菊水ルンゼから菊水山南東尾根を経て鵯越
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- GPS
- 04:56
- 距離
- 8.9km
- 登り
- 385m
- 下り
- 494m
コースタイム
- 山行
- 4:21
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 5:34
天候 | 晴時々曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ルンゼはフリーの岩登りに終始する。南東尾根は藪化がすすみ、慎重なルートファインディングを要す。 |
その他周辺情報 | レストラン「風舎」 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
非常食
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
シュリンゲ
|
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感想
10月下旬となれば因幡でなめこ狩りといきたいところだが、シベリア高気圧が北に構えていて日本海側の天気が悪い。そこで今日も近場の六甲ということになる。面白げな場所にしようと選んだのが菊水ルンゼだ。神鉄鈴蘭台駅からのアプローチとなる。
子どもの頃、つまりは今から60年ほど前だが、おふくろに「鈴蘭台のおばちゃんのところに行くよ〜」と連れていかれた鈴蘭台。登山電車さながらの神鉄で降り立った鈴蘭台駅は、信州の保養地のような雰囲気を醸し出していた。粟生方面へ線路がわかれる様子も子供には印象的だった。その線路の上をヒョウモンチョウの類が低く滑るように滑空していて、ああ、高原に来たんだ、と軽井沢にでも行った気分に浸ったものだった。
昭和の匂いが立ち込める懐かしい雰囲気の新開地駅から神鉄に乗ると、電車はもう明らかに傾きを呈して坂を上り始める。くねくねと山間を縫いながら、いくつものトンネルを抜け、絶え間なくのぼり続ける。その様子にはいまだに特別な感慨を覚えるのだ。ところどころで瀬戸内海まで見通せる眺望も与えてくれる。そうしてたどり着いた鈴蘭台。高層の駅ビルがたち、近代的な街に一変している。今、通ってきた鉄路に沿って、南へと歩き始める。ダム建設に伴って道路が整備され、車の通行禁止となった舗装道路は、近隣の人々の格好の散策路だ。道は右にカーブして橋を渡る地点にくる。この手前から左に入る踏み跡があり、そこには「西尾根・ルンゼ取り付き点」と小さなラベルが貼られている。この道は川の左岸を高い位置で巻くようにつけられている。テープマーキングに導かれて小沢を渡ると、すぐ小さな稜線に乗ったが、どうやらこれは「西尾根」らしい。ルンゼはその手前、ということは、今渡った小沢がルンゼの下部ということか。戻ってみると崩れつつあるケルンが小沢に立っている。ここから小沢を登り始める。申し訳程度に水が流れているだけだが、一応、沢である。すぐ、ちょっとした岩の壁(ほぼ涸れた滝)が現れる。岩盤にはいくつものスタンスが手頃な間隔であり、難なく登っていく。一旦、岩のない区間となるがすぐにまた岩盤が現れる。この先、岩盤の連続である。いずれも正面フェースがホールド・スタンスに恵まれ、登りやすい。一か所、右手にトラロープが下がったところもあるが、そちらのほうが足場が悪く、使わないほうがいい。なんせ、岩盤の上を辿る登高だ。振り向けば眼前、眼下に贅沢な眺望が開けている。深い谷を隔てて対面には名号岩の全容が臨まれる。高度感も十分だ。そうして岩をどんどん登るうちにルンゼは終わって平凡な小沢に変わる。極力、水線に沿って詰めるつもりで進むが、そろそろ源頭。灌木の隙間を縫って左手の小尾根に乗り、ササ藪を回避しつつ進めば、間もなくして道型に出くわした。これを右に辿り、西尾根からの道を合わせると、ほどなく正面に鉄塔が現れる。菊水山の山頂に出たのだ。鉄塔を回り込むと、たくさんのハイカーがくつろいでいた。ここで昼食とする。腹ごしらえが済んだら、南東尾根に向かう。ところがその入口が見つからない。山頂付近をウロウロした挙句、篠笹藪の下に道型を同行のkinuasaが発見。これだ!到底道には思えないところだが、踏み込んでみる。すると、テープマーキングが現れた。何となくの道型が認められるものの、廃道といってよい。藪化が相当進んでいる。道型を注意して探し、マーキングを拾って藪の中を尾根に沿て下る。下って下って、と、作業道跡に出る。それにまどわれたが結局尾根を忠実に辿るのが正解で、とにかく打ちっぱなしのゴルフ練習場のところまで来ることができた。ここからは実にいい道となる。「火の用心」の標識! そうか、巡視路なんだ。そして、ピークに達すると案の定、小ぶりの高圧線鉄塔が立っていた。調子に乗って快適な道を降っていったら、下に舗装道路と車が見える。人声もする。あれ、間違った。またさっきのピークまで、巡視路の急な階段を喘ぎながら戻るのだった。ピークからはもう一つの尾根が東に延び、これが予定のルートなのだった。しかし、さっきよりも藪は深く、マーキングもない。これはちっと厄介かも。再び先の巡視路を下って、降り立った舗装道路の横に建っているのはレストラン「風舎」とやら。なんと、今日は貸し切りで結婚式!レストランの裏側から鵯越方面に達するルートがある筈だが、さすがに結婚式に踏み込むわけにもいかない。ちょうどそこで工事をしていた方に「鵯越に行きたいんですが・・・」というと、なんとご親切に車で菊水山ハイキング道のすぐ近くまで、休業中のゴルフ場内道路をおくってくださったのである。ありがとうございました。わずかな距離、藪っぽい細道を抜けるだけで(もっとも我々は下車後またちょいと道をローストしたのだが)、ハイキングルートに飛び出した。あとは勝手知ったるメインルートをひたすら鵯越駅へと向かったのだった。
今日は岩登りあり、藪道のルートファインディングあり、親切な方のお助けあり、の贅沢な一日であった。
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