【丹沢】愚かなり。復帰戦に大倉尾根を選択し撃沈する。
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.9km
- 登り
- 1,265m
- 下り
- 1,265m
コースタイム
- 山行
- 5:55
- 休憩
- 1:52
- 合計
- 7:47
▼写真が存在する地点の時刻のみを記載しているので、正確性は大きくは損なわれていないと思われる。傾向としては、到着時刻はほぼ正確だが、出発時刻は不明な箇所が多く、便宜上10分程度の休憩だろうと割り切った入力をしていることが多い。
天候 | ▼久しぶりに山に行こうと思ったのは、年度が替わり気持ちに変化が出たことに拠るところが大きいかもしれない。只、絶対に行こうという強い意志が伴ったのは週末金曜日の仕事終わりの電車の中だった。帰宅後に翌日の山行の為の準備をする気力は湧かなかったので、この時点で必然的に決行日は日曜日と定まった。 ▼食料品調達や準備に費やした土曜日は、天気が良かった。翌日曜日の天気予報では、遅くに雨が降る可能性が指摘されていたが、てんくらの登山指数は日中はAを維持していたと思う。 ▼山行当日が来た。早朝起床後、すぐに前日に用意していた朝食を自分の部屋で摂った後、自宅を出る。春分の日を既に過ぎているが、関東地方の午前5時前の空はまだそれほど明るくない。それでも雲が大部分を覆っていることはなんとなく分かったが、晴れなくても良い、眺望無くても良い、どのくらい足が鈍っているかを確かめるのが本日最大の目的なのだからと負け惜しみ要素は一切なくそう思えた。 ▼7時前に渋沢着。北口駅建屋に掛かる歩道橋から富士山を確認することなく、座席確保のために改札口からバス停に一直線に急いだのは、この天気ではどうせ見えないという確信というよりかは諦念と表現した方が相応しい感情があったからと思う。 ▼7時15分、大倉バス停着。首に手ぬぐいを巻くだけの登山準備を済ませて、すぐに出発。10回目くらいの大倉尾根でも久しぶりの山行に心が早っているのが分かる足運び、ストライドを小さく、ペースも控えめにと自分に言い聞かせながら坂道を登って行った。途中、八重桜らしき花が、満開一歩手前の状態ではあったが咲き誇っている。山にいかずウジウジしていた3カ月の間に、確実に冬は去っていったみたいだが、日がないと少し肌寒い。フリースは脱がずに登り始めた。 ▼舗装路が、登山道に変わる辺りで、何かが明らかにパラパラと道脇の下草を叩く音がする。雨かと思うが、露出した肌に雨滴は感じないし、地面に濡れた跡も一切ない。空を見上げると雨を降らせる様な重く厚く暗い雲もない。気のせいかと思って、坂を登っていくが、再度パラパラという音がする。後ろのパーティーも雨?違うのではないか?という会話をしている。相変わらず路面に濡れた形跡は無い。首をかしげながら登っていく。三度目の音。路面に何か小さな粒が跳ねた気がした。どうも霰の様だ。通り雨ならぬ、通り霰。この場合嫁入りしている物の怪は、キツネではなく何なのだろうかとぼんやり考え観音茶屋、見晴らし茶屋と高度を上げて行くが、後続に次々と抜かれていく。意図的にこの速度で巡航しているわけではなく、息苦しさもなく、心地よいのがこのペースの筈なので、今日は終始この相当遅いペースで頂上まで行くのだろうと自覚が出来た。 ▼見晴らし茶屋裏の、最初の階段地獄を登りきると現れる平らな部分には、私が好きなマメザクラが咲いている。ソメイヨシノが都心部で盛りを過ぎても、マメザクラの開花状況は大分遅いはずが、果たしてどうだ?と思いながら辿りついた先には、感覚的には四・五分咲きのマメザクラが待っていた。撮影しようとレンズを向けたが、曇天ならではの光量不足で暗い仕上がりにしかならないことが判明したので、撮影は断念した。 ▼相変わらず息苦しさはないものの、ペースは遅いまま登山を続けている。堀山の家手前辺りから、風が吹きつけてくる様になり、体が急速に冷えていくことを実感した。塔ノ岳山頂はいつも通り大分寒いだろうなとぼんやり考えると同時に、太ももに張りを感じる様にもなっていたので、堀山の家で着替えとカロリー摂取を兼ねた小休止を取ることにした。カロリー源としては、柿の種のほかに、フルグラをブロック状にしたものを持参。フルグラは、今後ひそかに温めている野望実現のための必須ツールと考えており、今回は味見を主としたテストを行いたかった。味に関しては合格。次はフレーク状の製品を試したい。ウインドブレーカを着込み、太ももを握った拳で叩き、マッサージを実施後、堀山の家を後にする。尚、堀山の家付近のベンチからは、富士山は全く見えなかったことを付け加えておく。 ▼登山アルアルだと思いますが、上着を着込んだ途端に風がピタッとやみ暑くなる。人智の及ばない悪意を軽く呪いながら、上着を脱ぐと途端に風が吹き始める。こんなことを2回ほど繰り返しているうちに、足の張りが強くなって来た。攣り始めるのは時間の問題と感じたので、小草平のベンチで漢方を服用することにした。この遅いペースで攣る前兆が現れるとは、相当程度に足が鈍っていると愕然とする。この先、花立山荘手前の天国階段もまだ控えているというのに大丈夫なのだろうかと、2016年より大倉尾根を登り始めて初めて、疲労による立ち往生、自力下山不可、即ち遭難の不安を感じた。 ▼いよいよ天国階段に挑む。服用した漢方が功を奏したのかはわからないが、幸い攣ることはなかったが、スピードを少しでも上げれば攣るのではないかと不安になるくらいの太ももの張りは継続していたので、当然のことながら花立山荘でも倒れ込むようにベンチで小休止。すでに10時になっていた。かつてないほどの遅さだが、依然として続く太ももの張りの強さを考慮してここで正式に丹沢山行きを断念した。 ▼花立山荘を発つ。ようやく塔ノ岳が見えて来たが、そこからも頂上まで長く感じたな。太ももの張りに悩まされながらも、10:45に頂上着。今までで一番時間が掛かりました。頂上に到着した直後は、丹沢の山々がまだうっすらとガスの向こうに透けて見えていたが、昼食の準備をしている最中にも、下から無限にガスが上がってくる。頂上はあっという間に濃いミルク色に支配された世界となってしまった。幸いだったのは、強風が吹いていなかったこと。勿論運動停止による冷えがあるので、フリースとウインドブレーカーを重ね着しているが、強風で手が悴まないで済んだことはありがたかった。常に寒いというイメージがある塔ノ岳山頂だが、今回だけはそのイメージを覆す姿を見せてくれたと感じた。 ▼昼食中に軽く足が攣ったりしたので、昼食後もすぐに下山とせず体を解し下山に備えた。膝にサポーターも装着する。頂上滞在中、ガスが晴れることはなかったが、端から眺望をあきらめていた身としては、気に留める必要がない事項だった。結局頂上には、昼食を含めて1時間15分程度滞在した。 ▼正午、下山開始。普段でも苦手な下りだが、太ももが気になる状態では軽やかに下れる道理がない。どこかに無駄に力も入っているのだろう。花立山荘に着くころには、膝も少し痛み始めていた。 ▼花立山荘で小休止後、重い腰を再度上げる。私より身軽に下っていく他のハイカーに心を乱されない様、下山マシーンに徹する。大倉尾根上に数か所にある平らな部分でもペースを上げる事はしない。マシーンに徹していたからか、どの部分であったか忘れてしまったが、明らかに薄日が射していた時間帯があった。暑さは感じなかった。 ▼やがて堀山の家に到着。再度小休止を取る。膝の痛みは成長しているが、登った以上は下らないと家に帰れない。┐(´д`)┌ヤレヤレと思いながら、山行を再開する。堀山の家を過ぎてからの出来事だったと思う。フリースは脱いだがウインドブレーカーは着用しての下山だったことが、幸いした出来事が起こる。また強風が吹いて来たのだ。そんなに風が強い予報だったかなと思いながらも、脱いだり着たりの手間が掛からなかった幸運を素直に喜んだ。 ▼後続のハイカーに続々と抜かれる状況が続いていたが、それでも自分も間違いなく高度を下げられている。見晴らし茶屋が見えて来た。ここから先は、気を抜くにはまだ早いが、それほど急な下りはない。もう、立ち往生で自力下山ができない可能性はかなり低くなったと、気を抜かないまでも少し緊張感から解放される実感が湧いた。 ▼雑事場ノ平を過ぎると、下界の喧騒が耳に届くようになる。何かの歌のコンテスト的なイベントをやっているのだろう。何人もの一般人が代わる代わるに歌う歌声が耳に届くようになった。下山速度は変わらず遅い。観音茶屋を過ぎ、丹沢ベースが近くなって来た。最後の難所、意地悪石畳部分を通過しなければならないと身構えた。膝の痛みに数分耐えなければならないと覚悟を決めたが、路面が一向に意地悪石畳にならない。一部だけ意地悪な部分が残っていたと記憶しているが、ほんの10メートル程度の長さだったと思う。なんということだ、誰かが改善してくれてたみたいだ。ありがたいなと感謝しているうちに、山道が終わった。 ▼後は少々長いお釣りの様な舗装路を重い体を転がすように歩き続けるだけだ。大倉バス停に辿り着いた時、15時を少しだけ過ぎていた。目標だった下山3時間切りは達成できなかったが、自力下山できたことを良しとしようと思った。 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
電車:最寄駅 → 渋沢駅 バス:渋沢駅北口BS → 大倉BS 【復路】 バス:大倉BS → 渋沢駅北口BS 電車:渋沢駅 → 最寄駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
▼登山利用者で常に賑わうコースであり、難易度の高い箇所はない。 ▼敢えて特筆事項として挙げるのであれば、丹沢ベース近くの意地悪石畳がかなり改善されていることでしょうか?尚、本来なら改善度合いを写真撮影すべきでしたが、今回は疲労により気が回らず撮影し忘れてしまいました。 【参考】かつての意地悪石畳概観 → https://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=2086343&pid=2e5a389663adc504681da5288f7b7d26 ↑下山時の疲労した膝に全くやさしくない案配が見て取れると思われます。まさか改善してくれるとは思わなかったので、今回の件は素直に喜びたく、かつ工事関係者には深く感謝したいと思います。 |
その他周辺情報 | ▼大倉山の家近くに、ジビエ料理を提供してくれる店が新たにできていたと思う。記憶が正しければ、以前は存在しなかったと思われる。 |
写真
感想
▼久しぶりに山に行きました。年明けの一月時点では、2023年の登り初めが4月になるとは思っていませんでした。山に全く行く気が出なかった訳ではないからです。只、それほど切実に行きたいという思いもなかった。悪天候や仕事の繁忙期、花粉症の開始などが重なり、グズグズしていたら非常に遅い登り初めとなった次第。
▼3ヵ月も山から遠ざかっていたら、足が鈍っているのは確実なので、高尾あたりで足慣らしをしようとも思ったが、何度も行っている大倉尾根なら過去タイムと比較が容易でどれくらい鈍っているかが一目瞭然だろうと思いついたのがよくなかった。愚かな選択だった。
・確かに鈍り具合はよくわかったが、3ヵ月ぶりの登山の足慣らしには、大倉尾根は不適でした。太ももへのダメージが大きすぎた。途中、あまりにも太ももの張りが強くなり、無事下山できないかもと本気で心配になった場面もありました。そらそうだよね、元々そんなに楽なコースではないのだから。本当に愚かだったと反省中。しかし、オリジナルの計画(丹沢山行)を諦めた理由が、時間不足ではなく太もものコンディション不良というのは、今回初めてかもしれない。
▼写真のキャプションは記入し終えたので、いつもの通り取り合えずアップしてしまう。下記備忘録については、後日加筆していく予定。気力が湧けばですが・・・
【備忘録】
・今までで一番遅いタイム。過去との比較(済)
・足が攣りそうになる原因は・・・(済)
・出来るだけ早く渋沢につくために、新宿発5:45の急行を捕まえろ(済)
・新たに試してみた即席袋麺の調理方法(済)
【後日記】
■小田急線がダイヤ改正を実施するたびに、我が家から丹沢に行くのが不便になっている気がしてならない。山を始めた当初は、乗り換えが一番楽に感じる代々木上原経由でも新宿を6時前に出発する急行を捕まえることができた。それがいつの間にか2〜3分程度の差で不可能になった。色々調べて今度は、登戸からなら同急行を捕まえることが可能であると判明した。これで安泰と思っていたら、いつの間にかその急行は小田原行ではなく藤沢行に変更となってしまった。渋沢から丹沢に行く場合は、次の急行で出発が少々遅くなっても許容範囲と考えているが、新松田から西丹沢を目指す際、始発バスが捕まえられずに次のバスまで30分のロスが生じてしまう。これは少し大きい差だと考えていた。
・ダメもとで、自宅から新宿に直行し6時前に出発する急行小田原行を捕まえられないか調べてみた。池袋と新宿で2度の乗り換えで迷わず急ぎ足ならなんとかなる可能性があることが分かった。予め乗り換え通路に最短となる車両とドアを把握し、到着と同時にダッシュ。結論から言えば、新宿5:40発の小田原行急行を捕まえることができた。当初予想していたのと違い、池袋での乗り換えがタイトで、10秒程度くらいしか猶予がなかったのは予想外でしたが。この手法が有効なうちに、西丹沢経由、檜洞丸・蛭ヶ岳間を踏破してしまわないといけないと考えています。
■袋麺の調理の仕方で、面白いと感じた方法がYoutubeで紹介されていたので試してみた。具体的な説明は動画に譲るとして、実際に試して得た感想を記そうと思う。
・この調理法の最大のメリットは2つ。’確狙疚鵑鉢▲ッカーが汚れない
・ラーメンの仕上り具合について。動画の通り、即席麺に熱湯を注ぎ容器を保温バックの中に収め7分待った。確かに麺が表面だけふやけて中に芯が残るという状態ではなく、普通に違和感なく食べられる状態だった。外気温にも因るだろうが、もう少し麺にシャキシャキ感が欲しかったので、次回試すときは7分より心持短くしてみようと考えている。尚、ラーメンの具は別途フリーズドライ野菜を添加した。
・容器も動画の通り、スクリュートップキーパーの1000mlを使用したが、ちょっと深すぎて食べにくいかな。底面積が広い分高さがない750mlでも試してみたい。
・今後、テント担いで縦走する際を考慮して、色々効率的なカロリーブースターを探している。色々効率的とは、調理に手間がかからない、嵩張らない、重くない、カロリーが高いということです。で、候補に挙がっているのが、薄くスライスされた餅。熱湯だと5秒で火が通るという謳い文句がついていたので試してみた。ラーメンに餅が合うかという議論は置いておき、結論を申し上げると有りかなと考えている。麺に熱湯を注いで7分後に餅を投入してみたのだが、十分火は通った。一枚ずつ投入を複数回繰り返したが、3枚目あたりから火の通りが遅くなっていったので、餅は意外にお湯の冷却効果が高いのだろうと考えている。それならラーメンに熱湯を注ぐと同時に餅を投入したらよいのだろうか?ドロドロになってしまうかもしれないので、試験はしないといけないなと考えている。
■太ももの攣りに悩まされることが多くなってきた。特に今回みたいに、久しぶりの登山で、ソコソコ勾配もあり距離もあるコースであれば間違いなくなんらかの書状は出るだろうと思っていた。しかしある程度は想定していたが、あそこまで痛みを伴った強い張りが継続する症状が出るとは思わなかった。イオンバランスの崩れや水分不足、カロリー不足なども疑ったが、今回はその辺はあまり考えにくいほど、小まめに行動食も水分も補給している。結局は筋力が衰えてきているというのが一番の原因だろうと思う。
・山を始めたころは、足が攣りそうな兆候がでることはほとんどなかった。大倉BSから蛭ヶ岳をピストンしたときに、攣る一歩手前の症状が出たくらいかな?ここ3年くらいに急に増えてきた現象。年を取ったのは間違いないのだが、一つ考えられるのは、5年前の事務所移転により階段昇降の機会が激減したことに加え、在宅勤務が増えたことも筋力低下に一役買っているだろう。今回のショッキングな出来事を教訓に、できるだけ日常正確にスクワットを取り入れ少しでも筋力維持に努めようと思う次第。三日坊主になりませんように。
■過去タイムとの比較
筋力の衰えを一目瞭然とするために、過去の記録との比較をしておく。
過去の山行のうち、大倉BSから塔ノ岳までを休憩時間を入れずに(もっとも過去はほとんど休憩していないが)ピックアップ
2016年4月9日 2時間30分 大倉⇔丹沢山 大倉BS⇔蛭ヶ岳の為の準備ハイク
2016年4月23日 2時間13分 大倉BS⇔蛭ヶ岳 ※蛭ヶ岳ベンチにて軽く攣る
2017年11月25日 2時間46分 大倉BS⇔丹沢山 ※花立山荘手前天国階段で軽く攣る
2019年11月2日 2時間41分 大倉BS⇔丹沢山
2023年4月2日 3時間30分 大倉⇔塔ノ岳 今回(休憩時間除く)
・過去、3時間を上回ったことはなかった。2019年は過去と比べてもそれほど大きく落ち込んでいないが、それ以後に筋力の衰えが顕著になった可能性大。事務所の移転は2018年の夏だったと記憶している。2019年にはまだ、2018年までの事務所階段昇降による筋力貯金があったのかもしれない。
・2016年当時の数値は無理だと思うが、せめて2019年程度の数値、3時間を切るくらいまでは挽回したいかな。ちょっと本気で筋力回復トレを実施して、今年中に再度チャレンジしてみたい。
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