上越パラグライダー山行(敗北)
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- GPS
- 29:53
- 距離
- 25.4km
- 登り
- 2,617m
- 下り
- 2,532m
コースタイム
- 山行
- 7:14
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 8:30
- 山行
- 8:31
- 休憩
- 1:53
- 合計
- 10:24
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:土合 --(電車)--> 東京 |
コース状況/ 危険箇所等 |
大源太山に向かう途中に渡河ポイントが2つある(らしい)が、一個目を見逃してしまい、適当な場所で渡河するはめになった。自分が全く下調べしていなかったのも原因であろうが普通に歩いていると見逃しやすい可能性がある。 |
写真
雨が降り始めてから設営を始めたので設営中は絶望的な気分だったが設営してしまえば地面に寝なくて良いので寝心地は良かった。
ハンモックが長すぎてツエルトから飛び出しておりたまに雹がゴロゴロと転がり込んできた。雨が流れ込んでくることはなかった。
装備
個人装備 |
・基本的な冬山装備(軽量化・費用節約のためアイゼン・スコップなし)
・幕営具(ツエルト・ハンモック・トレッキングポール) ・5日分程度の食料(ラーメン・ポテチ・フルグラ・プロテイン・食パン・ピーナッツバター) ・パラグライダーセット(軽量化のため緊急パラシュートなし) ・予備スリング・カラビナ ・電子機器(スマホ・iPad・カメラ・充電器) |
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備考 | 全部で24kg程度 アイゼン・スコップは持参しなかったが問題なかった(飲料水やトイレ用の雪掘りはピッケルで十分可能だった)。 ツエルトを雪上に張る可能性があったので初めてトレッキングポールを持参した。結果的に幕営には使わなかったが下山時の歩行には有効だと思った。 |
感想
最初からあまり明確な計画はなくスタート地点も決めていなかった。ルートは現地で判断して行けそうだったら丹後山とか尾瀬に行きたいなくらいの気持ちで出発した。
大まかな想定は1日目にスキー場でパラグライダー練習→数日縦走(あわよくばパラグライダーでの飛行を含む)→パラグライダーで下山という流れを想定していた。結果として離陸する機会を逸し、全行程を徒歩で消化し最後は白毛門から罰ゲーム的下山をすることになった。
一日目
8時頃に越後湯沢に到着。日中は某スキー場でパラグライダーの練習をした。4時間程滞在したところでスタッフに事故られると困るからやめてくれと言われて撤収。午後遅くから雨が降る予報だったので取り敢えずスキー場から比較的近い大源太山登山口へ歩くことにした。
登山口に着いた辺りで雨が降り始めた。登山口付近の駐車場にツエルトをテント式に張ろうかとも思ったがペグが地面に刺さらず手頃な石もなかったので樹林帯にハンモックを張ることにした。タープ(ツエルト)+ハンモックの組み合わせが雨の中でも意外に有効で快適に過ごすことができた。とはいえ設営が完了するまでは本当に不快だったし装備が少し濡れて重くなってしまった。
食後にヤマレコアプリで適当に予定ルートを作成した。不可能だとは思いつつ朝日岳、巻機山、丹後山、大水上山、藤原山を経由して至仏山まで行くルートを入力した。
二日目
朝8時くらいまで雨と雹が降っていたためゆっくりした。雨が止んでからもティッシュを燃やすなどしてダラダラ過ごしていたら出発が10:30くらいになってしまった。初手でルートミスをして時間と体力を浪費してしまい、しばらくイライラしながら進んだ。大源太山は単なる通過点と考えており何の下調べもしていなかったためその難易度に驚いた。当日朝まで雨が降っていて岩が濡れていたことや荷物が重かったこともあるとは思うが、上り下り共にかなり危険を感じた。特にクライムダウンはフットホールドが小さかったり逆層でホールドが乏しい箇所がありムーブが悪かった。こういう場所のロープには基本的に頼らないようにしていたが今回はガッツリ掴んでしまった。大源太山はマイナーな割に危険すぎるので二度と行かないと思う。
七ツ小屋山から清水峠避難小屋までは残雪期の上越らしい道になり気持ちよく歩くことができた。避難小屋は広く快適だった(四人が荷物を散らかして過ごせるくらいの広さ)。避難小屋には初老の男性一名が先に来ていた。白毛門から来て巻機方面に向かう予定だったが朝日岳で風が強く視界が悪かったので馬蹄形縦走に変更したとのことだった。白毛門から雪はそれなりにある、と聞いたので自分も巻機方面ではなくて白毛門方面に行くのはありかなと思った。結果的にこれは誤りだった。
雪から水を作ってラーメンを食べたところ喉が少し痛くなった。100℃の熱で分解されない植物由来の成分が雪に含まれていたのかもしれない。大した症状ではなかったが雪解け水を飲むのが心理的に少し嫌になったので翌日の行程ではコンビニで買ったミネラルウォーターをケチりながら飲んだ。これが原因で水分不足により歩行ペースを上げられなかった可能性がある(事後考察)。
三日目
3つのプランを検討した。
(1)朝日岳前のジャンクションピークまで行って稜線上を巻機山まで進む
(2)清水峠付近から北向きに離陸し十五里尾根(またはその一個隣の尾根)沿いを飛行して登川沿岸に降り、そこから川沿いを巻機山登山口まで歩いて巻機山に登る
(3)朝日岳を経由して白毛門に向かう。その途中のどこかから飛行して土合に降りる
(1)はしんどそうなので却下。(2)は一旦半ば下山のようなことをして巻機山にゼロから登り直すというルート取りが微妙な気がしたこと、巻機山登頂後のプランがいまいち想像できなかったこと、十五里尾根沿いに高圧線が2ライン平行に走っていることなどから却下し、(3)を選ぶことにした。結果的には(2)にすべきだったと思う(高圧線に注意すれば清水峠付近の雪の状態と風のコンディション的に(2)は実行可能だった)。
朝日岳付近で離陸できそうなスペースがあったためそこから離陸して土合に飛ぶことを真剣に検討したが結局やめた。理由は土合まで届くか自信がなかったこと。Google Mapで土合付近の湯檜曽川の河原に着陸可能なスペースがあることはわかっていたが、朝日岳からそこまでは距離があり大きめな尾根を2つ超える必要があった。良いリッジ風が吹いていたので届く可能性は高かったと思う。しかし自分のスキルと機体性能を把握しきれていなかったこと、白毛門から飛んだ記録がネットにあり「白毛門から離陸したほうが確実だろう」という予断があったこと、単純にビビっていたことなどから踏み切れなかった。
結局それ以降安全に離陸できる機会は訪れずれなかった。朝日岳から少し進んだ辺りから明らかに尾根の西側の雪が乏しくなったことから嫌な予感はしていたがほとんどの区間で西側は藪が露出しており離陸できなかった。そもそも白毛門とその主稜線について全く調査していなかったためそこら一帯が細く険しい稜線でよほど積雪がない限り離陸には向かない地形・植生であることを認識していなかった。
飛べないとなると笠ヶ岳辺りから先はただただ不快だった。雪が中途半端にしか残っておらず雪の上を歩けたとしても不安定。夏道は雪解け水でドロドロ。白毛門の下りは急で展望も悪い。この手の下山が嫌でパラグライダーの運用を考えているにも関わらず結局やることになり、スキルの無さに対する罰だなあとか室堂にしとけばよかったなあ(出発前に室堂か上越でかなり迷った)などと考えながら下山した。二度と来たくない山域だった。
のんびり歩いたからか下山後の身体、特に循環器系へのダメージが少なかったため翌日5/4以降もどこかへ登ることにした。谷川→平標山や巻機山を考えたが例年より残雪が少ないことからそれらの山でも飛べる保証がないと判断し一旦東京に戻って行き先を再検討することにした。
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