からは晴が確定っぽくて、非常に憂鬱な日々を過ごしつつ雨乞いするも効果なし。マジで登んのかよ〜とか思いながら山の準備をする。

山行前の数日間は、トレーニングどころか一日中PCの前に座りっぱなしで靴すら履かず、料理すらせず、立ち上がるのは風呂とトイレだけで歩数計は一日70歩とかのレベルだった。いよいよ出発する当日は早朝から肉体労働でなんとか血圧を上げ、昼に出発。夜間割引を適用するべく、しばらくは下道。

塩尻くらいまでは頑張ったけど、この時期の長時間運転って気をつけていても熱中症っぽくなる。夜間割引を諦めて高速へIN。もっと早くのっときゃ良かった。既にへろへろな状態で運転を続け、クライマックスの352号線は奥只見湖沿いの真っ暗なくねくね道。車酔い状態でさらに気分は最悪。駐車場に着いたのは22時過ぎ、既に五、六台は停まってただろうか。エンジンを停めると真の闇。とにかく眠って体力を戻さねば……と焦りながらの就寝。

人が動き出す気配で目を覚ましたのは午前三時。みんなはや!!起きてみた感じ、全然体調は戻っていない。車の中は暑くもなかったけど、快適な温度でもない。ましてや車中泊でよく眠れなかった。この感覚、嫌な予感しかしない。予定より早く動き出したけど、それでも全然やる気が出ず、せめてライトなしで歩ける明るさになるまでだらだらする。食べたくもないけどおにぎりを無理やり押し込み、水も流し込む。ああ気持ち悪い……こんな体調で名にしおう平ヶ岳登れるの??

まだ緩斜面の序盤から、こりゃだめだな、という体調。いつもは三十分も歩くとエンジンがかかる感覚があるけど、むしろどんどんしんどくなるばかり。後発の人たちからもどんどん抜かれ、途中で時間的に「これは私が最後尾だな」と察する。

暑さがつらいとは聞いていたし実際すごくつらかったんだけど、それ以上に悩まされたのがでっかいアブ。本当にしつこい。無視するとすぐに接近する。追い払うと接近する。要するに接近する。たまにチームを組んで波状攻撃も仕掛けられる。ただでさえペースを作れないのに、こいつらのせいでペースは乱れまくり、息も上がりまくり、激しい消耗の大きな一因になった。イカリジンの虫よけなんかハ?って感じでガン無視。平然と顔に止まろうとするし。ネット付き帽子とか、物理的に除けないと奴らには効きそうにもない。

この時期は日が長いので、最悪18時台の下山と設定し、頂上へ12時台に着くことを目指す。なんとかその目標は達成できたのでリタイヤはしなかったが、はっきりいってこれはもっと早い段階でのリタイヤ案件だったのでは、と下山した今は思う。
山頂付近は、一瞬疲れも吹き飛ぶ素晴らしい眺望だった。ザックを下ろして休み、もう周囲には誰もいなくなった平ヶ岳を満喫できたことは、確かに幸せなことではあった。下山のことを考えると手放しでは楽しめないけど、でも確かに楽しんださ。その時点では。

ランドマークの玉子石は外せない!なんてネットの情報は華麗に無視。頂点以外にこだわりはない。これまでの体験では、行動時間が6時間を超えると身体がきつく感じ始め、10時間を超えるともはや牛歩状態になる。ましてや体調が悪く、灼熱状態のこの日。行動時間は最終的に14時間だった。最後の痩せ尾根など、多分全然前進していなかった。トラロープを前に座り込み、息を整え、アブを怒鳴りつけ(どうせ誰もおらんし笑)、水を飲む。

私はかつて、山で泣いたことが一度ある。この日が二度目になった。
初めて泣いたのは山形の大朝日岳。最初から最後まで悪天候の中を十一時間半。暑くて、周囲は何も見えず、雲に包まれただひたすら登っては下りてを繰り返す。山にはたった一人。これが私のやりたいことなのか、と唐突に全てが馬鹿馬鹿しくなって登山する自分を罵りながら泣いた。まあこういう異常な精神状態って、要するに身体が極限まで疲弊すると起こることであって、子どもが疲れてぐずるのと同じことだ。通常の大人には起こらない。なぜなら日常生活ではそこまで疲労する前に行動を止めるから。でも山では限界!と思っても歩かねばならない。泣くというより怒りながら歩いた。

そして平ヶ岳。今回はもう、身体が限界だった。足もふらふら、腰も痛くて、頭も朦朧。隙あらば足が止まりそうになる。動きを止めても下山が遅くなるだけだ。そこで私は考えた。十年以上前に亡くなった愛猫ねずちゃんの最期はこんなものではなかったはずだ、それに比べりゃこんなもんちょろいだろう、痛いの辛いの言っていられるか――それが良くなかった。通常の精神状態ではねずちゃんのことは絶対に思い出さないようにしている。私には、思い出すと0.2秒で泣くものが二つある。一つがねずちゃんのこと。もうひとつはフランダースの犬最終話だ。

日中は聞かれなかった夜の虫の声を聞きながら、私はねずちゃんのことを思い出して号泣しつつ下山した。最後の最後で、これが呼吸器にも深刻なダメージを与えて精神的にも肉体的にも終末を迎え、屍となって歩き続けた。もはや分速5メートルとかそんな感じ。

駐車場が近づき意識を取り戻し始めると、周囲がやたらとブンブンうるさいことに気づく。頭を振っても手を振っても音は消えない。日は傾き、森の中はもう暗かった。なにが起こっているのか状況がよく分からない。恐怖におののきながら力を振り絞って登山道を出ると、私の周りはアブ団子ができていた。下山したらまずザックを下ろして、ゆっくり靴を脱いで、おトイレも行って、なんなら外で寝転んで……なんて妄想はすべて消滅。たった一台ぽつーんと残ってた車に飛び込み、アブが一匹も車内に入らなかったのだけは奇跡だが、汗だくの身体で運転席から見たものは、ガラスというガラスへ「血〜吸うたろか〜」とガンガン飛び込んでくるアブの群れなのでした。ヒッチコックかお前ら。

狭い狭い車内でザックを下ろし靴を脱ぎ着替え。もう死にそう。
平ヶ岳に登って、本当に良かったこと。それは、もう平ヶ岳に登らないとな〜って思わなくて良くなったこと。二度と来ることはあるまい。私には過ぎた山でした。

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コメント

長丁場お疲れ様でした。私も平ヶ岳挑戦したいと思っているのですが、かなりの長丁場になるので日が長い時期と思っております。今年はもう難しそうなので来年行けたらと。女性でソロ、junnnnさんの山行、とても参考になります。よく頑張りましたね!!すごいです。感想も楽しく読ませていただきました。アブ問題、この時期の課題ですね。
2021/8/5 19:40
satotyanさんありがとうございます。どうやら同い年のようですね〜(^3^)
おそらく体調万全であってもキツい山であることは間違いないです。涼しくなってから登ろうかとも検討しましたが、これより6時間早く登れる…とかは絶対ないので、日の長さを優先して良かったかなと思っています。
来年の登頂目指して頑張ってください!
2021/8/6 5:36
プロフィール画像
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