八幡平で高原逍遥 茶臼岳から往復
- GPS
- 09:04
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 565m
- 下り
- 556m
コースタイム
- 山行
- 5:53
- 休憩
- 3:03
- 合計
- 8:56
天候 | 曇り時々晴れ のちピーカン |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
宿泊した横手から、当初の目的地神室山の西ノ又登山口に向かうが、林道が思いのほか荒れていて我が家のBMWでは走行困難。 急きょ八幡平に行き先を変更し、秋田道、東北道で北上し松尾八幡平ICへ。 ここからアスピーテラインで茶臼岳登山口駐車場に6時半に到着。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◎茶臼岳登山口 八幡平・茶臼岳の南東側アスピーテライン(県道23号)の途中にありバス停横に駐車スペースがある。 東北道松尾八幡平ICから約21キロ、30分。 駐車スペースは砂利で区画なし、5台程度駐車可能。 紅葉シーズンの休日などは早朝で駐車スペースが埋まってしまうことが多いようだ。 アスピーテラインの開通期間は4月上中旬から10月末まで。 ◎茶臼岳登山口〜源太森 火山特有の溶岩がごろつき歩きづらい部分はあるが、コースを通じて特に危険な場所はない。 八幡平の喧騒とは別世界でハイカーは多くなく静かな山行が楽しめる。 茶臼岳山頂は岩手山や裏岩手縦走コース、眼下に点在する沼の好展望台となっている。 茶臼岳への登り口には茶臼山荘が立っており、洋式のバイオトイレが設置されており利用価値大である。 ◎源太森〜八幡平山頂 源太森は八幡池を遠望できる展望台で、ここを境に人の数が一変する。 源太森から先はいわゆる『観光地』であり滑り止めの付いた木道が設置され、観光客や軽装のハイカーが多数徘徊している。 人の多さは煩わしくても、深田久弥が高原逍遥と評した広大な湿原と針葉樹の森は素晴らしいの一言に尽きる。 八幡平山頂は、アオモリトドマツの樹林の中の切開きにあり、あくまでも八幡平の最高点という意味合いしかない。 名物のデッキは老朽化から改築が進められていたが、前日10月10日に無事竣工したようだ。 デッキ上には深田の高原逍遥の一文が刻まれたプレートが設置されている。 |
写真
感想
10日に早池峰山から下山後、釜石道〜東北道〜秋田道で横手の『クォードインyokote』にチェックイン。
横手にはルートインもあったが、ほぼ同じ料金でスパもついていることから宿泊はこのホテルにした。
11日は神室山に登るべく、3時に起床、4時にチェックアウトして登山口のある湯沢雄勝の役内へと向かった。
ところが役内集落を過ぎて西ノ又登山口へと向かう林道が予想以上に荒れていて、我が家のBMWでは到底走行不能。
登山口まであと2キロ、林道を歩いても30分かそこらであり、そこから歩くという選択肢もあった。
ただ、ふと昨日捻挫して足を痛めた嫁の足ではハードな神室山を歩くのは心もとない、車で入れないということは何かの暗示かもしれない??と思い、思い切って神室山は断念することにした。
では代わりにどこへ登るか??
頭に浮かんだのが栗駒山と八幡平。
雄勝からの距離でいえば断然栗駒山が近く、秣岳と組み合わせれば歩きごたえのあるルート設定も可能だ。
でもなぜか、気が付けば車を八幡平へと走らせていた自分があった。
このあたりの心の機微は自分でもよくわからない。
秋田道〜東北道〜アスピーテラインと車を飛ばし、雄勝から1時間ちょっとで登山口の茶臼口に到着。
本当は秋田側の蒸ノ湯から登る腹積もりだったが、茶臼口に練馬ナンバーのベンツの四駆が止まっているのを見て急きょここから登ることにした。
茶臼口から登るまでのいきさつはかなり直情的な決断が続いたわけだ。
八幡平は山歩きの対象としては2度目で、前回は20年前の9月、蒸ノ湯から登り源太森まで往復した。
それ以外にドライブのついでに湿原を散策したことが数度あるが、茶臼口から登るのは初めてだ。
茶臼岳の肩にある茶臼山荘までは1時間弱、例のごとく腰痛のため出だしはコースタイム以上に時間がかかる。
小屋から山頂までは5分ほど。見晴らしのいい展望台だが、早朝は秋田駒や八幡平には雲がかかりお世辞にもすっきりした眺望とは言い難い。
茶臼山荘には洋式のバイオトイレが二つあり、登山口にトイレがないことから利用価値の大きな小屋である。
黒谷地まで溶岩隻のごろつく歩きにくい道を下り、源太森へは緩やかに登り返す。
源太森は八幡平東端の展望台で八幡沼を始め八幡平核心部を箱庭のように俯瞰できる。
源太森を過ぎると、そこはもう観光地であり、詳しくコメントする必要もないだろう。
八幡平の最高点という意味合いしかないお世辞にもピークと言えない頂上を踏み、八幡沼の南側を回遊して源太森から黒谷地へと戻り、ここで食事大休止。
黒谷地なら静かだろうと踏んだが、見返峠では駐車場待ちの渋滞が起こっており、あぶれたハイカーが黒谷地から登ってくるため意外に騒がしい。
それでもたまたま通りがかった環境省嘱託の管理人さんとお話ができ有意義な時間を過ごすことができた。
あとは往路を戻るだけ、茶臼岳を過ぎると朝は逆光だった岩手山が秋の日差しに照らされ凛々しい姿を見せていた。
断念した神室山のピンチヒッターとして急きょ向かった八幡平だったが、頂上の湿原帯は草紅葉のピーク。
晴れあがった秋の空の下、アオモリトドマツの森林と大小の沼や池塘めぐりの山歩きはハードな登山では味わえないゆるゆるとした時間を過ごすことができる。
深田は八幡平についてこう書いている。
『一枚の大きな平坦な原ではなく、緩い傾斜を持った高低のある高原で、気持ちのいい岱を一つ横切ると見事な原始林へ入ったり、一つの丘を越すと思いがけなく沼があったりして、その変化のある風景が面白い。』
そしてそれらを『高原逍遥』という言葉で表現している。
深田が遊ぶ山と評した霧ヶ峰や美ヶ原同様、八幡平もピークを踏むことにさしたる意味はなく、高原をのんびりと浮遊することに価値を見出す山だと思う。
それには見返峠からちょこっと湿原を回るのではなく、茶臼口や蒸ノ湯から歩き森林を抜けた先の広大な湿原へ飛び出したときの感動こそがこの山の真価なんだろう。
まさに『高原逍遥』を満喫できた一日だった。
下山後は東北道を北上して十和田ICで下り、国道103号で大舘へ。
直前の予約で周辺ではそこしか空きのなかった大舘のアネックスロイヤルホテルにチェックイン。
喫煙室しか空きがなく、事前に空気清浄器の設置と消臭をお願いしていたが、部屋は全くタバコのにおいはなく一安心。
宿泊にセットとなっていた夕食のすき焼きも、正直まったく期待してなかったが、意外に肉が柔らかく悪くはなかった。
翌日は大舘から阿仁に南下して森吉山に登る予定。
天気予報は降水確率0%の快晴予報。
コメント
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拙者は約10年前に、同じく茶臼口から八幡平まで歩いて、バスで茶臼口まで戻ってレンタカーを回収しました。
季節は9月中旬だったでしょうか。
やはり八幡平山頂に近づくにつれて、観光客が多くなりましたね。
あまりにも簡単に到達でき、それに眺望のない山頂だけに、駐車場から往復するだけでは詰まんないですね。
神室山への第一関門は林道にあり・・ですか!
隊長
隊長、おはようございます。
我が家も帰りはバスの予定だったんですが、財布を忘れてしまって…
でもおかげで、光線の条件がいい中で岩手山を撮ることができたのでOKとします。
神室山ですが、鳥居の前から歩くことにするか?周回コースの取れる根の先コースを選択してみます。
match1128さん、おはようございます。
アスピーテラインの駐車場待ち渋滞は凄いですね
お手軽にこのような景色が見られるので人気があるんですね
空も湖面も最高のブルーですよ!
駐車時のドアパンチは嫌ですから必然的に隣の車両は選んでしまいますよね
マコトさん、こんにちは。
昼ごろには駐車待ち30分くらいだったようです。
八幡平の稜線は草紅葉の色づきがちょうどいい按配で、空と沼の青とマッチしていました。
青空と八幡沼の絶妙な青の共演が綺麗です。
2年前の5月に同じ場所に駐車して同じコースを歩きました。八幡沼も雪に埋まっていて、地形の違いからか岩手山に比べて格段に残雪が多いのに驚きました。
秋に再訪したいと思っていました。同じコースだけに、秋空の下実際に歩いた気になり、得した気分になりました。
mtkenさん、コメントありがとうございます。
雪景色とは全く様相が違うでしょうね。
深田久弥もこの山は山スキーがお薦めと書いていますので、雪の八幡平も体験してみたいものですが、我が家にはそんな気力もパワーもありません。
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