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記録ID: 3496348
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山滑走
北陸

大品山・鍬崎山(文登研山岳スキー研修2回目)

1995年02月18日(土) ~ 1995年02月20日(月)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
10.6km
登り
1,239m
下り
1,264m

コースタイム

1日目
山行
4:00
休憩
0:00
合計
4:00
9:00
240
13:00
2日目
山行
6:10
休憩
0:20
合計
6:30
7:00
240
11:00
11:20
130
13:30
3日目
山行
2:00
休憩
0:00
合計
2:00
8:00
120
10:00
ゴンドラ山頂
2日目の鍬崎山到着以外の時刻はおおよそ。
アクセス
利用交通機関:
自家用車
私は前から2列目、左から4人目。私の右前は講師のGさん(栃木県高体連登山部元委員長、2012年3月、平標山で一緒に山スキー)か
1
私は前から2列目、左から4人目。私の右前は講師のGさん(栃木県高体連登山部元委員長、2012年3月、平標山で一緒に山スキー)か

感想

文登研(文部省登山研修所)の山岳スキー研修会に2回目に参加したときの記録である。
夏の文登研・高校登山部指導者研修会に参加したのが1984年の8月、冬の文登研・山岳スキー研修会に初めて参加したのが1987年2月であったが、それらに続く3回目の文登研であった。

終了後、広島県高体連登山部報に寄せたと思われる原稿があったので、少し長いが、それを引用する。
(以下引用)
『文登研(山岳スキー)に参加して』(宮島工業高校 N)

1月12日、[広島駅近くの甘党の店]タムラにて山岳連盟の競技部の会合を持っていたところ、突然[広島県高体連登山部の]O委員長より電話が入る。「文登研の参加希望者がいないので、Nさん行ってくれないか」とのこと。冬(山岳スキー)の文登研には8年前に既に行っているので、まさかまた番が回って来るとは思わなかった。さて、どうしようか。期日は2月16日(木)から20日(月)まで。3年生はもはや登校していないから授業変更も何とかなりそうだ。翌日早速O委員長にYesの返事をする。

8年前に参加した時は、スキーを始めてまだ2年目の年だった。今はあの時よりもいくらかスキーも上達したから、今回の文登研は前回以上に楽しめるかな、と期待しつつ、出発日を待ち焦がれる。ボッカのトレーニングにも励みが出る。

当初JRで行く予定にしていたが、阪神大震災のため、車で行くことに変更。2月15日、2限目の授業を終え、11時前に学校を出発。山陽道、播但道、中国道、舞鶴道と走り継いで、舞鶴西ICを降りたのが16時前。国道27号を2時間走り、敦賀ICから北陸道に入る。富山ICを降りて、立山山麓の文部省登山研修所に到着したのがちょうど21時であった。

翌16日、いよいよ講習会が始まる。午前中は前回と同じく、新田隆三先生による雪崩についての講義。ただ前回と違い、今回はまずは外に出ての雪の観察から始める。弱層テストを試みる。

午後、すぐ裏の斜面にて、主として登高の練習。方向転換の技術として、講師の先生は引き抜きキックターンを勧める。降旗義道さんの『実戦山スキー』で読んだことはあったが、実際に使ったことはなかったので、早速練習を始める。すぐに上達とはいかないけれど、この方向転換の仕方が一番合理的であると実感した。今後練習を繰り返してスムーズなものにしたい。

夕方、班内で食料計画の検討。群馬のKさんの綿密なメニューで即決定。煮込みうどん(2/18夕)、洋風雑煮(2/19朝)、ボルシチ風スープ(2/19夕)、さば缶ラーメン(2/20朝)。

17日。前回と異なり、スキー場(らいちょうバレー、極楽坂)での研修が丸一日入っている。前日の「選考テスト」により、私はB班(中レベルの班)に編入される。山スキーのための滑降技術として特に講師の先生が言っていたのは、安定のために足幅のスタンスを広くとること、ザックの荷物で後へ体がいきやすいので、手を前に出すことにより持ちこたえやすくする、ということであった。

18日、いよいよ入山。らいちょうバレースキー場のゴンドラ終点(1180m)よりシールを付けて歩きだす。ザックの重さは23kgぐらいか。前回の時のように、登る途中のちょっとした下りで前につんのめって転倒、ザックが背後から頭の上にドサッ!などということも今回はなく、無事に昼前、幕営地の大品山(1420m)に到着。

昼食後、テント設営並びに雪洞掘りを開始。2時間程かけて雪洞がおおかた完成というところになって、何と!天井にひびが入ってしまった。雪が降り立てで締まってなかった割には天井の厚さが薄かったのだ。やむなく天井を壊し、代わりにツェルトを張ることにする。ただ、単純に張るだけでは真中が凹んで雪がたまるから、横の壁にスキー板を斜めに突き差して屋根の梁にするという工夫を講師の先生に教わった。

19日、今日はサブザックで鍬崎山(2090m)を往復。山中での一番快適な日か。折しも私、この日満40歳の誕生日。天も快晴の日よりで祝福してくれている。まずはすぐ先の鞍部(1320m)までシールを付けたままで下り、そしてそこから登りが続く。標高差にして800m弱。途中(1700m過ぎ地点)スキー困難な場所があり、用心を取って我班はスキーをデポする。わかんの歩みは遅々としてあまり進まず、登高タイムリミットの11時が迫るが、まさのその11時、全員が頂上に立つ。

そして正面には全山真っ白の立山連峰の大パノラマが我々を迎えてくれた。中央の薬師岳がひときわ大きく稜線を広げ、太郎山との間には黒部五郎岳がすっきりとした姿を見せている。左に目を転ずれば、白くたおやかな大日岳の上に剣岳の黒々とした三角錐の岩峰が聳えている。

この比類なき景色を胸におさめ、待望の滑降へと下山を急ぐ。デポ地点に到着、スキーをつける。膝までもぐる新雪の中、ターンもまずまず決まり、至福のひととき。

幕営地帰着後、ツェルトを使用しての負傷者搬送法、並びにビーコンを使用しての雪崩埋没者捜索法の講習を受ける。ビーコン(1台3万数千円)ももっと安価になれば良いのだが。

20日、今日の下山はメインザックを背負っての滑降になる。正念場だ。まずは転倒せぬこと。入山ルートをそのまま下ったが、途中アップダウンもかなりあるため、シールを付けたままでの滑降となった。ターンはあまりせずに、主として斜滑降とキックターンで下っていく。ヒールは終始フリーにしていたが、途中のやせ尾根の急斜面では固定したほうが良かったかも。途中ターンをした際、雪に埋もれた小枝に足を取られて一度尻もちをついたものの、一応無難にスキー場に到着。山頂レストランの美味な煮込み料理で、今回の山行の余韻にひたる。

昼過ぎ研修所に帰着。15時30分閉会式。なじみになった班のメンバーと共に富山駅前にて別れの夕食。20時富山出発。途中高速道パーキングにて仮眠を取り、翌日午後広島到着。

楽しくかつ有意義な研修の機会を与えていただき、ありがとうございました。

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