赤丸の小さな滝記号が,今回会いに行く滝です。
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赤丸の小さな滝記号が,今回会いに行く滝です。
今回も椀戸谷の出合に車を置き,椀戸谷右岸の廃林道を歩き出す。3週間ほど山を休んでいた間に,すっかり夏草が生い茂っていた。
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今回も椀戸谷の出合に車を置き,椀戸谷右岸の廃林道を歩き出す。3週間ほど山を休んでいた間に,すっかり夏草が生い茂っていた。
適当なところで椀戸谷に降り,枝谷経由で稜線の廃林道を目指す。
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適当なところで椀戸谷に降り,枝谷経由で稜線の廃林道を目指す。
谷沿いにはまだ雪渓の残骸が横たわり,そこだけ冷気を漂わせていた。
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谷沿いにはまだ雪渓の残骸が横たわり,そこだけ冷気を漂わせていた。
P932付近で稜線を越え,烏帽子山東面につながる廃林道に乗った。今回は,目的の滝記号のある枝谷までのアプローチを短縮するため,廃林道を辿る(この廃林道が現状,どれくらい歩けるのかということにも興味があった)。このあたりはまだ意外によく道形が残っており,藪も薄く歩きやすい。
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P932付近で稜線を越え,烏帽子山東面につながる廃林道に乗った。今回は,目的の滝記号のある枝谷までのアプローチを短縮するため,廃林道を辿る(この廃林道が現状,どれくらい歩けるのかということにも興味があった)。このあたりはまだ意外によく道形が残っており,藪も薄く歩きやすい。
伐採後,数十年が経過し,周囲は再びブナの森に包まれつつあるようだ。キビタキやクロツグミの弾むようなさえずりを聞きながら,明るい木漏れ日の中をあるく。
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伐採後,数十年が経過し,周囲は再びブナの森に包まれつつあるようだ。キビタキやクロツグミの弾むようなさえずりを聞きながら,明るい木漏れ日の中をあるく。
しかし,廃林道が谷をまたぐ箇所は,必ずと言っていいほど流水で深くえぐれてしまっている(もともと橋が架かっていたのかもしれない)。慎重に崖を下りて谷底に降り,それから対岸の道まで登り返す,ということを繰り返す。
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しかし,廃林道が谷をまたぐ箇所は,必ずと言っていいほど流水で深くえぐれてしまっている(もともと橋が架かっていたのかもしれない)。慎重に崖を下りて谷底に降り,それから対岸の道まで登り返す,ということを繰り返す。
廃林道の途中から,形の良い烏帽子山のピークが見えた。通常は積雪期に登られる山だが,今は濃い緑に(そしておそらく,濃いヤブに)包まれている。時間があれば烏帽子山まで詰め上げたいけど,どうかなぁ。
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廃林道の途中から,形の良い烏帽子山のピークが見えた。通常は積雪期に登られる山だが,今は濃い緑に(そしておそらく,濃いヤブに)包まれている。時間があれば烏帽子山まで詰め上げたいけど,どうかなぁ。
林道が烏帽子山の南面を横切るあたりまでは比較的順調に歩けたのだが,東面に回り込み始めるあたりで,崩壊が顕著になってきた。横向きに突き出した灌木の藪もひどく,ジャングルジムと雲梯運動を一体化したような好ましからざるエクササイズが続く。
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林道が烏帽子山の南面を横切るあたりまでは比較的順調に歩けたのだが,東面に回り込み始めるあたりで,崩壊が顕著になってきた。横向きに突き出した灌木の藪もひどく,ジャングルジムと雲梯運動を一体化したような好ましからざるエクササイズが続く。
しかも,対岸の斜面に,大規模な崩壊地まで見えてきた…。あの下部を廃林道が横切っているはずなのだが,そこだけぷっつりと道形が消えてしまっている。これって,無理じゃね?
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しかも,対岸の斜面に,大規模な崩壊地まで見えてきた…。あの下部を廃林道が横切っているはずなのだが,そこだけぷっつりと道形が消えてしまっている。これって,無理じゃね?
しかし,実際に近づいてみると,崩壊地の傾斜はそれほどでもなく,(林道は完全に消失しているものの)獣道が付いていて,それを辿って通過することができた。一安心。
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しかし,実際に近づいてみると,崩壊地の傾斜はそれほどでもなく,(林道は完全に消失しているものの)獣道が付いていて,それを辿って通過することができた。一安心。
ガレた崩壊地を横切りながら,振り返る。対岸に見える横一文字の筋が,辿ってきた廃林道。
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ガレた崩壊地を横切りながら,振り返る。対岸に見える横一文字の筋が,辿ってきた廃林道。
対岸を眺める。深い森林の中にうっすらと浮かび上がる廃林道の路盤が,ひどく場違いなものに見える。よくもまあ,こんなところまで林道を付けたもんだな…。
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対岸を眺める。深い森林の中にうっすらと浮かび上がる廃林道の路盤が,ひどく場違いなものに見える。よくもまあ,こんなところまで林道を付けたもんだな…。
廃林道が烏帽子山の北面に回り込む最後のカーブで,廃林道を外れ,西谷本流の谷底へと尾根を下っていく。林道を外れたとたん,ブナの森に包まれ,藪が薄くなって歩きやすくなった。道より歩きやすいってどういうことよ…。
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廃林道が烏帽子山の北面に回り込む最後のカーブで,廃林道を外れ,西谷本流の谷底へと尾根を下っていく。林道を外れたとたん,ブナの森に包まれ,藪が薄くなって歩きやすくなった。道より歩きやすいってどういうことよ…。
この尾根も遠い過去に伐採が入ったようで大木こそないが,美しいブナの森に包まれて,気持ちがいい。
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この尾根も遠い過去に伐採が入ったようで大木こそないが,美しいブナの森に包まれて,気持ちがいい。
そして西谷本流に降り立った。3週間ぶりの西谷。豊富な水量,大きく開けた青い空,そして人っ子一人いない。やっぱりここは良いところ。
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そして西谷本流に降り立った。3週間ぶりの西谷。豊富な水量,大きく開けた青い空,そして人っ子一人いない。やっぱりここは良いところ。
初夏の緑を溶かし込んだようなエメラルドの淵が美しい。
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初夏の緑を溶かし込んだようなエメラルドの淵が美しい。
3週間前に遡行した際は水勢が強く,腰までの渡渉の連続に苦労したが,どうやらあの時は雨や雪代でかなり増水していたようだ。今日の西谷は穏やかで,全然印象が違う。
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3週間前に遡行した際は水勢が強く,腰までの渡渉の連続に苦労したが,どうやらあの時は雨や雪代でかなり増水していたようだ。今日の西谷は穏やかで,全然印象が違う。
あまり時間に余裕がないにもかかわらず,立ち去りがたくて,だいぶゆっくりしてしまった。
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あまり時間に余裕がないにもかかわらず,立ち去りがたくて,だいぶゆっくりしてしまった。
さて,そろそろ目的の滝記号のある枝沢へ。うむ。予想した通り,ヤブ沢ですな。思ったよりは水量があるのが救い。
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さて,そろそろ目的の滝記号のある枝沢へ。うむ。予想した通り,ヤブ沢ですな。思ったよりは水量があるのが救い。
最初は坦々としたガレた沢が続く。こんなところに本当に滝があるのか,と思いながら遡っていくと…。
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最初は坦々としたガレた沢が続く。こんなところに本当に滝があるのか,と思いながら遡っていくと…。
急に目の前に岩が立ちはだかり,8mほどの滝が。ついに来たか。この滝は冷たい水を浴びながら滝身を直登。
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急に目の前に岩が立ちはだかり,8mほどの滝が。ついに来たか。この滝は冷たい水を浴びながら滝身を直登。
8m滝を登り切ると,目の前に大きめの滝が! これが滝記号の滝の正体か。
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8m滝を登り切ると,目の前に大きめの滝が! これが滝記号の滝の正体か。
15mほどの滝でした。思ったよりは小さかったが,形はそんなに悪くない。地形図を見るたびに気になっていた滝に出会えたので,満足。
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15mほどの滝でした。思ったよりは小さかったが,形はそんなに悪くない。地形図を見るたびに気になっていた滝に出会えたので,満足。
正面から。この滝,名前はあるんだろうか。「美濃徳山の地名」には特に書いていなかったけど…。
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正面から。この滝,名前はあるんだろうか。「美濃徳山の地名」には特に書いていなかったけど…。
この滝は右岸の急斜面を灌木頼りに強引に巻き上がり,灌木にぶら下がるようにして滝上に降り立つ。写真は滝の落ち口。
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この滝は右岸の急斜面を灌木頼りに強引に巻き上がり,灌木にぶら下がるようにして滝上に降り立つ。写真は滝の落ち口。
地形図では等高線が混んだ区間がまだまだ続くので,ここから滝の連続になることを期待していたのだが…あら,なんか穏やかになってない?
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地形図では等高線が混んだ区間がまだまだ続くので,ここから滝の連続になることを期待していたのだが…あら,なんか穏やかになってない?
もしかして,もう打ち止め? 滝記号があるくらいだから,もう一声くらい欲しいんだけど…。
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もしかして,もう打ち止め? 滝記号があるくらいだから,もう一声くらい欲しいんだけど…。
あっ。
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あっ。
デカい滝が出てきた! 滝記号のところにある滝より,明らかにこっちのほうが大きい(地形図ではよくあることだが…)。
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デカい滝が出てきた! 滝記号のところにある滝より,明らかにこっちのほうが大きい(地形図ではよくあることだが…)。
25〜30mくらいはありそうな滝。逆光で見にくくてすみません…。
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25〜30mくらいはありそうな滝。逆光で見にくくてすみません…。
小さな谷なのでさすがに水量は少ないが,この滝もなかなか美しい姿。
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小さな谷なのでさすがに水量は少ないが,この滝もなかなか美しい姿。
この滝も右岸巻き。急斜面ではあるが,さきほどの滝よりは容易。
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この滝も右岸巻き。急斜面ではあるが,さきほどの滝よりは容易。
この滝を越えると,谷は急斜面のガレとなって消えていくのが見えたため,右岸側の急な小尾根に逃げる。時間もあることだし,このまま烏帽子山の山頂を目指すことにした。
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この滝を越えると,谷は急斜面のガレとなって消えていくのが見えたため,右岸側の急な小尾根に逃げる。時間もあることだし,このまま烏帽子山の山頂を目指すことにした。
灌木を掴みながら急な小尾根を喘ぎつつ登っていくと,途中で廃林道をまたぐ。ちょうど烏帽子山北面に回り込んできた廃林道の終点だ。烏帽子山を廻る林道の最奥地と言っていい。林業機械など昔を偲べるものが残置されていないか探してみたが,何も残っていなかった。
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灌木を掴みながら急な小尾根を喘ぎつつ登っていくと,途中で廃林道をまたぐ。ちょうど烏帽子山北面に回り込んできた廃林道の終点だ。烏帽子山を廻る林道の最奥地と言っていい。林業機械など昔を偲べるものが残置されていないか探してみたが,何も残っていなかった。
そのまま烏帽子山の北尾根を目指すが,それにしてもこの尾根,
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そのまま烏帽子山の北尾根を目指すが,それにしてもこの尾根,
ブナが素敵ねぇ。本当に伐採が入ったの?
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ブナが素敵ねぇ。本当に伐採が入ったの?
ときどきこんな立派なブナも。切り残されたのか,それとも伐採後に育ったのか。
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ときどきこんな立派なブナも。切り残されたのか,それとも伐採後に育ったのか。
藪も薄いし。このまま烏帽子山まで簡単に登れてしまうのでは?
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藪も薄いし。このまま烏帽子山まで簡単に登れてしまうのでは?
あ,ごめんなさい,さっそく前言撤回,
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あ,ごめんなさい,さっそく前言撤回,
やっぱ藪濃いわ。
稜線に近づいたとたん,背丈を越える笹薮につかまった。
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やっぱ藪濃いわ。
稜線に近づいたとたん,背丈を越える笹薮につかまった。
しかし,烏帽子山の北尾根に出ると,ブナの森が復活して藪がややマシになった。北尾根は一昨年の3月(積雪期)に登っているが,ブナの森が続いていて,もしかしたら無雪期でも歩きやすいのでは,と思っていた尾根だった。やはり予想通りだったようだ(もちろん,藪が比較的薄いというだけで,藪尾根であることには変わりないが)。
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しかし,烏帽子山の北尾根に出ると,ブナの森が復活して藪がややマシになった。北尾根は一昨年の3月(積雪期)に登っているが,ブナの森が続いていて,もしかしたら無雪期でも歩きやすいのでは,と思っていた尾根だった。やはり予想通りだったようだ(もちろん,藪が比較的薄いというだけで,藪尾根であることには変わりないが)。
薄い獣道を追いながら,ブナの下の笹薮をかき分け,山頂を目指す。
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薄い獣道を追いながら,ブナの下の笹薮をかき分け,山頂を目指す。
烏帽子山山頂に到着。山頂は意外にも腰丈の灌木に覆われているだけで,三角点はすぐに見つかった。
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烏帽子山山頂に到着。山頂は意外にも腰丈の灌木に覆われているだけで,三角点はすぐに見つかった。
三等・烏帽子
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三等・烏帽子
山頂は意外にも眺めが良い。越美国境から不動山方面。
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山頂は意外にも眺めが良い。越美国境から不動山方面。
左から不動山,千回沢山,右手奥に能郷白山。白山は残念ながらかすんで良く見えなかった。
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左から不動山,千回沢山,右手奥に能郷白山。白山は残念ながらかすんで良く見えなかった。
能郷白山アップ。残雪もすっかりなくなったようだ。
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能郷白山アップ。残雪もすっかりなくなったようだ。
越美国境の大河内山,夏小屋丸,笹ヶ峰(たぶん)。
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越美国境の大河内山,夏小屋丸,笹ヶ峰(たぶん)。
西には高丸。一昨年の3月に辿った稜線だ。
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西には高丸。一昨年の3月に辿った稜線だ。
涼しい風が吹き渡り,気持ちの良い山頂。目を閉じると,野鳥のさえずりが四囲の谷間から湧き上がるように響いてくる。カッコウ,ツツドリ,ホトトギス,ジュウイチと,カッコウ科の主だった鳥の声を一度に全部聞くことができた。豪華!
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涼しい風が吹き渡り,気持ちの良い山頂。目を閉じると,野鳥のさえずりが四囲の谷間から湧き上がるように響いてくる。カッコウ,ツツドリ,ホトトギス,ジュウイチと,カッコウ科の主だった鳥の声を一度に全部聞くことができた。豪華!
さて,下山のお時間です。ここからが結構大変だった。背丈を越える笹薮が断続的に現れ,特に急な下りでは尾根を外さないようにするだけでも一苦労。
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さて,下山のお時間です。ここからが結構大変だった。背丈を越える笹薮が断続的に現れ,特に急な下りでは尾根を外さないようにするだけでも一苦労。
ときどきブナの森が復活して,その下だけ藪が薄くなる。やっぱりブナさまさまだわー。皆伐前は,烏帽子山の全山が,こんなブナの森に覆われていたんだろうなぁ。
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ときどきブナの森が復活して,その下だけ藪が薄くなる。やっぱりブナさまさまだわー。皆伐前は,烏帽子山の全山が,こんなブナの森に覆われていたんだろうなぁ。
ブナが途切れて伐採地に入ると,このありさま。この繰り返し。
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ブナが途切れて伐採地に入ると,このありさま。この繰り返し。
やっと廃林道に出た。
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やっと廃林道に出た。
椀戸谷に降り立つ。藪漕ぎで乾いた喉に冷たい水が嬉しい。
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椀戸谷に降り立つ。藪漕ぎで乾いた喉に冷たい水が嬉しい。
椀戸谷の林道に戻ってきました。
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椀戸谷の林道に戻ってきました。
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