廃村八丁(品谷山)
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- GPS
- 04:30
- 距離
- 15.1km
- 登り
- 899m
- 下り
- 885m
コースタイム
天候 | 午前中は少しぱらつくも午後から快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
菅原から品谷山までは問題なし。その先荒れた稜線があるも尾根上がルートなので外さなければ問題なし。八丁からダンノ峠へはなかなか難ルート。 |
写真
感想
久々の投稿になります。ヤマビルが怖かったので8月は近場のタイムトライアルやクライミングをしたりしていたのですが、写真がほとんど撮れてなかったので投稿せずでした。ようやく晴れて気温が落ち着く予報が出ていたので、気になっていた「廃村八丁」に向かいました。
廃村八丁、なんかデカダンス的な魅惑を感じてしまいます。ついでに品谷山を付ければ登山にもなるしと、軽い気持ちでプランを立てました。が、当日朝は曇り。廃村に行くのに曇りだとちょっとなと思い出発が遅れましたが、まあコースタイムを超えることはないだろうから余裕かなとのことでゆっくりめに出発。
広河原は思ったより遠かったです(^^;)。しかもぱらついた雨に体が冷える冷える。ようやく広河原のスキー場まで着くと、ちょっと戻って菅原のバス停へ。この辺かな。橋を渡ると、この先工事車両が通るので駐車しないようにとの看板が。ちょうどそこにトラウトセンターとの施設があったので、バイクとはいえ駐輪で迷惑をかけてはいけないので聞いてみると、道端に停めても大丈夫とのこと。ついでに八丁に行くことを告げると、心配そうに「行けるかな」と言われてしまいました。GPSもあるのでと言うと、最近は行く人も少ないうえに年に数回消防団による救助も発生しているとのこと。元は人が住んでいたのにそんなに険しいのだろうか、ちょっとわくわく。でもその言葉の意味を後で知ることになりました。
やっと出発。最初は舗装路です。そのうち未舗装になり、登山口らしいところに出ました。確かに踏み跡は少ないですが、ルートが見えないこともないです。これなら十分行けるかな。まずはダンノ峠まで登ります。急登とまでではない、いい感じの尾根登りを続けます。やっぱり涼しくなってきている。気持ちよく尾根を登り、やがてトラバースからの沢登りに切り替わり、詰めあがるとダンノ峠に到着。こちらにはしっかりと看板がありました。まっすぐ方面に「八丁」と書かれています。帰りはあっちから登り返しか。まずは品谷山方面を目指すべく、右に折れます。
いきなりバリエーション感が出てきましたが、これは最初だけ。すぐにしっかり踏まれた稜線歩きになりました。とはいえ京都の山らしく、眺望はありません(^^;)。しかし緩やかなアップダウンの稜線を歩くのは楽しいものです。ところどころルートが不明瞭になったりしますが、基本的に尾根筋にしっかりルートがあります。数本白杭も立っており、人の往来はまあまああるのかもしれないですね。
時折風が強くなると寒さを感じます。寒いって久しぶりの感覚です。まあシェルを着るほどでもないのでそのまま進むと、やがて品谷山に到着です。もちろん眺望なし。看板を写真に収めてすぐ出発。しかしここから一部荒れた山道になりました。数年前の台風の影響でしょうか、尾根筋にも倒木が多くあり、それを巻くのに少し悩んだり。足跡らしきものに釣られて戻ったりもしましたが、結局は尾根筋がルートのようです。がんがん倒木を超えるのが正解のようでした。倒木エリアを抜けるとまた登りが出てきました。「登りか!」と思ったものの、地図を見ると左に曲がれとあります。てことはここが品谷峠かな。ここからは八丁まで下りかと思うと気が楽になりましたが、どこを下るのと思うほどトレースがない(^^;)。まあ地図を見ながら下りますか。沢下りですが、ほどなく川になると、これ沿いに下るのみです。なんか、渡渉が多い。どちらを歩けばよいのかわかりにくい。これが廃道ってものなのか。しかしこれは序章でした。
突然石造りの壁が出てきたと思ったら、八丁の入り口です。誰もいない中、一人で廃村八丁を探索です。ネットで見た建物もあります。誰もいない廃村を一人歩くのはなにやらノスタルジーに浸れます。この頃には空もすっかり晴れていたので、木漏れ日と川の風景の中、止まった時間を堪能させていただくことに。とてもとてもきれいな風景でした。在りし日はどんなんだったんでしょうね。どうやって下界とコンタクトを取っていたのでしょう。
とりあえず南端まで行き、写真を撮りつつ戻っていきました。今日はスタートが遅めなのであんまりゆっくりしていられないのもあり、ひとしきり雰囲気を味わうと帰路に向かうことにしました。降りてきた品谷峠ではなく右に進路を取ります。さて、下山。とはいえダンノ峠までは登り返しになります。まあメインルートだけに来た時よりも簡単だろうと、この時は思っておりました。
沢沿いに上っていきますが、相変わらず渡渉が多い。しかも石は滑る。今日は新しい登山靴の慣らしも兼ねていたのですが、登山靴でよかった(^^)。おかげで中まで水浸しという事態は避けられております。しかし、廃道(ではないようですが)というのはこういうことかという歩きにくさです。ところどころ倒木がたまっていたり、おそらく道であったものが崩落していたり。沢沿いなので道迷いはありませんが、分岐を間違えないようにそのたびに地図確認。うん、この分岐は左だな。右俣にも踏み跡があったのが気になりましたが、八丁から約1キロほど進んだ先の大きめの分岐を左に進みました。
このあたりは結構踏まれているので、右岸左岸への渡渉ポイントもわかりやすくなりました。そのまま1キロほど進むと、突然アプリの警告が。えっ?と思って地図を見ると、ルートを外してます。一本道なのになぜと思ってよく見ると、ルートはこのまま沢登りではなく右折して急坂を詰めるように出ています。まじ?どう見てもただの壁です。どこかに取り付きがないか探してみたものの、見つからない。とりあえず登ってみるかとは思うものの、そのとりあえずが決められない。地図をよく見ると、この壁の中盤から後半のほうがコンターが詰まっているので、後半のほうがきついはず。となると途中で進退窮まることも考えられる。しかしここがメインルートなんだよなぁ。しばし考えます。これ以外のルートはないものか。地図を見ていると、先ほど左に折れた分岐を右に行っても行けそうなことが分かったのでそちらに向かうことにしました。最初からこんな尾根跨ぎをせずあちらを選んでおけばよかった。その時はそう思いました。
そして先ほどの分岐まで戻り、ロスした時間を取り戻すべく早足で進みます。しかしこの右分岐からは道はさらに悪くなり、堆積倒木も多くなりました。こっちのほうが人が通ってないのかな?なんでだろ?そうは思いつつ、進んでいきます。このまま沢を詰めていけばさっきの道と合流するはず。こちらのほうがトレースが薄いとはいえ、人が歩いた形跡はあるのでどこかに出るはず。途中で小さな滝に出ました。一瞬積んだかと思いましたが、左側に巻道発見!ありがたい!巻道が崩れておらず、お助けロープもあって助かりました。しかし本来結んでいた木が倒れているのか、かなりテンションがかかっていたので、今後切れているかもしれません。しかし滝はやばいな。嫌な予感がします。
またもや沢の分岐に到着。これを左に行けばほどなく予定ルートに合流だと思ったその時、10mほどの滝が目の前に現れました。ここまできてまじか!それはとてもきれいな滝でした。でもこの瞬間は本気で詰んだかと思いましたので、写真を撮る余裕もありませんでした。またしても地図を確認。左は滝で進めない。右の沢から進めないかとよく見てみると、こちらからも尾根跨ぎをしている人のルートがありそうな感じが。さっきのように取り付けなかったら最悪このまま沢を詰めて行くしかないかな。もっとも、先に滝が出てきたらアウトですが、まだ太陽も高いし、食料も半分、水も半分残してある。いよいよになっても来たルートを全部引き返してもいい。腹を決めたら落ち着いたので、右の沢に向かおうとすると、この沢と沢の間の尾根にトレースが見て取れます。地図を見ると、少しこの尾根に直登しているドットがある。これを行くか!
登り始めると、ほどなくお助けロープを発見。ちょっと古そうなので補助的に使わせてもらい、尾根を詰めます。途中切れているロープもあるので、メインには木や根をつかみ、3点支持で登ります。まあまあクライミングかというような斜度でしたが、景色があまり見えないのが幸いして高度感は少なめ。登り切った先には明瞭な踏み跡がありました。先に進むと、右側から尾根跨ぎルートらしい道が合流してきました。合流後、尾根道はすぐに左側に下っていきます。すぐ下に平らな地面が見える。そしてアプリから「登山道に復帰しました」とのアナウンスが。めっちゃほっとする(^^)。
あとは緩やかな登りを楽しみながら、ダンノ峠へ。もしダンノ峠から八丁へ直行した場合どういうルートだったのか気になりましたが、思ったより尾根登りで消耗していたのでルート確認までは行いませんでした。しかし気になる(^^;)。
穏やかに尾根を下ると、やがて登山道は道路に。そして下山。心配をかけていたらと思い、バイクを置かせてもらったところの方に声掛けをさせてもらいました。あー、楽しかった!気がつけば空も快晴。思えばトレランを目指してたのに登山靴の修理をきっかけに雲取山に登ってから山行を再開したことを思い出します。やっぱり面白いな。今日もありがとうございました。山の楽しさの原点に返った思いでした。
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