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記録ID: 523672
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アルパインクライミング
谷川・武尊

谷川岳 幽ノ沢V字状岩壁右ルート(痛恨のルートミスで救助される…)

2014年10月04日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
07:00
距離
8.1km
登り
1,222m
下り
395m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

3:50 土合駅出発 〜 5:30 幽ノ沢出会 〜 6:05 二俣 〜 7:00 トラバース開始点
13:00 終了点 〜 13:40 中芝新道 〜 15:40 芝倉沢出会い
天候 くもり時々雨
過去天気図(気象庁) 2014年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
駐車場:土合駅
コース状況/
危険箇所等
登山ポスト:谷川岳登山指導センター
GPSログ:GPS機器の電源が落ちたため途中まで
谷川岳登山指導センター
登山計画書を提出します
2014年10月04日 04:17撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
10/4 4:17
谷川岳登山指導センター
登山計画書を提出します
幽ノ沢で夜明けを迎えます
雨が降り始めました
2014年10月04日 05:34撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
3
10/4 5:34
幽ノ沢で夜明けを迎えます
雨が降り始めました
大滝手前で左岸をへつる所
ウェットコンディションでここ行くのか…
2014年10月04日 05:48撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
10/4 5:48
大滝手前で左岸をへつる所
ウェットコンディションでここ行くのか…
大滝を左から越えると二俣
右俣へすすみます
2014年10月04日 06:04撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
10/4 6:04
大滝を左から越えると二俣
右俣へすすみます
ガスガスです
雨は一向にやまない
2014年10月04日 06:26撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
10/4 6:26
ガスガスです
雨は一向にやまない
標高が上がると紅葉しています
2014年10月04日 06:29撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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標高が上がると紅葉しています
写真中央に右俣リンネが見えてきました
2014年10月04日 06:30撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
10/4 6:30
写真中央に右俣リンネが見えてきました
天気が良かったら綺麗だろうなぁ
2014年10月04日 06:30撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
10/4 6:30
天気が良かったら綺麗だろうなぁ
右俣リンネトラバース開始点まではノーザイルで行きます
2014年10月04日 06:41撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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右俣リンネトラバース開始点まではノーザイルで行きます
V字状岩壁
結構水が流れている…
2014年10月04日 06:53撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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10/4 6:53
V字状岩壁
結構水が流れている…
取付きで先行パーティの通過を待つ
2014年10月04日 07:14撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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取付きで先行パーティの通過を待つ
T2から上部を撮影
2014年10月04日 08:09撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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T2から上部を撮影
トラバースしてきた小尾根を振り返る
2014年10月04日 08:09撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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トラバースしてきた小尾根を振り返る
濡れていて滑る
2014年10月04日 09:03撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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濡れていて滑る
雨も上がって視界が開けてきました
いい高度感です
2014年10月04日 10:38撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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10/4 10:38
雨も上がって視界が開けてきました
いい高度感です
湯桧曽川が見えます
2014年10月04日 10:38撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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10/4 10:38
湯桧曽川が見えます
2014年10月04日 10:38撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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レスキュー直後
2014年10月04日 12:33撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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レスキュー直後
のんきに紅葉見物
2014年10月04日 12:33撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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のんきに紅葉見物
中芝新道
2014年10月04日 13:42撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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10/4 13:42
中芝新道
悪くて気を抜けない
2014年10月04日 13:51撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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悪くて気を抜けない
Two tone
2014年10月04日 14:15撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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Two tone
赤や
2014年10月04日 14:15撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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赤や
黄色に紅葉してます
2014年10月04日 14:15撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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黄色に紅葉してます
ちょっと休憩
2014年10月04日 14:26撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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ちょっと休憩
芝倉沢
2014年10月04日 14:59撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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10/4 14:59
芝倉沢
ちょっと間違って滝下へ
2014年10月04日 15:15撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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ちょっと間違って滝下へ
芝倉沢から見える洞窟
2014年10月04日 15:43撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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芝倉沢から見える洞窟
芝倉沢出会
2014年10月04日 15:43撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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芝倉沢出会
幽ノ沢出合に戻ってきました
2014年10月04日 16:18撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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幽ノ沢出合に戻ってきました
一ノ倉沢
2014年10月04日 16:35撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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一ノ倉沢
マチガ沢
2014年10月04日 17:06撮影 by  DMC-FT4, Panasonic
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10/4 17:06
マチガ沢
撮影機器:

感想

今回はakashoubin隊長、deebさんの3人で幽ノ沢V字右へ行くことになりました。

星空の下、土合駅を出発。今日もいい天気になりそうです。
と思ったら、幽ノ沢に着いた瞬間からなんと雨が降り出しました。
しかもしっかり降ってきた。
カッパを着て「行けるところまで行きましょう」と出発します。

二俣下大滝手前で沢が大きく右に曲がる所が悪いです。
「足下が完全に濡れた状態で突破できるのか?…」と思いつつもそのまま突っ込みます。落ちても死にはしませんが下馬評通りとても悪かった。
大滝を左から越え、二俣を右に進みます。
右俣リンネトラバース開始点まで特に問題なくノーザイルで行けました。

3人でザイルを組むため、最も時間を短縮できる尺取虫方式で登ることにします。
全ピッチshironekoがリードを務めることになりました。
一面ガスに覆われており、雨も降りやみません。右俣リンネは完全に沢になっています。

黄色と赤のザイルを結んでいざ出発。
トラバースは50mロープでギリギリと聞いていたので途中の小尾根上のテラスで切ります。2ピッチでT2に到着。
見上げると岩は濡れており、視界も制限されているのでルートがよくわからない。

左ルート分岐点手前あたりのフェース上で先行パーティーの女性が我々の目の前で3メートルほどフォールします。フォローで登っていたため大事に至りませんでしたがビックリしました。無事で本当に良かった。

特に問題なく核心部の岩溝を突破し、フェース下でビレイします。
あと2ピッチ程で終了。でもここからが問題でした。
このフェースは左の草付側が正解ですが、右の草付側も簡単に登れそうなので右にルートを取ってみます。

このフェース、下から見ると簡単に見えますが、濡れた岩にアプローチシューズという状況だと少し難しい。しばらく上がるとルートが違うことに気づきます。
既にクライムダウンするのも厳しい状況ですし先はやはり簡単そうに見えるので突破を試みます。ずっと厳しい状況で草付きを20m程登ると、左側2m程にある程度ホールドのあるフェースが見えてきます。しかし、そこまでの草付にはホールドもステップも何もありません。懸垂できる支点も作れず、ここでshironekoは行き詰まってしまいました。

何とか小枝の上に乗り、細い枝にイワシで支点を作ってセルフを取ります。
akashoubin隊長からレスキュープランが説明されます。

<shironekoレスキュープラン>
1.shironekoは黄色のザイルを外す。
2.akashoubin隊長がdeebさんのビレイで正規ルートを黄色のザイルで登り、shironekoに黄色ザイルを投下する。
3.shironekoは赤色ザイルを引きながら黄色ザイルをトップロープにして登る。
4.deebさんは赤色ザイルをトップロープにしてshironekoのギアを回収しながら登る。

akashoubin隊長は難なく正規ルートを突破し、shironekoに黄色ザイルを投下します。1投目は失敗しザイルを引き上げます。2投目も失敗。しかし、黄色ロープがフェース上で弓の字状にはまってしまい、引き上げられなくなってしまいました。
今度は黄色ザイルが要救助状態になってしまい、それをレスキューできるのはshironekoだけです。

shironekoが乗っている小枝はいつ折れてもおかしくない太さだったので、待っている間に上部小枝のイワシ支点に加え、草を束ねてしっかりしたイワシ支点を作っていました。
「この2つの支点をランナーにすれば、なんとか行ける」と心に決め、下にいるdeebさんに赤色ザイルのビレイをしてもらってからshironekoはセルフを外します。草を掴んで決死の覚悟で進み、何とか自力でフェースに取り付くことができました。黄色ザイルの救助にも成功し、あとはshironekoレスキュープラン通りにdeebさんが全部のギアを回収して登ってきてくれました。

やさしい人たちなので特に責められはしませんでしたが、shironekoはルートミスしたところで素直にクライムダウンしなかったことを猛烈に反省してお二人に陳謝。

でも、実際にこのような状況に陥っても冷静に対処できることが分かったのは収穫でした。shironekoは捨て縄もハーケンも十分持っていたので、黄色ザイルが使えなくなっても赤色ザイルだけでセルフレスキューできると考えていました。しかし、それにはリスクを伴う草付のクライムダウンを必要とします。最終的には黄色ザイルを目指しての突破を選択しましたが、ギアを持っていたことと、その術を知っていたことが冷静に対処できた一つの要因だったと思います。

いろんなことがあった1本でしたが、勉強になる貴重な経験を積むことができました。

akashoubin隊長、deebさん、ありがとうございました!

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