羽後朝日岳・和賀岳
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 29.9km
- 登り
- 1,579m
- 下り
- 1,844m
コースタイム
5/4 高下岳分岐手前〜高下岳分岐〜和賀岳〜小杉岳〜薬師岳〜避難小屋跡〜甘露水〜袖川沢橋〜真木集落〜十字館旅館
天候 | 4/26(土) 快晴 4/27(日) 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
バスは平日と土休日でダイヤが全然違うので要注意。 [下山]真木渓谷は公共交通機関無し。奥羽本線の大曲駅から北野までバスでいく手もあるか。ただし林道歩きは11キロくらい必要。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
太平洋水系から日本海水系への壮大な縦走だが、起伏がゆるく稜線は広々としておりクレバスや雪庇もそれほどシビアではない。天気さえ注意すれば難易度は高くはない。景色は雄大で、和賀山域の懐の深さが存分に感じられる、東北でも屈指の魅力のコースだと思う。 ただし、薬師岳から真木渓谷への下りは地形が複雑なので、マーキングがなければ登りに使ったほうがよい。貝沢への下山は尾根通しで迷ったとしても深刻な状況にはならないと思う。 私は今回はhttp://yooichi.blogspot.jp/で情報を得て大いに助けられました。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
1/25,000地形図
コンパス
笛
ライター
ナイフ
飲料
ティッシュ
バンドエイド
携帯電話
雨具
防寒着
スパッツ
手袋
ストック
ビニール袋
替え衣類
入浴道具
シュラフ
シュラフカバー
ザックカバー
水筒
時計
非常食
アイゼン
ピッケル
冬季手袋
防寒用帽子
|
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共同装備 |
テント
テントマット
コンロ
ガスカートリッジ
コッヘル(鍋)
ファーストエイドキット
医薬品
ラジオ
カメラ
ポリタンク
車
|
感想
4/26(土) 貝沢バス停8:55--9:50登山口10:05--沼沢岳--13:45大荒沢岳14:30--15:00羽後朝日岳--15:35大荒沢岳15:50--16:25高下岳分岐手前△
前日盛岡行きの最終やまびこに飛び乗り、北上に前泊、朝6:15のJRに乗りほっとゆだ駅に到着した。
ここから8時発の盛岡行きのバスが出ており、一時間ほどで貝沢バス停に着いた。天候をみて行く山を直前で変えたためバタバタしたが、なんとか予定通り登山スタートである。
しばらくは貝沢集落を通り抜けるが、予想通り残雪がかなり多い。林道に入ると除雪がされておらず早速雪の上を歩くことになる。牧場を通り抜けたり渡渉したりしながらようやく登山口に到着。今日は猛烈に気温が高く暑くて仕方ない。こんなに暑い雪山は初めてだ。ここで眼鏡をサングラスに代えたのだが迂闊にも眼鏡ケースごと置きっぱなしで出発したのに気づいたのは2時間も後のことだった。
そうとは知らず沼沢岳から南に派生する尾根に黙々と取りつく。順調に高度をあげ稜線にでると、真っ白な沼沢岳と大荒沢岳が正面に現れ思わず歓声をあげた。高々1300mほどの山であるがそれを感じさせないほどの風格、この地帯の豪雪状況を改めて認識する。そしてこの頃に眼鏡を紛失していることに気付き愕然とする。
沼沢岳で団体さんに出会い、一縷の望みを託し眼鏡が落ちていたら拾って連絡してほしいと携帯電話の番号を伝える。Kさんという女性の方だった。賑やかで楽しそうな団体。一部の方々は朝日岳まで行ったそうだ。日帰りピストンとはすごすぎる。しかし日本マイナー名山は山中一泊以上かかることが条件じゃなかったかな? 日帰り出来てしまって選定としていいのだろうか?
大荒沢岳まで順調すぎるほど順調に来た。今日中に朝日岳をピストン出来れば明日中に下山できる。明後日はどうも天気が悪そうなので、今日頑張ってピストンすることにしたが、山頂でラーメンを作ってから出発してもお釣りが来るほど時間に余裕があった。朝日岳へのルートは所々クレバスに注意が必要だが、思ったより簡単だった。
自分はこの朝日岳でマイナー名山四座目なのだが、これほど簡単な山は今まで無かった。それでも周りは人臭いものはほとんど見えず深山には違いない。天気はよく眺めもよく満足である。特に明日登る和賀岳が大きく堂々としており、嫌がおうにも期待が高まった。
大荒沢岳まで戻るとKさんから携帯に着信があったので折り返してみるとなんと眼鏡が見つかったという。なんという幸運! 自宅まで宅急便で送ってもらうことにしてお礼を言いまくりだった。別の方が見つけてくれたのを偶然Kさんの忘れ物じゃないと聞いてきたのでもしや!とうことになったそうだ。いやはや運がいい。
大荒沢山頂でテントを張る予定だったが時間的にも体力的にももう少し行けそうなので頑張った。高下岳分岐の手前に小ピークがありその直下に風を防げる茂みがあった。絵にかいたようなキャンプ適地で快適な一夜になったが、あれほど暑かった日中から急激に気温が低下し、Maxに着込まないと震えるほど寒くなったのは意外であった。
4/27(日) 高下岳分岐手前4:55--7:35和賀岳8:45--小杉山--10:35薬師岳11:00--12:45甘露水登山口--13:55袖川園地--16:45十字館旅館
昨夜は7時半に寝てしまったので3時半に起床、5時前には出発していた。天気はよいが晴天続きなので昨日同様もやっていて視界は良くないのが玉に瑕だ。それでも向かう和賀岳が正面に捉えられ気合いが入る。
小ピークを3つほど越えるがどれも容易。クレバスもそれほど発達しておらず、昨年の化穴山のようなストレスには悩まされなかった。朝の気温の低いうちにひたすら登って距離を稼ぐ。
いよいよ和賀岳本峰に取りつくが、斜度もきつくここだけは少し難しさを感じた。ルートファインドも少し手こずったが強引に突破し結果オーライだった。それにしても和賀岳の北面は印象深い斜面だ。歩いていて一番楽しい区間だった。雪が描く曲面が美しく、何度も目を奪われた。
この山旅で一番楽しみにしていた和賀岳に到着。素晴らしい山だった。360度の展望。モヤで遠くまで見えにくいが北は秋田駒から南は焼石まで見える。そして周りの谷がいい。特に岩手側の和賀川源流部は物凄い秘境感が漂っていた。眼下に目新しい雪崩のデブリがありさながら山盛りのレゴブロックのようだ。あまりに清々しい頂上!。ラーメンを作ったりしてうだうだ一時間以上も過ごしてしまった。
ここから薬師岳まではほとんど苦労はなかった。小杉山からは半分以上夏道が露出しており、気温も激烈に上がったので汗みどろになって薬師山頂にたどり着いた。ここで二人パーティーに遭遇。大荒沢を出てから初めて人に会った。日帰りで和賀をピストンするそう。どうもお一人はガイドのようでこの地域にとても詳しく、色々情報をいただいた。
薬師から真木渓谷に下るが、ピンクテープが丹念につけられておりこれに従った。しかしこのルートは地形が複雑な上急峻で残雪期間に下りに使うのは非常に困難度が高い。GPSをもっていたにもかかわらず、ピンクテープがなかったら無事に下れていたか自信が全く無くなってしまった。やはりこの時期は尾根コースをメインに考えるべきだと改めて思った。更に、薬師直下のセッピは状態が悪く、夏道との行き来に非常に神経を使った。この山旅で一番危険だと思ったのはここだった。あと1〜2週間すればセッピは落ち、夏道が完全に露出して安全になるだろう。
時間は潤沢にあるのでタクシーを呼ばず予約した大仙市の十字館旅館まで歩いていくことにする。真木渓谷の水量は凄まじく、崖沿いの林道は落石も恐かった。ようやく大仙市の扇状地に出て旅館に向かうが下りすぎてしまい、偶然呼び止められた地元のかたに場所を教えていただいて事なきを得た。
十字館旅館で山菜づくしの料理に大満足し、ゆっくりと羽を伸ばした。GWなのに宿泊者は私だけ。気さくな老夫婦が切り盛りされていてとても快適。まるで山屋のためにあるような旅館だ。秋田の山に来るときはまた利用したい。
翌日角館の満開の桜と武家屋敷も満喫し、今年も大満足の東北の旅と相成った。
コメント
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triglavさん、こんにちは。始めまして。
と言っても、triglavさんの2年前の荒沢岳〜平が岳〜景鶴山の大縦走をお気に入りに入れてますので、私にとってはお初ではありませんが
和賀山塊のすばらしさをたくさん書いてくださって、うれしくなってコメントさせていただきました
真木渓谷の林道を歩かれただけではなく、十字館旅館まで歩かれましたか
「山屋のためにあるような旅館」、いつか私も利用しようと思います
Kamadamさま
コメントありがとうございます。
正直この縦走で何が辛かったって、最後の林道あるきでした。真木林道は登りでタクシーいりするのが正解だったと思います。でも十字館旅館に泊まれたのは嬉しい体験でした。いろんな意味で痛い宿でもありますが山屋のかたならよさを理解していただけると思い紹介した次第です。
Kamadam様の記録も見させていただきましたが、朝日岳の近所に見える雪崩でハゲハゲになった山が志度内畚だということを初めて知りました。地元のかたの情報はほんと参考になります。これからもよろしくお願いいたします。
triglavさん、はじめまして。
マイナー12名山4座目おめでとうございます。
やはり羽後朝日岳はマイナー12の中でも易しい部類に入ってしまうのでしょうね
地元の人間は日帰りできますからね。
それでも和賀山塊の深い懐を満喫されていった様子が伝わってくるレコで嬉しくなりました。
僕もkamadamさんと同じで十字館旅館まで歩かれたのには心底驚きました
山から街へ歩く、旅の醍醐味でしょうか。
triglavさんの化穴山の記録をお気に入りにいれております。
近々挑戦したいと思います。
Tooleさま
コメントありがとうございます。
和賀の山々最高でした。正直この山域のベテランの方々を前に安易なコメントをしてしまったと反省もしているのですが、羽後朝日岳も私的にはとてもすばらしい山でした。簡単に登れてしまう=つまらない山では決してないです。特に今回大平洋水系から日本海水系に縦走できたことが大きな満足に繋がりました。
秋田の山々を骨まで味わい尽くしておられる皆様には正直頭が下がります。これからも是非記録を参考にさせてください。
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