オンダシ峯・鉢盛山


- GPS
- 11:35
- 距離
- 41.4km
- 登り
- 2,426m
- 下り
- 2,437m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・林道 ゲートから2.3km(薮原林道始点)まで舗装道、2.3kmから6.2km(橋崩落地点)まで砂利道、6.2kmから12.3kmまでガタガタな砂利道、12.3kmから14.0km(鉢盛山登山口)まで足元の藪、14.0kmから14.8km(鉢盛峠)まで背丈を超す藪(踏み跡あり) 6.2km地点の橋の崩落は徒歩通行可、11.1km地点の大崩落は徒歩でもかなり危険 ・オンダシ峯 濃密な笹藪。二度と無雪期に行きたくない。冬に行きましょう。ちなみに2021年10月現在、恐らくこの記録がインターネット上唯一の無雪期オンダシ峯の記録です。 ・鉢盛山木祖村登山道 登山口から1868m標高点の北のコルまでは胸の高さまでの笹藪。それ以降も所により藪があるが、登山道の判別は容易にできる。 |
写真
感想
■アプローチ
味噌川ダム上部、1144m標高点付近の空き地に駐車し、自転車を組み立てて出発。ゲートには「関係者以外立入禁止」との表記があるが、徒歩で入ることは自己責任で可とのことだ(ID: 1565148)。
トンネルを潜った先で一旦下りになり、「薮原林道」と標柱が立っているところからまた登りになった。ゲートから2.3km、あと峠まで12.5kmあるが、ここで舗装道は終わり、足元は砂利道になった。先が思いやられる。
ゲートから6.2kmのところに大きなショベルカーが停まっていた。その先を覗くと、橋の付け根が大きく崩落しており、僅かに一人分の幅のみが残っていた。片手で自転車を持ち上げ、もう片手でバランスをとりながらなんとか渡った。
その先は、地面が工事用車両に固められていないため、道がかなり荒れている。砂利が滑って走りづらい上に、溝が掘れているところにタイヤが取られて怖かった。傾斜も増してきて、押して歩く割合が増えてきた。
ゲートから11.1km地点に大規模な崩落があり、林道が完全に寸断されていた。自転車は当然だが、徒歩でも渡れるか分からない。要らないものを道端に置いて高まいてみたが、かなり崩れやすく、時間をかけてなんとか渡った。
木曽川源流の標柱はそこからわずか100mほどの場所だった。令和元年に立てられた新しい立派な標柱だ。令和2年にも鉢盛山木祖村登山道の藪を刈った記録がある(http://ggstar.net/essay/2507_hachimori/)ため、あの崩落はそれ以降のものなのだろう。この標柱を人が見るのはこれが何ヶ月ぶりで、次はあと何年後になるのだろうか……。ここで水を汲もうと考えていたが、橋になっていて組みづらそうだったため、先に進んだ。次第に道は藪に包まれ始め、朝露で足が濡れた。
鉢盛山登山口でさらに荷物を置いていき、カッパを着るなど藪対策を整えた。ここから先は藪の勢いがよく、道幅のほとんどが背の高さくらいの藪に覆われていたが、轍の跡なのか、2本の踏み跡が峠までずっと続いていた。途中で沢水を補給しながら踏み跡を辿った。
■オンダシ峯
鉢盛峠も藪に包まれている。朽ち果てたゲートや看板の中、平成31年に立てられた、水路跡の真新しい看板が異彩を放っていた。そのちょうど傍からオンダシ峯に取り付いた。
濃密な笹藪は高さ1.5〜2mほど。ありがたいことに笹以外の潅木はなく、ダケカンバやコメツガなどが疎らに生えている。倒木も多くはなく、目の前の笹を倒すことに集中できる。中腰になり、葉っぱのない高さを平泳ぎをするように進んでいく。足に絡まってきたら手で押さえつけ、にっちもさっちもいかなくなったら倒れ込めばその上を1mは前進できる。傾斜が増すにつれ、笹のこちらに向かって生えるようになり、まとめて持って引っ張って登るようになる。沢状の小地形の中は、左右から笹が被さってくるが、真ん中は空いており、楽に登れた。普段の山では得られない知見だ。
一度下ってまた登る。結局藪が薄まることが一度もないまま山頂に着いた。
山頂部の笹は1.5mほど。当然誰もおらず、風が笹と梢を揺らす音だけが聞こえている。広い山頂の中の最高点に最も近い木に、作ってきた山名標を括りつけ、2022年の年賀状用の写真を撮った。想定より早く登れたため、しばらくゆっくりしてから山頂を後にした。
下りは体重で笹を踏み潰せるため、登りと比べてかなり楽だった。しかし、足元が見えないため慎重にならざるを得ず、スピードはそこまで上がらない。登りと同様に沢状の地形に進んだら、屈めない分葉っぱが顔に来て不快だった。尾根に戻ってそのまま下り、鉢盛峠に戻った。
■鉢盛山
鉢盛峠から鉢盛山登山口に戻り、今度は鉢盛山に取り付いた。登山道の上から笹が被さっており、見た目は完全に笹原になっている。笹の生えていない足元を探りながら進むが、かなり分かりづらい。尾根に出てもしばらくこれなら引き返そうと思ったが、案の定尾根上は藪が薄かった。
基本的に直登でそこそこ辛いが、鉢盛山への3つの登山道のアプローチが全て車両通行止めでは愚痴る相手がいるはずもなく、淡々と登っていく。稜線に乗ると、「標高2245m あと850m」とある木の棒が立っていた。振り返るとオンダシ峯から先の中央分水嶺の山々や松本盆地などが木々の間から見える。「鉢盛」と名前が付くように、傾斜が緩くなってからも山頂まではまだ距離がある。だらだらと歩いていると、ふと山頂に着いた。
山頂には祠が3つと看板がいくつか落ちていた。周囲の山を紹介するプレートもあったが、あたりは樹林に囲まれていて展望はない。少し先の大きな反射板のあるところは開けており、雲を頂いた槍穂が見えた。行動食を食べながらしばらく休憩して山頂を後にした。
下りも同じ道を淡々と下る。余裕があれば鉢盛峠までの中央分水嶺を辿ろうかと思ったが、オンダシ峯と違ってこちらは細い潅木が生えていたため、面倒だと思ってやめた。尾根から登山口に戻るまでの藪は、下りでは道が分からなくなる箇所もあった。迷ったらGPSを見て、行きに通った道筋を辿りながら戻った。
■下山
もうここから藪は無い。歩行の、足を引き上げるフェーズに力が要らないことの何と素晴らしいことか。しかしまだ大崩落は残っており気は抜けない。歩いていると、遠くからその痛々しい岩肌が見えた。幅20m、林道からの高さ40mくらいだろうか。
注意して崩落地を渡りきれば、後は自転車で下るだけだ。が、路面はガタガタ。登りはスピードが出なかったため、命の危険を感じることはなかったが、下りはそうはいかない。ブレーキをいっぱいに握りしめてゆっくりと下ったが、何回か転んでしまった。
橋の崩落から先は何も心配の要らない良い道になり、美しく暮れゆく木曽川やダム湖を眺めながら、車までペダルを漕いだ。
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