高ヤブ歩道から高塚山・京丸山
- GPS
- --:--
- 距離
- 22.8km
- 登り
- 1,914m
- 下り
- 1,914m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2009年05月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
高ヤブ歩道の尾根は顕著で分かりやすく、ヤブ漕ぎもあまりありません。しかし、尾根までの京丸川沿いの道がやや難路です。危ないガケに入り込まないよう、十分ルーファイする必要があります。 ヒルには要注意! この日私は20匹くらいも喰いつかれました。ゲンナリです。 |
写真
感想
この日は雨の合間の晴天。太平洋側のほうが良さそうなので、前から登りたかった南ア深南部の京丸山と高塚山に遠征することにした。
WEBで調べたところ、高塚山との縦走路も問題なく歩けるようなので、ここは欲張って両山行くことに。更に、縦走路途中の1414mピークから派生する尾根が登路に使えるらしいことを偶然知った(通称、高ヤブ歩道)。山深いし単独では少しハードルが高いかなと思ったが、迷ったら戻ればいいやと割り切って、高ヤブ歩道から登ってみることにした。
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夜中に出発しトラックだらけの東名高速を西進、遠州・春野町の石切へ向かう。京丸林道の10.0kmサインにゲートがあり、ここまで車で入れる。そこから延々6キロ林道を歩く。南北朝時代から続くといわれる藤原家への分岐を過ぎると、「ホテル水神」という、どう見てもホテルに見えないあばら家があった。地元ハンティングクラブの小屋とのこと。
林道は突然ちょん切れ、行き止まりである。丸太が積み重ねてあり、パッと見はこれ以上進めないかなと思ってしまうが、丸太の後ろに回りこんでみると、かすかに踏み跡がある。これをたどってしばらくトラヴァースを続ける。所々プラ杭もあるため、慎重に進めば迷うことは無い。やがて左手より栃沢が流れ込んでくるので、沢までくだり、これを渡る。水量は少なく、問題は無い。
ここからプラ杭も踏み跡も全く無くなった。判断を迷うところだが、京丸川まで下らずにトラヴァースを続けることにする。沢から脱出するのにやや苦労し、途中、膝下までほどまで埋まる濡れた枯葉の斜面をのぼり、なんとかトラヴァースできる斜面にたどり着いた。
※ あとから考えると、ここがどうやらヒル被害のポイントのようだ。
トラヴァースを始めるとすぐに獣道に合流し、楽に歩けるようになる。京丸川の約50〜100mくらい上部の急斜面を同じ高度を維持してひたすらずっと巻いていく。1箇所だけだが、赤テープもあり、歩いている人がいるということで安心も出来た。やがて正面からヤブ沢の沢音が聞こえてくる。しかし、ヤブ沢は極めて急流で、京丸川出会いまでゴルジュとなっており、ロープ無しでは安全に渡れる場所は見た感じ無かった。仕方なく、急斜面を京丸川に向けて下ることにする。所々あまりに急でルートファインドに苦労。多分全行程でここが一番危険箇所だった。ヤブ沢出合まで下り、GPSで確認すると確かにここが高ヤブ歩道の取り付きに間違いはない。とりあえずホッと安心する。
※ 今回はヤブ沢までずっとトラヴァースを続けたが、おそらく、適当な場所で京丸川に下ってしまったほうが良いと思われる。
休憩後、高ヤブ歩道の尾根に取り付くが、下部は踏み跡は全く無い。ほぼ適当に登りやすいところを登るが、岩場が多い上に崩れやすく、少々苦労する。標高800mくらいから尾根が少しはっきりし、1000mくらいからは踏み跡も出てくる。1000m以上は大きな木が多い。ブナ、ナラ、ヒメシャラなど、こんな巨木はめったに見られるものではない。大人二人が手を回しても届かないほどのナラの巨木を発見。しばし感動して眺める。太平洋側の天然林はやっぱり南ア深南部にかなう場所は無い。
出合いから2時間弱で高ヤブ歩道を登りきり、1414mピークに到着。この頃になるととてつもなく暑くなってきて、たまらず水をがぶ飲みする。しかし、縦走路尾根上の雰囲気のよさにまた感動。新緑が素晴らしい。尾根上は爽やかな風が吹いて、また別世界だ。高塚山に向けて歩き出すとすぐに踏み跡が顕著になり、赤テープまで現れた。久しぶりに人工物を見て一安心。
高塚山直下にシロヤシオが満開のポイントがあった。花期はすでに終わりだが、最後の乱れ咲きという感じですごかった。山頂には山犬の段から登ってきた3パーティほどが休憩していた。今日初めて会った人々である。驚いた人が、「そっちに道があるんですか?」と聞いてきたので、「無いです」と答えておいた。
縦走路をもどり、京丸山へ向かう。高塚山の山頂部は平坦なのでコース取りが少々難しい。竜馬が岳への尾根に誘い込まれないよう注意しすぎて、北西の斜面を下ってしまい、少々登り返す。ここはガスだとやや難しいかも。なんとか尾根に乗り一安心。京丸山へは2〜3回ほど獣道に騙されたものの、大ミスなくたどり着いた。縦走路は高ヤブ歩道に比べればかなり一般ルートに近い。しかしあまりの気温の高さに、バテバテ・フラフラになってしまった。途中で水筒の水も飲み尽くしてしまった。京丸山山頂では取って置きのパインジュースを開け、わずか10秒ほどで完飲。
色々モタモタしたので、2時半過ぎに下山開始。ここから先は登山道なので気は楽である。30分も下ると林道になり、あとは車まで延々歩くだけである。下部では岩清水が染み出しているところが何箇所かあり、のどを潤す。途中、藤原家があり、そばまで行って見てみたい思ったが立ち入り禁止だったので遠くから見るだけにした。まぁ一般の民家だし、仕方ない。なかなか由緒ある屋敷のように見えたが。。。
こうして10時間弱かけて車に到着。ひどく暑い日でしたが、やはり深南部の自然は素晴らしいものがあり、改めて感心して帰ってきました。太平洋側では極めて貴重な地域なのは間違いない。
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