雁坂峠越え
- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.9km
- 登り
- 1,244m
- 下り
- 1,678m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
その他周辺情報 | 大滝温泉遊湯館は設備故障のため休業中。 |
写真
感想
5月17日 晴れ
新久渡沢橋9:15〜雁坂峠13:45/14:45〜雁坂小屋14:58
平日はバスがないので、仕方なく塩山駅からタクシーで登山口へ。橋のたもとから脇道に入る。トンネルができてからは初めてなので、様変わりには驚く。かなり長く単調な車道歩きが続くが、鮮やかな新緑が目に優しい。今日は下界は30度との予報で、この山中でもモワッとした蒸し暑さが応える。左に沢音が近づくとクッキリ沢を渡り、一旦高度を上げるが、また沢沿いに戻り河原を歩く。まだ水量は多く、目指す稜線の遠いことが感じられる。右岸(下から見ると左)に渡り、しばらくするとジグザグを切って左斜面に取り付く。井戸沢(標識あり)を過ぎると笹が出てきて雁坂峠らしくなってくるが、谷をへだてた水晶山の稜線はまだはるかに高い。落葉松の疎林と笹原が混じる斜面を登っていくのだが、幕営装備の重さが脚にきて一歩一歩持ち上げるのがきつい。ひたすら辛抱でゆっくりと歩を進めるのみだ。後方に国師、北奥千丈岳、黒金山や雪を被った富士山の眺めがあることが慰めだった。笹の稜線が近づき、とうとう看板なども見えてきて、雁坂峠に辿り着いた。27年も前、ナメラ沢を遡って下山途中に通過して以来だ。
周囲の山を眺めながらコーヒータイム。右手の国師岳は、この3月まで勤めていた多摩地域の職場の近くから冬場の晴れた日には遠く薄青く望むことができ、昼休みに切ない気持ちで眺めていたことを思い出しながら、今はその重厚な姿を間近にしているのがしみじみ嬉しい。国師岳と黒金山の間には北岳と間ノ岳が白くおぼろに覗いている。1時間ほどゆっくりし、小屋へ下る。テントは他に2張りで、奥秩父の山並みに囲まれ、静かな夕刻を過ごすことができた。
5月18日 晴れ
雁坂小屋5:10〜樺小屋7:11/7:21〜突出峠7:43/7:53〜川又バス停10:25
快適なテント場と、見上げる雁坂峠に別れを告げ出発。樹林の中のトラバース道を行く。陽が差し込むので陰鬱な感じはない。苔むした森と明るい落葉松林が交代し、変化がある。かなり歩いた気がする頃に豆焼沢を横切る。上の方に小屋の取水槽があり、苦労なことと思う。道の方角が変わると、右手の尾根上に小屋の青い屋根が次第に遠ざかっていくのが見える。樹の間から和名倉山のボリュームのある山体がシルエットになっている。トラバースに飽きてくると、前方にシャクナゲをアクセサリーにした岩塔が現れ、その基部を巻いていく。さらに少し先で「地蔵岩展望所」の標識があり、見晴らしが良いとの説明書きに惹かれて行ってみた。岩の上からは、大きな雁坂嶺から、これまで見えなかった木賊、甲武信、三宝の三山へ、さらに十文字峠の方に下っていく稜線が深い緑色の山肌を見せている。遠く青い西上州の山々の上には浅間山のスカイラインが霞み、確かに素晴らしい展望だ。
登山道に戻り、先を急ぐ。ようやく下りが始まり、周りも広葉樹の新緑が混じるようになってくる。樺避難小屋を覗いて休憩。標高が下がってくるとコバエが顔にまとわりつき、まさに五月蠅い。この辺りは立派な針葉樹の大木が混じり、清々しい森だ。尾根が広がってくるとひょっこりと突出峠の標識がある。環境省の方が霞網を仕掛けている。この日唯一の出会った人間だった。
ここからは新緑の中をどんどん下って行く。やがて道が尾根を離れると右側は植林になり、普通の?のハイキングっぽくなる。そのうちに完全に植林の中の道となり、後は消化試合のように歩みを進めるだけだ。思いがけなく早く、下に車道が見えてきて、暑苦しい舗装道路に降り立った。川又に来るのも高校時代以来か。バスで西武秩父駅へ、そこから池袋方面へと移動したが、車窓から懐かしい山々を見上げて感慨に浸った。
古道だけあって距離は長いが歩きやすい道だった。新緑の山は良かったが、自分の体力面では毎回課題が出てくる。
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