塔ノ岳(丹沢表尾根→塔ノ岳→大倉)
- GPS
- 06:02
- 距離
- 17.0km
- 登り
- 1,633m
- 下り
- 1,571m
コースタイム
8:55富士見山荘跡
9:55二ノ塔
10:15三ノ塔 10:25出発
10:45烏尾山
11:05行者ヶ岳
11:50新大日
12:30塔ノ岳 13:00出発
13:50堀山の家 13:30出発
14:35雑事場の平
15:05大倉バス停
過去天気図(気象庁) | 2013年11月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:神奈中大倉バス停 小田急渋沢駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
三ノ塔から塔ノ岳の間に鎖場あり。 標高1200m当たりから霜が溶けた泥道がちらほらと。 |
写真
感想
登山を始めた年の秋に来て以来、3年ぶりの丹沢。元々は奥多摩の鷹ノ巣山あたりでそういえば表尾根って行ったことなかったな、と思い立って金曜日に変更した。
最近は行動食と昼食の境目を曖昧にして、絶えずパンを食べ続ける、という作戦を撮っていたのだけれど、今回は一般的なスタイルに戻して昼食はラーメン、行動食はカロリーメイト二箱、にしてみた。しかし結果的にはこれが失敗であった。予想外に陽がさして気温が上がり、かなり汗をかいたのだが、行動食でそれを補えなかった。結果として、行動開始から2時間ほどで、軽い脱水症状を起こしてしまった。
教科書通りに視野が狭くなる。目に映っているはずなのに脳が処理できない。太陽の光が目に入ったときの残像がいつもよりワンテンポ遅れて消えていく。間の悪いことに、一番の難所であり、一番の苦手である鎖場と岩場の下り、という局面を迎えてしまう。足を踏み外して岩に頭を打ったら痛いだろうな、岩の方さと位置エネルギーだもんな、と最悪の事態を考えてみることで冷静になろうとする。混雑していたので順番待ちの時間があり、恐ろしさがじわじわ増していく。慎重に、慎重に、と言い聞かせながら降り切ったが、足が震えていた。
塔ノ岳の手前のピークである新大日に、なんとか辿り着く。目がチカチカする。塩分が足りない、足りないが、手持ちの食品で塩っけと云えば、ザックの中のサッポロ一番しかない。しかし塔ノ岳よりも手前で長めの休憩を取ってしまったら、日の明るいうちに下山できない気もする。背中で出番を待っているラーメンがばっちり塩味なのは、皮肉だかなんだか・・・。
進むべきか、煮るべきか。あと30分で塔ノ岳だから、と意を決して、甘いパンを口に放り込んで再び足を動かす。
ああ、決定的に、決定的に失ってしまった電解質をわたしは、と後悔する。汗をかいた時点で1枚脱げばよかったのに、塩分を含んだ行動食を持って行けばよかったのに、と反省する点は多々あれど、しかしそれで花崗岩が岩塩になるわけではない。穏やかなアップダウンを食いしばって進む。日差しが疎ましい。
結局40分もかかって塔ノ岳に辿り着き、無事ラーメンをお腹に入れて、体調は元に戻った。いつもは塩辛くて飲み干すのに苦労するスープを難なく飲み干してしまえたあたり、やはり電解質を失いすぎていた証拠だと思う。頭の中は悔恨一色だったが、落葉して谷筋のくっきりした丹沢山塊西部とその向こうにおわします富士山、という景色に、少しばかり気が晴れる。反省は下山した後でいい。体も戻ったことだし、気持ちを改めて大倉尾根を下ろう。馬鹿みたいな俺だもの、馬鹿尾根を馬鹿みたいに下るのさ。
大蔵尾根は2時間ほどで下り切った。具合が悪くなる前に頭に浮かんだフレーズがある。登山はマネジメント。ルートの難易度は、あくまで要素のひとつでしかない。辛さの成分をたっぷり含んだハイキングだったが、五体満足で降りたので、これも成功の一つだ、としよう。塩分が足りないのにしょっぱい、という不思議な成功だったけど。
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