北八甲田 酸ヶ湯から高田大岳往復
- GPS
- 08:15
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 1,034m
- 下り
- 1,018m
コースタイム
天候 | 吹雪 視界はほとんど50m以下、高田大岳、小岳山頂付近は強風。気温は終日−9度前後。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年01月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
前夜からの降雪でラッセルはあるが雪が軽く、夏の時間読みと変わらないスピードだった。 |
写真
感想
朝、青森市内はだしぬけに新雪が30センチほど。ざぶざぶ降ってきたので山はいかがかと思ったが、やはり登ってみなくてはわからない。結局たいしたラッセルにはならなかった。雪は軽くて問題なし。
酸ヶ湯からの登りは、古いトレースを探りながら登る。夏道を逸れ、地獄沢を登る。視界は数十メートル。側面から雪崩れる事もあるらしいがきょうはその気配はない。
夏と変わらぬ時間読みで仙人岱に。そのまま東へ直行して小岳の樹氷帯を登っていく。3,4mの樹氷群はこのあたりが良い見所らしいが、視界が20mほどなので当面視界確保の助太刀として役に立っていた。
小岳山頂で樹氷が切れると、とたんに視界は白い闇。山頂下には崖があるのでそれを避けて後は東へ直行。コルへ降りると少し視界がマシになったが、風雪強くここで高田大岳へのアタックの天気待ちとする。
ツエルトを張り、お茶や行動食をやりながら津軽弁で駄話。制限時間が来てなんとなく天気もマシそうなのでアタックに出る。ラッセルは最後までたいしたこと無かったが、視界は悪いまま、風は山頂付近で物凄く強くなり、倒される者続出。ここはいつも強く、もっと強い日もあるとか。それほど潜らなかったのでスキーをデポして残り標高差50mほど登る。天頂部に青空、雲の裏に薄いクリーム色の太陽の影、と好天の兆しはあったが最後まで奇跡は起こらなかった。山頂台地に達したところで山頂とし、引き返す。帰りの向かい風は顔にビシビシ容赦無し。目玉も潰され、ほとんどめくら下山。
樹林帯で風はおさまり、新雪を滑って降りる。小岳登り返して仙人岱へ戻る。真っ白の中磁石だけでピシャリと仙人岱小屋にぶつかる。sawaya、泉さんのコンビは長いつきあいでこんな目つぶし山行でもお手の物だ。今日の天気、一人だったら帰っているなあ。ここまで、景色より、コンパスと地図を見る方が多かった。
仙人岱小屋では一戸さんがいた。三日間写真撮影とのこと。ありがたいお湯を頂く。同時に小屋に入ってきた7人組は今時珍しい三十代の男組。sawayaさんが「自衛隊だびょん?」と問うが、そうでもない模様。
地獄沢滑降も、樹林帯までは雪つぶての暴風を浴びたが、風が収まると、快適な沢滑り。フワフワの新雪を巻き上げて、酸ヶ湯まで痛快に下る。やはり、八甲田の雪は最高だ。
酸ヶ湯に明るいうちに下山。時間いっぱい遊びきった。
終日視界無し、白い闇の中の登頂だったが、八甲田の秀峰、高田大岳にはこんな天気での登頂こそ、値打ちがあろうというもの。頬と指先が低温のためびりびりしている。
小説の八甲田山を思い出すようなレポでした。
私の友人(東北あちこちを親の転勤で回っていた)が
「だびよん」という言葉を使っていました。
フランス語みたいだって。
sakusakuさんこんにちは。
「だびょん」は信州弁の「ずら」、北海道の「だべさ」、名古屋の「だがや」です。どこの地方にも該当語のある日本語の重要語尾です。
しかし、津軽語のヒアリング、まだまだ未熟でして、フランス語の方がまだ聞き取れるかも・・・。
八甲田山1902の人達も山スキーを持っていて、ノコとスコップを持っていてイグルー作れて、何より地図とコンパスをちゃんと読めていれば良かったのですが、当時はどれも無かったのです。
『だびょん』とは
⇒『たぶんそうだと思う』という気持ちがあるときの最後に付ける言葉。じゃないかな?
例えば、
『たぶんあの右側の遠くに見える山は岩木山だびょん』
なんていう使い方するんじゃないかな?
で、それはともかくyoneyama さん、今回登った山はよく行かれるんですか?写真を見る限り、遭難してもおかしくない危険なところだと思うんですが・・・
土地勘だけでいけるのか、それとも何か目印がいっぱいあって安心して吹雪でも歩けるとか。
少し教えていただけるとありがたいのですが・・・
kaiyukiさま
危険かどうかは、行くメンバーの冬山経験と目的と、その山の天候、形状、高さ、雪の状態の組み合わせによると思います。組み合わせがずれていた場合は遭難すると思います。簡単に言うと、行く人によります。
僕は同じ山にはあまり登らないので土地勘は毎回ありません。他人の付けた目印は冬山ではあてにしない方がよいでしょう(夏も)。
地図と磁石で一人でも歩ける力と、これより悪い気象条件を過去に経験していて、悪天に対処する力と、天気の移り変わりをある程度予測する知恵がなくては、必ず遭難と思います。
今回の山行は結構大変でしたが、危険だったという感は全くありません。その場その場で逃げ道を確保しながら駆け引きをしての全力投球です。これが冬山の最も難しくて楽しい魅力です。
それから、このくらいの天候で行って帰って来られる力が無ければ、冬山に行くべきではないでしょう。冬はいつでもこのくらいの天候になる可能性があるわけですから。
やはり、経験ですか。それと、一人で地図と磁石を使ってそれを使いこなせる知識と自分の力。やはり甘い考えでは冬山は行っちゃ行けないんですよね。
私kajyukiも、もっといろんな経験をしてyoneyamaさんの域に達したいと思うのですが、たぶんそれは無理なような感じです。でも、一人でも何とかいろんな経験をつみながら山の深さを理解したいと思います。
これからもいろんな経験を教えてください。よろしくお願いします。
kajyuki
冬山経験は現場で得るものですから、経験豊かな人と山行を重ねるのが一番の近道です。地域の山岳会は楽しいですよ。
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