森林鉄道東川線亀谷支線跡から亀谷山回遊
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 706m
- 下り
- 705m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
登山口(林鉄廃線跡入口)である南亀二号橋袂周辺路肩に駐車可。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
往路前半の魚梁瀬森林鉄道東川線亀谷支線廃線跡は他の支線同様、随所に土砂崩れや路盤消失地があるが、最大の路盤消失地兼橋梁跡までは、あまり危険箇所はない。そこまで至る前に尾根に上りたければ、森林官が付けた赤やピンクのマーキングテープが巻かれた歩道を上がれば良い。 山頂までの往路は、途中から藪漕ぎはあるが、登山中級者ならそれほど難儀に感じることはない。但し、復路のコルに至るまでは、所々、尾根が急下降している箇所で崖になっており、その都度、ルートファインディングを要す。崖を直接下ることはない。 コルから林道終点までも道はなく、植林帯の斜面を斜めに下って行く。その区間、特に藪はない。 |
写真
感想
[魚梁瀬森林鉄道東川線亀谷支線廃線跡〜亀谷山〜亀谷林道回遊]
この廃線は、東川林道の前身、魚梁瀬森林鉄道東川線の支線の一つで、現在の亀谷林道と北亀谷林道の前身にあたる路線。軌道の起点は魚梁瀬貯水池に水没している。
昭和6年に南亀谷向けて軌道が開通し、昭和16年には南亀二号橋北方の谷手前から分岐して、北亀谷沿いを走る軌道が増設された。総延長は約7km。廃線になったのは昭和25年。
亀谷山(1082.7m)は馬路村魚梁瀬の国有林の無名峰の一つ。西方から山容を見るとたおやかに見えるが、山頂から南の稜線が所々で崖になっており、その崖故にシャクナゲも自生している。長らく三角点の再測量がなされてないらしく、全てのルートで藪漕ぎを要すが、近年、尾根続きの郷谷山(後日山行記録を投稿予定)が再測量されたので、もしかすると今後再測量され、藪が刈り分けられるかも知れない。
この山については近年、徳島の著名な登山家が発行したガイド書に掲載された。そのルートは北から稜線を南下するものだが、その稜線は当方が最初、登った'00年時は猛烈な藪で、途中で登頂を断念した苦い思い出がある。もしかしたら近年、その尾根の藪が刈り払われたか、藪のスズタケが一斉に枯れた(数十年に一度ほどのサイクルで起きる)のかも知れない。尚、今回のルートではスズタケは殆ど見られなかった。
[コースガイド]
南亀二号橋東袂周辺に駐車し、袂から南亀谷沿いを北に下りる歩道を行く。下方の植林の平地に下り立つ前に右手を見上げると、廃線跡路盤の石垣の端が見えている。つまり、ここから橋袂までの軌道跡路盤は沢の出水で崩落・消失しているのである。
石垣上に這い上がると、そこから先の廃線跡は比較的歩き易い。
数分ほどで右手上にも石垣が見えてくるが、この先が北亀谷に向かう路線との分岐点。但し、分岐点自体は土砂に埋没している。
分岐点手前から西に築堤が沢に向けて伸びているが、それはこれから辿る北亀谷方向へと向かう軌道跡ではない。
分岐点を過ぎると水流のある沢に突き当たる。ここの両岸には橋梁の橋台は残っていない。橋台跡付近の沢は渡渉しづらいので、若干上流を渡渉する。この沢から732.9m三角点の東方へ上る道がかつてはあったようだが、先を急いでいたので確認はしていない。
対岸は南亀谷沿いの植林が伐採され、明るくなっている。谷底との落差はかなりある。
ルートが北西から北に変わる地点からの支尾根を上って732.9m三角点東に出る道もあったようだが、やはり確認はしていない。赤いマーキングテープが付けられた道がそうなのかも知れない。
この廃線跡はなぜか暗渠や橋梁跡の全てに橋台がない。橋台を築く必要がないほど、路盤が硬かったのだろうか。
732.9m三角点から北西に派生する尾根の一つ手前の尾根の、そのまた手前の橋梁跡及び崩落地では落差があるため、一瞬、対岸に渡るのが無理ではないかと思うが、対岸の岩盤下に立ってみると、その岩盤の縦の溝のようになっている箇所が這い上がれるようになっている。草や木の根を掴みながら慎重に上がる。
一つ尾根を乗り越すと、今度はさきほどより更に大きな涸れ沢の橋梁跡に達する。流石にここはザイルがないと対岸に渡れそうにない。そこでさきほど乗り越した尾根から732.9m三角点に直上することにした。この時は気づかなかったのだが、この私が登るルートは後で国有林施業計画図を見ると、歩道が描かれていた。軌道時代に利用されていた道の一つなのだろう。
尾根には最初のうち、踏み跡とも獣道とも分からないようなものがあるが、そのうち尾根の幅が広がり、ただの斜面のようになる。急勾配で且つ、下草が茂る植林帯故、やや上り難いが、適当に上へ上へと進むと、やがて前述の三角点から北西に派生する尾根が視界左側に現れる。その尾根は植林が伐採され、明るくなっている。ならばその尾根上は藪が刈り払われているのではないかと思い、その尾根に向かって斜面をトラバースして行った。
私の勘は当った。その尾根には森林官によるマーキングテープが付けられていた。当然藪もない。
732.9m三角点から817m独立標高点東のコルまでは起伏もあまりなく、歩き易い植林の道。が、コルから先、高度が上がるに従い、藪が出てくる。しかしスズタケのような難儀する藪ではない。
そこから上りきった先の1040mピークはヤマツツジの咲く、正面に亀谷山を仰ぐ好展望地となっている。ここのツツジはまだ蕾のものが多い。
このピークから先は尾根の形が不明瞭。そこでコンパスを見ながら適当に斜面を下って行くと、コルの北方に出てしまった。そこでコルまで上るが、ここからの尾根も幅が広い。
山頂も間近の高度計高度が1065mの地点に来ると、高木が一旦消え、展望が広がり、郷谷山にかけての稜線を見渡すことができる。
山頂直下は急傾斜になっているため、一旦山頂の南に回り込んで稜線に乗ってから、登頂した。山頂は非常に狭く、数人立てばいっぱいになる。MH2氏の登頂記念板は既に朽ち果ててないが、他のピークハンターの金属の登頂記念板が設置されている。
ここから南の稜線は、往路とは異なり、大半が岩尾根となっており、所々崖になっている。一瞬、ルートを誤ったのでは、と思うが、よく周囲を観察すると、斜面が下れるようになっている。しかしそんな岩尾根だからこそ、シャクナゲが点在している。こちらのシャクナゲは往路より高度が高いため、まだ見頃。
当初は郷谷山まで縦走する予定をしていたが、985m独立標高点北方のコルまで下ると、もうこれ以上崖の尾根はごめんと、斜面を南西に下った。すると下方に植林帯が見えた。植林帯ならば、比較的藪も少なく、亀谷林道の終点に下山できるのではないかと思った。
すぐ支尾根に達したが、傾斜が急だったので、それを斜めに横切り、斜面を適当に下って行き、南亀谷支流の沢の南岸をひたすら下った。
沢沿いは特に危険な箇所はなく、難なく林道終点に下り立つことができた。後はこの林道を南亀二号橋まで戻るのみである。
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