奥久慈ハイキング 西金ー下野宮(大子アルプス縦走 県北ロングトレイル)
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- GPS
- 12:51
- 距離
- 22.9km
- 登り
- 1,994m
- 下り
- 1,940m
コースタイム
- 山行
- 11:02
- 休憩
- 1:53
- 合計
- 12:55
天候 | 曇り時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
水郡線は10時台から14時台まで汽車がありません。それ以外も2時間おきです。それすら県北にある夕立の巣のせいでよく不通になります。運行情報を確かめながら行動します。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
(ほぼ前回の縦走記録のコピペです) 難しくはありませんがちょっとしたつまづきが死亡事故につながるルートです。 男体山入り口は以前崩落し、コンクリ補強されましたが、その先も崩落の危険があります。 男体山一般コースの頂上稜線は一方が断崖です。特に夏場は崖が草に覆われているので、草の生えているところは絶対歩かないようにします。 月居山縦走路は道の崩落が進行しています。そういう箇所を通るときは安全そうなところをを見極めながら、場合によっては潅木や木の根をつかみつつ、四つんばいで進行します。 月居山ー山王山から生瀬富士への途中は渡渉があります。通常は靴脱ぎ必須です。長靴が用意してありますが対岸に偏っている場合もありますから、自分は渡渉用サンダルを用意します。ただし今回は空梅雨の影響で冬季並みの低水量で、靴を濡らさずに渡渉できました。 渡渉点から生瀬富士、そして大子21峰のコルまでは急登、急降下が続きます。特に危険な箇所はロープが張られているのでうまく使いながら登り降りします。 生瀬富士の北峰は縦走をしていると見落としがちです。南峰山頂から真北へ向かいます。数百メートル北に、いわゆる天使のプレートの置かれた通称ジャンダルムがあります。北峰はその少し北です。 大子アルプスは県北ロングトレイルとして再開通(?)してから格段に歩きやすくなりました。しかし這って登り降りしなければならない急斜面もあるサディスティックな急登、急下降が連続するルートであることには変わりありません。また、最近歩かれることが多くなったことの影響か、枝道が増えてきたような気がします。道迷いの恐れがあるので、県北ロングトレイルの黄色いテープを辿っているかどうかを確認しながら歩き続けます。基本的には一番明瞭な踏み跡なのですが、今回は正解と同じくらい明瞭な枝道も散見しました。もしかしたら「正解」のルートはきつすぎるので、すべてのピークを辿らなくてもいいような迂回ルートを作っているのかもしれません。 |
写真
装備
備考 | ヘッドランプ 帽子+防虫ネット 手袋(ゴム引き軍手、商品名「タフレッド」) 渡渉用サンダル ファーストエイド 雨具 スマホGPS 携帯電話 タオル 着替え(下着一式、Tシャツ、ショートパンツ、体拭きタオル) 飲料水4L、スポーツドリンク600mL、ペットボトルコーヒー600mL、ミニあんぱん、塩補給飴(今回はレモン味と小豆味)。 アプローチの林道からすでにアブの大歓迎を受けました。大円地駐車場のトイレでは刺されそうで用を足せませんでした。という具合なので虫除け対策は必須です。今回はクモの巣対策を兼ねて防虫ネットと虫除けクリームを使いました。 筆者にとって最強の虫除けである日焼け止めクリームを耳、首筋に塗りました。縦走中は長袖、手袋、虫除けネットなのでアブやブユはおおむね避けられるのですが、今回のように頻繁に立ち止まって薄着になる場合は虫除けクリームは必要と感じました。 出発すると月待ちの滝に出るまで水場がありません。十分すぎるくらいの飲料水を担ぐ必要があります。筆者は飲み物込みで5Lかつぎ、4.5L(残りは気付け薬のコーヒーの飲み残し)ほど飲みました。 ゴム引き軍手は這い回ったり登はんしたりする目的にはいいのですが、暑苦しいのが難点です。岩場は素手でよじることにして、ボツボツつきの木綿軍手という手もありかなと考えました。 熱中症予防に、帽子をかぶっている頭とザックを背負った背面部分の放熱が課題です。今回はこまめに降ろすことで対応しました。 前回の縦走でコーヒーをたくさん飲むと頭痛のもとになるかもと考えて、量は半分にしてちびちび飲み、スポーツドリンクをその分持ちました。スポーツドリンクはもう少しあってもよかったかもしれません。 |
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感想
夜明け前から蒸し暑かった2週間前の縦走と比べると、いつものように奥久慈の爽やかな朝を感じられた今回の縦走はそれだけでも好条件だった。もう少し風が吹いてくれれば最高の条件だったが、贅沢は言えない。
ところで、7月26日の茨城新聞クロスアイの新聞記事によると、「国土交通省の有識者検討会は25日、地方鉄道の再構築に関する提言をまとめた」とのことだ。輸送密度(キロ・日あたりの平均乗車数)が1000人を割り込む地方鉄道は存廃を議論するという。そして水郡線の常陸大宮以北は1000人を下回り、今回縦走の余韻を楽しんだ下野宮ー西金が重なっている常陸大子-磐城塙は152人だそうだ。
この縦走は水郡線で下野宮から西金へ戻れることが前提になっているわけだ。極論すれば県北ロングトレイルの大子アルプスルートはが水郡線頼りなところがある。今回の調査結果と議論の結論は県北ロングトレイル構想にも影響を及ぼすだろう。
−−−新聞記事より−−−
https://nordot.app/924426432528662528?c=62479058578587648
JR東日本の公表資料によると、水郡線の常陸大宮以北区間の輸送密度は、常陸大宮-常陸大子が830人、常陸大子-磐城塙が152人、磐城塙-安積永盛で952人だった。全線(水戸-安積永盛、上菅谷-常陸太田)では1558人と千人を超える。
県内を走るほかの路線を全線で見ると、常磐線は7万395人(日暮里-岩沼、東日本震災後に不通区間があり参考値)。水戸線は6730人(小山-友部)、鹿島線は1207人(香取-鹿島サッカースタジアム)だった。
県内に本社のある私鉄全線では、関東鉄道の常総線が3800人、同竜ケ崎線が2200人、ひたちなか海浜鉄道湊線は1777人、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線は1804人だった。
−−−新聞記事ここまで−−−
−−−以下自分のためのメモ−−−
2週間前に、「ああ熱中症ってこういう感じになるのか」という目にあったので、熱中症のリスクを回避する策の効果を確かめるため、再挑戦してみたい気持ちに駆られていた。今回は気持ち悪くならずに、両足のけいれんに脅かされずに、できれば標準タイムの12時間で歩き切りたい。
後半ばてるのはルートを考えれば当然だけれども、男体山まででばててしまったのはなんだったのか。寝不足ではなかった。最近朝ごはんを食べるとおなかをこわすことが多いから、朝抜きで朝食を行動食にしたのがまずかったか。そもそも体力が落ちているのか。いろいろ考えながら準備に入った。
どうしようもないのは体力だが、3日くらい前のジョギングの感覚から創造すると、男体山でばてるような体力ではないと思う。
朝食のほうは、朝は最近のリズムから考えると気をつけなければならないので、前日からご飯を炊いて、しっかり食べることを心がけた。最近おかずを食べて酒飲んだら、ご飯は(白米)は食べないことが多いのだが、腹持ちがいいのはご飯だと思っている。
当日はアパートでヤマザキのずっしりアップルパイ1個だった。甘いパンならおなかを壊さないということを経験で知っていたし、これなら出発前に家で食べてもいいし、歩き始めに食べてもいい。
夜明け前の道をドライブして西金駅の駐車場で車を出ると、爽やかな朝の空気が迎えてくれた。今日の縦走はどちらかというと快適に歩ききれそうな予感だ。夜が明けてからのハイキングだと山並みを楽しむこともできるので気持ちも軽い。序盤からばて気味だった前回とは違って、いつものように黙々と男体山を登り、月居山縦走路へと歩を進めた。
登山道、特に笹薮が濡れていなかったおかげで、ズボンを伝った下草の水滴によって靴の中を濡らすということもなく、足の状態(爪やまめなど)を悪化させることなく歩けた。
今回心がけたことはこまめにザックをおろして手袋、帽子、上着を脱ぎ、放熱し、少しずつ給水することだった。コーヒーの飲みすぎによってカフェインが効き過ぎないようにも心がけた。
前回より1時間10分遅れでスタートしたことを加味しながら通過時刻を眺めてみると、生瀬富士までは大体前回の、序盤から身体が重たかったときの縦走と同じペースだったようだ。ゆっくり歩いているのだから身体が楽なのは普通なわけだが、生瀬富士から下野宮までの時間が前回より1時間短く、全体で1時間短い歩行時間となったようだ。
足のけいれんも出そうになったがだましだまし、何とか本格的けいれんに襲われることもなく歩ききれるかと思っていたが、最後の最後、3峰の岩塔で足元が崩落し、しりもちをついて危うく難を逃れたときに左足の太ももがけいれんして難儀した。幸い長く続くけいれんではなかったので歩き続けることができた。
体調が全体的に良かったから、もしかしたら下野宮駅午後3時台の汽車に間に合うかもしれないなどと考えていたが、これであとは楽な下りだけという第2峰で時計を見れば午後4時10分。登山口から下野宮駅まで歩くことを考えると、残り時間1時間はぎりぎりではないかと肝を冷やした。
しかし何とか一般道に出てから歩くペースを維持することができ、いつものように下野宮駅のトイレで汗臭いを通り越えて小便臭くなった身体を拭き、履物まですべて取り替えてさっぱりして汽車を待った。
21峰から1峰を目指す場合は激下りの方が多い。これを1峰からたどる場合には下るところが登りになるわけだからどれだけ大変なのだろう。一方で、1峰から入る場合は元気なときに大子アルプスをやるからその分生瀬富士までは楽に通過できるのではないか、などとさまざまに空想してしまう。これは一度逆ルートも経験しておかないわけには行かないだろう。
2022年7月28日、縦走から4日後の午後、大子町に土砂災害警戒情報のレベル4(避難指示の可能性もあるレベル)が出ていた。雨雲レーダーを見たら、袋田の滝の周辺の地域はくっきりと紫色だった。豪雨に見舞われずに快適なハイキングを楽しめたし、体調管理も奏功した実り多い山行となった。
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