葛根田川 北又沢
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- GPS
- 56:00
- 距離
- 22.7km
- 登り
- 963m
- 下り
- 774m
コースタイム
8/16 滝ノ上温泉(5:50)-入渓点(6:30)-明通沢出合(7:50)-お函(9:00)-大石沢出合(10:40)ー-滝ノ又沢出合(13:00)-20m滝(15:00)-八瀬森山荘(16:20)
8/17 八瀬森山荘(5:50)-大深岳(8:30)-源太ケ岳(8:50)-松川温泉(10:20)
天候 | 雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・駐車場には立派な休憩所が併設されており、豪雨のため1日ここで沈殿した。 ・水量が多く、堰堤の先で藪をこぎ、入渓。 ・入渓地点は水量多く、場所を選びながら徒渉した。 ・お函も増水のため右岸を一気に大石沢まで高巻いた。途中沢床へ降りられる場所はなし。 ・北ノ又沢左俣を遡行、最後の2段8mはクラック沿いを登るが、上部灌木帯にたどり着くところがいやらしい。 |
その他周辺情報 | 松川温泉。乳白色で温泉の香りも高く最高だが、盛岡へのバスは1日3本。バスの頻度が高い八幡平ロイヤルホテルまでは6kmの道のり。 |
写真
装備
個人装備 |
登はん具(1式)
食器(1)
シュラフカバー等(1)
行動食(適宜)
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共同装備 |
ザイル20m (1)
Sビット(適宜)
ツェルト(1)
食当(2)
コッヘル(1)
グランドシート(1)
補助ロープ20m(1)
|
感想
8月15日( 金)雨
雫石から朝イチでタクシーも駆使して滝ノ上温泉まで来たのはいいが、ものすごい雨。到底行く気にはならず、滝ノ上温泉の休憩所で沈殿。葛根田川は濁流となりうねっている。これでは明日も無理かも・・・。大石沢あたりから引き返してきた人と話すと特に増水はしてないとのことだったが、小降りになった夕方、様子を見に出掛けてみるとすごい水量。携帯電話もつながらないのでタクシーも呼べず、明日は三ツ石に登って網張温泉に下山しバスで帰るのかなと、このときは観念した。
終日、立派な休憩所で過ごし、夜もここでお世話になった。本当にありがたい。一日いるといろいろな人が訪れてきて面白かった。
8月16日 (土)曇り
起きてみると、濁流はきれいになって水嵩も減っている。
これは行かねば、とそそくさとしたくをして、5時50分出発。天気はどんよりで心許ない。
6:30林道より入渓。まもなく徒渉を余儀なくされる。流れは速く、かつ深く、数年前の上ノ廊下を思い出させる。
ロープ徒渉を試みるが流れに押され、断念。最初の徒渉で諦めるのか、となかば観念しながらも弱点を探す。下流になんとか渡れそうなところを発見し、徒渉。その後も徒渉を繰り返し、ようやく明通沢出合。出発からはや2時間経過。ため息が漏れるが、今夜は滝ノ沢出合いまででもよいかとおもい、遡行を継続。
明通沢を過ぎたこの頃は青空もみえはじめ、、若干水量も少なくなって、葛根田の流れに削られ滑らかとなった川底の石は水を介して反射し、緑色の水流となってきた。
9:00、お函の入口となるゴルジュ、ごうごうと流れる。その先の大石沢までのお函のメインの部分は増水した流れに手を焼く。水量が多く左岸にも徒渉はできず、右岸のなんとか細かいホールドを拾い突破するがその先の滝の水量がものすごくとても越えられない。ということで100メートルほど戻り、大たか巻きをすることに。
幸い藪は深くなく何とか進めるが、懸垂しても降りた先の水量がものすごくとてもその先の遡行が続けられそうにない、ということで一気に大石沢まで巻いてしまった。名物のお函の景観はお預けとなった。大石沢も流れが早く下り口を探してやっと沢床へ。なんとも苦労する。
大石沢出合いはとてもよい幕営地、ここでイワナでも釣りながら焚き火でもできたらなー、なんて夢を見ながら再び歩き出す。
この先々も所々ロープを出しながらの徒渉となった。平水のときよりも2倍はかかってるだろう。大滝も大迫力だ。
13:00ようやく滝ノ又沢出合。この辺で幕営したい気持ちを押さえつつその先の二俣を左へ。
ゴーロのきつい傾斜を越えると、流れはまるで小川のように穏やかとなった。心もなごむ。下流ではあんなに激しい流れだったのに!上ノ廊下もそうだったなと思い返す。
小川となった葛根田川は原生林の森を蛇行しながら右へ左へ。この辺りは、規模は小さいが西表島の川の流れを思い出させる。
そのうち面白い石の沢床となった。何て言う石なのだろう、たぶん粘板岩の一種?水で研がれたグレーの石ははさまざまな色の波長がカットされ、水の中では流れが青く見える。
15:00。もうすぐ詰めかと思いきや突然20メートルの滝。そして連続して2段8メートル、最後の滝。遡行図には2段とあったが、水量が多くほとんど1段に見えるくらい。右壁のクラックを登るが上部が厳しく、やっとの思いで上の灌木にたどり着いてほっとする。
その先は藪こぎもなく水流沿いを詰めると見事な湿原。木々の間に八瀬森山荘が見えた。
10時間半の長い行程。焚き火と共に沢中に一夜の夢を結ぶことは出来なかったが、貸しきりの八瀬森山荘で1日の疲れを癒した。
8月17日(日)雨
一昨日までの天気予報は曇のち晴れといっていたのに、朝から雨降り。一夜お世話になった八瀬森山荘をあとにする。
東北の山小屋はサンダルや布団もあって、登山者には本当にありがたい。下山後に松川温泉から盛岡駅まで送っていただいたKさんの話では東北は女性の建築士が設計しているものもかなりあるそうでデザインなども優しさがあるのかも。八瀬森山荘も中央に薪を燃やすためのフード付の煙突が備わっており、なにかここで巻きを燃やして薫製でも作りたくなるような感じだった。Kさんは山小屋探訪が趣味であちこちの山小屋のレポートをしているという。それもまた楽しそうだ。
さて、雨のなかをついてほとんど田んぼ状態となった登山道をもくもくと歩く。そして時に現れる湿原で風に吹かれ、一息いれる。そんなことを繰り返しやがて大深岳山頂。なにもない。なにも見えない。
しかしここからは道がよかった。快調に下り、10時半松川温泉着。
乳白色の温泉に浸かり、ほっとするまもなくバスが出ている八幡平ロイヤルホテルへ歩いて向かう。雨も上がり風呂上がりの体に八幡平の風が心地よい、等と強がったが道のりは約6キロ。バスの時間に間に合うか心許ない。と弱気になったとき、車が止まり、よかったら乗っていきませんか?との言葉。即座にお願いしますと答えて厚かましくも盛岡まで便乗させていただいた。この方がKさん。本当に助かった。ありがとうございました。道中、山の話や山小屋のはなしをしながら盛岡まであっという間だった。
天気にこそ恵まれなかったものの葛根田を遡行でき、そして東北の雄大な大自然と人の心に触れ、思い出深い川旅となった。
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