魁‼男山ダイレクト【やらないか】
- GPS
- 07:02
- 距離
- 7.6km
- 登り
- 786m
- 下り
- 789m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
アプローチは途中まで登山道を利用、そこから登山道を外れRFしつつ取りつきを目指します。部分的には明瞭な踏み跡があります。 |
その他周辺情報 | トイレは信濃川上駅を利用させていただきました。新しくて非常に綺麗でした。 |
写真
装備
個人装備 |
クライミングシューズ
ハーネス
ヘルメット
ナッツキー
セルフビレイコード+環付ビナ
ビレイ器(セカンド確保機能付)+環付ビナ
ビレイグローブ
終了点セット(120スリング+環付ビナ×3)
ヌンチャク×4〜5(アルヌン含)
240スリング+環付ビナ
180スリング+環付ビナ
120スリング+ビナ×2
捨て縄+フリクション細引×2+ビナ
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共同装備 |
ロープ8.6mm 50m 2本
カム・ナッツ・トライカム各種
|
感想
ご縁が有って今回もhirosioさんと2年振りの男山ダイレクトへ。
男山へは車でアプローチした場合、登山口付近に路駐となります。男山ダイレクトは最近結構登られている様子のルートで、しかも好天の日曜日となれば数パーティが入る可能性から駐車余地に配慮し、埼玉から1台に同乗しての移動となりました。
往復の移動時間は今後登るルートの擦り合わせや、システムや支点、ナチュプロの話等、良い作戦会議時間となりました。またジャンプ黄金期の話や、某匿名掲示板にコピペされた古いネタ等しょうもない話題で楽しい時間を過ごさせて頂きました。今回hさんのコメントが妙なのはその影響だと思いますが、わかる人にはお判り頂けるのではと思います。
そんなこんなで八千穂高原ICで降りてナナーズ小海店を過ぎ、暫く進みますと目を引く岩山が男山です。「ウホッ!いい男山」「やらないか」としょうもない会話をしつつも荒々しい岩尾根に心が弾みます。
信濃川上駅でトイレ休憩後、男山登山口へ。登山口周辺で駐車余地を探し、なるべく迷惑にならないスペースに駐車。この日は我々が一番乗りの様子です。
アプローチシューズで登山口から男山へ。途中で男山ダイレクトへ向かうべく登山道を外れますが、踏み跡が2年前より明らかに濃くなっており、これなら楽ちんアプローチだねとか言いつついい加減に歩くと微妙にルートロスして余計なアルバイトになったり、山の神様は見ていますね。
何だかんだで取り付きを見つけて準備します。今回はhさん初めてのダブルロープのシステムと、ちゃんと連続したマルチピッチ、ナチュプロの中間支点、自前の終了点の構築とセカンドビレイ、コンテ等ピッチ間の移動が課題となります。
基数ピッチをhさん、偶数ピッチを私がリードする「つるべ」で登りますが、クライミングシューズに履き替えての登攀で、先週に阿弥陀南稜のP3、P4リッジを登山靴で登っている為か、同じ様な掘銑個度のクライミングは快適そのもの。見下ろす川上村の田園風景や、八ヶ岳、南アルプス、富士山、奥秩父の山々の景色を背負いながらの楽しいクライミングとなりました。
各ピッチの中間支点は最小限のピトンしかない為、ロープの流れに配慮しつつ必要に応じてナチュプロを決めたり、終了点にボルトやハンガーは無いので自前で構築する等、アルパインのイロハを練習するには最適なルートでした。
また、終了点となるテラス等も各ピッチで深さに差が有り、どの位置で切るとロープの流れが管理しやすいか、コールが届きやすいか等や、終了点から次のピッチのスタート地点への移動も、セカンド先行でロープを引くかコイルでコンテか等、色々な方法を試す事で様々な気付きを得られる良い課題となっています。
4ピッチの登攀を終え、山頂で展望を楽しみつつ頂くコーヒーは至福の時間です。見ればダイレクトルートには後続のパーティが登攀中で、今日の日を彼らと同じ岩場の時間を共有できた喜びを噛みしめます。
下山は登山道から。途中見上げるダイレクトルートには、まだ後続のクライマーの姿が。この日は5〜6パーティが男山ダイレクトを登攀したようで、恐らく一般登山者よりも多くのクライマーが山頂に立った事でしょう。
グレード的に易しいからこそ、安全マージンに余裕を持って様々な気付きを得られる良いルートでした。定期的に再訪して、初心をリセットする機会を設けたいと思います。
今回もhさんありがとうございました。また運転もお疲れさまでした。次回もよろしくお願いします。
以下再訪に備えた備忘録です。
●アプローチ
左へトラバースして乗った尾根を詰めて行くとダイレクトルート取り付きに到着するが、最初に出会う岩場はまだ1Pスタート地点ではない。最初の岩場を越えた先がスタート地点。
●1P(第一岩稜)45m
本当に靴覆里任匹Δ箸任眦个譴襦1Δ留角状は易し目で左のリッジは難しめだが岩が脆く不安定なのであまり左を攻められない。とはいえ上部ではリッジを左へ越えたりして。中間支点は変に取るとロープが重くなるので流れを考えて取りたい。終了点は傾斜が緩んだ所で取る。2Pのスタートまでの歩き部分をロープを伸ばすとゲキ重になるので注意。リードを交代しないのならセカンドを終了点から2P取り付きまでそのまま歩かせてセルフ。つるべで交代するなら、コイルなりでコンテで2Pスタートまで移動が良さそう。
●2P(第二岩稜下部)20m
第二岩稜から展望も楽しい素敵ピッチ。途中の松の木があるテラスでピッチを切るが、ここまでだと20mも無い印象。でも短く切る事でロープの重さも程々になるし、つるべならリードを2回ずつ分け合えるので良い感じ。
●3P(第二岩稜上部)20m
松の木テラスから第二岩稜の終わりまで。傾斜が緩んだところでピッチを切る。この先4Pスタート地点まで歩きが有るが無理にロープを伸ばさず、コンテで第三岩稜基部まで移動。
●4P(第三岩稜)20m
離陸して直ぐの核心部にピトンが2枚有ったのでランニングを取る。終了点の松の木は左側のが捨て縄が掛かり主に使われている様子。右奥にも松の木(前来た時はこっちを使った)が有るが、奥にあるので最適なビレイ位置にするためにはメインロープで伸ばす方法を取る必要あり。セカンドを迎えた後はコンテで教蘢度の岩尾根を歩いて山頂へ。
「む!あれは!男山名物、或刃院位明具!」
「何っ、知っているのか雷電!?」
【或刃院位明具(あるぱいんくらいみんぐ)】
古代中国に伝わる暗殺術として有名である。術者は二名一組でお互いをロープで結束の上、断崖に攀じ登り人知れず敵陣に侵入する。
ちなみに二名一組の内、片方を「尾令矢(びれいや)」と呼ぶが、これは現在のクライミングにおけるビレイヤーの由来であることは言うまでもない。
(民明書房刊『世界登攀暗殺術大全』より)
今回もyさんにお付き合い頂き、アルパインクライミング入門編と言われる男山へ、岩トレに行って参りました。今回はダブルロープを引いての実践がテーマかなと思いましたが、絶景と程よい高度感の中、落ち着いて色々と試すことができました。ここはアルパイン初心者が練習するにはとても良いお山でした。
yさん今回もありがとうございました!
コメント
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まだ未踏なので今度色々教えてください!
それにしても「或刃院位明具(あるぱいんくらいみんぐ)が暗殺術とは・・・(笑)
男山良かったです~。初心者が諸々の実践練習するのに丁度よい環境でした。色々勉強になりました
今度お話しますね~。隣にある天狗山ダイレクトも楽しそうです。
あと、男塾の明名書房ネタ、一度やってみたかったんです(笑)
手軽なグレードで楽しく登れて、景色も良く再訪したくなる好ルートでした。
下山ルートが登山道なので、混雑しても登り降りパーティが交差しない所も初心者的にはありがたいです。
民明書房はジャンプ世代には懐かしいネタですね(笑)
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