【栗駒作戦】栗駒山(表掛コース〜中央コース)【丙28.5】
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- GPS
- 05:11
- 距離
- 15.3km
- 登り
- 903m
- 下り
- 891m
コースタイム
- 山行
- 4:57
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 5:12
天候 | 出発時は晴れだったが、日本海側から強風で運ばれた雲により、沢の途中で雨が降り始める。その後、断続的に小雨が降る。天気予報は日本海側を見るが吉。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
表掛けコース:御沢入口から陵線に出るまで足元に注意しつつ、道を見失わないよう緊張感を持って進むべし。 中央コース:歩きやすい。 |
写真
感想
ここ数年、岩手、宮城、福島の山々を巡っているが、今年は栗駒をこの時期にとっておいた。色鮮やかな紅葉を期待してのことである。今後、東北山行は青森、秋田、山形にも広げていく考えでいるが、その前に宮城の秀峰、栗駒山(岩手からは須川岳、秋田からは大日岳)を歩いておきたい。
先週、榛名から丹沢と歩き回ったばかりだが、次の土日も連続で晴れが期待できるということで、宮城・岩手・秋田県境にある栗駒山の紅葉を楽しむこととした。
前日の天気予報では、太平洋側は晴れ、日本海側は雨となっており、一抹の不安はあったが、当日一番の新幹線で宮城に向かう。車窓から見ると、山の方は雲が多めだったが、とりあえず上の方は晴れているので、山麓へ向かう。
【駐車場〜御沢入口】
陽光降り注ぐ表掛けコース登山者専用(!)駐車場は数十台駐車可能。車に気をつけつつ道路を渡ると、すぐに山道に入る。道は刈り払われているが、根元の数十cmほどが残っていて、それを踏むと滑るので要注意だ。小さな沢を二十以上渡るが、水量は微々たるものなので、さほど苦にはならない。
【いわゆる石飛八里】
その名の通り、「石飛八里」としか言いようが無い。結構水量もある沢の中、大きな石を八艘飛びよろしくポンポンと渡っていく。たまに中州のような低木帯を歩くこともあるが、藪が茂って歩くのが大変だ。また、ペンキ矢印が薄くなっているので、気をつけないと進行方向を見失いかねない。水場なので足元に注意すべきは当然だが、30m程先も確認しながら進むこと。なお、小さなのは分からないが、大きな沢の分岐では、進行方向でない方の沢にはテープが張ってある。面倒くさくなったら、ずっと沢の中を上っていくと良いのかもしれないが、所々深さがあるので気をつけよう。
道中、目測を見誤って右足を水の中に突っ込んだり、ライトグレーのセメント状の泥濘(御嶽山の火山灰も水を吸うとこんな感じになっているのだろうか)に左足をとられたりしながらも何とか遡っていく。
ところが、道も半ばと思った頃、何やらポツポツと体に当たる。最初はまさかね、と思ったのだが、それが雨なのは疑いようも無かった。沢を歩いている時に雨が降るなど危険極まりない。が、一時的なものかも知れず、しばらく様子を見ようと引き続き石を飛び飛び沢を上がっていく。ところが、ポツポツがシトシトになって、いよいよ危機感が増す。山の方でこの程度の小雨であれば、いきなり沢が増水するようなことは無かろうが、さて、引き返すか、それとも、沢を登りきって尾根に上がってしまうのが吉か。雨が降り始めて下山者1名と擦れ違った際、「どこまで行くの?」と問われたが、普段であれば、山頂まで行くんだろうなと思うところを敢えて訊いてきたあたり、あまりに場違いな奴がいると思われたのだろう。「必ず無事に帰るぞ」と決意も新たに冷静に考えをまとめる。
まず、引き返すとした場合、既に結構な距離を上がってきていたため、戻るとすれば、また沢の中を長時間歩かなければならない。その沢は雨の中では水量も増えているだろうし、ぴょんぴょん跳んできた岩は当然濡れているし、何より上りで進む先を確かめ確かめ来た道だ。下りはさらに進む先の判断が難しいだろう。また、変に焦ってしまって転倒滑落ということもあり得る。
次に山頂に歩を進める場合。風が非常に強く、トムラウシ遭難事件が脳裏を過ぎったが、ここは東北の秋山、防寒対策はしっかりしている。体も濡れていないし、さっさと沢から上がって山頂を目指し、早々に中央コースを下るのが最も安全だろう。
ということで死中に活を求めるべく前進を続けた。間もなく沢を離れ、切り立った崖っぷちを経て陵線の末端に着く。
それにしても長かった。まさに石飛八里だ。
【御室〜天狗平】
沢を登りきったは良いのだが、上がった所は誰もいない真っ白な世界。幸い雨は一休みだが、どうも道が不明瞭だ。所々にあるピンクテープも確認しつつ、霧の向こうの岩の壁に近づいていく。すると、そこが御室だった。ここまでは良し。だが、進もうと思っていた道が通行止め。やむを得ず、湯浜コース方向の西側ルートに迂回する。どうも雨の重みで草が道の上に倒れこんでいるのか、これまた道が不明瞭だ。雨が再度降り出す。最悪のコンディションだが、こんな時こそ落ち着きが必要だ。進んだ先に道が無さそうなので、辺りを見回す。どうもあの辺りから抜けられそうだと上っていった先に、はたしてロープが垂れていた。
ロープを持ってよじ登れば、あとの道は明瞭、間もなく強風吹きすさぶ天狗平に至る。
【天狗平から山頂を経ていわかがみ平へ】
天狗平に至ると須川方面からポツポツと人が出てくる。これで一人きりの山行は終わり。それにしても須川方面からの風が強く、硫黄の匂いが陵線を覆う。風速は日本気象協会 tenki.jpの風速予測の通り、14〜15mといったところか。時折小雨が吹き付けるが、低木に身を隠してやり過ごせる。これなら問題無い。
ようやく到達した山頂も相変わらず真っ白。その割には意外と人がおり、また、一人、また一人と上がってくる。特にいわかがみ平から来る人は、登り始めの時点から曇天強風と分かりきっていたと思うが、物好きもいるものだ。ただ、雨さえ降らなければ、雲の中の散策も幻想的で悪くない。
山頂の祠にご挨拶し、中央コースを下りる。開けたところでは風が強いが、大体は低木帯によって身が守られる。風が強いため、雨雲が来れば雨が降り、去れば雨が止み、切れれば晴れ間が垣間見えるという状況。天気が変わりやすいというよりも、全て曇天強風下の一事象に過ぎない。
下るにつれ山肌が色づいてきて、晴れていればさぞかし綺麗だろう、惜しいなあとつくづく思う。これはまた来いということだ。来年か再来年か、次来る時は絶好の快晴下、栗駒を闊歩しよう。
とりあえず、今回は二日目もあることだ。山にかかる虹を眺めながら、「まだだ!まだ終わらんよ!」と栗駒山を後にした。
〜翌日の「須川作戦」につづく〜
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