谷川岳 幽ノ沢V字状岩壁右ルート(痛恨のルートミスで救助される…)
- GPS
- 07:00
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 1,222m
- 下り
- 395m
コースタイム
13:00 終了点 〜 13:40 中芝新道 〜 15:40 芝倉沢出会い
天候 | くもり時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポスト:谷川岳登山指導センター GPSログ:GPS機器の電源が落ちたため途中まで |
写真
感想
今回はakashoubin隊長、deebさんの3人で幽ノ沢V字右へ行くことになりました。
星空の下、土合駅を出発。今日もいい天気になりそうです。
と思ったら、幽ノ沢に着いた瞬間からなんと雨が降り出しました。
しかもしっかり降ってきた。
カッパを着て「行けるところまで行きましょう」と出発します。
二俣下大滝手前で沢が大きく右に曲がる所が悪いです。
「足下が完全に濡れた状態で突破できるのか?…」と思いつつもそのまま突っ込みます。落ちても死にはしませんが下馬評通りとても悪かった。
大滝を左から越え、二俣を右に進みます。
右俣リンネトラバース開始点まで特に問題なくノーザイルで行けました。
3人でザイルを組むため、最も時間を短縮できる尺取虫方式で登ることにします。
全ピッチshironekoがリードを務めることになりました。
一面ガスに覆われており、雨も降りやみません。右俣リンネは完全に沢になっています。
黄色と赤のザイルを結んでいざ出発。
トラバースは50mロープでギリギリと聞いていたので途中の小尾根上のテラスで切ります。2ピッチでT2に到着。
見上げると岩は濡れており、視界も制限されているのでルートがよくわからない。
左ルート分岐点手前あたりのフェース上で先行パーティーの女性が我々の目の前で3メートルほどフォールします。フォローで登っていたため大事に至りませんでしたがビックリしました。無事で本当に良かった。
特に問題なく核心部の岩溝を突破し、フェース下でビレイします。
あと2ピッチ程で終了。でもここからが問題でした。
このフェースは左の草付側が正解ですが、右の草付側も簡単に登れそうなので右にルートを取ってみます。
このフェース、下から見ると簡単に見えますが、濡れた岩にアプローチシューズという状況だと少し難しい。しばらく上がるとルートが違うことに気づきます。
既にクライムダウンするのも厳しい状況ですし先はやはり簡単そうに見えるので突破を試みます。ずっと厳しい状況で草付きを20m程登ると、左側2m程にある程度ホールドのあるフェースが見えてきます。しかし、そこまでの草付にはホールドもステップも何もありません。懸垂できる支点も作れず、ここでshironekoは行き詰まってしまいました。
何とか小枝の上に乗り、細い枝にイワシで支点を作ってセルフを取ります。
akashoubin隊長からレスキュープランが説明されます。
<shironekoレスキュープラン>
1.shironekoは黄色のザイルを外す。
2.akashoubin隊長がdeebさんのビレイで正規ルートを黄色のザイルで登り、shironekoに黄色ザイルを投下する。
3.shironekoは赤色ザイルを引きながら黄色ザイルをトップロープにして登る。
4.deebさんは赤色ザイルをトップロープにしてshironekoのギアを回収しながら登る。
akashoubin隊長は難なく正規ルートを突破し、shironekoに黄色ザイルを投下します。1投目は失敗しザイルを引き上げます。2投目も失敗。しかし、黄色ロープがフェース上で弓の字状にはまってしまい、引き上げられなくなってしまいました。
今度は黄色ザイルが要救助状態になってしまい、それをレスキューできるのはshironekoだけです。
shironekoが乗っている小枝はいつ折れてもおかしくない太さだったので、待っている間に上部小枝のイワシ支点に加え、草を束ねてしっかりしたイワシ支点を作っていました。
「この2つの支点をランナーにすれば、なんとか行ける」と心に決め、下にいるdeebさんに赤色ザイルのビレイをしてもらってからshironekoはセルフを外します。草を掴んで決死の覚悟で進み、何とか自力でフェースに取り付くことができました。黄色ザイルの救助にも成功し、あとはshironekoレスキュープラン通りにdeebさんが全部のギアを回収して登ってきてくれました。
やさしい人たちなので特に責められはしませんでしたが、shironekoはルートミスしたところで素直にクライムダウンしなかったことを猛烈に反省してお二人に陳謝。
でも、実際にこのような状況に陥っても冷静に対処できることが分かったのは収穫でした。shironekoは捨て縄もハーケンも十分持っていたので、黄色ザイルが使えなくなっても赤色ザイルだけでセルフレスキューできると考えていました。しかし、それにはリスクを伴う草付のクライムダウンを必要とします。最終的には黄色ザイルを目指しての突破を選択しましたが、ギアを持っていたことと、その術を知っていたことが冷静に対処できた一つの要因だったと思います。
いろんなことがあった1本でしたが、勉強になる貴重な経験を積むことができました。
akashoubin隊長、deebさん、ありがとうございました!
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する