【金欠遭難からの脱出作戦】地蔵岳・長七郎山・小地蔵岳・駒ヶ岳・黒檜岳・荒山【第一次赤城作戦】【丙42.8】


- GPS
- 06:56
- 距離
- 24.1km
- 登り
- 1,319m
- 下り
- 2,006m
コースタイム
- 山行
- 6:06
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 6:57
天候 | 天気予報どおり終始晴れ 冷風強し。だが、それが心地よい。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:白川水門BS〜関越交通バス〜前橋駅(910円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
急な登りと急な下り。陵線は比較的マシ。 石や岩がゴロゴロしていて歩きにくい。 |
写真
感想
5月10日土曜日、天気快晴。再度丹沢方面にて山行しようと午前4時頃に自転車を漕いでいたが、仕事のことが気になって引き返し、結局仕事をする。ただ、この日は風が強かったから山行の条件はあまり良くなかったかもしれない。次の日もお仕事。
5月17日土曜日、前日家に帰るのが遅かったため、結局吉祥寺辺りの徘徊に留まった。このままでは心が腐ると思い、18日はやるぞと、山域選定に入る。結果、雲が出る南関東は敬遠して北関東、特に昨年前衛作戦(九十九作戦参照)を展開した赤城と決定した。バスで行くと現地滞在可能時間は7時間しかなく、あまりあちこち歩き回ることはできないかもしれないが、平前日のため良しとした。それでも計画は大沼をぐるっと回るものとしている。
当日、前橋駅から急行バスに乗る。バス停には結構並んでおり、立ち客はいなかったようだが、ほぼ満席状態。赤城の人気の度が知れる。混んでもバス1台に収まるのだから山行以外の心配をしなくて良いというのは助かる。
バスでは結局座ることができた。そこまでは良かったのだが、バスに乗っていると料金がどんどん跳ね上がるので心配になり、財布を確認すると、所持金が2,509円しかない。下りる予定のバス停の一つ手前の一杯清水バス停で早くも運賃は1,100円である。新坂平は1,250円に収まりますようにとの願いもむなしく、無情にも1,300円が表示される。ということは、大沼の周りをぐるっと回って新坂平バス停からバスに乗る予定だったのが、一杯清水より下のバス停まで降りて行かなければならないということだ。
赤城周回は7時間ギリギリと見ていたので、一杯清水まで下りる必要があるとすると周回どころの話ではない。歩き始めから終わりのことを考えさせられたが、とりあえず、主峰の黒檜山まで行って、その時の時間で判断することとして、まずは地蔵岳へと歩き出した。とは言っても、麓から鍋割山〜荒山ラインを上ってくるということも当初考えていたので、すぐに次善の策としてそのラインを下っていくということは頭に浮かんできた。あとはそこを降りていってバスに乗れるかどうかだ。
風が冷たい。5月も半ばだが、以前9月に歩いた谷川岳のような冷たい強風が吹く。ジャケットのボタンを閉めて歩く。事前に確認した地図では上って下りての連続だが、等高線の間隔が狭く、急上昇と急降下の連続となる。電車、バスと、ずっと座りっぱなしだったこともあり、歩き始めからしんどい。しかし、しんどいのは歩き始めだからだ。体が慣れるまで息を整えつつ歩く。だんだんと傾斜が増し岩が増える山道を突っ切った先には、、、ああ、こりゃあ凄い。電波塔みたいなものが建っている山頂にはあまり期待することは無いのだが、ここは違う。赤城の一番手として見事に私をノックアウトしてくれた。
一旦、八丁峠に降りて小沼へ。遠めに見ても綺麗な紺碧の沼だが、近づいてみても澄んだきれいな水面だ。それが強風により白く泡立っている。歩き始めは冷たいなあという感じだったが、歩いている途中では体の火照りを抑えてちょうど良い。
長七郎山は今回歩いた山域の中では平べったい形状で最も歩きやすかった。山頂も広く憩うに適している。道も歩きやすく、どこかの学校生徒だろうか、ゾロゾロリンと列をなして歩いていた。鳥居峠へ下りる途中から、どうも尻の辺りに異物感がある。前橋駅で出すものは出したはずなのだが、その残りが歩いている中、下りてきたようだ。鳥居峠のビア何とかはトイレのみの利用お断りだったので、覚満淵はそそくさと過ぎてビジターセンターへ。これで何の心配も無く主峰に向かうことができる。
赤城の主峰ライン、駒ヶ岳と黒檜山は地図で見るだに物凄い急登だ。駒ヶ岳登山口には広い駐車場があり、また、多くの人が降りてきていたので、道を譲って休みながらジグザグの道を上っていく。クライマックスは急傾斜の梯子みたいな階段だが、変に岩をよじ登ったりするよりはこちらの方が楽ではある。しかし、片側交互通行せざるを得ないので、混み合う時は待つのだろう。つらい登りも陵線に出て展望が開けると報われる。
東方には絵の具で描いたような緑なす山々、北方には冠雪の関越県境付近の山々、西は榛名から浅間山まで、南にはワイドに広がる関東平野と、幅広に展望を楽しめる。南の方はやや雲がかかり、富士山等は見えなかったが、上州を選んで正解だった。
一通り楽しんだ後、赤城神社方面へ下る。これまた急傾斜で岩がゴロンゴロンと転がっているので要注意だ。また、その岩が広がって展開しているため、特定の道というのが無いように見える。基本下っていけば良いので道迷いということもそうそう無いだろうが、下りていった先のどこに道が通じているかによって「下りてきたが先に道が無い」ということはあり得るかもしれない。
赤城神社に来訪のご挨拶の後、下山に移る。黒檜山で麓までの距離を概算したところ、麓まで行くとバスを逃すという結論に達し、荒山からバス停に下っていくこととした。八丁峠までの上りが若干辛く感じたが、今年に入って30km超の大山行をやっていないからだろう。奥多摩辺りで仕掛けて足慣らしをする必要があるな。目標は是非とも酉谷山としたいが。八丁峠から荒山近くまでは車道歩きだが、赤城の山はポコッポコッと突き出ている山が多く、最後の荒山も例に漏れず、緑の中に峰が抜きん出ている。山中に入ると、赤城の外れということもあり、一転静かな山行となった。気がつけば風も収まっている。山道自体は荒山という如くに荒々しいことこの上ないが、山の雰囲気自体は終わりに相応しい落ち着いた感じである。山頂までの途中、擦れ違ったのも2組4名のみだった。
荒山へは途中まで巻きに巻いて最後にほぼ真っ直ぐの上り。地図を見ると先に陵線に上がる破線もあったが、笹に覆われており、道を探しながら歩く時間も無かろうと安全策をとる。途中、ひさし岩で展望が開ける。展望所から静かな山頂までは大岩の間をいくつか潜り抜けていく必要があるが、そんなにはかからない。山頂は樹林に囲まれているが、よく見ると、その中に岩がチョロッと突き出ている所があり、そこから最後に西側に広がる山々を見渡せる。
その後、下山する。荒々しい岩場を抜けると、小笹の緩やかな下りになり、進行方向の鍋割山から西方の浅間山、東側の長七郎山から下っていく尾根、南方の関東平野と、最後の最後まで最高の天空散歩となった。荒山と鍋割山の鞍部である荒山高原から下山し、最後の方は遊歩道的になった山道を下って車道に出る。
懸案の一杯清水よりも下に降りて、何とか前橋駅に戻れる運びとなった。良かった良かった。
しかし、しょうもない不手際で予定を急遽変更せざるを得なくなったことに変わりは無い。山行は身軽かつ気軽にというのは私のスタイルだが、やはり転ばぬ先の杖、先立つものはしっかり確認してもって行かねばならぬ。
それを踏まえて入梅前に大作戦をやるぞと、デトックスした心と体で決意を新たにしたのであった。
〜おしまい〜
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