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Yamareco

記録ID: 524411
全員に公開
ハイキング
栗駒・早池峰

【栗駒作戦】栗駒山(表掛コース〜中央コース)【丙28.5】

2014年10月04日(土) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 岩手県 宮城県
 - 拍手
GPS
05:11
距離
15.3km
登り
903m
下り
891m

コースタイム

日帰り
山行
4:57
休憩
0:15
合計
5:12
9:42
13
表掛コース登山者専用P
9:55
38
岩魚沢
10:33
97
御沢入口
12:10
8
大地森コース分岐(下)
12:18
12:20
13
御室
12:33
10
湯浜コース分岐
12:43
10
大地森コース分岐(上)
12:53
13
13:06
13:08
4
14:02
14:13
41
14:54
表掛コース登山者専用P
天候 出発時は晴れだったが、日本海側から強風で運ばれた雲により、沢の途中で雨が降り始める。その後、断続的に小雨が降る。天気予報は日本海側を見るが吉。
過去天気図(気象庁) 2014年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
表掛け登山者専用駐車場
コース状況/
危険箇所等
表掛けコース:御沢入口から陵線に出るまで足元に注意しつつ、道を見失わないよう緊張感を持って進むべし。
中央コース:歩きやすい。
表掛けコース利用者専用駐車場に着いた時点では晴れていたが、陵線のこちら側だけ晴れていたということだ。
2014年10月04日 09:43撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 9:43
表掛けコース利用者専用駐車場に着いた時点では晴れていたが、陵線のこちら側だけ晴れていたということだ。
それでは出発。
2014年10月04日 09:46撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 9:46
それでは出発。
出発当初は青空。
2014年10月04日 09:47撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 9:47
出発当初は青空。
入ってすぐの道の状況
2014年10月04日 09:48撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 9:48
入ってすぐの道の状況
小さい沢を十数か所か、それ以上渡る。
2014年10月04日 09:49撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 9:49
小さい沢を十数か所か、それ以上渡る。
岩魚沢の辺り
2014年10月04日 09:59撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 9:59
岩魚沢の辺り
茂みが迫ってくる。刈り払いはされているが、数十cm残っている茎で滑る。
2014年10月04日 10:04撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:04
茂みが迫ってくる。刈り払いはされているが、数十cm残っている茎で滑る。
沢が深くえぐれており、1mほど降りてから向こうに渡る。
2014年10月04日 10:17撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:17
沢が深くえぐれており、1mほど降りてから向こうに渡る。
ちょっと色づいてきた。
2014年10月04日 10:28撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:28
ちょっと色づいてきた。
森の中の湿地
2014年10月04日 10:35撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:35
森の中の湿地
御沢入口。ここから石飛び八里と言われる沢沿いの遡行。
2014年10月04日 10:37撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:37
御沢入口。ここから石飛び八里と言われる沢沿いの遡行。
赤茶けた川底
2014年10月04日 10:38撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:38
赤茶けた川底
沢沿いに歩くと言うより、沢の中を歩く。さすがに水の中には入らないが。
2014年10月04日 10:40撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:40
沢沿いに歩くと言うより、沢の中を歩く。さすがに水の中には入らないが。
崩れた跡
2014年10月04日 10:41撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:41
崩れた跡
印は薄い。見落とさないように。
2014年10月04日 10:44撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:44
印は薄い。見落とさないように。
大きい岩を乗り越えていく。
2014年10月04日 10:50撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:50
大きい岩を乗り越えていく。
2014年10月04日 10:51撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:51
夏場など快適だろう。
2014年10月04日 10:52撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:52
夏場など快適だろう。
たまにあるプレートをチェック。
2014年10月04日 10:54撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:54
たまにあるプレートをチェック。
色づく木々が増す。
2014年10月04日 10:54撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:54
色づく木々が増す。
2014年10月04日 10:56撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 10:56
このプレートで終わりかな?と思ったが、
2014年10月04日 11:07撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:07
このプレートで終わりかな?と思ったが、
まだ続く。
2014年10月04日 11:10撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:10
まだ続く。
ちょっと、雲行きが怪しくなってきた。
2014年10月04日 11:18撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:18
ちょっと、雲行きが怪しくなってきた。
小さい滝ができている。
2014年10月04日 11:28撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:28
小さい滝ができている。
こりゃあ雨が降ると危険だな。
2014年10月04日 11:36撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:36
こりゃあ雨が降ると危険だな。
2014年10月04日 11:39撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:39
紅葉の色も濃し。ちなみにこの先は行かない。
2014年10月04日 11:40撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
10/4 11:40
紅葉の色も濃し。ちなみにこの先は行かない。
これで沢を上がれるかな?
2014年10月04日 11:40撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:40
これで沢を上がれるかな?
と思ったら、まだまだ。
2014年10月04日 11:42撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:42
と思ったら、まだまだ。
たまに沢を離れるが、道が酷い。そして、また沢へ。
2014年10月04日 11:49撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:49
たまに沢を離れるが、道が酷い。そして、また沢へ。
雨宿りをしても時間の無駄なようだ。
2014年10月04日 11:50撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:50
雨宿りをしても時間の無駄なようだ。
岩がでかくなってきたのは陵線が近い証、と思う。
2014年10月04日 11:51撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:51
岩がでかくなってきたのは陵線が近い証、と思う。
名も無い滝が流れ落ちている。
2014年10月04日 11:52撮影 by  DSC-WX200, SONY
2
10/4 11:52
名も無い滝が流れ落ちている。
紅葉もくすむなあ。
2014年10月04日 11:52撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:52
紅葉もくすむなあ。
ようやく沢を離れるときが来た。
2014年10月04日 11:53撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 11:53
ようやく沢を離れるときが来た。
陵線も近い。が、最後まで気を緩めることができない。
2014年10月04日 12:05撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:05
陵線も近い。が、最後まで気を緩めることができない。
最後にここを上る。
2014年10月04日 12:11撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:11
最後にここを上る。
上ったところは草原で、
2014年10月04日 12:12撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
10/4 12:12
上ったところは草原で、
その先に分岐あり。
2014年10月04日 12:13撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:13
その先に分岐あり。
山頂の方は視界悪し。道迷いに注意。
2014年10月04日 12:13撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
10/4 12:13
山頂の方は視界悪し。道迷いに注意。
どこが道やら踏み跡やら。
2014年10月04日 12:15撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:15
どこが道やら踏み跡やら。
斜面に雪がまだ残っていた。
2014年10月04日 12:16撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:16
斜面に雪がまだ残っていた。
御室
2014年10月04日 12:22撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:22
御室
使おうと思っていた道が通れない。迂回だ。
2014年10月04日 12:22撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:22
使おうと思っていた道が通れない。迂回だ。
これを見つけるのに手間取った。
2014年10月04日 12:33撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:33
これを見つけるのに手間取った。
湯浜コースとの合流。
2014年10月04日 12:36撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:36
湯浜コースとの合流。
薄っすらと山頂部分が見えてきた。
2014年10月04日 12:47撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:47
薄っすらと山頂部分が見えてきた。
そうそう。雨が降ったのに引き返さなかったのは、下りは危ないと思ったから。
2014年10月04日 12:49撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
10/4 12:49
そうそう。雨が降ったのに引き返さなかったのは、下りは危ないと思ったから。
全面茶色
2014年10月04日 12:52撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
10/4 12:52
全面茶色
強風吹きすさぶ天狗平到達。さっさと山頂を経て降りよう。
2014年10月04日 12:56撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:56
強風吹きすさぶ天狗平到達。さっさと山頂を経て降りよう。
道が細い。須川または天馬尾根方面から天候がイマイチにも関わらず登って来る人が次々と。
2014年10月04日 12:57撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 12:57
道が細い。須川または天馬尾根方面から天候がイマイチにも関わらず登って来る人が次々と。
稜線の泥濘
2014年10月04日 13:05撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:05
稜線の泥濘
須川からの風強く、火山ガスの匂いがプンプンする。
2014年10月04日 13:06撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:06
須川からの風強く、火山ガスの匂いがプンプンする。
栗駒山山頂到達。辺りは真っ白。
2014年10月04日 13:09撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:09
栗駒山山頂到達。辺りは真っ白。
山頂には十名程いたかな。
2014年10月04日 13:11撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:11
山頂には十名程いたかな。
当初予定では裏掛コースだったが、最も安全と思われる中央コースを下る。
2014年10月04日 13:12撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:12
当初予定では裏掛コースだったが、最も安全と思われる中央コースを下る。
東栗駒分岐
2014年10月04日 13:15撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:15
東栗駒分岐
晴れていたら色が映えるだろうに。
2014年10月04日 13:15撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:15
晴れていたら色が映えるだろうに。
丸い石が転がるコース
2014年10月04日 13:17撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:17
丸い石が転がるコース
ただ、雨風さえなければ、霧中の散歩もまた良し。
2014年10月04日 13:22撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:22
ただ、雨風さえなければ、霧中の散歩もまた良し。
赤く染まった山肌
2014年10月04日 13:23撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
10/4 13:23
赤く染まった山肌
こちらも赤い。
2014年10月04日 13:23撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:23
こちらも赤い。
紅葉は今が盛り。
2014年10月04日 13:27撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:27
紅葉は今が盛り。
一瞬、晴れ間ともいえない晴れ間。その後、雨がまた降り出す。
2014年10月04日 13:32撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:32
一瞬、晴れ間ともいえない晴れ間。その後、雨がまた降り出す。
下界が見えてきた。
2014年10月04日 13:32撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:32
下界が見えてきた。
路傍の紅葉が、
2014年10月04日 13:47撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:47
路傍の紅葉が、
太陽が当たると、こんなに輝く。
2014年10月04日 13:48撮影 by  DSC-WX200, SONY
2
10/4 13:48
太陽が当たると、こんなに輝く。
下の方は晴れているのかしら?
2014年10月04日 13:48撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:48
下の方は晴れているのかしら?
晴れ間と言うより、雲の切れ間と言った方が正しい。
2014年10月04日 13:51撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:51
晴れ間と言うより、雲の切れ間と言った方が正しい。
真っ赤っ赤。
2014年10月04日 13:52撮影 by  DSC-WX200, SONY
3
10/4 13:52
真っ赤っ赤。
今回は晴れ間があっただけでも良しとしよう。
2014年10月04日 13:54撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 13:54
今回は晴れ間があっただけでも良しとしよう。
レストハウス
2014年10月04日 14:05撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 14:05
レストハウス
再度黒雲に覆われる。
2014年10月04日 14:08撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 14:08
再度黒雲に覆われる。
レストハウス前の紅葉
2014年10月04日 14:12撮影 by  DSC-WX200, SONY
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10/4 14:12
レストハウス前の紅葉
レストハウス裏、東栗駒方面の紅葉
2014年10月04日 14:13撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
10/4 14:13
レストハウス裏、東栗駒方面の紅葉
眼下に広がる宮城の原。
2014年10月04日 14:13撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 14:13
眼下に広がる宮城の原。
今度は絶好の晴天を狙って来よう。
2014年10月04日 14:16撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
10/4 14:16
今度は絶好の晴天を狙って来よう。
以降、九十九折の車道を下る。
2014年10月04日 14:19撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 14:19
以降、九十九折の車道を下る。
下りながら紅葉を見たり、
2014年10月04日 14:31撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
10/4 14:31
下りながら紅葉を見たり、
西側に広がる景色を見たり。
2014年10月04日 14:39撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 14:39
西側に広がる景色を見たり。
最後に虹を見ることができた。天然の虹を見るのは何年ぶりだろうか。
2014年10月04日 14:43撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
10/4 14:43
最後に虹を見ることができた。天然の虹を見るのは何年ぶりだろうか。
駐車場に帰還。一時はどうなることかと思ったが、何とか無事帰ることができた。ありがたや。
2014年10月04日 14:57撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 14:57
駐車場に帰還。一時はどうなることかと思ったが、何とか無事帰ることができた。ありがたや。
翌日に備え、宿をとる。
2014年10月04日 17:32撮影 by  DSC-WX200, SONY
10/4 17:32
翌日に備え、宿をとる。
撮影機器:

感想

ここ数年、岩手、宮城、福島の山々を巡っているが、今年は栗駒をこの時期にとっておいた。色鮮やかな紅葉を期待してのことである。今後、東北山行は青森、秋田、山形にも広げていく考えでいるが、その前に宮城の秀峰、栗駒山(岩手からは須川岳、秋田からは大日岳)を歩いておきたい。

先週、榛名から丹沢と歩き回ったばかりだが、次の土日も連続で晴れが期待できるということで、宮城・岩手・秋田県境にある栗駒山の紅葉を楽しむこととした。

前日の天気予報では、太平洋側は晴れ、日本海側は雨となっており、一抹の不安はあったが、当日一番の新幹線で宮城に向かう。車窓から見ると、山の方は雲が多めだったが、とりあえず上の方は晴れているので、山麓へ向かう。

【駐車場〜御沢入口】
陽光降り注ぐ表掛けコース登山者専用(!)駐車場は数十台駐車可能。車に気をつけつつ道路を渡ると、すぐに山道に入る。道は刈り払われているが、根元の数十cmほどが残っていて、それを踏むと滑るので要注意だ。小さな沢を二十以上渡るが、水量は微々たるものなので、さほど苦にはならない。

【いわゆる石飛八里】
その名の通り、「石飛八里」としか言いようが無い。結構水量もある沢の中、大きな石を八艘飛びよろしくポンポンと渡っていく。たまに中州のような低木帯を歩くこともあるが、藪が茂って歩くのが大変だ。また、ペンキ矢印が薄くなっているので、気をつけないと進行方向を見失いかねない。水場なので足元に注意すべきは当然だが、30m程先も確認しながら進むこと。なお、小さなのは分からないが、大きな沢の分岐では、進行方向でない方の沢にはテープが張ってある。面倒くさくなったら、ずっと沢の中を上っていくと良いのかもしれないが、所々深さがあるので気をつけよう。
道中、目測を見誤って右足を水の中に突っ込んだり、ライトグレーのセメント状の泥濘(御嶽山の火山灰も水を吸うとこんな感じになっているのだろうか)に左足をとられたりしながらも何とか遡っていく。
ところが、道も半ばと思った頃、何やらポツポツと体に当たる。最初はまさかね、と思ったのだが、それが雨なのは疑いようも無かった。沢を歩いている時に雨が降るなど危険極まりない。が、一時的なものかも知れず、しばらく様子を見ようと引き続き石を飛び飛び沢を上がっていく。ところが、ポツポツがシトシトになって、いよいよ危機感が増す。山の方でこの程度の小雨であれば、いきなり沢が増水するようなことは無かろうが、さて、引き返すか、それとも、沢を登りきって尾根に上がってしまうのが吉か。雨が降り始めて下山者1名と擦れ違った際、「どこまで行くの?」と問われたが、普段であれば、山頂まで行くんだろうなと思うところを敢えて訊いてきたあたり、あまりに場違いな奴がいると思われたのだろう。「必ず無事に帰るぞ」と決意も新たに冷静に考えをまとめる。
まず、引き返すとした場合、既に結構な距離を上がってきていたため、戻るとすれば、また沢の中を長時間歩かなければならない。その沢は雨の中では水量も増えているだろうし、ぴょんぴょん跳んできた岩は当然濡れているし、何より上りで進む先を確かめ確かめ来た道だ。下りはさらに進む先の判断が難しいだろう。また、変に焦ってしまって転倒滑落ということもあり得る。
次に山頂に歩を進める場合。風が非常に強く、トムラウシ遭難事件が脳裏を過ぎったが、ここは東北の秋山、防寒対策はしっかりしている。体も濡れていないし、さっさと沢から上がって山頂を目指し、早々に中央コースを下るのが最も安全だろう。
ということで死中に活を求めるべく前進を続けた。間もなく沢を離れ、切り立った崖っぷちを経て陵線の末端に着く。
それにしても長かった。まさに石飛八里だ。

【御室〜天狗平】
沢を登りきったは良いのだが、上がった所は誰もいない真っ白な世界。幸い雨は一休みだが、どうも道が不明瞭だ。所々にあるピンクテープも確認しつつ、霧の向こうの岩の壁に近づいていく。すると、そこが御室だった。ここまでは良し。だが、進もうと思っていた道が通行止め。やむを得ず、湯浜コース方向の西側ルートに迂回する。どうも雨の重みで草が道の上に倒れこんでいるのか、これまた道が不明瞭だ。雨が再度降り出す。最悪のコンディションだが、こんな時こそ落ち着きが必要だ。進んだ先に道が無さそうなので、辺りを見回す。どうもあの辺りから抜けられそうだと上っていった先に、はたしてロープが垂れていた。
ロープを持ってよじ登れば、あとの道は明瞭、間もなく強風吹きすさぶ天狗平に至る。

【天狗平から山頂を経ていわかがみ平へ】
天狗平に至ると須川方面からポツポツと人が出てくる。これで一人きりの山行は終わり。それにしても須川方面からの風が強く、硫黄の匂いが陵線を覆う。風速は日本気象協会 tenki.jpの風速予測の通り、14〜15mといったところか。時折小雨が吹き付けるが、低木に身を隠してやり過ごせる。これなら問題無い。
ようやく到達した山頂も相変わらず真っ白。その割には意外と人がおり、また、一人、また一人と上がってくる。特にいわかがみ平から来る人は、登り始めの時点から曇天強風と分かりきっていたと思うが、物好きもいるものだ。ただ、雨さえ降らなければ、雲の中の散策も幻想的で悪くない。
山頂の祠にご挨拶し、中央コースを下りる。開けたところでは風が強いが、大体は低木帯によって身が守られる。風が強いため、雨雲が来れば雨が降り、去れば雨が止み、切れれば晴れ間が垣間見えるという状況。天気が変わりやすいというよりも、全て曇天強風下の一事象に過ぎない。

下るにつれ山肌が色づいてきて、晴れていればさぞかし綺麗だろう、惜しいなあとつくづく思う。これはまた来いということだ。来年か再来年か、次来る時は絶好の快晴下、栗駒を闊歩しよう。
とりあえず、今回は二日目もあることだ。山にかかる虹を眺めながら、「まだだ!まだ終わらんよ!」と栗駒山を後にした。

〜翌日の「須川作戦」につづく〜

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