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Yamareco

記録ID: 45998
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

西鎌尾根から槍ヶ岳

1995年04月02日(日) ~ 1995年04月06日(木)
 - 拍手
saito1987 その他2人
GPS
104:00
距離
41.3km
登り
3,705m
下り
3,621m
アクセス
コース状況/
危険箇所等
3/27 夜、岩内で入山コンパ。岩内港から直江津行きフェリー23:50発に乗り込む。
3/29 17:50直江津港着。普通列車にて富山を経て猪谷でC0。
3/30 猪谷から神岡鉄道に乗り換え、飛騨神岡へ。深い気圧の谷の通過によりこの先の天候が不順な為、入山を延期する。終日、町立図書館で読書をして過ごす。
3/31 今日も神岡止り。明日また低気圧が接近してくるので入山できない。ついてない。昼まで昨日と同じ図書館で2年分の山と渓谷に目を通した。午後、バスで打保へ移動。山また山を越えていく道路。よくぞまあ、こんな所に集落ができたものだ。小野寺の解説で集落内の地蔵さんめぐりをして暇つぶし。
4/1 鉛色の空から時に滝のような霙が降る。打保集落で停滞となる。狭いバス停の待合小屋の中で半日ふて寝をして過ごす。午後は散歩。

4/2 本土に上陸してから5日目にしてようやく入山できた。
 打保集落出発(6:30)→寺地山(16:00〜16:30)C1、雪、-8℃。
 冬型の気圧配置、朝のみ低圧部の中で晴れる。昨日までの雪で新雪が40cm積もった。夏道入口からワカンを履き、寺地山へ樹林帯の中を快調に登っていく。北ノ俣源頭の森はトドマツの純林に近く、なかなか気持ちの良いところだった。水も取れた。後半、北ノ俣谷の方向から吹雪に変わる。

4/3 C1出発(6:30)→北ノ俣小屋着(8:30)C2
 小雪-15℃。昨日までの積雪でヒザから腿まで埋まるラッセルとなる。この日は寒気が入って吹雪模様。稜線まで出られず。樹林限界付近の北ノ俣小屋にもぐりこみ、10時頃まで外の様子を伺うが、天気回復せずにそのまま泊まることになる。小屋は昭和61年夏に建てられたもので、北ノ俣岳への登り、Co2040付近の南側の小さな沢型を隔てた場所にある。冬季用入口が西側にあり、中は8畳ほどの広さがある。15時頃からようやく風がやみ、視界も回復してきた。夕方、雲間から笠ヶ岳方面の鋭鋒が顔を出した。

4/4 C2出発(5:30)→北ノ俣岳(7:30〜50)→黒部五郎岳(10:00)→黒部五郎小屋(12:40)→三俣蓮華岳(15:30)→双六小屋(17:30)C3
 朝-15℃、小屋からワカンで快調に高度を稼ぎ、北ノ俣岳へ。北ノ俣岳−7℃。稜線上はしばらく硬い雪面がつづく。黒部五郎を越える頃から次第に気温がプラスに転じ、雪も腐り始める。アイゼンがダンゴになって歩き難い。黒部五郎の下り途中から再びワカンに履き替えた。真昼は無風の灼熱地獄だった。朝との気温差が激しい。軽い日射病の症状まで覚える。振り返れば黒部五郎のカールが見事だ。Co2661手前からアイゼンに。ここから双六小屋まで金木戸川から吹き上げる風が強い。雪屁も発達するが判断は難しくない。三俣蓮華から槍、穂高の眺めが抜群だ。双六岳の手前から夏道沿いをトラバースし、小屋に入る。この日はこれまでの鬱憤を晴らすような12hの稜線行動でへとへとになった。小屋に着く直前に軽い吐き気を催す。

4/5 C3出発(7:00)→槍の小屋(12:30〜14:10)→槍(14:40〜15:00)→小屋帰着(15:30)C4
 移動高。朝無風±0℃、高曇りの穏やかな朝。西鎌尾根は所々くるぶしまでのラッセルとバリズボがあるが、概ね硬くて快調。硫黄のっこし付近より夏道が露出する。5万図「根」の字から岩場が出てきて核心の様相。まずは小さな露岩を飛騨側から小さく捲く。千丈沢のっこし手前の岩峰は、同様に飛騨沢側を小さく捲き、正面の岩混じりのルンゼ状を直上する。その後千丈沢側の雪面に入るが、亀裂が見られ雪崩のやばそうな所もあり、なるべく稜線上を行く。最後は飛騨沢側の大斜面をトラバース気味に登る。雪の状態は良かった。岩混じりの小尾根をつめて、肩の小屋に出た。槍の穂先へは鎖場沿いにノーザイルで行く。帰りは中間の岩場で20mの懸垂。頂上で北鎌からの単独行者に会った。夕方は小屋に差し入れしてあったルチオのペルツウォッカを全員で飲んだ。黒部源流の山々を眺めながら贅沢な時間を過ごす。こんな贅沢なことはやめられねえな。

4/6 朝ー7℃。C4発(5:45)→白出沢出合(10:30)→新穂高温泉着(12:00)
 大喰西稜を下山。視界は100m位であまり良くなかったが、先行者のトレース、残置された竹デポがあり、尾根上をほぼ忠実に下りることができた。上部は岩混じりの広い尾根で、飛騨沢側に小雪屁がある。所々出てくる露岩は、概ね飛騨沢側を捲いた。カンバが出てくると、急な斜面のトラバースがある。末端は急な斜面。飛騨沢はデブリの上を快調に駆け下って下山した。
 新穂高温泉の無料の浴場で本山行の疲れを癒し、入山前の長かった無為の日々を懐かしく振り返った。その後、高山の古い町並みを散歩したのち、富山行き列車に乗り、その日のうちに長野の米山OB宅まで。明後日からの白馬主稜に備える。
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