安達太良山 硫黄の香りに包まれながら
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.1km
- 登り
- 1,122m
- 下り
- 1,112m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ たまに瞬間的に雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
奥岳登山口(あだたら高原スキー場)駐車場 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所は特にありません。 登山口は奥岳温泉という地名にありますが、この温泉は既に閉鎖されています。お風呂に入りたい方は、途中にある岳温泉またはくろがね小屋を利用してください。 |
写真
感想
本当は山梨か長野方面を狙っていましたが、天気がよろしくないのとの予報。さすがに初心者の私がレインウェアを着てチャレンジする山ではないので、金曜日のお昼まで粘って諦めました。また、例年6〜10月は仕事が忙しく、特に今週は来週の会議資料作成のために木・金曜日と界王拳を使っていて結構疲れがたまっていたので、どこに行こうか悩んでいました。
遡ること今年の1月。私が登山を始めようと決意し、いつもお世話になっているHさんに紹介されて初めて山グッズを見に行ったイオン某店の石○スポーツで、店員さんに「デビューはどこがいいですか?」と質問したら「春以降の谷川岳か安達太良山」との回答をいただいたのを思い出しました(結局、両山の標高にビビリ、デビューは大雪後の高尾山〜景信山でした)。そこで、冬だと積極的には行きたくない東北地方、安達太良山に急遽決定。金曜日の仕事帰りに慌てて山と高原地図を購入しました。
帰宅後、地図とヤマレコを眺めながら、塩沢登山口スタートだと途中で橋が崩壊しているようなので、先々週の三条の湯を教訓にして奥岳登山口スタートに決定。0:15に家を出て、駐車場に着いたのが3:30。遠いのは覚悟していましたが、仕事疲れと運転疲れで最後はヘロヘロでした。アラームをセットし、シートを倒したら瞬殺でした。いねむり評論家の由目見さんにお褒めの言葉をいただいた、野比のび太の0.93秒に勝てたかもしれません。
こんな感じでしたので、朝を迎えても頭がボーッとしてあまり体調が優れません。行けるところまで、せめてくろがね小屋まで行ってみようという気持ちでスタートです。
スキー場に来たのは学部生時代以来で、とても新鮮でした。登山口はゲレンデの脇にあり、気持ちを高めようと思って私の大好きな沢沿い歩きができる、あだたら渓谷自然遊歩道経由にしました。きちんと整備されていてとても歩きやすく、若干体調が回復してきました。
遊歩道が終わると、旧道と馬車道(林道)の分岐となります。歩きやすい林道を進まれる方が多かったですが、せっかくなので旧道を選択しました。旧道はやや滑りやすく、注意しながら進んでいくと、だんだん覚醒してきました。涼しいこともあり、馬車道との合流地点ではすっかり回復し、これなら山頂に行ける!と思いました。
金明水のあたりから、硫黄の香りがしてきました。温泉大好きの私にとって、これはたまりません。くろがね小屋に到着すると、これまた私の大好きなレトロな雰囲気が漂っており、早速中に入ろうとしたら、営業開始は10:00からのため、鍵がかかってました。う〜ん、残念。中に見えるストーブとかが素敵だったのですが…。靴を脱いでトイレを借りて、ここはお風呂も入れることを確認して進みます。
くろがね小屋から先は、これまでとは変わって山道となります。最初は石がゴツゴツしていて、初めて見るペンキマークに感動しました。周りの風景も、これまでに私が行ったことがある奥多摩・丹沢・大菩薩嶺の木々に覆われたものとは全く異なる、いかにも山っ!というもので、これにも感動しました。そうそう、こんな風景を見てみたかったのです。先程までの体調不良がウソのように、早くもルンルン気分となりました。
峰の辻に到着し、今日の目的地、山頂と乳首が見えました。しかし、どうしても乳首には見えません。そう言えば、オテマヌ山も女性が横たわっているようにはどうやっても見えなかったっけ…。予想以上に早く到着しそうなので、密かに企んでいた寄り道をすることに決定し、牛の背方面に進みます。
牛の背で山頂とは逆方向、鉄山方面に進みます。ここから先は、今までに歩いたことがないような道で、またしても感動するとともに、ワクワクしてきました。強い敵が現れるとワクワクする孫悟空の気持ちが痛いほどわかります。時折突風が吹いて飛ばされそうになりますが、目玉のおやじかと思えるくらいのペンキマークがたくさんあるので迷うこともなく、鉄山手前の荒々しい場所を乗り越えて鉄山山頂に到着。特に何もなく、拍子抜けのまま鉄山避難小屋へ進みます。鉄山避難小屋の中はきれいでした。
次は箕輪山に向かいます。地図を見る限り、等高線が離れているのでそんなに疲れないでしょう。向こうに人が見えるので、何も考えずにそちらに進みました(←ミス)。途中で石楠花の塔という飛行機のプロペラが2本刺さっている碑があり、事故か何かだろうと手を合わせました。そして、CTの30分を歩いても笹平分岐がなく、何かおかしいな?と思っているうちに、岩くぐりにぶつかりました。これは絶対に違うと確信し、地図で確認すると、沼尻方面に来ていることに気が付きました。ルンルン気分だったこともあり、避難小屋で地図を確認しなかったのが悔やまれます。
ここで自分の甘さを痛感し、気を引き締めて戻ります。避難小屋に戻ると、裏手にきちんと道標がありました。時間的・体力的に箕輪山に行くことは可能ですが、夕方から大気の状態が不安定になるとの予報だったので、今回は諦めて目的地に向かいます。くろがね小屋方面からガスが上昇気流に乗って上がってきたので、嫌な予感がしましたし。
鉄山の直後を慎重に下ると、年配の男性からすれ違いざまに話しかけられました。
男性「どこから来た?」
私「奥岳登山口スタートで、避難小屋方面に立ち寄って、これから安達太良山頂に向かって登山口に戻ります」
男性「珍しい人だな。笹平分岐を曲がって登山口に戻るのが一般ルートなのに。引き返した方がいいぞ」
まぁ、塩沢登山口スタートからのことを指しているのでしょうが、これ以上お話しても埒が明かないので、世の中色々な人がいるな、と思いながら挨拶をして別れました。
牛の背に戻ると、峰の辻も山頂も人で溢れていました。安達太良山は人気があるのですね。山頂に到着し、乳首に登る鎖場で順番待ちです。ツアーの方が上にいたようで、結構な待ち時間です。ようやく乳首に登ると、360度のパノラマが目の前に広がりました。後ろから誰も来なかったので、数分間独り占めできました。自宅から遠かったけれど、来てよかった…そんな気分になれました。
乳首から下りて山頂で食事です。今回は、東北だから寒いと思っていつもの鍋ラーメン。茹でていざ食べようとしたら、急に雨が降ってきました。予報より降り出しが早かったと思い、雨対策をしてから急いで食事をすると、終える頃に上がってしまいました。ありゃ、レインウェアを着るまでもなかったか。
食事後、山頂をウロウロしてから下山です。是非ともあのくろがね小屋に立ち寄りたいのですが、今回は諦めて薬師岳方面に進みます。あだたらエクスプレス(観光ゴンドラ)がある薬師岳までは、一般観光客のために道が整備されていました。山頂にいたツアーの方でスニーカー&ジーンズ着用者がいたのも頷けます。すれ違う方も、ツアーが多かったです。
薬師岳に到着した頃には、今にも雨が降り出しそうな感じでした。見晴らし台らしきところからスタート&ゴールの駐車場が見えました。この先以降は、道が登山道に戻ります。五葉松平では、地名の割には五葉松が植わっていませんでした。本当に5枚あるか確認しようと触ると、花粉らしき紛体が舞ったので、花粉症の私は慌ててその場を去りました。
登山道からゲレンデに出ると雷が鳴り始めました。ゲレンデをてくてく歩いて、ゴールの駐車場に到着。今日の反省をしながらレストハウスで大好きなかき氷を食べました。
車に乗って数分後にバケツをひっくり返したような雨が降り出し、箕輪山に行かなくてよかったと思いました。また、今回は初めて下山後に温泉に入ろうと思ってお風呂セットを持参したのですが、奥岳温泉は既に閉鎖、岳温泉は日帰り入浴が15:00までだったので、結局入れず。温泉は次の機会のお楽しみとしましょう。
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