八ヶ岳春合宿① 横岳西壁 石尊稜
- GPS
- 18:01
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 1,755m
- 下り
- 1,033m
コースタイム
- 山行
- 9:10
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 10:34
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
取付手前までトレースあり |
その他周辺情報 | 八ヶ岳山荘:仮眠室1泊2000円 |
写真
感想
八ヶ岳での春合宿でクライミングチームは横岳西壁の石尊稜を登攀した。本来はアルパインクライミングのルートを他に2つ計画していたが、様々な事情から、本記録の石尊稜が今回の春合宿で唯一のアルパインクライミングとなった。
初日は前泊した美濃戸口の八ヶ岳山荘を3時に出発した。翌日に硫黄岳トレッキングに向かう5人と石尊稜クライミングに向かう我々3人と一緒に歩き出す。途中で様々なトラブルもあったが無事に赤岳鉱泉に前進基地となるテントを張ることができた。
登攀日は朝5時に出発した。前日にSLが石尊稜の取付まで偵察に行ってくれていたので、暗闇でも安心してトレースすることができた。しかし、肝心の石尊稜がどれか分からない。試しに探ってみた尾根は日ノ岳稜だった。そちらへ余計に登ってしまったので、恐ろしい雪壁のトラバースをして石尊稜へ取りついた。
1P目
通称、下部岩壁と云われるセクションである。ペツルが打ってあるが、なかなか侮れない登攀となった。特に最後は岩に砂利が乗っかっていて際どい登攀となった。緊張したせいか、プロテクションの取り方が悪くなり、ロープが重くなってしまった。
2P目
2メートルほどの岩壁を乗っこしたあと、雪稜に出る。
3P目
目の前の岩峰を左から巻くように登る。凍った草付きの壁が続き、ほとんどアイスクライミングのように感じた。
4P目
雪壁から岩壁に取り付く。プロテクションがあまりとれず、緊張した。
5P目
上部岩壁の直下まで、雪稜をコンテで登る。
6P目
通称、上部岩壁と云われるセクション。岩はしっかりしているが、リッジ状の地形のためか露出感がすごく、足がすくむ。
7P目
ルンゼを右上して稜線に出る。難しくない。後続をスタンディングアックス方式でビレイした。
石尊峰に出た後は地蔵尾根経由で赤岳鉱泉のベースキャンプに戻った。太平洋上の小さな低気圧の影響により、稜線に出た時には青空は無くなっていた。赤岳など周りの山がかろうじて見える程度である。本格的にガスる前にテントに戻るため、先を急ぐ。赤岳鉱泉に着いた時には疲労感がかなりあった。取付から緊張が続いたからであろう。今の我々の限界を感じた。これより上の難度の登攀はさらなる訓練が必要だろう。岩壁や雪壁、雪稜、凍った草付と変化に富んだ充実した登攀内容で達成感もありつつ、課題も見つかった登攀となった。
下見
前日に3人を連れて下見をした。人気ルートのためか入口にはトレースがあった。顕著な谷地形をつめて行くと小同心ルンゼ、三叉峰ルンゼとの出合を過ぎる。石尊稜は一見分かりずらい。三叉峰ルンゼ出合を過ぎてから少し谷地形を詰めるためだ。下見をしたがどの尾根か意見が分かれ当日現地での判断となった。ただ石尊稜は三叉峰ルンゼのすぐ脇と考えると、石尊稜の取り付きに続く尾根の末端は検討が付くはずだ。
数ピッチ登ってルート上にも関わらず、もう冬季登攀はしばらくいいかと思うほどおなか一杯になった。ただ雪稜・岩壁を超えて稜線につくとまた冬季登攀をしたくなっていた。冬山でリードしたいので、まずは初心に帰ってフリークライミングを鍛えようと思う。また現場で使えるレベルのセルフレスキュー、冬山での支点セット・確保技術を身に着けていきたい。
初めて冬のバリエーションルートを登った。沢山の反省点と目標が生まれたのでここに記しておきたい。
まず一つめの反省点は、下部岩壁の取り付きが分からなかったという事だ。前日は時間があったため偵察をしていたが取り付きが分からないまま引き返すこととなった。もっと地図読みと様々な人の報告書を読んで確認しておくべきだった。
次の反省点は、ついて行くのに精一杯だったという点だ。元々フォローでついて行く予定だったが、もっとリードの人が余裕を持って行ける様に様々な事を率先してすべきだったと思う。自分自身がフォローでついて行っているのに余裕が無く、しなければならない事を中々行動に移せなかった。
そして次に今回の登攀で生まれた目標は、石尊稜をリードで行ける様にならという事だ。今はただついて行くことに精一杯だが、これからも沢山の経験を積み重ねて行きリードをできる様にしたい。赤岳主稜をはじめとしたまだ沢山の登りたいルートがあるのでそういったルートで経験を積むことで、石尊稜をリードできる様になれたらベストだと思う。
まだバリエーションルートを行くようになって1年も経っていないど素人がついて行くには少し難易度が高かったとは思う。だからこそついて行けたという事実は誇りに思いつつ、今回の登攀で未熟さを感じた所をより改善できる様にしていきたい。そして多少の無理をしてでも沢山の練習をさせてくださった上に、本番はリードで連れて行ってくださった先輩の期待に応えられるようにしたい。
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