【奄美】ウチミズ川下降・ウティミズの滝登攀・滝ノ鼻川(仮称)遡行
- GPS
- 07:30
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 1,354m
- 下り
- 1,373m
コースタイム
- 山行
- 5:08
- 休憩
- 2:22
- 合計
- 7:30
天候 | 曇り後晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・市道石原栄間線の支線には地図にない分岐があり、間違えないように注意。 ・海岸の歩行は干潮時以外は厳しい可能性あり。その場合も高巻くことはできそう。 |
その他周辺情報 | ウチミズ川の沢名は全国Q地図の鹿児島県森林基本図による。遡行した沢は名称不明であるため、滝ノ鼻山に突き上げることから、「滝ノ鼻川」の仮称を付した。 ウチミズ川の河口にある海岸瀑の名称は、小阪(2021)により「スタルトビラの滝」の仮称が付されたが、下記ページにて地元で「ウティミズの滝」と呼ばれていることが判明したため、本記録ではウティミズの滝としている。 http://www.synapse.ne.jp/hatashin/01ooshimahontou/03sumiyou/sumiyoumeisyou/sumiyoumeisyoutop.html#utinizu ※以下の部分は6日間の記録で共通※ 【2022.11.2-7 6日間の記録一覧】 11/2生勝の滝 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4865794.html 11/3青久 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4872765.html 11/4フウチブルの滝 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4876015.html 11/5茂田原の滝 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4882050.html 11/6ウチミズ川・滝ノ鼻川(仮) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4889520.html 11/6トンジュウロウの滝(観瀑) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4890504.html 11/7タンギョの滝 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4893061.html 【島での生活】 ○キャンプ場 大浜海浜公園内、小浜キャンプ場を使用。1泊1張600円と格安で、平らで広い。初日は午後6時半ごろまでに、奄美海洋展示館で受付・支払いを済ませる必要がある。各種キャッシュレス・電子マネー使用可能。テントサイトは駐車場から徒歩3分程度。トイレ・炊事場でコンセント使用可能。水シャワー無料。トイレは綺麗。島の中心である名瀬市街からも遠くなく、キャンプ場としては便利な立地だと思う。混雑は全くなく、1日当たり1〜3張程度であった。殆どは1泊のみの利用者。使いかけのOD缶やCB缶が炊事場に残置されていた。 ○食事 今回は、朝食はコンビニ(ファミマ名瀬平田店)で買い食い、昼食はスーパー(タイヨーが便利)やドラッグストアで買ったパン、夕食は外食とした。24時間営業のコンビニはファミマのほか、名瀬市街の島人マート石橋店がある。夕食を食べられる店は、空港〜名瀬と古仁屋以外にはほぼ無い。 ○銭湯 11月ともなると、水シャワーを夜に浴びるのは気が進まない。銭湯は名瀬にはなく、龍郷と住用にあるが、住用のものは故障中で利用不可であった。両銭湯は500円程度。名瀬にも日帰り入浴可能なホテルはあるが、利用料金が高い。6日間で龍郷の銭湯を2回利用した。 【島での山行】 ○ハブ 奄美・沖縄で山に入ると言えば毒蛇のハブが気になるところ。実際には、6日間での遭遇は、ヒメハブ10個体程度、ハブ1個体で、特にヒメハブは本土の蛇類と比べても非常に多い。しかし、ハブは暑い時期の夜に活発になる生物で、11月の昼間はかなり不活発であった。棒で突いても逃げもしない個体もいるほど。踏みつけたりしない限りは噛まれないのではないかと思う。 また、藪の中で見かけることはなく、沢中の岩・石の上でとぐろを巻いているのをよく見かけた。単純に藪の中にいた個体を発見できなかっただけかもしれないが、岩・石の上を歩くときは、足下をよく見ながら歩いたほうが良い。 念のため、ポイズンリムーバは必携。 ○山の様子 地域によっては、道のない山は藪が酷くて歩けたものではないが、奄美の山は、基本的に藪が薄く、歩きやすい。旺盛な照葉樹林により林床が暗いためかと思われるが、有難いことである。ただし、海風が強い等の理由により森林が発達せず、日当たりの良い場所には歩けないほどの藪があることもある。 奄美大島・加計呂麻島にはリュウキュウイノシシが多数生息しており、ぬた場や獣道がよく見られる。獣道は非常に明瞭なものもあり、うまく利用すると時短になるが、油断すると沢に戻りにくくなることもある。 あまり人が入らないように見える山中にも人間活動の痕跡は多く、取水施設の跡、地籍調査のマーキング、測量基準点のような残置物、マングース捕獲用の罠とその巡視路、古い農具等、様々なものを見かける。 ○沢での装備 全体的によくぬめる箇所が多く、フェルトソールが良い。滝もフェルトソールで登れたが、クライミングシューズの方が登りやすかっただろうと思われる滝もあった。カムは4番まで1セット+リンクカム1セットで十分だった。全体的には脆い岩(砂岩・泥岩)が多いが、脆い箇所を落とせば大抵はそれなりに堅い岩が出てくる。ハーケンは時々使用、ペッカーはウティミズの滝のみで1回使用、フック類・ナッツは不使用。 ○参考文献 小阪・酒井, 2021. 奄美群島の海岸瀑, ROCK & SNOW. (91): 44-47. |
写真
感想
【アプローチ】
大物が終わったので、tamoshima 提案(というか、今回はすべての計画をtamoshima任せ。。m(_ _)m)で、ウチミズ川(スタルトビラの滝の沢)下降、
ウティミズ滝(スタルトビラの滝)を登って、他の沢を偵察することに。
意外と上部にもよい滝が多かったので、遡行する沢にも滝があるのでは、と期待しながらの沢下降で海岸までアプローチ。
【滝登攀】
ついに、落ちたらグラウンドの1P目を担当することに。
が、今までの滝に比べると下部は登りやすいし、懸垂下降したので、ちょっと偵察できてるし、と、安心してとりつき。
下段中間部の流心を突破してみようと思ったものの、プロテクションが取れず、ここまでのプロテクションも怪しかったので、あきらめ。
左壁を登って、スラブ区間に突入したものの、フェルトソールでは滑りそうで右往左往。
戻ってハーケン打って、スラブ区間にペッカー打って、スタンスをたわしで磨いて、と、いろいろ駆使してなんとか突破。
ここはクライミングシューズが良かったなぁ、とか思いつつ。(結局、今回一度も使わずじまい)
その先はカムも取れるようになるので、快適登攀で無事リード終了。
【二本南の沢遡行】
滝登攀のあとはもう一度懸垂して、海岸に降りて、海岸沿いに南下。
一本目も二本目も海岸沿いはゴーロがたまっていて、結構微妙だったけど、予定通り、二本目の沢を遡行してみることにする。
遡行開始してみると、巨岩帯を登る感じで、滝もなく傾斜区間は終了。
巨岩はビミョーにいやらしかったものの、ここ最近頑張っていたワイド技術を練習することが出来て、それなりに楽しめたのは収穫だった。
上部に行くと、10mくらいの滝が出てきたので、tamoshima にリードしてもらったものの、フリーでもいけたような難易度。。
そのあとにも、9m滝が出てきて、こちらはそれなりに悪そうだったので、さっきのはノーカウントにして、リードしてもらう。
結構ぼろかったので、こちらはロープ出して正解だった。
ヒメハブ5匹も見たり、モクズガニがカエルをたべてるのを見たりと、生き物発見が多い沢だった。
奄美遠征5日目、大物は終わったのでどこに行こうか悩んだが、とりあえずロクスノに掲載されているウティミズの滝と、その近くの等高線が密な谷筋へ行ってみることに。
ウチミズ川は、ロクスノではウティミズの滝以外特に無さそうな記述だったので、下ってみたが、意外に滝があり、登っても楽しめそう。とはいえいずれも簡単に巻け、スムーズに滝上に到着。
ウティミズの滝を巻き下るのは無理そうなので、懸垂下降。下ってみると、案外小さい。計測してみると31mで、ロクスノの50mが随分な過大評価だったことが分かる。
ウティミズの滝もロクスノでは2pで登られているが、通して1pでmashikotteリード。下段のスラブで四苦八苦していたが、片足だけクライミングシューズにしてみたこともあってか、フォローだと楽勝だった。さくさく快適に登って懸垂下降し、海岸を南西へ。
途中、海岸ぎりぎりまで岩が迫っているところもあったが、今日は干潮を狙ってきたし、波も穏やかなので問題なく通過。遡行候補の1つ目だった、277m峰の西の谷は、見える範囲でゴーロが続いていたので却下し、滝ノ鼻川(仮)へ。しかしこちらもゴーロが続く感じで、とはいえ登ることにするが、想像以上のゴーロ。しまいには伏流してしまう始末。
殆ど何もないまま二俣に至り、大変残念。ここにはマングースの捕獲罠とその巡視路まである。左俣へ行く方が詰めが面倒そうなので、右へ入る。すると多少は滝が出てきて、1つ目は登れそうになく巻いたが、以降は登れる滝が多く、悪くはない。
多少モチベーションが回復し、最後に少し悪い9m滝を登ったところで、水も殆ど涸れ、少しの詰めで林道に出た。
この滝ノ鼻川、かつてけんじり氏も下降し、同じように落胆していたらしい。トホホ。
【総評・感想】
ウティミズの滝は、わざわざ行くほど立派な滝でもないが、上部の滝と併せて登ればそれなりに充実すると思われる。
滝ノ鼻川は下部は急なゴーロで遡行価値がないが、二俣より上はそれなりなので、行くなら右俣と左俣を組み合わせるとよいのではないか。とはいえ島外からわざわざ行くような沢ではないだろう。
ウティミズの滝は記録よりだいぶ小さく、滝ノ鼻川はゴーロで標高を上げる沢と、山行内容はいまいちだったが、とりあえずロクスノ91号掲載の滝は全て再登できたので、すっきりした感じはあった。
この後トンジュウロウの滝を発見できたのもすっきりした。
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