黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳、七丈小屋は快適な山小屋だった…!
- GPS
- 15:08
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 2,621m
- 下り
- 2,606m
コースタイム
- 山行
- 9:50
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 10:49
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
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アクセス | |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
北アルプス烏帽子岳のブナ立尾根、谷川岳の西黒尾根とあわせ、日本三大急登の一つに数えられる南アルプス甲斐駒ヶ岳(2,967 m)黒戸尾根。この山をこのルートから登りたいと思ったのは、七合目にある七丈小屋の運営・管理人である花谷泰広さんの講演※を聴いたから。
アルプスを登り始めるならまずこのルートからと先月予約していたが、流行り病に罹りキャンセル。初アルプスは北アルプスの表銀座を歩くことになった。例年10月下旬に初冠雪、その後雪山に変貌する甲斐駒ヶ岳の年内ラストチャンスに登ってきた。
770mの尾白川渓谷駐車場に車中前泊。フラットかつ自動照明付きのトイレがきれい(ウォシュレットにはあらず)で非常に泊まりやすい駐車場。1日目に山頂まで登り2日目は小屋からの下山だけにしたかったので、まだ日の出前の5時半にスタートし、まず竹宇駒ヶ岳神社に参拝。吊り橋を過ぎると初っ端から奥多摩の急登レベルの九十九折れ、スタートから2時間ほどで笹の平分岐。ここの標識(甲斐駒ヶ岳7時間←→竹宇登山口1時間30分)でドヨ〜ンとする。3時間半で有名なナイフリッジの刃渡りだが、手すりチェーンもついており怖くない(ドンちゃん、こういうの大好きで小槍で踊れなかったアルペン踊りをここで踊る)。
刃利天狗は信仰の山であることを如実に表し、5時間弱で五合目小屋跡(五合目といいつつ、ルート全体の3/4ほどのところ)までちょっと下り、ここからまたハードな登りがリスタート。ここからは鎖場と垂直に近い梯子の連続でこういう単調な梯子は苦手なドンちゃんは七合目の七丈小屋までが一番キツかったよう。標高2,370mの七丈小屋手前付近から、二人してあくびが出始めたり、私は目の奥に鈍痛を感じた。酸素不足だと思い深呼吸すると治ったが要注意だろうと思う。
6時間15分かかって小屋に着いた時はちょっとヘロヘロ。「大丈夫、大丈夫、置いてっちゃうよー」と優しく発破をかけ、宿の受付を済ませたら、いざ山頂へGo!開けた八合目御来迎場、そして有名な二本剣と背景に富士山。たまたま下ってきた日帰りイケメントレールランナーにこの絶景と撮影してもらいラッキーでドンちゃんの気持ちもアゲアゲ。
ここから山頂部は極めて登りにくい岩場・鎖場オンパレード。手がかり足がかりをしにくい不連続な岩場で、腕をとにかく使う必要がある。ドンちゃん大好物につき「さっきまでのブーたれドンちゃんはどこに?」というほど元気に。山頂手前の駒ヶ岳神社本宮にお詣りし、ついに登り始めから9時間、登り標高2,400m弱で快晴の甲斐駒ヶ岳の山頂に到達!ヤッホー♪
直前の先行者は北沢峠から。写真を撮りあい、喜び合い360度のパノラマを満喫。富士山、鳳凰三山、近くに仙丈ケ岳、遠くには槍穂も見える山頂を三人占め。あぁ、これがあるから山登りはやめらないという絶景をドンちゃんと眺めて、20分ほど滞在し下山開始。登りにくいは当然下りにくい岩場・鎖場を経て、トータル10時間50分かけて七丈小屋まで戻ってきた。
小屋は第一、第二とテン場があり、平日は第一小屋を小屋番さん一人で担当(週末は小屋番さん二名体制で第二小屋も展開のよう)。同宿はうちを含め6名で、お隣の登山歴10年超のベテランご夫婦にアルプスのおススメルートなどを消灯の20時前まで教えていただく(ありがとうございました)。食後に追加したコーヒーは豆から挽いて丁寧に淹れた七丈小屋ブレンドでとても美味しかった。
トイレは小屋の外で第一小屋から30m、第二小屋の目の前。水場は第一小屋の目の前で南アルプスの天然水(宿泊者以外はトイレ、水場の利用は有料です)。テン場は第二小屋から5分ほど上でトイレと水場はちょっと遠い。第一小屋の寝床は二階で一人分に仕切られ、枕と敷布団がビニールでくるまれており持参したシュラフで就寝。
翌日は下るだけにしたのでお稲荷さん弁当にしてもらった朝ご飯を小屋で食べた後、テン場まで少し登って日の出を見ようとしたが曇っていてはっきりしたのが見られずちょっと残念。6時40分下りはじめ、最初は軽装の日帰りトレールランナーが颯爽と、徐々に中装備の小屋泊やずっしり重そうな重装備のテン泊者とすれ違うようになり、この尾根を上がってくる人たちはみんな強者だと感心しながら11時前に4時間20分弱、2日合計15時間余りで登山口についたのでした。
思ったのは五合目までは奥多摩でも見られる急登と長い登山道歩き、五合目からは垂直に近い梯子と鎖の連続、小屋からはさらに両手両足でよじ登る岩登り要素が強くなる、ルート上で形態が変わっていく様相で対応力が試される。結果、過去イチ上半身をフルに使った山行になった。初日に1日で累積標高2,400m弱を9劼曚匹脳紊欧襪里呂気垢にキツかったが、自分、ドンちゃんの体調、そして天気・眺望もよかったベスト3に入る山行になったのでした(この3つが揃うことはなかなかない)。
コース定数はヤマケイのヤマタイムで1日目48、2日目13でトータル61
(ちなみに1日目が小屋までだと32、2日目に山頂往復し下山だと29)
※花谷さんの講演(ヤマレコのヤマノートの備忘録に飛びます)
https://onl.tw/HaWUBkh
なんと日本三大急登踏破ですか😲
凄いですね👍
次は西黒尾根とブナ立尾根ですか😊
ありがとうございます。小屋で同宿だったベテランご夫婦によると、他の2つの急登は黒戸尾根ほどではない(黒戸尾根は長いしキツい)と言っていました。北アルプス、南アルプスを登れたので、次は中央アルプスや八ヶ岳をターゲットに…😋
私も小屋過ぎて鎖場をこなしている際に、頭が少しボンヤリしました。でも白い頂上からの景色は八ヶ岳、鳳凰三山から富士山まで見渡して、神の国ですよね。
三大急騰のもう一つである谷川岳の西黒尾根ルートは、多少スリルある鎖場はありますが、距離も短く、黒戸尾根ルートの半分以下という印象でした。寧ろ、上信武尊山の鎖場の方が険しかったです。
こちらこそお世話になりました。色々な山を経験されていてすごいですね。
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