平標山、からの滑落者救助
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- GPS
- 04:44
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 1,051m
- 下り
- 1,058m
コースタイム
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
写真及び感想欄参照 |
写真
装備
個人装備 |
120cmスリング x 2
環付カラビナ x 2
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感想
滑走中にたまたま沢に落ちた方を発見し、救助しました。詳細は後述します。
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今日も貴重な晴れの日、10月の西ゼン以来の平標山へ。
6時にスタートするが既に数名が取り付いている模様。林道には全て完璧なトレースが出来上がっていたので有難く利用させてもらう。
林道を進むとトレースは夏道とヤカイ沢方面へ分かれていた。雪はもう十分でヤカイ沢も埋まっているだろうからと左へ進む。1時間くらい登ったところで先行の2名に追いついた。ここからは3人でラッセルを回すことにして稜線へ。雪は深かったが、人数が多いとラッセルも早い。
そこからは順調に高度を稼いで山頂へ。ちょうど夏道を登ってきたスノーボーダーの一行がドロップするところだった。
一緒にラッセルした2名の方にお礼を言い、写真を撮ったら滑走開始だがヤカイ沢はやはりちょっと恐い。上から覗くと雪屁も成長しつつあるように見える。無理はせず、登ってきたルート沿いに滑ることにした。
山頂直下はやや固めのシュカブラで覆われていたがすぐに滑りやすくなる。途中から別のスノーボーダーと思われるトレースがあり、左の沢へ落ちていっている。私も行ってみることにした。
新雪の量が半端ないのでなるべく沢床は避けて高度を下げていく。雪質は十分でパウダーを満喫した。今日も来てよかったと思った。
高度を落としていくと先行者のトレースのすぐ近くで沢割れしていた。トレースは沢床を快適に下っているが、私は恐いので、速度を落として雪を刺激しないよう、なるべく左岸を滑っていく。
林道の近くまで降りると、沢の下方で一瞬だが雪の下で何かが動いているのが見えた。動物かと思ったが、どうやら人間の手だ。ゆっくり近付くと沢床に大きな穴が開いていて先行していた単独らしきスノーボーダーが落ちていた。かっ飛ばしていたら自分も落ちたか、または気付かずに通りすぎていたと思う。
穴を刺激しないように近付いて声をかけると、元気そうな声が返ってきた。どうやら穴の下は蟻地獄状態になっていて、脱出に困っているようだ。穴の深さは自分のいる安定した場所からだと4〜5mくらいだろうか。
120cmスリングを2本持っていたのでカラビナで連結して即席のお助け紐を作り、下に投げてみる。何とかボーダー氏の手まで届きそうだ。ただ近くに適当な支点がない。足元はふかふかの新雪でスコップを刺しても全く安定しない。沢登りでは240cmスリングも常備しているのだが今日は持ってきていなかった。そこで自分のスキー板を立ててアンカーとし、スコップで周りの雪で固めたところ、何とか人ひとり分の体重をかけても安定しそうになった。
私が支点を構築している間に下ではボーダー氏が自分のスコップで脱出用の足場を作っていた。私が投げたスリングにも確実に手が届くようになった。私がアンカーの板を全力で押さえて、ボーダー氏に少しずつ体重をかけてもらう。全体重をかけてもらっても板は動かなかった。ただ登ろうとすると、新雪で作った足場が崩れてしまう。スコップでならしながら這い上がってもらい、自分のいる安定した場所まで何とか戻ってもらうことができた。大事に至らなくてほっとした。
無事に復活を遂げたボーダー氏と別れ、樹林帯を少し滑れば林道に出る。多少の登り返しもあるので漕ぎながら駐車地点まで帰還した。
(注) 動画には滑落救助のシーンは含まれていません
コメントありがとうございます。
ケガなどがなくて本当によかったと思っています。
安全な場所からリスクが少ない安全な方法で救助しています。
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