9歳児とゆく急登急登と真っ青なお空・十枚山【山梨百名山】
- GPS
- 06:19
- 距離
- 6.9km
- 登り
- 981m
- 下り
- 962m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口〜石小屋:急登と平坦を繰り返しながら進む。 石小屋〜十枚峠:埋もれ気味のトラバース、笹薮を突っ切って峠に出ると真っ青な空 十枚峠〜山頂:きれいな整備 |
その他周辺情報 | ・なんぶの湯 満足度のやたら高い町営温泉 |
写真
感想
冬晴れの土曜日、十枚山へ。
息子の夢である山梨百名山クリアを目指すうえでちょっとハードルが高いのが、この南部エリアの山々である。
まずなんといっても、遠い。中部横断自動車道ができてかなり楽になったとはいえ、東京から日帰りするのはなかなか骨が折れる。
そして、やっかいな生き物。このあたりはヤマビルのパラダイスなのだ。身延に住む友人によると、このへんの山は残らずそうなのだという。「ベンチで休んでたら登ってくる」「踏み込んだとたんいっせいにこっちを見てる」など、ヤツらについての本気でヤバい話をよく聞く。暖かい時期に行くのはランボーみたいな精神がないと厳しい。冬しかない。
ちょうどこの日、(長距離ドライブに難色を示しがちな)妻は用事があった。南部エリアを早くクリアしたい息子、もう準備万端! さあ、いつもよりちょっと早起きして南部町へGO!!
中央道を甲府南ICで降りて国道140号。途中「道の駅とよとみ」で息子は弁当を買いたいと言ったが今回はパス、増穂インターから中部横断道で南部ICへ。ここは降りたところに「道の駅なんぶ」があって便利、トイレと水分の備蓄を行う。
南部ICから国道を南下してすぐ、十枚山への入口がある。走りやすい道だが、Googleマップのいう「十枚山登山口」でカーナビのルートがとぎれた(なので到着時刻をちょっと見誤っていた)。ここからは林道、ちょっとせまいので急げども慎重に。20分ほど走って終点に到着、本当の登山口はここだ。車が3台ほどとまっている。
ちょっと急ぎめに登ろう、と確認してスタート。しかし登りはじめの針葉樹林帯から、いきなり急登である。息子はマジかよーって反応、でももう山ボーイなのでたんたんと上がっていく。けっこう暑い。
急登を過ぎると道が平らになった。謎のサビた看板がある。そしてまた急登、なかなかきつい。しばらく登ってまた平らになった。「栂尾根中の段」という看板。どうやら平らなところと急登が交互に出てくるようだ。また急登そして平ら、看板には「上の段」。なるほど。
「奥の段」を過ぎたところで、植生が大きく変わった。針葉樹林が広葉樹の疎林になり、笹が生い茂る。苔むした岩がごろごろした中を進んでいく。振り返ると富士山が木々越しに見える。頂上からはもっとよく見えるんだろうね。期待しておこう。
岩の道が急になってきて、息子が「さすがに疲れたからひと休みしたい」という。もうすぐで「石小屋」というチェックポイントがあるらしいが、まあよし。おやつタイムとする。
石小屋ってなんだろう。これかな?なんて言って息子は大きめの岩を指さすなどしていたが、道が大きくカーブした上にそれはあった。岩が大きくオーバーハングしている。雨宿りにちょうどよさそうな、まさに石の小屋。というか屋根。
ここから、ルートが斜面の横方向に変わる。足場のかなり弱いトラバース。笹やぶの中に、坂を横切るようにつけられた道、しかし少し埋まり気味でときどきものすごくせまい。マップの等高線を見てこのあたりはラクなのかな、と思っていたけれどそんなことはなく、かなり気を使う。
なかでも最大のヤバいポイントが、くずれ気味の岩の上を進むところ。ロープがあるので落ちはしないが、万一足を滑らせたら、と思うとぞっとする感じ。何とか乗り切る。
シモバシラが畑みたいになっているところを見つけて大喜びの息子。そして先を見ると、笹の原のトラバース道が青空の中に消えている。きっとあれが峠だね。空に飛び込むところを撮ってほしい、と息子。オッケー!
薄暗い笹やぶから、稜線に飛び出す。一気に視界が開けて、光があふれる……目にとびこんてくる大展望、大絶景! なんて気持ちのいい! なかなかつらい道だったけど、ここで疲れが一気に吹き飛んだ。
左手手前に下十枚山のピーク、そこから奥静岡、南アルプスに続く連山が一望である。どれがどの山なのか、まるっきりわからないけれど。
いつまでも歩いていたい、心地よい尾根道。ママを連れてきたいねえ、と息子がいう。のんびり進んで、イノシシのヌタをいくつも見つける。左手は奥静岡の深い山がどこまでも見渡せて、右手は木々越しに南部町を見下ろし、富士山もちらちら。本当に気持ちがいい。
明らかに「これがラスト」という雰囲気の急登が出てきた。きついなー、といいながらとんとん登っていく息子について進むと、青空の中に吸い込まれるように頂上到着。十枚山に登ったよ!
山頂はちょっとした広場になっていて、鐘がある。さっそく息子がカーンとたたく。
富士山から愛鷹山、駿河湾。すぐ近くの下十枚山をはさんで奥静岡から南アルプスに続いていく山々。175°くらいか、遠く遠く見渡すことができる。富士山だけちょっと木にかぶっている。南部のさほど人気でない山、とあまり期待せずに登ってきたが、思っていたのよりずっとずっと素晴らしいものだった。
本日のごはんはカップ麺。息子は新千歳空港でハマったエビらーめん「一幻」のやつを一心不乱に食べている。
他のパーティーさんに写真をとってもらったりとったりしていて、息子は気のいい方々に「キミも一緒に写ろうぜ」と言ってもらいゲスト参加。大きくなったら会おうな、と言ってもらい息子は静かに喜んでいた。
森のかげに今年はじめての雪を見つけたら、そろそろ下山の時間だ。なにしろこのあと東京に戻るのだ、温泉に入ってごはんを食べる時間を得るには早く行動するしかない。絶景に別れを告げて、下山開始。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する