嶽ノ森山と峯ノ山、道の駅一枚岩から周回【和歌山県、古座川町】
- GPS
- 04:11
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 723m
- 下り
- 721m
コースタイム
- 山行
- 3:47
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 4:05
道の駅一枚岩P 948 ― 道の駅 950 ― 国道から旧道へ 956 ― 嶽ノ森山登山口 957 ― 犬鳴谷 1010 ― ナメトコ岩始まり 1015 ― ナメトコ岩から右手へ 1021 ― 杣道複数との分岐点 1028 ― 十字路 1034/1036 ― 山頂手前の展望 1038/1042 ― 嶽ノ森山雄岳 1042/1048 ― 鞍部 1055 ― 嶽ノ森山雌岳 1101/1114 ― 鞍部 1117 ― 嶽ノ森山雄岳 1124 ― 十字路 1128 ― 伐採地北端 1133 ― 林道分岐 1141 ― 和深鶴川林道合流 1148 ― 峯ノ山への直登路分岐点 1149 ― 峯ノ山山頂 1208/昼食/1231 ― 峯ノ山南ダワ 1235 ― 水呑大師 1243/1245 ― 峯ノ山南ダワ 1251 ― 峯ノ山への直登路分岐点 1256 ― 十字路 1319 ― 雄岳雌岳への短絡路との分岐点 1329 ― 豆腐岩 1345 ― 下登山口 1353 ― 道の駅一枚岩P 1356
● 行動時間 04:08
天候 | 晴れ、曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(和歌山=道の駅一枚岩(モノリス)) 道の駅―ナメトコ岩―嶽ノ森山―峯ノ山―豆腐岩―道の駅 (道の駅一枚岩(モノリス)=和歌山市内) ●登山口へのアクセス ○道の駅一枚岩(モノリス) ・国道42号和歌山方面からの場合には、「和深」交差点で左折し県道39号を北上。やがて三尾川(みとがわ)にて国道371号に合流、右折してしばらくで道の駅。和歌山から約2時間 ・道の駅には10数台程度しか駐車できないが、河川敷も使えるので、合わせると結構な台数が駐車可能。2時間以上の駐車時には有料駐車場利用を推奨されている ※今回は降りてきてからこの注意書きを知りました。申し訳ありませんでした (2023.5現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○道の駅〜一枚岩トンネル登山口〜ナメトコ岩〜十字路 ・登山口までは国道歩き。急登を続けてナメトコ岩へ ・ナメトコ岩は流紋岩の一枚岩の上にある谷で、穿たれた窪みを浸かって登る。それより上部も岩主体の道で急斜面を登り十字路へ。ナメトコ岩側と豆腐岩側の双方より上ってきた道が尾根道に合流している。十字路とは書いたが、三叉路が2つ並んでいるような形になっている ○十字路〜嶽ノ森山雄岳〜雌岳 ・急峻な岩登り。ロープも設置されているがロープのないところもアスレチックばりの岩登りが続く ・雄岳から雌岳にかけては標高差約50mの急崖を昇降する ・雌岳から先にも50mほど道が続いているが行き止まりになっている ○十字路〜峯ノ山 ・穏やかな尾根道を行く。緩く上ると西面を伐採された尾根に出る。しばらくは峯ノ山を見ながら進む ・和深鶴川林道を少々歩くと「峯ノ山、水呑大師」と書いた案内標示が建つ。それに従い山腹に取り付くと直登道。ただし、山頂手前付近で踏み跡やテープが途絶しており、ルート探しが求められる ○峯ノ山〜南のコル〜峯ノ山登山口 ・山道然としているが、頂上の電波塔を造った際の作業道でもあると思われ、途中は急登ながら幅広の道を進む。直線的に造られており、南ダワまでは5分もあれば降りることができる ※峯ノ山南コル〜水呑大師 ・南コルから林道歩きで水呑大師の足下へ。覆工の階段を上るとそこに大師さまと祠がある。祠の下には清水が滴っている (いずれの記述も2023.5現在) |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・道の駅でも飲料踏破買い物できる。コンビニを求めるならば、和深よりも手前の江住、東側からであれば国道371号の終点でもある串本町高富あるいは県道38号で古座に出たところの店がそれぞれ最後 ・飲食店としては、道の駅内に食事処があり、ジビエもの、あゆ等を使った様々な料理などが食べられる ●日帰り温泉 ・古座川町では、三尾川よりも奥に「美女湯温泉」というのがある。大人300円。営業日が限られるので要確認 ・和歌山向けの帰途ではすさみ町の「望海のゆ」がある (2023.5現在) |
写真
感想
古座川にある鋭鋒嶽ノ森山に向かった。和歌山県南部は日本ジオパークにも指定されており、奇岩景勝に富んでいるのだが、その中でも山そのものが切り立った岩で成り立っているのが嶽ノ森山だ。遠目の写真では、登ることができるのかと疑うほどの岩峰だが、地元では愛着を持たれた“おらが山”のようだ。
道の駅にクルマを置き、上流側に向けて出発。古座川の対岸には道の駅の名前にもなっている「一枚岩」が堂々と聳えている。高さは約100m、幅は約500mにも及ぶという。表面には長い歳月の中で植生も見られるが、それはまるで表面に小魚を住まわせた鯨のようでもあり、荘厳さも感じる。川面ではカヌー遊びをする人の姿も見られるが、岩と比較するとそのサイズの違いに圧倒されてしまう。
一頻り一枚岩を鑑賞した後、登山口へと向かう。登山口は国道を一枚岩トンネルへと向かい、手前で旧道へと逸れてすぐのところにある。
登山口からは急登で本峰からの谷筋を目指し、岩の目立つ斜面を登っていく。谷筋の上部に取り付くと犬鳴谷との文字が現れる。確かに谷は深く切れ落ちており、犬が落ちても鳴き声こそしても助けられないというようなことかと想像する。次第に谷が狭まり、気づけば、チョロチョロとした流れが沿うようになる。やがて、大岩の上を滑るような流れになり、ナメトコ岩に到着。
岩肌にはステップが刻まれており、それを足がかりに登っていく。今日のような晴れた日にはステップはなくてもいいのだが、おそらく雨の日や水量の多い日には、岩の面も濡れてしまって歩けないほどに滑るのであろう。ステップは流れの右へ左へと変えながら上流へと向かう。再び樹木が覆うようになると岩面にも苔がはびこり、いよいよ晴れでも滑りやすくなる。一旦右手の斜面へと離れるが暫く先で再び谷筋に近づき、やがて左手の斜面登りへと移ろっていく。これが最終盤の登りのようだが、土の斜面に岩組みの登りが組み合わさっている。岩峰ならではだ。
やがて頂稜に到着すると、そこが十字路だ。本によっては変速十字路などと記されているが、まっすぐに走る頂稜に、左右から2本の登路が合流してくる形になっており、それが数メートルずれているものだから、三叉路2つが近接した格好になっている。
余地もなく日差しもないので休まず先へ。いよいよ嶽ノ森山雄岳に取り付く。ロープのある岩登りのあとは手足を使って登る岩組みもあり、あっという間に山頂部が近づいた。山頂のわずか手前からは北東の烏帽子山から大雲取山などの熊野の山々や、北側の大塔山系が見事なほどに見渡せる。
登頂前にそれらを楽しみいよいよ山頂へ。山頂部は6畳間ほどもない狭い広がりとなっている。東に聳える雌岳もかろうじて頭が見えている。それにしても雌岳までは距離がないことは判るのだが、その間の切れ落ちも半端ないものだ。
一呼吸置いて、雌岳へと向かう。急激な下りは先ほどの登り以上で、跡でもう一度これを登ると思うとげんなりする。などと思っているうちに鞍部に到着。鞍部から豆腐岩ルートへと下る短絡路を上から覗くと、こちらもロープ伝いに恐ろしい急崖を降りていくようだ。やはり豆腐岩ルート経由ではなく、雄岳経由で戻るほうがまだマシなようだ。
そこから雌岳へと登り返す。鞍部の標示では、雄岳までは200m、雌岳までは100mとあるが、雌岳のほうが遠かったように思う。小ピークを1つ越え、雄岳同様の岩峰を登っていくと祠のある雌岳山頂に到着。経験者の写真を見ると、一番高い岩の辺りに山名標が置いてあるようだが、見当たらない。仕方がないので雄岳をバックに山頂写真を撮る。雌岳からは鋭峰雄岳の全貌を見ることができる。そして、これから向かう峯ノ山とのワンショットも可能だ。
山頂をあとにして戻る前に更に先へと続く踏み跡を追ってみる。しかし50mほど進むと途絶しており、その先は急崖となっていた。
雄岳に登り返し、さらに十字路まで戻って一休み。眺めのよい山頂での休憩も考えたが、空模様が怪しい。小雨であっても降ると困るので、ひとまずは岩峰を越えておくことにした。
十字路から峯ノ山へのルートは先ほどまでの岩登りとは対照的に穏やかな道取りだ。
緩く登ると突然右側の視界が開ける。伐採地のようで、開放的な斜面越しには峯ノ山の台形がきれいに正対できる。やがて踏み跡は作業道に吸収され、それに沿っていくと和深鶴川林道に出た。
林道を少々歩くと峯ノ山への登りへと誘導する標示が現れる。それに従い登り始めるが、どうにも踏まれていない感が漂う。一登り進み、勾配が緩む辺りからは倒木が激しくなりルートが殆ど見分けられなくなる。たまにあるテープもあてにはならず、GPSを見て山頂方向と思しき向きへと登っていくとどうにか山頂に到着した。
山頂部には通信アンテナと電源設備が設けられているが、珍しくここに至る作業道が見当たらない。人力で担いで持ち上がったのであろうか。
あまり眺望もない山頂部で昼食。食べた後は水呑大師も気になるので、南への踏み跡をたどる。どうやらそちらがアンテナ建設時の作業道のようで、歩きにくい直線的な切り分け道が下の林道まで続いていた。
林道からはいったんは水呑大師に向かう。行き過ぎてしまったが、モルタル覆工に設けられた階段の上に大師さまは鎮座されていた。大師さまの祠の下には清水が滴っており、それが名前の由来のようであった。まだ現役のライターが置いてあることから毎日のようにお詣りに来る人もあるのであろう。
そこからは林道伝いと尾根道で十字路を目指す。十字路からは豆腐岩ルートにて下降する。
豆腐岩ルートはちょうど雄岳、雌岳の巨岩のすぐ基部をへつるように伝うのだが、その辺りのルートは不明瞭だ。といってもその幅のないへつり道以外は歩くところがないのだから、迷うことはないとも言える。途中で先ほど上部を見た短絡路と思しき踏み跡も合流し、やがて雌岳も切れると一気に山がなくなり尾根上になる。急なジグザグ道を下降していくと、改めて左側に大岩が屹立しているところにさしかかる。すでに豆腐岩の名のような切れ目の目立つ岩だが、そこから更に200mほど下降した大岩の端部付近で「豆腐岩」という標示が現れた。おそらくこれら一式を指して豆腐岩なのであろうが、下から来た人に向けて標示を付けているのであろうか。
岩を過ぎると国道も見え始め、走るクルマの走行音も響き始める。最後は今日初めての階段を一気に降りて国道脇私設の傍らに出た。
戻ってみると、道の駅は大盛況で、道路にも駐車車両がはみ出している。活況何よりだが、山では誰ともすれ違うことはなかった。地元民は登ったことがあるとのことだったが、こんな楽しい山、もう少し知られていたらいいのにと思った。
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