笹ヶ峰(土佐)☆棚田と土佐湾を見下ろす好展望の山へ
- GPS
- 00:46
- 距離
- 3.0km
- 登り
- 266m
- 下り
- 262m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2021年12月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
四国には笹ヶ峰と名がつく山がいくつもあるようだ。まずは日本二百名山の一つにも数えられる石鎚山系の笹ヶ峰、高知道が愛媛と高知の県境を貫くトンネルの上に聳えるのも笹ヶ峰だ。そして高知市と土佐郡との間の市郡界尾根にも笹ヶ峰がある。
早朝に工石山に登ったあと、県道16号線を北上してこの笹ヶ峰を目指す。赤良木トンネルで峠を越えて土佐郡に入るとすぐにも斜面には見事なまでの棚田の景色が広がるようになった。水田に田植えがされた時期や収穫前の稲穂の時期はさぞかし美しい光景が広がることと思われる。
谷を流れる川は相川川といい、吉野川の源流の支流の一つらしい。すなわちここから流れる水は土佐湾ではなく、紀伊水道に流れ込むことになる。県道を相川川に沿って高須の集落にまで下ると右手に分岐する車道に「笹ヶ峰」の道標が現れる。
集落を過ぎると棚田が広がる斜面を登って行くことになる。登山口へと急いでいたので撮影スポットをゆっくりと探している余裕がなかったが、周辺に広がる棚田の景色が素晴らしそうだ。棚田を過ぎると、今度は牧場の放牧地の中を登って行く。
この笹ヶ峰はかなり標高の高いところまで車で登ることが出来るのはいいのだが、放牧地を過ぎると非舗装の林道となり、杉の植林帯に入ると道路の上はまるで台風の後のように杉の枝葉が散乱している。そういえば前日からの強い寒波により高知市内ではかなりの強風が吹いいたが、その風のせいだろう。
なんとか登山口にたどり着き、林道脇の道路余地に車を停めて出発する。四駆なら問題なく、もう少し先まで車で入ることも出来そうではあるが、レンタカーなので、ここまで登ってこれただけでもよしとすべきところだろう。
尾根筋を登る林道を辿ると、すぐに林道から分岐して尾根を登る登山道がある。林道の先には車が停められおり、樹を伐採する音が聞こえてくる。植林の中をジグザグと登って行くと小天狗岩と天狗岩の分岐がある。小天狗岩のコースの方が距離が短いようなのでこちらのコースを辿る。
やはり北斜面のせいだろうか、北風が寒さを感じさせる。足元には薄っすらと雪が散見する。この笹ヶ峰に来る前に登ってきた三辻山や工石山の南側斜面の暖かさとはまるで異なる。
小天狗岩にたどり着くと早速にも眼下に棚田の広大な景色が広がる。相川川の対岸には嶺北の山々が広がっているのだろう。山座は全く同定出来ないが、北東の雪雲の中からわずかに姿を覗かせている山はもう一つの工石山、奥工石山ではないだろうか。彼方には石鎚山系が連なっている筈ではあるが、相変わらず雪雲の中のようだ。
小天狗岩を過ぎるとすぐにも尾根上のルートと合流する。尾根の周囲には笹原が広がるが登山道の周囲は広く刈払いが行われており、快適に歩くことが出来る。
なだらかに尾根をたどり、叢林の中の小さな岩場を越えるとすぐに笹ヶ峰の山頂にたどり着く。山頂には小さな祠があり、中には蔵王権現の石像が安置されていた。山頂からも北側に大きく展望が広がり、先ほどの小天狗岩と同様に北側の展望が広がる。
「笹原100m→」と記された案内標があるので、山頂から少し尾根を東に進んでみる。樹林の中に雪を被った笹原が広がっている。引き返そうかとすると折しも光が差してきて、笹原が明るく輝くのだった。事前の情報収集が不十分なせいなのだが山名から石鎚の笹ヶ峰で見られるような笹原の草原が広がっていことを勝手に予想していたのだが、それは大きな勘違いであった。
山頂の南側に出ると再び土佐湾の光景が大きく広がる。滋賀の山からの琵琶湖の眺望や若狭湾沿いの山々から眺める日本海のように高知の山から眺める土佐湾の展望は格別な意味があるのだろう。朝に工石山や三辻山から眺めたのと同様、光輝く土佐湾を目にするのだった。
下山路は尾根筋を西に進むとすぐに天狗岩がある。確かに登りで経由した小天狗岩よりは大きな岩だ。岩からは山頂からと再び眼下に棚田の景色が広がる。
駐車地に戻り、再び杉の枝葉の散乱した林道を走ると杉の枝がひっかかったようだ。車を降りて底部に引っ掛かった杉の枝を取り除くのに難儀する。
放牧地を通り過ぎると今度は棚田を見下ろしながら下ってゆく。斜面に延々と広がる棚田の景色は愛媛県の奥道後から黒森峠に向かう道でも眺めた憶えがあるが、この山の魅力はこの棚田の景色にもあるようだ。棚田が美しい季節に高知を訪れる機会があったら再訪したいものだと思う。
高知空港には家内が乗る飛行機の到着時刻よりも30分近く遅れて到着するが、家内の乗った飛行機はさらに遅れて到着したので、丁度よかった。遅延の理由は上空の悪天候のためかと思いきやなんと乗務員繰りのためということなので驚きだ。
空港で家内と合流すると高知市内の酒屋でこの相川川沿いの棚田で作られた米を使って作られた日本酒「相川誉」が一本だけ見つけることが出来たので、早速にも購入する。いよいよ本日のメイン、愛媛県との県境の山に向かって出発する。
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