奥穂高岳−29年ぶりの穂高− (新穂高から白出沢をピストン)


- GPS
- 10:01
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 2,245m
- 下り
- 2,242m
コースタイム
天候 | ピーカン! こんなに天気のいい日に,山にいたことはそうそうない。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
仕事が終わってすぐに新穂高へ向かって出発。20日22時に新穂高に到着する。 「3連休の前日のこの時間なら,まだかなり空いているだろう」と高をくくっていたら, 大間違い。もうすでにほとんど空きはありませんでした。 (520K) |
コース状況/ 危険箇所等 |
白出沢のガレ場の登り下りは,道があるんだかないんだかわからなくなるところも多かった。 かなり適当に歩いたが,その分大きめの岩を選んで飛び移るように歩いていると, 登りは体力を消耗したし,下りは飛び乗った岩が浮いていて, そのままひっくり返りそうになったことも‥‥。 今回の山行では,この白出沢の下りが一番疲れた。 |
写真
感想
「穂高岳」,そこはかつてボクが一番大好きだった場所でした。
最初に行ったのは,1977(昭和52)年6月初旬。
大学1年生になったボクは,さっそく友人2人を誘って,穂高岳を見に出かけたのです。
もちろんその35年近く前だって,上高地へはバスで行くのが当たり前でしたが,
ボクはかつての先人たちがそうだったように,徳本峠から初の穂高を拝みたいと思いました。
そこで,島々から徳本峠をめざしたのです。
折しもウェストン祭とかぶって,けっこう多くの人たちが歩いていましたが,
やっとのことで着いた徳本峠から,白銀の穂高連峰が見えたときの感激は忘れられません。
それから数年間,ざっと数えただけでも,穂高岳の山域では25日間をすごしました。
夏には涸沢にテントを張って,雨が降れば停滞。
晴れれば,前穂東壁,滝谷,屏風岩とロッククライミングに出かける。
そんな日々を過ごしたこともありました。
穂高岳には,若かりし頃の懐かしい思い出がいっぱい詰まっています。
でも,29年前に奥穂から西穂を歩いたのを最後にして,
穂高からも,山登りからも足が遠のきました。
1年近く前から本格的に山登りに復帰して,「この夏には穂高に行こう」と決めていましたが,
「どうせ穂高へ行くのなら,1〜2泊して歩きたい」と欲が出て,
この9月の3連休を狙い目にしていました。
でも,先週は台風。
そして,今週は見事に晴れましたが,まん中の日に用事が入って,結局は日帰りです。
それでも,とうとう「穂高へ行く」と思うとワクワクして,
20日(金)は仕事を終えるとその足で新穂高温泉に向かいました。
新穂高温泉無料駐車場はすでにほとんど満車。
ギリギリ1台分,空きを見つけて駐車し,そのまま車の中で仮眠。
21日朝,ちょっと寝すごして予定より30分遅れで駐車場を出発。
右俣林道は槍や穂高に向かう人たちで,なかなかの人出です。
でも,白出沢の出合から奥穂高へ向かうと,人はグッと減りました。
まずは,針葉樹の中を緩やかに登る道。
「重太郎橋は,先週の台風の大雨で流されてはいないか」と心配しましたが,
そんなこともなく,橋から先の,岩をへつるようにつけられた道を通り,
鉱石沢で水を補給し,樹林帯の急登を登って,荷継沢に着きました。
さて,ここからは,水のない白出沢をひたすらつめていきます。
岩屑の積み重なったガレ場では,ルートが決まっているような,ないような‥‥。
ときどきペンキの印を見つけたりするのですが,すぐに見失って,
かなり適当にルートファインディングして登ります。
こうなると,ボクの悪いクセなのですが,ルートを探して先へ先へと気がせいて,
ゆっくりゆったり登ることができなくなってしまうのです。
だから結局,写真を撮ったり,水を飲んだりするのに立ち止まる程度で,
一度も腰を下ろすこともなく,新穂高温泉から穂高岳山荘まで歩き通しでした。
おかげで穂高岳山荘に着いたときには,かなり「足に来た」という自覚症状が‥‥。
それでも,穂高岳山荘から見える29年ぶりの景色に,もう感動でした!
とくに,前穂北尾根の美しさといったらありません。
日本でも,もっともアルペン的雰囲気を感じさせる景色ではないでしょうか。
たしか21才の8月下旬に,一人で涸沢にやってきて,
ガスの中,五・六のコルから北尾根を登りました。
濃いガスで岩も濡れて,あまりコンディションはいいとは言えませんでしたが,
ノーザイルで平気で登ったように思います。
今から思うと無謀? やっぱり「若気の至り」ですね。
さて,それでは奥穂への最後の登りです。はしごと鎖場から始まります。
こういうところにくると,なんだかたのしくなるので,ついついスピードが上がって,
前の人が道を譲ってくださると,「ああ,すみません」と先に行かせてもらって,
さらにスピードが上がるということになって,ますます足に来ました。
そして,10時40分,奥穂高岳山頂に到着。29年ぶり,たぶん5回目の奥穂です。
その昔も,奥穂の山頂には大きなケルンがあって,
「2m以上積めば,北岳を抜いて本邦第2位になる」などという話を聞いたことがあるような‥‥?
(かつて北岳の標高は3192mでした)
でも今は,そのころよりはるかに立派な石積みの上に,
穂高神社の祠があったり,方位案内板があったりして,ちょっとビックリです。
山頂からは,中部地方の高山のほとんどが見えるほどでした。
ジャンダルムがすぐそこに見えます。登行欲がわいてきます。
29年前にここに来たときには,奥穂から西穂独標まで3時間半で歩いているので,
「西穂経由で新穂高温泉へ下りようか」という迷いも出ましたが,いやいや無理しちゃいけません。
本当に穏やかな山頂でした。
「いつまでもここにいたい」と思いましたが,そういうわけにもいきません。
11時に山頂をあとにして,穂高岳山荘へ。
穂高岳山荘でお昼を食べて,前穂,常念から蝶への稜線を目に焼き付けて,白出沢を下りました。
この白出沢の下りが,この山行で一番しんどかったです。
すでにかなり足に来ている上に,ルートをはずれると浮き石があります。
2〜3回,浮き石に乗って転びそうになりました。
歩くのに神経をつかって疲れました。左ヒザもちょっと痛めてしまいました。
本当に天気のいい1日に,久しぶりに穂高を堪能してきました。
この先,ロッククライミングを再開することはあり得ないでしょうが,
やっぱり岩稜歩きはたのしいので,穂高にはまたちょくちょく行くことになると思います。
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