南八甲田BC 櫛ヶ峯2本(横岳経由)
- GPS
- 07:49
- 距離
- 13.7km
- 登り
- 1,213m
- 下り
- 1,198m
コースタイム
天候 | 薄日が差していた。風が当たるところは寒かった |
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過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・雪はまだしっかりありました(全体的には例年より10日〜2週間くらい雪解けが早い印象) ただしこれから1日単位で藪が広がってくると思われる。 ・横岳直下クラックあり、尾根はまだかろうじて繋がってました ・櫛の東斜面は大きな雪庇がほとんどなく、尾根から斜面がよく見えました。見た感じクラックも無さそうでした |
その他周辺情報 | 城ヶ倉トイレは利用不可 |
写真
装備
個人装備 |
通常の登山装備一式
スキーバンドやリピートタイやダクトテープとナイフ等一式
雪崩対策道具一式
簡易ハーネスとロープ代わりのスリング各種とカラビナ
モバイルバッテリーと予備GPS用の古いiPhone11Pro
スキーアイゼンとウィペット1本
スクレーパーと春用ワックスと板の水を拭き取る為の布
ココヘリ
ゴーグル予備
360°カメラ
熊避けの電子ホイッスル
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感想
午後から天気が崩れる予報だったため、思い切って日の出スタートの横岳経由で櫛へ。
遥々行く櫛ヶ峯なのに、その大斜面を登りルートに戻すための消極的な滑走で終わらせたくなかったので、あくまでも目的は滑走。
そんなわけで、1番興味があった南東尾根と、東斜面のど真ん中ラインの2本を、登り返し覚悟で計画に練り込んでみた。
初めて滑った長い長い尾根は、前半は足元を探るようにやや慎重に、後半は思い切って縦に落として一気に滑った。
滑り終えたC1,353付近は山深い感じがして、また晴れて暖かだったこともあり、とても気に入った。
ところが私は緊張していたようで、シールを前後逆に3回も立て続けに間違えて貼ってしまった。
なんだったのかよくわからないけれど、とにかくそんな調子だったので、その3回失敗したシールの方が登り返しの途中で剥がれてしまった。
剥がれ出すとまず音でわかる。
思い出したくない間の抜けた嫌な音がする。
おまけに右足裏も痛みだした。
2度目の山頂も、まだ誰もいなかった。
強風で心細かったけれど、心を落ち着かせてやるべきことをひとつずつこなしていった。
まずシールをスクレーパーで丁寧に水切りして、さらに化繊のミニタオルで接着面の水分を拭き取ってからザックにしまった。
板の滑走面には簡易ワックスを塗った。
食欲はあまりなかったけれど、少し食べてたっぷり水分を補給した。
次に雪のない山頂広場まで再び歩いて行って、岩に腰掛けて痛む足のブーツを脱いでマッサージとストレッチをした。
一つ一つの作業が面倒で仕方なかったけれど、これらを省くと絶対に痛い目に遭うことがわかっていたので、黙々とやるべきことをやった。
そして2本目の滑走。
ど真ん中以外に候補はなかった。
幸い上から下までよく見えて、先行者のシュプールもある。
今度は最初から全力で行った。
素晴らしいザラメの斜面を、風になって滑降した。
いつもは見られたくない私だけれど、はじめてこの姿を誰かに見てほしい、と思った。
滑り終えて再びシールを貼る。
雪がつかないよう充分注意を払って、今度はしっかり接着できたことを確認した。
右足の痛みも無くなっていて安堵した。
ところがそのあたりで、東からやってくる雲がどんどん山を呑み込んでいることに気がついた。
雲は低く、自分と同じ高さにあった。
急に不安と焦りが襲ってきた。
行きで目星をつけてあった、雪庇下のほんの数メートルの急傾斜トラバースが恐ろしく長く感じ、谷足がずるっとするたびに(こんなところ、滑走モードなら一瞬で通過できるのに…!)と無性に苛立った。
今季体で覚えた、ザラメ急斜面でエッジをしっかり噛ませるためのコツを総動員し、とにかく丁寧に慎重に通過した。
この滑落が許されないほんの少しのトラバースが、この日1番の核心だった。
その後は来た道を戻るだけ。
登り返した横岳では多くの人に出会い、その中にはよく知ったガイドさんなどもいて嬉しかった。
横岳からの最後の滑走は、ひと言で表せば解放感。
15分で車まで戻ってこれた。
蓋を開ければ様々なアクシデントや困難があったけれど、一応計画は成功に終わり、大きな安堵と達成感に浸ることができた。
ソロは危ないと言われることが多いけれど、私はソロで多くのことを学んでいる。
なぜならひとつひとつの判断が、大袈裟に言えば命懸けだからだ。
そのくらい真剣な気持ちで、山と自分に対して向き合っているということを、単独行を愛する人(例えばこの日出会ったOさんもそんな1人だ)なら、きっと共感してくれることだろう。
コメント
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真摯に山に向き合っているふくろうさんと一緒に滑れて楽しかったです。出来ればもう少し緩んだザラメの斜面が良かったですね(笑)
当初のシール滑走からの迷走の背負い計画(笑)で随分時間をロスするところでしたので、あのタイミングでお会いできたことは私には二重の幸運でした♪
あのガリガリでも綺麗に滑っていたので相当滑りは上手なのだろうなと思いました♪
櫛のザラメを滑降する姿を撮りたかったですが、OTSさん速すぎでウォーリーを探せみたいな写真しか撮れんかった…😁
私ですら誰かに見てほしいと思ったほどにあの櫛の斜面は良かったから、それが唯一の残念です!(もっと足速くなりたい…笑)
あっぱれ!!お疲れ様でしたーー😊
とにかく滑りたくて滑りたくて!
もうそれだけが原動力😄
最近検定落ちちゃったおかげで、自分の悪いところがわかってねえ。
それを矯正しながら滑るのが楽しくて仕方ないのさ❣️
それに目標もあれば疲れ知らず☺️👍
俺はなんだかんだで、鳥海山で早々にBC終了しちゃったみたいで💦少し物足りない...
来シーズンもまた是非お願いしますー
夏山誘われると何処にでも行きますー😆
残雪期BCがっつり楽しんでください♪
あの大岳は数年に一度の大当たりだったなあ。こちらこそぜひまた「これがバックカントリー」をしましょ!😁
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